VRMMOで素早さを極限まで伸ばしてみた~当たらなければどうってことはない精神でゲームライフを楽しみます~

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十話 初めてのクエスト

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「ねぇねぇ、この近くにレベル上げにいいダンジョンがあるんだって」
「へぇ……誰に聞いたの?」
「なんかね、強い人たちが宿屋で言ってたよ」


 ゲームを始めて間もないであろう女の子たちが、広場に集まりそんな話をしている。
 このゲームもどんどん新規さんが集まって、いい感じに盛り上がっていた。


「最近また初心者が増えたよねぇ」


 街を散歩していると、横でウキウキしながらスキップしているキャシーがそう言った。


「今じゃ女のプレイヤーも結構増えているらしいぞ」
「もっと沢山の人が集まって、イベントとか盛り上がってくれればいいよね」


 珍しくグレッツがキャシーの言葉に返答すると、それに続きメルティが初心者を見守るように優しい笑顔で口を開いた。
 メルティはいつでも笑顔で、こっちまでその笑顔に癒されるようだ。





「キャァァァ! 助けて下さい!」


 その大きな声と共に女性がこちらに向かって走ってくる。


「ねぇちゃん、持ちもん置いて消えてもらおうか」


 ガラの悪いフードを被った二人組が女性を追って囲んでいる。


 ――ピコーン。



『クエスト開始――受託しますか?』



 これはクエスト……? ってことはこの人たちはNPCか。
 ゲームの中の人だからって助けないわけにはいかないよな。
 ここはもちろん……



『受託しますか? ――はい』



 よし、これで大丈夫だな。


「助けてくれるんですか? ありがとうございます」


 女性はそう言って俺たちの後ろに姿を隠した。
 するとフードの二人組はもの凄い剣幕で近づき威嚇してきた。


「おいお前、怪我したくなけりゃそこをどきな」
「ふふ……わりぃがお前が敵う相手じゃないよ、どきな」


 なんか軽くけなされた気がする……。


「女性相手に卑劣なまねを! 私が相手をするわ」


 そういうとメルティは俺たちの前に立ち剣を構えた。


「おぉ? こっちのねぇちゃんもいい女じゃねぇか」
「そこをどけ……こいつに指一本でも触れたら……その指を切り落とす」


 フードの二人組がヘラヘラとメルティに近づくと、グレッツが前に出て二人組を威嚇した。
 俺もグレッツに続き、メルティを守るようにグレッツの隣に並び銃を構えた。


「グレッツ……フライも」
「ふん、やれるもんならやってみな」


 二人組は一度たじろくも体制を立て直しこちらに向かってくる。


「フライ……そっちは任せた」
「おう!」


 シュッパッ――サッ――ズゴーン。
 ローブの男がこっちに向かってくると同時に、一瞬で背後に回り込み銃弾を浴びせた。
 するともの凄いエフェクトと同時に男に当たった弾が分裂し、グレッツが相手をしているローブの男の腹に飛んで行った。

 フードの男は体勢を崩し、グレッツはその隙に素早い動きで男に近づき、通りざまに刀を華麗に振り首をはねた。
 すると二人組は消滅し、グレッツは刀を鞘に納めた。


「――ふぅ」



《跳弾を習得しました》

 跳弾――敵に当たった銃弾が跳ね返り近くの敵を貫通する。敏捷性が高いほど沢山跳ね返るようになる。運が高いと跳ね返った銃弾が当たった敵が眩暈を起こしよろめくようになる。



 さっきの技みたいなやつか。これはまた、便利なスキルを覚えたな。運に影響を与えるのか……じゃあこのまま敏捷性を上げていけばオッケーだな。

 っと、そうだ。依頼主のところに行かなきゃ。


「大丈夫ですか?」
「はい、助けていただいてありがとうございます」


 どうやら怪我はないようだ。念のためメルティがヒールを唱えている。


「この辺はあぁいう盗賊がいるからいつもビクビクしながら通っているのです。ここを通らなければ東区には行けないし……」
「なるほど……」


 これは――クエストの続きか?



『クエスト開始――受注しますか?』
『――はい』



 これでよし。おそらく盗賊の残党退治だろうけどな。依頼主盗賊が怖くて通れないとか言っていたし。


「盗賊は西区の外れのスラム街にたむろしているはずです。お願いします。私たちに快適な暮らしを……!」
「大丈夫ですよ、俺たちに任せて下さい」


 俺は咄嗟に乗りかかった船と思い受注してしまったけど、メルティたちに承諾を得ていなかったな。もう遅いかもしれないけど一応……。


「ってことなんだけど、まだ付き合ってくれるか?」


 三人の顔色をうかがいながらそう尋ねる。


「もちろんよ」
「キャシーもいいよぉ」
「異論はない」


 どうやらみんな付き合ってくれるらしい。
 俺は心を撫でおろすとみんなで西区の外れにあるというスラム街に向かった。
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