111 / 240
111
しおりを挟む「さくらちゃんじゃあね~!」
夢ちゃんと星くんは手を振りながら隣の教室に入って行った。席に座ると光生が俺の肩をトントンと叩いてきて心臓がドキッと大きく動く。
「あれからお尻痛くなったりしてない?」
「っ!!!ちょっと!!」
ここは教室なのに平気でそんなことを言う光生の口を押さえればおかしそうに笑っていてわざと言ってきたことに気づく。
「もう!トイレ行ってくる!」
「ふふっ、トイレ行くんだ?」
「ちょっ!!だからそれは秘密って言ったじゃん!」
「まだ何も言ってないんだけど。もしかしてあの日のこと思い出しちゃったの?」
いじわるばかり言ってくる光生を無視してトイレに行き深いため息をつく。
「はぁ~~、光生にはバレバレだ、、」
光生とひとつになったこともおもらしをしたことも全部気持ちよくて泊まった日のことをずっと考えてしまう。いつもより甘くてかっこよかった光生は言ってくれる言葉も優しかったしあれから正直意識しまくりだ。
「俺ってこんなに変態だったっけ……」
冷静になった今、お尻まで丸見えな格好をして気持ちいいなんてよがりまくっていたことに恥ずかしくなってくる。それなのに頭の中はあれからずっとえっちなことばかりで今までの俺からすると絶対にありえない。もういっそのこと全部光生のせいにしてしまいたいくらいだ。
「あっ!さくらちゃんまた会ったね!」
「わっ、びっくりした!星くんか!」
グルグルと同じことを考えていると急に現れた星くんは驚く俺に笑いながら隣に来る。
「何?考え事?」
ニコッと笑う星くんに相談してしまいたいくらいだけど絶対に引かれる気がする。
「うーん、、まぁそんな大したことじゃないんだけど、、」
人生で1番悩んでいると言っても過言ではないのになんとなく言いだせなくて嘘をついてしまう。
「そうなの?なんかさくらちゃんっていつも一生懸命だよね!」
「えー、そうかな?」
光生のことでいっぱいいっぱいだからなのか星くんの優しさが心に染みる。
「さくらちゃんのかわいいね。」
「え?なにが?」
なんのことを言っているのかわからず星くんの方を向けば俺のものを見て目で合図を送ってくる。
「ちょっと!!なんで見るの!?」
「えー、何その反応!めっちゃかわいい!」
光生もだけど何で俺のものを見てかわいいなんて言うんだ。もしかして小さいことをバカにされているのだろうか。
「なんかいつもの星くんじゃない!」
慌ててズボンを履けばそれにすら笑ってきてこれは絶対にからかわれている気がする。
「さくらちゃんって性欲とかあるの?」
だからさっきから何てことを言ってくるんだ。
ていうか星くんってこんなこと話す人だったっけ?
「あ、あるよ!人並みくらいにはあるから!」
むしろ人よりある気がして悩んでますとも言えず誤魔化せば星くんは楽しそうに笑う。
「あははっ、そんな大きい声で言わなくても!」
「だって……星くんが変なこと言うから…」
「そりゃ、俺だって男だしえろいことくらい考えるよ!」
それはわかるけど俺の性欲事情を知ったところでどうなるんだ。
「星くんはもっと硬派だと思ってた……」
「あははっ!俺はさくらちゃんが思ってるよりきっと普通の男子高校生だから!頭の中えろいことばっかり!」
「そんな爽やかな笑顔で言わないでよ!星くんのイメージがどんどん崩れてく!」
「だって本当の事だし!今だってさくらちゃんのもう1回見たいなーって思ってるから!」
「ぇえ!?何で俺のが見たくなるの!?」
やっぱりいつもの星くんじゃない。普段ならこんなこと絶対に言わないしどうすればいいのかわからない。
「じゃあ俺の見る?丁度トイレ終わったし。」
「え?」
突然の事についその言葉通り無意識に星くんのものに目が行くと少しだけ見えてしまい咄嗟に顔を隠す。
「わっ!ちょっとっ!!」
「あははっ!冗談だったのに本当に見るとは思ってなかった!」
「お、俺だって見るつもりなかったよっ!!」
普段とは違う星くんのペースにのまれ何も考えずについ見てしまっただけだ。
「てか、さくらちゃん照れてる?」
「だ、だって星くんのもおっきいし大体友達のなんか見たら普通恥ずかしくなるでしょ!」
もう頭がパニック状態で自分でも何を言っているのかわからなくなっていれば丁度チャイムが鳴る。
「っ!チャイム鳴った!星くんまたねっ!!」
この状況から早く抜け出したくてチャイムを言い訳に星くんに手を振った。なぜかわからないけど突然光生に会いたくなってくる。いつもみたいにあの優しく微笑んでくれる光生の顔を早く見たい。
「星くんのも、おっきいか、、」
逃げるようにその場を去ろうとした時に星くんは何か言っていたけどそんなこと聞き返す余裕なんてなく俺は走って教室に戻った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる