16 / 59
1章
15 旅の終わり
しおりを挟む
3日目は建物や施設巡り。
今日のアレクの服はややラフな印象がある。昨日や一昨日は初めのうちなので様子見にかっちりした印象の服を選んだのだろうか。
「昨日ハナに訊かれたこと、店の本で調べてきました。やはりこの街の建物の建材は石灰岩が多いですね」
「ええ!調べてくれたんですか!お手数かけてすみません!」
「いや、俺も答えられなくて気になったので」
この街は白っぽいクリーム色の石造りの家が多い。パリの街とかこんな色だった気がする。それで、同じ石だろうかと興味を持ち訊いたのだった。
昨日私はアレクが案内してくれるという観光地『ライムストーン・ケイヴ(limestone cave)』が何を指す分からなくて、さんざんやり取りした結果、『鍾乳洞』と分かった。普通日本人は学校で習わないよね!
ケイヴは洞窟、そしてライムストーンは柑橘類のライムとは無関係で石灰岩のことだそうだ。
それでふと、以前資料で読んだことが気になりアレクに尋ねたのだ。
アレクは近くの建物の白っぽい石材を指の背で軽く叩いて説明する。
「昨日行った鍾乳洞のように、この辺りは石灰岩の地層があります。家を作る建材は他所から運んでくると高いのでその土地を掘って出てきた石で作ることが多くて、この街は石灰岩の家が多い訳です。
近隣の街もこんな石材を使った家が多いのですが、列車で半日行った先の大きな街はもう少し灰色っぽい砂岩の家になります。
でもこの街でも、教会や市庁舎などには他所から運んだ高価な石を使っていますし、予算や建てた年代などの理由で木や煉瓦の家も混在しています」
流石アレクは説明が上手い。分かりやすい。思わず拍手。
私の世界のヨーロッパも似ている。
貝等が堆積してできた石灰岩や、それが変成した大理石や、白亜期を特徴付ける白亜(チョーク。石灰岩と近い成分)などの地層がある。
だから、イタリアの古い建物に大理石建築が多くて、パリが石灰岩の石造り建築だったりする。
建材に向いた石がないと、森林の豊富なドイツでは童話の家のような木組みのハーフティンバーが建てられたり、ロンドンは粘土層だから煉瓦造りだったり。
一方、例えば英国でも土地によっては石灰岩やハーフティンバーの家もある。建材は国境で分かれる訳ではなく土地土地で地産地消がベースになるためだ。
そこに時代や予算や社会情勢も入ってくるから、読み解くのが難しい時もあるし、そこがまた面白いのだ。
アレクは続ける。
「石灰岩は保水性が悪いので土壌が発達しにくく森林ができにくいです。北の丘は地下に鍾乳洞があってあまり高い木がありませんが、南の湖の辺りは林が広がっていて、茸やベリーなどがよく採れます。
資料は見つかりませんでしたが、多分南は土壌の質が少し違いますね。地層のずれがあるかもしれません」
私の一言から、そこまで視野を広げて思考を巡らせたのか。しかもごく自然体にガイドに生かして説明してくれて。本当に聡明な人だ。
石灰岩の浸食でできたカルスト地形というと、私は日本の秋吉台をまず思い出す。草原に白い岩がぽつぽつあって、高い木が少なくて、地下に鍾乳洞の秋芳洞がある。あんな感じだ。
ちなみに古くから観光に開放された有名な鍾乳洞があるスロベニアのクラス地方は、ドイツ名カルスト地方で、カルスト地形の語源である。
とりあえずこの辺りが石灰岩ということは、恐らく水は硬水なんだろうな。石灰岩が溶けてカルシウムなどが豊富な筈だ。
私は比較的硬水には強い方だから数日なら飲んでも大丈夫かな。ミネラルウォーター買える世界じゃないから選択肢ないし。生水は避けられても、硬水は沸かしても硬水のままだ。
しばらく歩くと、公衆浴場があって驚いた。いや、私の世界の19世紀ヨーロッパも国によってあったけど。
共用のシャワールームみたいな個室タイプでシャワーでなく浴槽があるものが主だけど、水着で入るスパのプールみたいのもあるそうだ。時間的余裕があったら入りたかった……。
薬局はウインドウの鮮やかな赤紫色の怪しい液体の入った大きなフラスコ瓶が目を引いた。
……あれは多分客寄せだよね?飲み薬があんな色だったりしないよね?
アレクに聞いたら、やはりそうだった。
字が読めない人にも、化学を扱ってる店だと分かりやすい看板になるからだそうだ。
そういえば中世頃が舞台の映画でもレストランはナイフとフォーク、鍛冶屋は剣と金槌の看板を下げて文字に代えてたっけ。その薬局版か。3Dでカラフルな薬品の方が目を引いてよさそう。
庶民はそうそう医者にかかれないので、こうした薬局にある化学的な薬やハーブを利用した民間薬をまず利用することが多いそうだ。
アレクに、あまり観光らしくない案内だけどいいのか、と訊かれたが私には面白い。
アレクにとっては見慣れた普通の建物も、私にとっては歴史建造物だ。しかも現在使用中の。市庁舎、教会などは柱の彫刻やステンドグラスが立派だし、街外れの民家は木戸一つとっても素朴な魅力がある。
昔の建物を残した街は現代にもある。しかしその『器』に出入りする人や、それに伴う社会背景や文化が大きく違う。
建物と人の時間の流れ方の違いに思いを馳せる。そしてこの街の下には、何百万年も前から地下水で造られた鍾乳洞があり、その石灰岩の地層ができたのは恐らく億年単位で昔だ。その一部は切り出され地上で家になっている。
土地と時間と人の交錯が、たまらなく魅力的に目の前で輝いていた。
◇◆◇◆◇◆
4日目は、列車に乗り3駅隣の温泉地へ日帰りした。
私が前日に公衆浴場に興味を引かれたからだけでなく、この辺りで一番人気の保養地だそうだ。
この辺では温泉は以前は健康療法的な扱いだったけど、最近はプールやスパみたいのも人気とか。
日帰り客も入れるとのことで、個室タイプのに入ることになった。結構たっぷりお湯が出て快適。
ホテルでは部屋で体を拭くか一階の共用のバスルームだった。交代で一人づつ鍵かけて入って盥で洗う方式。着替えて自分の部屋に戻る時コルセットを省略したのは内緒だ。
アレクも折角だからと男風呂に入った。前にも入ったことがあるけれど、私が熱く語る風呂の素晴らしさを聞いてから入ったら、何だかもっと効いた気がすると笑った。
この温泉は日本に多い火山性でなくて、非火山性の深層地下水型というものだった。火山のマグマだまりの熱ではなく、地下のプレートの熱で温められたお湯。温泉大国のハンガリーがこのタイプじゃなかったっけ。
石灰岩の土地柄なのでカルシウムやマグネシウムが豊富ですべすべする感じの肌触り。飲泉できるというので飲んでみたら少し硫黄の匂いがした。
地面の下のプレートや地下水は、広い世界と長い時間を駆け巡って、今この瞬間の私と出会ってあるんだなぁ。しみじみ思いを馳せる。
ここは観光地らしい華やかさのある街で、アレクと一緒に散策するのも楽しかった。
そうした洒落た観光コースも歩きつつも、この温泉の歴史とか、最近旅行物の本が流行していてこの保養地を題材にしたものもあるとか、話題が歴史オタクや本の傾向のような固くてマニアックな話になってしまう。
どうにも私とアレクが揃うとこういう方向性だね、もうしょうがないと、これまた二人で笑った。
列車で元の街に戻る時は二人とも無言だった。
でも居心地悪いものではない。
温泉に浸かったのでぼうっとした疲れがあって、ここ数日ですっかり打ち解けた相手とゆったり過ごす時間は、うとうとした眠りを誘うような柔らかさがあった。
車窓の外は夕暮れに染まっていた。赤い空は上へ向かって薄い青で、次第にそれが紺青へと色を深めていく。
その美しい光景を、二人で黙って眺めていた。
◇◆◇◆◇◆
ホテルへ送ってもらい、私は自分の部屋の椅子に座り息を吐く。
首を巡らせ眺めた窓の外はもう真っ暗だった。街に灯りは少なく、欠けた月の光を家々が わずかに青白く反射している。
充実していてあっという間の4泊5日だった。
明日は少し街中を歩いてから研究所へ向かい元の世界へ帰る予定だ。
そして二度とこの世界へ来ることはない。
今まで行った海外の国も今の所二度訪問したことはないが、行こうと思えばまた行ける。
けれどこの世界へは恐らく二度と来れない。アレクとも二度と会うことはないだろう。
……一生忘れられないだろう。
後ろ髪引かれる想いでベッドに入った後も、この数日の鮮烈な記憶が次々過り続け頭を離れず、シーツを頭から被り潜り込んだ。
だからその後、街の東で炎と煙が上がり、夜空を赤く焦がしていたことを私は知らなかった。
今日のアレクの服はややラフな印象がある。昨日や一昨日は初めのうちなので様子見にかっちりした印象の服を選んだのだろうか。
「昨日ハナに訊かれたこと、店の本で調べてきました。やはりこの街の建物の建材は石灰岩が多いですね」
「ええ!調べてくれたんですか!お手数かけてすみません!」
「いや、俺も答えられなくて気になったので」
この街は白っぽいクリーム色の石造りの家が多い。パリの街とかこんな色だった気がする。それで、同じ石だろうかと興味を持ち訊いたのだった。
昨日私はアレクが案内してくれるという観光地『ライムストーン・ケイヴ(limestone cave)』が何を指す分からなくて、さんざんやり取りした結果、『鍾乳洞』と分かった。普通日本人は学校で習わないよね!
ケイヴは洞窟、そしてライムストーンは柑橘類のライムとは無関係で石灰岩のことだそうだ。
それでふと、以前資料で読んだことが気になりアレクに尋ねたのだ。
アレクは近くの建物の白っぽい石材を指の背で軽く叩いて説明する。
「昨日行った鍾乳洞のように、この辺りは石灰岩の地層があります。家を作る建材は他所から運んでくると高いのでその土地を掘って出てきた石で作ることが多くて、この街は石灰岩の家が多い訳です。
近隣の街もこんな石材を使った家が多いのですが、列車で半日行った先の大きな街はもう少し灰色っぽい砂岩の家になります。
でもこの街でも、教会や市庁舎などには他所から運んだ高価な石を使っていますし、予算や建てた年代などの理由で木や煉瓦の家も混在しています」
流石アレクは説明が上手い。分かりやすい。思わず拍手。
私の世界のヨーロッパも似ている。
貝等が堆積してできた石灰岩や、それが変成した大理石や、白亜期を特徴付ける白亜(チョーク。石灰岩と近い成分)などの地層がある。
だから、イタリアの古い建物に大理石建築が多くて、パリが石灰岩の石造り建築だったりする。
建材に向いた石がないと、森林の豊富なドイツでは童話の家のような木組みのハーフティンバーが建てられたり、ロンドンは粘土層だから煉瓦造りだったり。
一方、例えば英国でも土地によっては石灰岩やハーフティンバーの家もある。建材は国境で分かれる訳ではなく土地土地で地産地消がベースになるためだ。
そこに時代や予算や社会情勢も入ってくるから、読み解くのが難しい時もあるし、そこがまた面白いのだ。
アレクは続ける。
「石灰岩は保水性が悪いので土壌が発達しにくく森林ができにくいです。北の丘は地下に鍾乳洞があってあまり高い木がありませんが、南の湖の辺りは林が広がっていて、茸やベリーなどがよく採れます。
資料は見つかりませんでしたが、多分南は土壌の質が少し違いますね。地層のずれがあるかもしれません」
私の一言から、そこまで視野を広げて思考を巡らせたのか。しかもごく自然体にガイドに生かして説明してくれて。本当に聡明な人だ。
石灰岩の浸食でできたカルスト地形というと、私は日本の秋吉台をまず思い出す。草原に白い岩がぽつぽつあって、高い木が少なくて、地下に鍾乳洞の秋芳洞がある。あんな感じだ。
ちなみに古くから観光に開放された有名な鍾乳洞があるスロベニアのクラス地方は、ドイツ名カルスト地方で、カルスト地形の語源である。
とりあえずこの辺りが石灰岩ということは、恐らく水は硬水なんだろうな。石灰岩が溶けてカルシウムなどが豊富な筈だ。
私は比較的硬水には強い方だから数日なら飲んでも大丈夫かな。ミネラルウォーター買える世界じゃないから選択肢ないし。生水は避けられても、硬水は沸かしても硬水のままだ。
しばらく歩くと、公衆浴場があって驚いた。いや、私の世界の19世紀ヨーロッパも国によってあったけど。
共用のシャワールームみたいな個室タイプでシャワーでなく浴槽があるものが主だけど、水着で入るスパのプールみたいのもあるそうだ。時間的余裕があったら入りたかった……。
薬局はウインドウの鮮やかな赤紫色の怪しい液体の入った大きなフラスコ瓶が目を引いた。
……あれは多分客寄せだよね?飲み薬があんな色だったりしないよね?
アレクに聞いたら、やはりそうだった。
字が読めない人にも、化学を扱ってる店だと分かりやすい看板になるからだそうだ。
そういえば中世頃が舞台の映画でもレストランはナイフとフォーク、鍛冶屋は剣と金槌の看板を下げて文字に代えてたっけ。その薬局版か。3Dでカラフルな薬品の方が目を引いてよさそう。
庶民はそうそう医者にかかれないので、こうした薬局にある化学的な薬やハーブを利用した民間薬をまず利用することが多いそうだ。
アレクに、あまり観光らしくない案内だけどいいのか、と訊かれたが私には面白い。
アレクにとっては見慣れた普通の建物も、私にとっては歴史建造物だ。しかも現在使用中の。市庁舎、教会などは柱の彫刻やステンドグラスが立派だし、街外れの民家は木戸一つとっても素朴な魅力がある。
昔の建物を残した街は現代にもある。しかしその『器』に出入りする人や、それに伴う社会背景や文化が大きく違う。
建物と人の時間の流れ方の違いに思いを馳せる。そしてこの街の下には、何百万年も前から地下水で造られた鍾乳洞があり、その石灰岩の地層ができたのは恐らく億年単位で昔だ。その一部は切り出され地上で家になっている。
土地と時間と人の交錯が、たまらなく魅力的に目の前で輝いていた。
◇◆◇◆◇◆
4日目は、列車に乗り3駅隣の温泉地へ日帰りした。
私が前日に公衆浴場に興味を引かれたからだけでなく、この辺りで一番人気の保養地だそうだ。
この辺では温泉は以前は健康療法的な扱いだったけど、最近はプールやスパみたいのも人気とか。
日帰り客も入れるとのことで、個室タイプのに入ることになった。結構たっぷりお湯が出て快適。
ホテルでは部屋で体を拭くか一階の共用のバスルームだった。交代で一人づつ鍵かけて入って盥で洗う方式。着替えて自分の部屋に戻る時コルセットを省略したのは内緒だ。
アレクも折角だからと男風呂に入った。前にも入ったことがあるけれど、私が熱く語る風呂の素晴らしさを聞いてから入ったら、何だかもっと効いた気がすると笑った。
この温泉は日本に多い火山性でなくて、非火山性の深層地下水型というものだった。火山のマグマだまりの熱ではなく、地下のプレートの熱で温められたお湯。温泉大国のハンガリーがこのタイプじゃなかったっけ。
石灰岩の土地柄なのでカルシウムやマグネシウムが豊富ですべすべする感じの肌触り。飲泉できるというので飲んでみたら少し硫黄の匂いがした。
地面の下のプレートや地下水は、広い世界と長い時間を駆け巡って、今この瞬間の私と出会ってあるんだなぁ。しみじみ思いを馳せる。
ここは観光地らしい華やかさのある街で、アレクと一緒に散策するのも楽しかった。
そうした洒落た観光コースも歩きつつも、この温泉の歴史とか、最近旅行物の本が流行していてこの保養地を題材にしたものもあるとか、話題が歴史オタクや本の傾向のような固くてマニアックな話になってしまう。
どうにも私とアレクが揃うとこういう方向性だね、もうしょうがないと、これまた二人で笑った。
列車で元の街に戻る時は二人とも無言だった。
でも居心地悪いものではない。
温泉に浸かったのでぼうっとした疲れがあって、ここ数日ですっかり打ち解けた相手とゆったり過ごす時間は、うとうとした眠りを誘うような柔らかさがあった。
車窓の外は夕暮れに染まっていた。赤い空は上へ向かって薄い青で、次第にそれが紺青へと色を深めていく。
その美しい光景を、二人で黙って眺めていた。
◇◆◇◆◇◆
ホテルへ送ってもらい、私は自分の部屋の椅子に座り息を吐く。
首を巡らせ眺めた窓の外はもう真っ暗だった。街に灯りは少なく、欠けた月の光を家々が わずかに青白く反射している。
充実していてあっという間の4泊5日だった。
明日は少し街中を歩いてから研究所へ向かい元の世界へ帰る予定だ。
そして二度とこの世界へ来ることはない。
今まで行った海外の国も今の所二度訪問したことはないが、行こうと思えばまた行ける。
けれどこの世界へは恐らく二度と来れない。アレクとも二度と会うことはないだろう。
……一生忘れられないだろう。
後ろ髪引かれる想いでベッドに入った後も、この数日の鮮烈な記憶が次々過り続け頭を離れず、シーツを頭から被り潜り込んだ。
だからその後、街の東で炎と煙が上がり、夜空を赤く焦がしていたことを私は知らなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる