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もちだ すしの

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「さくらちゃんじゃあね~!」

夢ちゃんと星くんは手を振りながら隣の教室に入って行った。席に座ると光生が俺の肩をトントンと叩いてきて心臓がドキッと大きく動く。

「あれからお尻痛くなったりしてない?」

「っ!!!ちょっと!!」

ここは教室なのに平気でそんなことを言う光生の口を押さえればおかしそうに笑っていてわざと言ってきたことに気づく。

「もう!トイレ行ってくる!」

「ふふっ、トイレ行くんだ?」

「ちょっ!!だからそれは秘密って言ったじゃん!」

「まだ何も言ってないんだけど。もしかしてあの日のこと思い出しちゃったの?」

いじわるばかり言ってくる光生を無視してトイレに行き深いため息をつく。

「はぁ~~、光生にはバレバレだ、、」

光生とひとつになったこともおもらしをしたことも全部気持ちよくて泊まった日のことをずっと考えてしまう。いつもより甘くてかっこよかった光生は言ってくれる言葉も優しかったしあれから正直意識しまくりだ。

「俺ってこんなに変態だったっけ……」

冷静になった今、お尻まで丸見えな格好をして気持ちいいなんてよがりまくっていたことに恥ずかしくなってくる。それなのに頭の中はあれからずっとえっちなことばかりで今までの俺からすると絶対にありえない。もういっそのこと全部光生のせいにしてしまいたいくらいだ。

「あっ!さくらちゃんまた会ったね!」

「わっ、びっくりした!星くんか!」

グルグルと同じことを考えていると急に現れた星くんは驚く俺に笑いながら隣に来る。

「何?考え事?」

ニコッと笑う星くんに相談してしまいたいくらいだけど絶対に引かれる気がする。

「うーん、、まぁそんな大したことじゃないんだけど、、」

人生で1番悩んでいると言っても過言ではないのになんとなく言いだせなくて嘘をついてしまう。

「そうなの?なんかさくらちゃんっていつも一生懸命だよね!」

「えー、そうかな?」

光生のことでいっぱいいっぱいだからなのか星くんの優しさが心に染みる。

「さくらちゃんのかわいいね。」

「え?なにが?」

なんのことを言っているのかわからず星くんの方を向けば俺のものを見て目で合図を送ってくる。

「ちょっと!!なんで見るの!?」

「えー、何その反応!めっちゃかわいい!」
 
光生もだけど何で俺のものを見てかわいいなんて言うんだ。もしかして小さいことをバカにされているのだろうか。

「なんかいつもの星くんじゃない!」

慌ててズボンを履けばそれにすら笑ってきてこれは絶対にからかわれている気がする。

「さくらちゃんって性欲とかあるの?」

だからさっきから何てことを言ってくるんだ。
ていうか星くんってこんなこと話す人だったっけ?

「あ、あるよ!人並みくらいにはあるから!」

むしろ人よりある気がして悩んでますとも言えず誤魔化せば星くんは楽しそうに笑う。

「あははっ、そんな大きい声で言わなくても!」

「だって……星くんが変なこと言うから…」

「そりゃ、俺だって男だしえろいことくらい考えるよ!」

それはわかるけど俺の性欲事情を知ったところでどうなるんだ。

「星くんはもっと硬派だと思ってた……」

「あははっ!俺はさくらちゃんが思ってるよりきっと普通の男子高校生だから!頭の中えろいことばっかり!」

「そんな爽やかな笑顔で言わないでよ!星くんのイメージがどんどん崩れてく!」

「だって本当の事だし!今だってさくらちゃんのもう1回見たいなーって思ってるから!」

「ぇえ!?何で俺のが見たくなるの!?」

やっぱりいつもの星くんじゃない。普段ならこんなこと絶対に言わないしどうすればいいのかわからない。

「じゃあ俺の見る?丁度トイレ終わったし。」

「え?」

突然の事についその言葉通り無意識に星くんのものに目が行くと少しだけ見えてしまい咄嗟に顔を隠す。

「わっ!ちょっとっ!!」

「あははっ!冗談だったのに本当に見るとは思ってなかった!」

「お、俺だって見るつもりなかったよっ!!」

普段とは違う星くんのペースにのまれ何も考えずについ見てしまっただけだ。

「てか、さくらちゃん照れてる?」

「だ、だって星くんのもおっきいし大体友達のなんか見たら普通恥ずかしくなるでしょ!」

もう頭がパニック状態で自分でも何を言っているのかわからなくなっていれば丁度チャイムが鳴る。

「っ!チャイム鳴った!星くんまたねっ!!」

この状況から早く抜け出したくてチャイムを言い訳に星くんに手を振った。なぜかわからないけど突然光生に会いたくなってくる。いつもみたいにあの優しく微笑んでくれる光生の顔を早く見たい。

「星くんのも、おっきいか、、」

逃げるようにその場を去ろうとした時に星くんは何か言っていたけどそんなこと聞き返す余裕なんてなく俺は走って教室に戻った。
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