心中雪-my heart is always in the snow-

みほこ

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中学生

反抗期

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結局部活はバスケ部に入部した

先輩の勧誘と、やっぱりバスケがしたいという気持ちがあったから

バスケ部にはやっぱりA子、B子、C子がいたけど、まぁいっかと思った

Tちゃんの噂を耳にした

「無免でバイク乗って、高校停学になったんだって」
「また夜、他校とケンカしていたらしい」

それを聞いて

「カッコイイ」という人や、「怖い」という人様々だった

私はどちらでもなく、「うらやましい」と思っていた

くそ真面目に母の言いなりになっていた私は反抗したことがない

「昨日、また親とケンカしちゃった」

なんていう同級生の会話ですら、うらやましく思っていた

親とケンカ?会話になるだけマシじゃん・・・

と、思っていたから

ある日、部活の帰りにたまたまTちゃんと会った

「みほこー。おーい」

呼んでいる声はするが、どこにいるかわからない

まさかバイクに乗って手を振ってる人だと思わなかった

「え?Tちゃん?どうしたの?」

「家にいても、暇だし集会に行くところ」

そう言った

「集会?」

きょとんとする私にTちゃんは

「みほこも来るか?」

そう言って、バイクの後ろに乗るようにと手で指示した

バイクに乗るのは初めての私

Tちゃんの腰に手をまわし、落とされないように必死にしがみついた

自転車の2人乗りもまだ未体験だったのに、まさかバイクの2人乗りのほうを先に経験するとは思ってもみなかった

Tちゃんが連れてきてくれたのは広い公園の駐車場

夜だったので、街頭があったが十分暗かった

バイクに乗った人が次々来ては

「T~、お前停学じゃないのかよ?」
「T今度はあれしようぜ」
「お前、中坊なんか連れてきて、誰こいつ」

と、いろんな人にジロジロ見られたがTちゃんは

「こいつは俺の妹!お前ら手出したらぶっ殺す!」

と、守ってくれた

何を話しているのか、全然わからなかったけど
初めてのバイクに興奮が止まらなかった

店まで送ってもらって、父に挨拶するTちゃん
父とTちゃんは顔見知り
Tちゃんのお父さんは父にとっては大事なお客様であり、隣人さんだった

Tちゃんの弟が私と同い年だから、お隣さんだったときは子供同士がお互いの家を行き来するような間柄だったので、当然Tちゃんの事も知っていた

「じゃあな、みほこ」

バイクにまたがって帰っていくTちゃんの後ろ姿はとってもかっこよかった

父が

「Tくん・・・あんなになって・・・親がかわいそうだな」

と言っていたが意味がわからなかった

親がかわいそう?
私は自分の親を恨んでるよ
子供は親を選べないってホントだよね・・・
選べるなら、あんな母から産まれたくなかった

この頃から、だんだん反発心が生まれていた

そして

部活を休み、学校帰りはTちゃんのバイクに乗り、夜中遊び歩くようになった

最初は私だけだったが、Tちゃんがバイクで校門まで迎えに来てくれる事を知った同級生が

「私も一緒にバイクに乗りたい。T先輩に伝えてくれない?」

と、言ってきたので

「Tちゃん、友達を連れていきたいから、他にバイク乗れる人連れてきて」

次の日から、Tちゃんの友達が2人バイクに乗って校門前にいた

私の同級生は

「みほこちゃんのおかげだよ、ありがとう。友達になろう?みほこって呼んでいい?」

と、言って、それから毎日集会に一緒に行くようになった(I子とT子)

I子とT子は、制服だと目立つからと着替えを持ってきていた

私はろくな着替えがないとTちゃんに言うと

「俺の服貸してやるよ」

と言って、Tちゃんの服を着ていた

そんな日々が続いていたが、父にはバレないようにしてるつもりだった

だが、子供の浅知恵なんて親は簡単に見抜く

部活が終わっても帰らないので、父が学校に電話をしたらしい

学校にいない事がわかると、車で私を探し回ったようだ

そんな事も知らずに、いつものように店に帰ると父に思いっきりビンタされた

「バイクに乗って、もし事故にあったらどうするんだ!?」
「怪我だけじゃすまない、死ぬかもしれないんだぞ!?」
「お前はまだ中学生なんだから、頼むから心配かけさせないでくれ!」

そういいながら、父の目には涙が浮かんでいた
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