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2章
08 取材
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無事オリバーはガイドブック一部買い取りをもぎとってきた。よくやった。初めの弟子B呼びを忘れてあげよう。
私はガイドブック作成担当者に任命された。というかうちの店は店主のアレクと私しかいないのだけれど。
自室の机に向かい、まず、この国にあるガイドブックをいくつかアレクに借りて傾向分析する。
現代日本のガイドブックに比べて、歴史や地理のような基本情報が充実していて、文字情報が多く風景写真などは少ない。そういえば、伝統的な英語圏のガイドブックってそんな感じだとかどこかで読んだ。
現代日本の旅行ガイドや旅ブログはフォトジェニックな写真満載で、基本情報は少な目だったので、カルチャーショックと長大な英文に目を白黒させる、
しかし海外旅行と同じで、自分と違う点が沢山あっても、それは基本的に『違い』であって『上下』ではない。
まずは読者層であるこの国の人達のニーズや文化を知ることだ。何を大切にしてきたのか、どんな背景があったのか……情報を集め、想像力を働かせることで、初めはびっくりしたことも理解できるようになる。目を閉じ、想像を広げていってみる。
ーーネットどころかテレビもない時代、現代よりも旅行は未知の世界への冒険の色彩が強く、不安や困惑や理解しがたいものが沢山あったろう。
そのネガティブなものを、憧れや好奇心などポジティブなものに変えるには、感覚的に惹かれる写真より、理解を深めるための具体的情報がまず求められたのだろうか、と思いを馳せる。
勿論、写真を撮ったり版下に組み込んだりするのが現代より大変、という散文的理由もあるかと思うが。
全ての情報は本に書けない。けれど歴史や地理や気候などその土地の背景となる基本情報が分かると想像で補う足掛かりにもなる。
私自身、この街へ来た時もそうだった。鍾乳洞がある、石灰岩で家を作る、硬水、植生の特色、鉄道が引かれた年代と街の発展、教会の形状ーー。小さな情報が他の大きなことを知る足掛かりになり、マクロな背景がミクロを知る手がかりになる。
こういう繋がりを知るワクワク感が、私が歴史や旅行が大好きな理由の一つでもある。
旅行ガイドは旅行する人しか読まなかった訳ではないだろう。旅行できない人にとって擬似的に想像の中で旅したり、他の土地や文化を知って楽しむ娯楽にもなったのではないか。
ていうか私が、行けもしない(主に金銭的理由で)土地の旅行サイトを涎垂らして見まくっていたから、きっと古今東西そんな人はいた筈!いた筈であれ!
浮かんだイメージが消えないようそっと目を開ける。先人のガイドブックから踏襲したいもの、自分の視点から加えたり変えたりしたいことを思い付くまま書き出し整理していった。
「アレク。美味しそうな食べ物の絵が上手い知り合いいない?」
「は?」
ある日朝食の席で話を振ったら、アレクはスープを掬うスプーンを持ったまま固まった。
「食べ物?」
「食べ物」
アレクは取りあえずスプーンを置いて首をかしげる。
「心当たりはないですが……何故?作って欲しい故郷の料理があるとか?」
そうか。絵を見せてこんな風な料理作ってとアレクに頼むという方法が。
「ううん、ごめん。アレクの手料理は美味しいから、それ以外食べたいものは特にない」
「え、そんな大したものじゃ……」
アレクは視線をさ迷わせる。あれ?照れてる?いやでも、本当に美味しいんだって。
ちょっと可愛い、と思わず思考が横滑りしてしまったので軌道修正する。
「ガイドブックにイラストを入れたいと思って。表紙と地図だけじゃなくて、美味しそうな名物料理の絵を入れたいなって」
「うーん、絵師だったら、前にもうちの出版物の絵を引き受けてくれた人が何人かいます。あと、馴染みの印刷屋が伝を持ってる筈です。でも食べ物の絵の腕は知りません」
「あ、もうご縁ある絵師さんや伝があるんだ。流石。じゃそういう人にお願いするのが一番確かだね」
「旅行ガイドというと文字情報が主体で写真は風景というイメージがありました。食べ物が拘りなんですか?」
「美味しそうな食べ物の絵って惹かれない?あれ?食べ物の絵って変?」
旅行ガイドにはご当地グルメの写真は定番なので当たり前に入れるつもりだった。
そういえば、SNSに食べ物の写真をアップするのはアジア圏の人が多くて、コミュニケーションに食を重視する文化という説を読んだことがある。こちらでは奇をてらいすぎているだろうか。
「いや、こだわりの食のコラムの雑誌連載なんかもあるので、食べ物は興味を引かれる人が多いと思います。俺が旅行ガイドと食べ物をあまり結びつけて考えてなかっただけで。
うん、面白いですね。この街の名物というと、湖で獲れる魚の煮込みでしょうか。ここらは内陸で、魚料理が少ないんです」
「成程。今日にでも取材に行ってくるね。ガイドブックで紹介する美味しいレストランも見繕ってくる」
「本当にハナはフットワークが軽いなぁ」
「それが取り柄ですから」
旅行好きでございますから。
実は企画書を作る時、鍾乳洞とかに開館時間訊いたり掲載の内諾とったりを、ささっと一人でして来たらアレクに仰天された。
単純な内容だし担当者レベルの話のつもりだったけど、店主を差し置いて動いて不味かったろうか、と青ざめて尋ねたら、『最終的な許可を偽った訳じゃないし、そんなことはない。ハナはこの世界にまだ不慣れなのに付いていかなかったので済まなく思う』と謝られた。
いや、普通に成人だし社会人だし。担当者レベルのことまで店主が全部一緒に付き添ってたらパンクしてしまう。
勿論本作りのノウハウはアレクの領分で、更に店主としてチェックが必要な立場だ。
私は担当者として本文に載せる情報の収集や取捨選択、正確さの確認などをして原案を作り、その後アレクに確認と校正をしてもらう手順で、ということで話がついたのだった。
何より、私は言語がネイティブでないので情報伝達はできてもネイティブとして自然な言い回しの文章がすぐ書ける訳じゃない。アレクに校正やアドバイスをしてもらいながら勉強している。
現時点の私の能力では正直、アレクが直接取材して原稿書いた方が早いだろう。……早く成長しよう。
私の武器は、元の世界の旅行者視点ではどんな情報があると嬉しかったかという経験則位。
この世界の旅行者には当てはまらないこともあるけど同じものもある。それを分析したり情報を収集することに集中した。
情報の正確さの確認は本当に大変。嘘になっちゃいけない。
鍾乳洞の歴史は施設のガイドさんの説明と歴史資料で一部ずれがあって、確認にあちこち駆け回った。
いつも旅行するときにガイドブックや旅サイトを参考にしてたけど、作る側のご苦労を垣間見たのだった。
但し、この国や時代の一般的な本作りの流れは専門外なのでよく知らない。時代や国の違いのほか、うちの貸本屋の独自方式も大きいだろう。私の感覚では、この店の場合は自費出版を大きくしたものに近い気がする。
「この湖も3回目かぁ……」
1回目はこちらの世界に来て2日目だった。その時は観光する側、今回は観光に来る人を助けるガイドブックを作る側。立場が真逆になるとは。感慨深く湖面を見つめる。
今は初夏なので、涼しげな水辺はこれから正に観光シーズンだ。湖畔の散策やボートが観光の中心だけど、泳ぐ人もいるらしい。主に地元民。
街中で別の調べものを先に済ませてからこの町外れに来る途中、遠回りしてあちこちの飲食店を覗きながら歩いた。アレクの言う通り湖で獲れた魚の煮込みはあちこちの店の定番にあるようだ。うん、これは紹介決定。絵的には地味だから使う魚の絵を足すといいかな。
やはり現地の住人であるアレクの情報は確かだなぁ。この世界に来て観光客としてアレクに案内してもらった時も、勧められて食べたっけ。美味しかったなぁ……。
他には何を紹介しよう、とあの頃教えてもらった名物料理の記憶を辿る。あの時はこんな風に役立つなんて思ってもみなかった。
あとは……餅は餅屋。やはり飲食店側の意見聞きたいなぁ。
客が満員で繁盛している湖畔のレストランを見上げる。2階は宿になっているようだ。湖ビューの部屋は人気ありそうだ。
話を聞くならお店の人に余裕がある時間帯がいいだろう。
暫く外で時間を潰し、昼食時を大分回り客が殆どいなくなった頃を見計らって店に入った。
私はガイドブック作成担当者に任命された。というかうちの店は店主のアレクと私しかいないのだけれど。
自室の机に向かい、まず、この国にあるガイドブックをいくつかアレクに借りて傾向分析する。
現代日本のガイドブックに比べて、歴史や地理のような基本情報が充実していて、文字情報が多く風景写真などは少ない。そういえば、伝統的な英語圏のガイドブックってそんな感じだとかどこかで読んだ。
現代日本の旅行ガイドや旅ブログはフォトジェニックな写真満載で、基本情報は少な目だったので、カルチャーショックと長大な英文に目を白黒させる、
しかし海外旅行と同じで、自分と違う点が沢山あっても、それは基本的に『違い』であって『上下』ではない。
まずは読者層であるこの国の人達のニーズや文化を知ることだ。何を大切にしてきたのか、どんな背景があったのか……情報を集め、想像力を働かせることで、初めはびっくりしたことも理解できるようになる。目を閉じ、想像を広げていってみる。
ーーネットどころかテレビもない時代、現代よりも旅行は未知の世界への冒険の色彩が強く、不安や困惑や理解しがたいものが沢山あったろう。
そのネガティブなものを、憧れや好奇心などポジティブなものに変えるには、感覚的に惹かれる写真より、理解を深めるための具体的情報がまず求められたのだろうか、と思いを馳せる。
勿論、写真を撮ったり版下に組み込んだりするのが現代より大変、という散文的理由もあるかと思うが。
全ての情報は本に書けない。けれど歴史や地理や気候などその土地の背景となる基本情報が分かると想像で補う足掛かりにもなる。
私自身、この街へ来た時もそうだった。鍾乳洞がある、石灰岩で家を作る、硬水、植生の特色、鉄道が引かれた年代と街の発展、教会の形状ーー。小さな情報が他の大きなことを知る足掛かりになり、マクロな背景がミクロを知る手がかりになる。
こういう繋がりを知るワクワク感が、私が歴史や旅行が大好きな理由の一つでもある。
旅行ガイドは旅行する人しか読まなかった訳ではないだろう。旅行できない人にとって擬似的に想像の中で旅したり、他の土地や文化を知って楽しむ娯楽にもなったのではないか。
ていうか私が、行けもしない(主に金銭的理由で)土地の旅行サイトを涎垂らして見まくっていたから、きっと古今東西そんな人はいた筈!いた筈であれ!
浮かんだイメージが消えないようそっと目を開ける。先人のガイドブックから踏襲したいもの、自分の視点から加えたり変えたりしたいことを思い付くまま書き出し整理していった。
「アレク。美味しそうな食べ物の絵が上手い知り合いいない?」
「は?」
ある日朝食の席で話を振ったら、アレクはスープを掬うスプーンを持ったまま固まった。
「食べ物?」
「食べ物」
アレクは取りあえずスプーンを置いて首をかしげる。
「心当たりはないですが……何故?作って欲しい故郷の料理があるとか?」
そうか。絵を見せてこんな風な料理作ってとアレクに頼むという方法が。
「ううん、ごめん。アレクの手料理は美味しいから、それ以外食べたいものは特にない」
「え、そんな大したものじゃ……」
アレクは視線をさ迷わせる。あれ?照れてる?いやでも、本当に美味しいんだって。
ちょっと可愛い、と思わず思考が横滑りしてしまったので軌道修正する。
「ガイドブックにイラストを入れたいと思って。表紙と地図だけじゃなくて、美味しそうな名物料理の絵を入れたいなって」
「うーん、絵師だったら、前にもうちの出版物の絵を引き受けてくれた人が何人かいます。あと、馴染みの印刷屋が伝を持ってる筈です。でも食べ物の絵の腕は知りません」
「あ、もうご縁ある絵師さんや伝があるんだ。流石。じゃそういう人にお願いするのが一番確かだね」
「旅行ガイドというと文字情報が主体で写真は風景というイメージがありました。食べ物が拘りなんですか?」
「美味しそうな食べ物の絵って惹かれない?あれ?食べ物の絵って変?」
旅行ガイドにはご当地グルメの写真は定番なので当たり前に入れるつもりだった。
そういえば、SNSに食べ物の写真をアップするのはアジア圏の人が多くて、コミュニケーションに食を重視する文化という説を読んだことがある。こちらでは奇をてらいすぎているだろうか。
「いや、こだわりの食のコラムの雑誌連載なんかもあるので、食べ物は興味を引かれる人が多いと思います。俺が旅行ガイドと食べ物をあまり結びつけて考えてなかっただけで。
うん、面白いですね。この街の名物というと、湖で獲れる魚の煮込みでしょうか。ここらは内陸で、魚料理が少ないんです」
「成程。今日にでも取材に行ってくるね。ガイドブックで紹介する美味しいレストランも見繕ってくる」
「本当にハナはフットワークが軽いなぁ」
「それが取り柄ですから」
旅行好きでございますから。
実は企画書を作る時、鍾乳洞とかに開館時間訊いたり掲載の内諾とったりを、ささっと一人でして来たらアレクに仰天された。
単純な内容だし担当者レベルの話のつもりだったけど、店主を差し置いて動いて不味かったろうか、と青ざめて尋ねたら、『最終的な許可を偽った訳じゃないし、そんなことはない。ハナはこの世界にまだ不慣れなのに付いていかなかったので済まなく思う』と謝られた。
いや、普通に成人だし社会人だし。担当者レベルのことまで店主が全部一緒に付き添ってたらパンクしてしまう。
勿論本作りのノウハウはアレクの領分で、更に店主としてチェックが必要な立場だ。
私は担当者として本文に載せる情報の収集や取捨選択、正確さの確認などをして原案を作り、その後アレクに確認と校正をしてもらう手順で、ということで話がついたのだった。
何より、私は言語がネイティブでないので情報伝達はできてもネイティブとして自然な言い回しの文章がすぐ書ける訳じゃない。アレクに校正やアドバイスをしてもらいながら勉強している。
現時点の私の能力では正直、アレクが直接取材して原稿書いた方が早いだろう。……早く成長しよう。
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この世界の旅行者には当てはまらないこともあるけど同じものもある。それを分析したり情報を収集することに集中した。
情報の正確さの確認は本当に大変。嘘になっちゃいけない。
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いつも旅行するときにガイドブックや旅サイトを参考にしてたけど、作る側のご苦労を垣間見たのだった。
但し、この国や時代の一般的な本作りの流れは専門外なのでよく知らない。時代や国の違いのほか、うちの貸本屋の独自方式も大きいだろう。私の感覚では、この店の場合は自費出版を大きくしたものに近い気がする。
「この湖も3回目かぁ……」
1回目はこちらの世界に来て2日目だった。その時は観光する側、今回は観光に来る人を助けるガイドブックを作る側。立場が真逆になるとは。感慨深く湖面を見つめる。
今は初夏なので、涼しげな水辺はこれから正に観光シーズンだ。湖畔の散策やボートが観光の中心だけど、泳ぐ人もいるらしい。主に地元民。
街中で別の調べものを先に済ませてからこの町外れに来る途中、遠回りしてあちこちの飲食店を覗きながら歩いた。アレクの言う通り湖で獲れた魚の煮込みはあちこちの店の定番にあるようだ。うん、これは紹介決定。絵的には地味だから使う魚の絵を足すといいかな。
やはり現地の住人であるアレクの情報は確かだなぁ。この世界に来て観光客としてアレクに案内してもらった時も、勧められて食べたっけ。美味しかったなぁ……。
他には何を紹介しよう、とあの頃教えてもらった名物料理の記憶を辿る。あの時はこんな風に役立つなんて思ってもみなかった。
あとは……餅は餅屋。やはり飲食店側の意見聞きたいなぁ。
客が満員で繁盛している湖畔のレストランを見上げる。2階は宿になっているようだ。湖ビューの部屋は人気ありそうだ。
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