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2章
26 招待
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夕飯を終えたダイニング兼リビングで、アレクは2通の封筒をテーブルに出した。どちらも開封されている。
アレクは静かに、感情を押さえた声音で言った。
「ハナ。カーライル研究所から手紙が来ました。ハナを元の世界に帰せるかもしれないので話がしたい、という内容です」
「え……?」
息を飲んだ。
元の世界へ帰る。まさか今更そう来るとは思わなかった。だから一瞬頭が追い付かない。
こちらへ来てもう9ヶ月近く経つ。研究所には、帰還の約束を果たすように、でなければそれに見合った補償をと、アレクを通じてずっと交渉を続けていたものの、ずっとなしの礫だった。
それが何故一気に急転したのか。
いやそれ以前に。
すっかりこちらの世界の生活にも慣れ、生活の基盤も整ったところだ。それがここへ来てひっくり返るという話に衝撃を受けた。
帰還を全く諦めた訳ではなかったけれど、研究者のジョンや資料が失われ見つかっていない以上、物理的に無理なことも覚悟していた。というより、そう頭を切り替えるようにしていた。それだけの時間が経っていた。
「研究所でジョンの研究を引き継いだというステファンという人物からの手紙です。必要な資材がまだ足りないし、今装置が再建できている訳ではないけれど、恐らく帰せる、そのために一度ハナの話を聞きたいので研究所へ来てほしいと」
どう考えればいい。何故突然、研究所は掌を返した?研究所の内部で何かあったのか?それに研究所に資本を出しているデイヴィス男爵は胡散臭い。このステファンという人物は信頼できるのか?
ぐるぐる考えていて、別のことに気付く。
「……手紙は2通あるの?」
「すみません黙っていて。1通は、ハナが病床にある時に届いて、俺の独断で返事を書きました。
これまでの研究所の対応が不誠実だったし、デイヴィス男爵のことがあるので、俺はまず不信感がありました。ましていきなりハナを呼び出すことに警戒しました。
そこで、急に状況が変わった理由を訊くことにしました。それから『上層部の方針変更で予算がつかない』というのが以前からの研究所の言い分だったがデイヴィス男爵は了解しているのか、と尋ねました」
的確な判断だと思う。流石アレク。
そして、私が倒れてる間にそんな心労も一人で抱えさせてしまったのか。
すぐ教えてくれたらよかったのに、とも頭を掠めたが、相談相手が死線さまよう病床なら、もう少しはっきりさせてから伝えよう、というのは妥当だろう。
「今日返事が来て、それが2通目です。
ステファンは最近研究所へ雇われたそうで、元々この分野の研究をしていた経歴なので、失われた内容を補えそうだと分かり一気に話が進展したとのことです。
そして男爵も了解している、男爵も会いたいと言っているので招待したい、と日時を指定してきました。ハナと俺を、研究所へ」
2通の手紙を挟んで、私とアレクの間に沈黙が落ちる。
ぐるぐる考えた末、私は率直な感想を言った。
「正直、もの凄く怪しく感じる。罠か何かじゃないかって」
アレクはほっとしたような顔をした。
「やっぱり。ハナもそう思いますか」
「アレクも?」
「はい。でも俺の先入観かもしれないと」
「やっぱり怪しいよね。アレクが書いた返事のポイントは、まさに私も気になった所。掌返した上に男爵まで出て来るのは、今までの経緯を考えると、誠実さより裏を疑いたくなる。
ステファンって人が、本当に真面目に対処してくれて、男爵も説得してくれたなら、凄く申し訳ないことなんだけど。でも警戒しても仕方ない状況だと思う」
「でも、ハナは帰りたいでしょう?」
眉尻を下げたアレクの顔に、虚を衝かれた。
「俺が裏を疑ってしまうのは、ハナに帰ってほしくないからかも、とも思ったんですが、やっぱりハナの目から見ても怪しいんですね。
でも、何ヵ月も交渉を続けてやっと得た足掛かりです。これを逃せば、ハナを帰せる機会がないかもしれない」
今、サラッと言ったけど、アレクが私に帰ってほしくないってどういう意味ですか!……いや、折角縁ができた友人と永遠に別れるのは寂しいものだよね。うん、分かってる。
ちょっと跳ね上がった動悸を収める。
自分がどうしたいか、自分の気持ちを見つめてみる。そしてその気持ちを、できるだけ率直に話す。
「帰りたくない訳じゃない。でも、リスクを忘れて飛び付く程じゃない。ここで暮らすのもいいなと思ってる。この世界にも、離れがたいものが沢山できたから」
アレクが瞠目する。そうか、アレクは私が帰りたいとだけ切望していると思っていたのかもしれない。
「帰ることそのものより……決着はつけたいと思う。研究所には、自分達がしたことのツケは払って貰いたい」
私が向こうの世界で数十年重ねた人生の全てを奪われたことを、私やアレクの苦しみや苦労を、なかったことにはさせない。そんな理不尽な暴力を、捨て置けない。泣き寝入りしないなんて心が狭いとは言わせない。
「ハナの気持ちは分かりました。俺も……研究所には色々思うところがあります。ツケは払って貰いましょう」
アレクが力強く笑った。
そして私達は話し合った。
アレクは私を、対等な思考力と重さをもつ一人の人間として扱い、共に議論した。この、同じ目標に向かって進むチーム感がとても居心地いい。
男性は女性を見下して、自分のプライド優先で独り善がりに情報や判断の権利を握りこんでしまい、やるべきことの質を落としがちだ。
二人分の頭脳を使った方がより良い答に辿り着けるでしょう、とアレクは当たり前のような顔をして言ったが、それができる男性はこの国や日本ではまだ少数派だろう。余計なロスなく目標に向かって進めるのですごく楽だ。
私達は悩んだ末、研究所の招待に応じることにした。そもそも『爵位持ちからの招き』を断るのは難しそうだった。
それに、ステファンや男爵の意図がどこにあるのか、探るにもあまりに情報が足りない。直接聞き出すしかない。
招待の場所は男爵の屋敷でなく一般職員もいる研究所、しかも昼間の招待なので、早々怪しいことはできないのではないかと思うのだが……どうだろう。研究所は東の街外れに近く、隣家はあるが密着してはいない。
指定時間は午後4時……微妙だ。春が近付いているとはいえ、まだ日が短い。1時間もしたら真っ暗になってしまうだろう。
私は唯一の富裕層の伝、ギブソン夫人に相談してみた。異世界云々は話せなかったが、デイヴィス男爵や研究所について何か情報を知らないか、働きかけができるか聞いてみた。
しかしあまり力になれない、と彼女は眉尻を下げた。
ギブソン夫人は中流階級、男爵は爵位持ちなので権力的に敵わず、資産も相手が上なのでパワーゲームを仕掛けられない、とのこと。て言うかパワーゲーム仕掛けること検討してくれたんですか。
本当はそんな義理もないのに、不躾なお願いをした私を咎めもせず話を聞いてくれた。お気持ちだけでありがたいことだ。
約束の日、私とアレクは、研究所の前に立った。男爵に会うので一応いい服を着て、髪も整えている。
全てが始まった場所。ここで私とアレクは12年の時を挟んで再会した。
その実験棟は火事で全焼し、今は更地のままだ。同じ敷地内の残った2つの棟のうち一つに来るよう指示されている。
私達は視線を交わし頷くと、玄関へ向かった。
アレクは静かに、感情を押さえた声音で言った。
「ハナ。カーライル研究所から手紙が来ました。ハナを元の世界に帰せるかもしれないので話がしたい、という内容です」
「え……?」
息を飲んだ。
元の世界へ帰る。まさか今更そう来るとは思わなかった。だから一瞬頭が追い付かない。
こちらへ来てもう9ヶ月近く経つ。研究所には、帰還の約束を果たすように、でなければそれに見合った補償をと、アレクを通じてずっと交渉を続けていたものの、ずっとなしの礫だった。
それが何故一気に急転したのか。
いやそれ以前に。
すっかりこちらの世界の生活にも慣れ、生活の基盤も整ったところだ。それがここへ来てひっくり返るという話に衝撃を受けた。
帰還を全く諦めた訳ではなかったけれど、研究者のジョンや資料が失われ見つかっていない以上、物理的に無理なことも覚悟していた。というより、そう頭を切り替えるようにしていた。それだけの時間が経っていた。
「研究所でジョンの研究を引き継いだというステファンという人物からの手紙です。必要な資材がまだ足りないし、今装置が再建できている訳ではないけれど、恐らく帰せる、そのために一度ハナの話を聞きたいので研究所へ来てほしいと」
どう考えればいい。何故突然、研究所は掌を返した?研究所の内部で何かあったのか?それに研究所に資本を出しているデイヴィス男爵は胡散臭い。このステファンという人物は信頼できるのか?
ぐるぐる考えていて、別のことに気付く。
「……手紙は2通あるの?」
「すみません黙っていて。1通は、ハナが病床にある時に届いて、俺の独断で返事を書きました。
これまでの研究所の対応が不誠実だったし、デイヴィス男爵のことがあるので、俺はまず不信感がありました。ましていきなりハナを呼び出すことに警戒しました。
そこで、急に状況が変わった理由を訊くことにしました。それから『上層部の方針変更で予算がつかない』というのが以前からの研究所の言い分だったがデイヴィス男爵は了解しているのか、と尋ねました」
的確な判断だと思う。流石アレク。
そして、私が倒れてる間にそんな心労も一人で抱えさせてしまったのか。
すぐ教えてくれたらよかったのに、とも頭を掠めたが、相談相手が死線さまよう病床なら、もう少しはっきりさせてから伝えよう、というのは妥当だろう。
「今日返事が来て、それが2通目です。
ステファンは最近研究所へ雇われたそうで、元々この分野の研究をしていた経歴なので、失われた内容を補えそうだと分かり一気に話が進展したとのことです。
そして男爵も了解している、男爵も会いたいと言っているので招待したい、と日時を指定してきました。ハナと俺を、研究所へ」
2通の手紙を挟んで、私とアレクの間に沈黙が落ちる。
ぐるぐる考えた末、私は率直な感想を言った。
「正直、もの凄く怪しく感じる。罠か何かじゃないかって」
アレクはほっとしたような顔をした。
「やっぱり。ハナもそう思いますか」
「アレクも?」
「はい。でも俺の先入観かもしれないと」
「やっぱり怪しいよね。アレクが書いた返事のポイントは、まさに私も気になった所。掌返した上に男爵まで出て来るのは、今までの経緯を考えると、誠実さより裏を疑いたくなる。
ステファンって人が、本当に真面目に対処してくれて、男爵も説得してくれたなら、凄く申し訳ないことなんだけど。でも警戒しても仕方ない状況だと思う」
「でも、ハナは帰りたいでしょう?」
眉尻を下げたアレクの顔に、虚を衝かれた。
「俺が裏を疑ってしまうのは、ハナに帰ってほしくないからかも、とも思ったんですが、やっぱりハナの目から見ても怪しいんですね。
でも、何ヵ月も交渉を続けてやっと得た足掛かりです。これを逃せば、ハナを帰せる機会がないかもしれない」
今、サラッと言ったけど、アレクが私に帰ってほしくないってどういう意味ですか!……いや、折角縁ができた友人と永遠に別れるのは寂しいものだよね。うん、分かってる。
ちょっと跳ね上がった動悸を収める。
自分がどうしたいか、自分の気持ちを見つめてみる。そしてその気持ちを、できるだけ率直に話す。
「帰りたくない訳じゃない。でも、リスクを忘れて飛び付く程じゃない。ここで暮らすのもいいなと思ってる。この世界にも、離れがたいものが沢山できたから」
アレクが瞠目する。そうか、アレクは私が帰りたいとだけ切望していると思っていたのかもしれない。
「帰ることそのものより……決着はつけたいと思う。研究所には、自分達がしたことのツケは払って貰いたい」
私が向こうの世界で数十年重ねた人生の全てを奪われたことを、私やアレクの苦しみや苦労を、なかったことにはさせない。そんな理不尽な暴力を、捨て置けない。泣き寝入りしないなんて心が狭いとは言わせない。
「ハナの気持ちは分かりました。俺も……研究所には色々思うところがあります。ツケは払って貰いましょう」
アレクが力強く笑った。
そして私達は話し合った。
アレクは私を、対等な思考力と重さをもつ一人の人間として扱い、共に議論した。この、同じ目標に向かって進むチーム感がとても居心地いい。
男性は女性を見下して、自分のプライド優先で独り善がりに情報や判断の権利を握りこんでしまい、やるべきことの質を落としがちだ。
二人分の頭脳を使った方がより良い答に辿り着けるでしょう、とアレクは当たり前のような顔をして言ったが、それができる男性はこの国や日本ではまだ少数派だろう。余計なロスなく目標に向かって進めるのですごく楽だ。
私達は悩んだ末、研究所の招待に応じることにした。そもそも『爵位持ちからの招き』を断るのは難しそうだった。
それに、ステファンや男爵の意図がどこにあるのか、探るにもあまりに情報が足りない。直接聞き出すしかない。
招待の場所は男爵の屋敷でなく一般職員もいる研究所、しかも昼間の招待なので、早々怪しいことはできないのではないかと思うのだが……どうだろう。研究所は東の街外れに近く、隣家はあるが密着してはいない。
指定時間は午後4時……微妙だ。春が近付いているとはいえ、まだ日が短い。1時間もしたら真っ暗になってしまうだろう。
私は唯一の富裕層の伝、ギブソン夫人に相談してみた。異世界云々は話せなかったが、デイヴィス男爵や研究所について何か情報を知らないか、働きかけができるか聞いてみた。
しかしあまり力になれない、と彼女は眉尻を下げた。
ギブソン夫人は中流階級、男爵は爵位持ちなので権力的に敵わず、資産も相手が上なのでパワーゲームを仕掛けられない、とのこと。て言うかパワーゲーム仕掛けること検討してくれたんですか。
本当はそんな義理もないのに、不躾なお願いをした私を咎めもせず話を聞いてくれた。お気持ちだけでありがたいことだ。
約束の日、私とアレクは、研究所の前に立った。男爵に会うので一応いい服を着て、髪も整えている。
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