心中雪-my heart is always in the snow-

みほこ

文字の大きさ
36 / 87
中学生

またか・・・呼び出し

しおりを挟む
学校帰りに、熱心に先輩が部活勧誘をしていて
たまたま公園に寄って帰ろうとしたら、先輩に声をかけられた

「ねぇ!部活決まった?部活決めてないならバスケ部に入らない??」



その先輩は小学生時代から顔見知りのK先輩

「部活は決まってませんが・・・バスケ部は・・・」

バスケ部は嫌な思い出がある

小学生のバスケ部仮入部の時を思い出す
のちにC子は謝罪してくれ、和解していたが、A子とB子は仮入部の時以来話していない

A子もB子もバスケ部に入部したのは知っていた
A子は2つ上の姉がおり、その姉がバスケ部のキャプテンだった
お姉ちゃんっ子だったA子は入学式の翌日には入部届を出していた

A子と一緒は嫌だな・・・

そう思い、声をかけてくれた先輩に

「せっかく声をかけてもらったけど、バスケ部は入部しません」

と、言った

「そっか~。まぁ気が変わったらおいでよ!」

と、サバサバした先輩だったのでしつこく勧誘もなく、その場は終わった

「部活どうしようかな~」なんて考えながら翌日教室に向かった
席につくと

「今日、席替えするんだって!」

と、Mくんが話しかけてきた

入学後、Mくんは相変わらず人気で先輩からも

「Mカッコイイ・・・」

と、わざわざ1年のクラスにMくんを見に来るぐらいだった

Mくんとは相変わらず名前呼びの関係

一番仲が良い女子は私だったし、苗字ではなく、名前で呼ばれてる女子も私だけだった

相変わらず、Y子のようにMくんが好きな女子からは度々呼び出された
なかには3年の先輩もいた

「ちょっといい?あんたに話あるんだけど?」

いきなり3年の女子の先輩3人に放課後呼び出された

場所はベタな体育館裏

何かそういう【呼び出しの場所なら、体育館裏へ!】みたいな定義でもあるの?w

先輩3人に囲まれ、聞かれる内容はわかっていた

「あんた、Mと仲良いけど、つきあってんの?」

はい、きたー!思ってた通りの質問!

思わず私は笑ってしまった
案の定、火に油を注いだけど・・・

「いえ、つきあってませんよ?だって私とっくの前にフラれてますから」

正直に話した
だって、事実だから

すると

「はぁ?フラれたのに、仲良くしてんの?だせぇ!今からMに『あんたの事嫌いだから話しかけないで』って言ってこい。そしたら、許してやるよ」

と・・・

・・?・・・・!?許すって何!????

訳もわからず、めんどくさいなと思ったその時に

「あれー?みほこじゃん!久しぶり!!!」

と声をかけてくれた人がいた

昔、隣の家に住んでいた、みほこを傘で殴った幼馴染のお兄ちゃん(Tちゃん)だった

幼馴染は暴力的で嫌いだったけど、Tちゃんは好きだった
自転車の乗り方を教えてくれたり、まだ小学生に上がる前に一緒に庭でプール遊びをしたり

ただ、引っ越してからはあまり関りがなかった
学校は同じだったけど、3つ年上だったTちゃんとは同じ学校に通っていたのも3年間だったから

この時が本当に久しぶりだった

「Tちゃん!久しぶり!!!」

久しぶりに会えたこと、話せたことが嬉しかったので、怖い3年の先輩に呼び出されていたことを一瞬忘れ、Tちゃんのほうへ向かった
「大きくなったな~!うちの弟とは相変わらず話さないのか?」

と、Tちゃんに聞かれたので

「同じクラスにならないし、知らない。そういえば何年も話してないかも」

まさか実の兄であるTちゃんに「嫌いだから話さない!」なんて言えるわけもなく、適当にごまかした

「そっか。まぁ兄である俺に免じて仲良くしてやってくれよ?」

そういうと、さっきまで怖い顔していた3年女子が

「T先輩!こんにちは!!!」

と、般若の顔から一瞬でチワワのような顔に変わり、上目遣いにTちゃんを見た

「ん?あぁ~お前らか。え?なんでみほこと一緒にいるの?接点あったっけ?」

Tちゃんにそんな事を言われ、3年女子組は

「友達になったんです!今日!ねー?みほこちゃん!」

と、態度を明らかに変えてきた

は???友達???さっきまでの勢いどこにいった????

何も答えず、ただ目が点になっていたと思う私をTちゃんが見て

「みほこに何かしたら、俺、許さないよ?きっと俺の周りも動くよ?」

と、一言いった

その時は意味なんてわからなかったけど、その一言で3年女子が黙った
そして翌日から、なぜか3年女子に付きまとわれるようになった

イジメとかではなく、ただの先輩後輩として仲良くしてほしいと3年女子に頼まれた

仲良くなってから聞いた話によれば

「T先輩は、憧れの先輩だった。見た目も中身も全てが好き」
ただ、T先輩はタバコも喧嘩も当時の言葉でいうなら不良だった
「そんな先輩に対して『Tちゃん』なんて呼べるみほこがすごいと思った」
「T先輩のこともそうだけど、Mの事もフラれたのに仲良しでいられるなんて本当は羨ましかった」
「だから、みほこと仲良くしたいと思った」

だそうだ

利己的というか、保身的というか・・・

とにかく入学したての頃の、3年女子による呼び出しは思いがけない形で終わった
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...