VRMMOで素早さを極限まで伸ばしてみた~当たらなければどうってことはない精神でゲームライフを楽しみます~

TEN

文字の大きさ
22 / 24

二十二話 圧倒的な力

しおりを挟む
「えいっ☆」
「はぁぁぁ!」
「ふん……相手にならんな」


 俺たちは着々とプレイヤーを討伐していき、ポイントを稼いでいった。自分の稼いだポイントはイベントメニューで随時確認が出来る。

 今の俺たちのポイントは……っと。



 【チームフライ】
 《メンバー》フライ、メルティ、キャシー、グレッツ
 《チーム獲得ポイント》3050
 《個人獲得ポイント》450
 《現在順位》13位



「うーん、まだまだだなぁ。キャシーは一位がいいの」
「一位は無理かもしれないけど……もう少し上は目指したいな」


 さすがに一位は夢すぎるっていうか、もっと強い人たちが上位独占するだろうし。
 それとこのイベントはパーティー順位と、個人順位がある。パーティーを組んでいても、個人で討伐したポイントはパーティーに反映されるらしい。
 それを知ったグレッツはさっそくこのイベントの攻略法を編み出した。


「別々に討伐したほうがポイントが稼げる。個人順位とパーティー順位両方を上げるためにも、別々にやったほうがいいだろう」


 確かにそうだよな……。パーティーを組んでる以上、離れて行動しても他のメンバーのポイントも入ってくるんだ。
 グレッツは攻略法を見つけると、頼んだと言い残しどこかへ転送してしまった。


「そう……だね。じゃあ私も。キャシーもフライも頑張ってね」
「うん、みんなには負けないよぉ」


 キャシーとメルティもそれぞれ別々の場所に転送して行った。



 そして……俺は誰もいなくなったフィールドに一人取り残された。

 俺も……みんなの足引っ張らないように頑張らないとな。


「ふぅ――俺もどっか行こ」



 ――あるダンジョンにて。


「こんな所、誰かいるかなぁ」


 俺はなぜかダンジョンに来てしまっていた。
 おそらくプレイヤーはみんなフィールドとかにいるんだろうけど、俺は逆にこういうところにいると思う。なんとなくだけどな。
 よくわからずにイベントに参加した新人さんがいる気が……って、俺の考えてること初心狩りの連中と同じじゃないか!


「はぁ……ダメだ、別のところ行こう」


 俺はダンジョンに入るなり、後ろを向き出口へと向かおうとした。
 すると――


「誰かと思ったらフライじゃねぇか」


 壁の向こう側から聞いたことのある声がした。


「……コーメイ? 何してるんだ? こんなところで……」


 そこにいたのは奴だった。
 コーメイはもう初心狩りはやめただろうか?
 元の"意外といい奴"に戻っただろうか?

 俺がそんなことを気にしていると、コーメイは口元を引きつらせながら口を開いた。


「決まってるだろ? 俺たちには願ってもないイベントなんだよ、今度のイベントはよ」
「まさかお前……」
「あぁそうだよ、ここでお前みたいなカモを待っていたんだよ。ハハッ」


 コーメイは高笑いをしながら余裕の笑みを見せた。どうやら仲間を連れて大勢で初心狩りを続けていたようだ。
 プレイヤーを簡単にペナルティなしでキルできるこのイベントは、奴らに取って好都合ってわけか。

 コーメイが指を鳴らして合図をすると、奥から沢山の仲間が現れた。


「諦めろ、お前に勝ち目はない」


 そういうと奴は余裕の笑みを浮かべた。


「お前は……やっぱり元には戻ってくれないんだな……」
「はぁ? 何言ってん……ッ?!」


 コーメイが全てを喋り終える前に、俺は素早い動きで奴の前から姿を消した。

 確かキルされたプレイヤーは、二十四時間ログインできないっていうルールがあったはずだ。コーメイをここでキルすれば奴はこのゲームにしばらくは帰ってこれない。

 少し頭を冷やす時間をくれてやろうじゃないか――

 一瞬にして気配を消すと、奴の仲間の一人に隠密からの銃弾を浴びせた。
 すると銃弾は派手に当たり他の奴に跳弾した。そしてその銃弾はまた別の一人に跳弾し、それを繰り返した。

 それを見たコーメイは、何が起こっているのかと慌てふためいている。
 まぁそれもそのはずだ。コーメイからすると、姿は見えないのに銃弾だけが派手に当たり、仲間を経由して飛び跳ねているのだ。

 不思議な光景かもしれない。


「ま、待てフライ。早まるな……話を……」


 全ての仲間に跳弾すると仲間は次々とその場に倒れた。そして俺は、それを確認すると姿を現しエンゲイルコイルを発射した。
 あの新武器のスキルだ。
 それはまるでぶっといビーム砲のように、コーメイ目掛けて勢いよく放たれた。クリティカル率も高いし威力は絶大なはず。


「……くそ。まだ……やれたはず……なのに」


 コーメイはそう言いながらゲームから消滅した。


《隠密射撃を習得しました》

 隠密射撃――スキルで姿や気配を消した状態から、攻撃やスキルを使うと威力が五倍になる。


「隠密射撃……か」


 これ、相当強いかもな。今でもクリティカルで十分強いけど……まぁ、今度試してみるか。

 そういえばコーメイの奴、いつからあんなになっちまったんだろう?
 やっぱりこのゲームの影響かな?
 奴は連中の中でも結構上のほうだったみたいだし、その幹部を倒したってなると、しばらくは大人しくなるだろうな。
 ログイン出来ない間に頭が冷えるといいんだが……。


『大量のポイントが付与されました』


 え、大量のポイント? そんなお知らせ初めてだな。
 やっぱりコーメイはトッププレイヤーだったからか? 結構すごい奴だったのか? あいつ……なのにどうしてこんな……。

 まぁ今は考えても仕方ないか。

 とりあえず付与されたポイントを見てみよう。


『直前の付与ポイント――50000、合計個人ポイント55000』


 ……え? ――はぁぁぁ?

 ご、50000ポイントだって? どうなってんだ? バグか? 俺は何かの間違いかと思い何度も見返した。
 だが……何度見直しても間違いではない。画面に映るそのポイントは変わることはなかった。

 ――ピコーン。
 キャシーからの連絡だ。


『今すぐに宿屋まで来たれし――キャシー』
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...