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二十三話 一位を死守せよ!
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「ちょっとフライ! これどういうこと?」
キャシーがもの凄い剣幕で迫ってきた。
「これは……」
あのダンジョンであった惨劇を説明すると、キャシーは納得するように席についた。
そしてイベントメニューを確認すると、今の俺はぶっちぎりでランキング一位だった。もちろんパーティーのランキングも一位だ。
「フライのおかげでキャシーたちまで一位だよぉ! よかったねグレッツ」
「な、なぜ俺に言うんだ」
「だってグレッツは上位に行きたがってたでしょぉ?」
グレッツは否定はせず、ジョッキを片手に横を向いた。
「でもフライのおかげなのに、私たちまでおこぼれ貰っちゃっていいのかな」
「気にしないで。これはみんなの成果だ」
不安そうに俯くメルティに心配はないと笑顔でそう返した。
こうして俺たちはそれぞれ着々とポイントを稼ぎ、ついにイベント終了の時刻が近づいていた。
――ピンポンパンポン。
『お知らせです。まもなくイベント終了時刻です。結果は後にお知らせにてご連絡いたします。イベント終了時刻に戦闘をしていた場合は、その戦いが最後のポイント付与になります。プレイヤーの皆さまはラストスパートをかけて頑張って下さい』
もうすぐイベントも終わりか。俺はこれ以上稼がなくても一位を維持できそうだな。
そう高を括っていると――
「やいお前! オイラと勝負しろ!」
「え?」
背後から声がすると同時にその少年は襲い掛かってきた。
サーベル片手に振り上げながら、無造作に走ってくる少年を軽々と横に避けると、再びこちらに向かって剣を振ってくる。
「くっそ! やいお前、戦え!」
なんでわざわざ俺なんかと……?
戦う意味なんてないと思うけど……。
「俺と戦わなくてもいいだろ。なんで……」
少年は必死に話しながら俺に剣を振ってくる。
「お前を倒せばポイント総取りなんだ! ここで負けて貰うぞ」
「な、なんだよソレ。聞いてないぞ」
確かルールにはそんなことは書いてなかった。後から追加されたのか?
俺は少年の攻撃をひょいとかわした後、ダガーの柄で首元を強めに叩きつけた。すると少年はその場に倒れ気を失ったようだ。そしてこのゲームから消滅した。
「悪く思うなよ、少年……」
俺は急いでお知らせを確認した。
すると――
『イベント残り一時間。ルールを追加します。ランキング上位のプレイヤーを討伐した際、そのポイントを全て勝者に付与します』
な、なにぃぃぃ? こんなお知らせが来ていたなんて……。今気づいたよ。
そしてもう一通。メルティからだ。
このお知らせを見て俺のことを心配したようだ。俺は一度宿屋に行き、メルティたちと合流して協力することにした。
――が、俺は考えが甘かったようだ。
同じようなことを考えているプレイヤーはあの少年だけじゃなかった。
「俺と戦え」
「こいつを倒してポイント総取りだ!」
「行くぞ――!」
地鳴りがする。
背後からは沢山のプレイヤーが俺のポイント目当てに駆け寄ってきた。何人いるんだろうか……数えている暇はないけどさすがにこの人数相手には出来ない。
俺は最初に来た数人を軽く暗殺を使い葬ると、次々とやってくるプレイヤーから逃げつつ攻撃を繰り出した。
「いや……無理だろう」
俺は諦めた。
そして一生懸命逃げた。
「おい待て!」
「逃げるのか――!」
背中に罵声を浴びながら必死で逃げた。飛んでくる剣をかわしながらとにかく逃げた。
「ハァッ――ハァッ――普通、剣投げてくるかよ?」
そろそろ体力の限界だ。
俺は隠れられそうな川辺を見つけ身を隠し、川の水で頭を冷やしてデコボコした壁にもたれかかった。
しばらくはここにいれば見つからないだろう。
そしてついに――
ピ――ッ!
イベント終了のホイッスルがゲーム内に響いた。
俺をキル出来なかったと悔やんでいるプレイヤーが沢山いる中、俺は大都市の広場に戻った。
そして後日、運営からの報酬がメールにて届いた。
【フライ】
ランキング 1位
最終ポイント 103,256ポイント
《報酬》
金貨百枚、持ち家の権利券、限定防具装備(ユニーク)、限定特別称号
これが個人報酬か……。
最後の怒涛の追い込みを逃げ切ったおかげで、俺はぶっちぎりの一位だ。パーティーの報酬は金貨と装備BOXだった。
やはり目玉は個人報酬か。
持ち家の権利券はすごいよな。ゲームを始めた頃、キャシーから家のことは少し聞いていた。もちろん俺もこの大都市に家をほしいと思っていたが……。まさかこんなに早く家をゲット出来るなんてな。
家に無事入居出来たらあいつらも呼んでやらないとな。キャシーが泣きわめきそうだし。
そしてまたもやユニーク装備……か。しかも防具だと――? これで俺の全身はユニーク装備だらけになるじゃないか。
でもこれは他の補填とかで貰ったユニークとは違って、イベント一位の証みたいなもんだもんな。なんかいいよな、そういうのって。
よし、お待ちかねの防具の性能を見てみますか……っと。
「どれどれ……」
【暗黒マント】
防御力100
敏捷性500
《特性》霧のベール――任意のタイミングで透明になることが出来る。
やっぱりユニークって性能が飛びぬけてるんだな。任意のタイミングで透明になれるって、もうチートだろう。
とりあえず装備っと。
そして俺は試しに透明になってみることにした。手に入れると、試さずにはいらればいタチだからな俺は。
「霧のベール――」
特に体に異変はないが、腕など足元を見ると透明になっているのがわかる。
うっすらと半透明に消えた俺の体。
「す、すごいな」
で、解除ってどうやってやるんだ?
「とりあえず……霧のベール――解除……?」
これで解除ささるわけ……ブイン。あ、解除ささったな。これでいいんだ……案外なんでも大丈夫そうだな。
それにしても……これは便利な防具だ。
それとさっきから気になっていたんだが……この称号は……?!
俺の頭の上にはずっと見慣れない称号が浮かんでいた。
その名も――
【世界を制する者】
ド派手な枠に輝きを放っていて……もの凄く目立つ。
そのおかげでさっきからジロジロと見られている。イベントでランキング一位を取ったっていう証だから、悪い気はしないけど……。
こうして俺はゲームで知り合った、今じゃ大切な仲間と共に、これからもこのゲームで最強を目指そうと思う。
キャシーがもの凄い剣幕で迫ってきた。
「これは……」
あのダンジョンであった惨劇を説明すると、キャシーは納得するように席についた。
そしてイベントメニューを確認すると、今の俺はぶっちぎりでランキング一位だった。もちろんパーティーのランキングも一位だ。
「フライのおかげでキャシーたちまで一位だよぉ! よかったねグレッツ」
「な、なぜ俺に言うんだ」
「だってグレッツは上位に行きたがってたでしょぉ?」
グレッツは否定はせず、ジョッキを片手に横を向いた。
「でもフライのおかげなのに、私たちまでおこぼれ貰っちゃっていいのかな」
「気にしないで。これはみんなの成果だ」
不安そうに俯くメルティに心配はないと笑顔でそう返した。
こうして俺たちはそれぞれ着々とポイントを稼ぎ、ついにイベント終了の時刻が近づいていた。
――ピンポンパンポン。
『お知らせです。まもなくイベント終了時刻です。結果は後にお知らせにてご連絡いたします。イベント終了時刻に戦闘をしていた場合は、その戦いが最後のポイント付与になります。プレイヤーの皆さまはラストスパートをかけて頑張って下さい』
もうすぐイベントも終わりか。俺はこれ以上稼がなくても一位を維持できそうだな。
そう高を括っていると――
「やいお前! オイラと勝負しろ!」
「え?」
背後から声がすると同時にその少年は襲い掛かってきた。
サーベル片手に振り上げながら、無造作に走ってくる少年を軽々と横に避けると、再びこちらに向かって剣を振ってくる。
「くっそ! やいお前、戦え!」
なんでわざわざ俺なんかと……?
戦う意味なんてないと思うけど……。
「俺と戦わなくてもいいだろ。なんで……」
少年は必死に話しながら俺に剣を振ってくる。
「お前を倒せばポイント総取りなんだ! ここで負けて貰うぞ」
「な、なんだよソレ。聞いてないぞ」
確かルールにはそんなことは書いてなかった。後から追加されたのか?
俺は少年の攻撃をひょいとかわした後、ダガーの柄で首元を強めに叩きつけた。すると少年はその場に倒れ気を失ったようだ。そしてこのゲームから消滅した。
「悪く思うなよ、少年……」
俺は急いでお知らせを確認した。
すると――
『イベント残り一時間。ルールを追加します。ランキング上位のプレイヤーを討伐した際、そのポイントを全て勝者に付与します』
な、なにぃぃぃ? こんなお知らせが来ていたなんて……。今気づいたよ。
そしてもう一通。メルティからだ。
このお知らせを見て俺のことを心配したようだ。俺は一度宿屋に行き、メルティたちと合流して協力することにした。
――が、俺は考えが甘かったようだ。
同じようなことを考えているプレイヤーはあの少年だけじゃなかった。
「俺と戦え」
「こいつを倒してポイント総取りだ!」
「行くぞ――!」
地鳴りがする。
背後からは沢山のプレイヤーが俺のポイント目当てに駆け寄ってきた。何人いるんだろうか……数えている暇はないけどさすがにこの人数相手には出来ない。
俺は最初に来た数人を軽く暗殺を使い葬ると、次々とやってくるプレイヤーから逃げつつ攻撃を繰り出した。
「いや……無理だろう」
俺は諦めた。
そして一生懸命逃げた。
「おい待て!」
「逃げるのか――!」
背中に罵声を浴びながら必死で逃げた。飛んでくる剣をかわしながらとにかく逃げた。
「ハァッ――ハァッ――普通、剣投げてくるかよ?」
そろそろ体力の限界だ。
俺は隠れられそうな川辺を見つけ身を隠し、川の水で頭を冷やしてデコボコした壁にもたれかかった。
しばらくはここにいれば見つからないだろう。
そしてついに――
ピ――ッ!
イベント終了のホイッスルがゲーム内に響いた。
俺をキル出来なかったと悔やんでいるプレイヤーが沢山いる中、俺は大都市の広場に戻った。
そして後日、運営からの報酬がメールにて届いた。
【フライ】
ランキング 1位
最終ポイント 103,256ポイント
《報酬》
金貨百枚、持ち家の権利券、限定防具装備(ユニーク)、限定特別称号
これが個人報酬か……。
最後の怒涛の追い込みを逃げ切ったおかげで、俺はぶっちぎりの一位だ。パーティーの報酬は金貨と装備BOXだった。
やはり目玉は個人報酬か。
持ち家の権利券はすごいよな。ゲームを始めた頃、キャシーから家のことは少し聞いていた。もちろん俺もこの大都市に家をほしいと思っていたが……。まさかこんなに早く家をゲット出来るなんてな。
家に無事入居出来たらあいつらも呼んでやらないとな。キャシーが泣きわめきそうだし。
そしてまたもやユニーク装備……か。しかも防具だと――? これで俺の全身はユニーク装備だらけになるじゃないか。
でもこれは他の補填とかで貰ったユニークとは違って、イベント一位の証みたいなもんだもんな。なんかいいよな、そういうのって。
よし、お待ちかねの防具の性能を見てみますか……っと。
「どれどれ……」
【暗黒マント】
防御力100
敏捷性500
《特性》霧のベール――任意のタイミングで透明になることが出来る。
やっぱりユニークって性能が飛びぬけてるんだな。任意のタイミングで透明になれるって、もうチートだろう。
とりあえず装備っと。
そして俺は試しに透明になってみることにした。手に入れると、試さずにはいらればいタチだからな俺は。
「霧のベール――」
特に体に異変はないが、腕など足元を見ると透明になっているのがわかる。
うっすらと半透明に消えた俺の体。
「す、すごいな」
で、解除ってどうやってやるんだ?
「とりあえず……霧のベール――解除……?」
これで解除ささるわけ……ブイン。あ、解除ささったな。これでいいんだ……案外なんでも大丈夫そうだな。
それにしても……これは便利な防具だ。
それとさっきから気になっていたんだが……この称号は……?!
俺の頭の上にはずっと見慣れない称号が浮かんでいた。
その名も――
【世界を制する者】
ド派手な枠に輝きを放っていて……もの凄く目立つ。
そのおかげでさっきからジロジロと見られている。イベントでランキング一位を取ったっていう証だから、悪い気はしないけど……。
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