1 / 92
Echo1:塔の鍵
しおりを挟む
左手に触れるのは、冷たくザラリとした石の壁。
そして目に映るのは、父親、ジョゼフ・エルヴァンの背中と、彼が手にしたロウソクの炎の揺らめきだった。
仄暗い螺旋階段を、もう何段上がっただろうか。
荒くなった自分の呼吸が、やけに耳につく。
単純に勾配がキツいという訳ではない。恐らく自分は緊張をしているのだ。
アリセルは、きゅっと唇を噛みしめる。
「大丈夫か?」
肩越しに振り返ったジョゼフの顔に頷いてみせる。
それから暫く階段を上ると、扉に行き当たった。ジョゼフは腰紐に下げた鍵をまさぐり、扉を開ける。
軋む音と共に流れ込んできたのは強烈な臭気だった。反射的に涙が溢れ出し、胃液が喉元にこみ上げる。
アリセルは口元を抑えながら思わずジョゼフの袖を握り締めた。
ジョゼフはアリセルの頭を撫でてから、部屋の中へと足を踏み入れた。
カサカサと音をたてながら、得体の知れない虫が四方八方に散らばっていくのが視界の隅に映る。
置いていかれまいと、父の後を追うアリセルだが、ロウソクの光が照らし出した「ソレ」を見て、思わず息を呑んだ。
「ソレ」は両腕を鎖で縛り上げられ、頭を深く垂れた人間だった。
辛うじて纏った布は汚れきっており、そこから覗く肌には生々しい傷が見てとれる。
死んでいるのでは、とアリセルの疑念を見透かしたかのように、ジョゼフは告げる。
「アリセル、紹介しよう。彼こそが前国王の嫡子。ルネ・サントレール様だ」
すぐ隣にいる筈の父の声が、どこかとても遠い所で聞こえたような気がした。
☆
17歳の誕生日にアリセルが両親から贈られたものは、小花と葉の刺繍が施された繻子のリボンと「役割」であった。
「お誕生日おめでとう」
アリセルの髪をリボンで結いながら、母、ミーシャは柔らかく微笑む。
17歳にもなって幼子のように髪を結われるのは少し気恥ずかしいが、甘やかされているようで嬉しくもある。
アリセルは鏡越しに笑い返した。
「ありがとう、お母様。とても綺麗なリボンね」
「よく似合っているわ。この空色の生地が、あなたに映えると思ったの」
「はい、出来上がり」と告げられてアリセルは鏡の自分をまじまじと見詰める。
リボンを編み込ませながら結われた髪のせいか、もしくは誕生日という特別な日のせいだろうか。
鏡の中の自分はいつもより少しだけ大人びて見える。
「アリセル、私にもよく見せてくれ」
ソファに座ったジョゼフに言われてアリセルは相好を崩した。
こちらに向かって広げられた父の両腕に飛び込む。ジョゼフは楽しそうな笑い声をあげて娘を受け止める。
「すっかり大きくなって。お前ももう17歳か、月日が経つのは早いものだ」
「私は遅く感じたわ。やっと17になれたって感じ」
「そうか。だがな、年をとるにつれて時は加速する。特に前国王の政権が崩壊してから、月日が経つのが早く感じられて仕方がない」
語尾は独りごとのようだった。
ふぅん、と呟くと大きな手が優しく頭を包み込む。
例え何歳になったとしても、両親にこうやって愛され、甘やかされるのは嬉しい。そう思う自分は、まだまだ子供という事なのだろう。
「あの日から、この国は激動の変化を迎えているものね。今だって決して良いものとは言えない。私たちだっていつどうなる事やら」
母が頬に手をあてがい溜息をつく。
憂いを秘める両親に、しかしアリセルには今一つ「激動」の実感が沸かない。
確かに父の出張が多くなり、母はひっきりなしにやって来る客人のもてなしで忙しい。
外は飢えや病、貧困が蔓延していると耳にする事はあるものの、特別に不自由は感じてはいない。
つまり自分は恵まれているのだと思う。
愛情深い両親に温かい家、十分な食事に清潔な寝床、季節ごとに揃えられた衣服。
大きな館を構える貴族のように召使いこそいないが、家は欠けるものなく満たされていた。
「そう、いつどうなるか分からない。だからこそ今を大事に生きなければならない。……そこで、だ。アリセル」
母の言葉に繋げてジョゼフは言う。
父の双眸に、ふと悪戯っぽい煌めきが宿ったのをアリセルは見逃さない。
何を言われるのだろうと身構えると、思いがけない言葉が耳を打つ。
「お前にはこれから私の仕事を手伝って貰いたい」
「お父様の仕事を?」
ジョゼフの仕事とは罪人の看守だった。
法を犯した者の監督や警備を担っている。と、話では聞いているものの、実際に父の仕事場に行った事もなければ、そもそも罪人と接したこともない。
具体的な所は何も分からないが、尊敬する父の言葉はアリセルにとって絶対に等しい。
「勿論、私で良ければ手伝うけど……」
「ありがとう。実はお前に看守をして貰いたい人がいるんだ」
「その人は、どんな罪を犯した人なの?」
「何もしていない」
「何も?」
「親が罪人だったというだけで、幽閉された可哀想な子どもだよ」
「親の罪を子が背負うなんて変よ」
どうして出してあげないの? とアリセルは唇を尖らせる。
率直な感想に、ジョゼフは痛ましげな笑みを向けた。
「皆がお前のような考えならば、あの御方も救われるだろう。だが世間はそれを許さない。罪人の子もまた罪人。罰を与えて当然だと思っているんだ」
「……そんなの間違っている」
呟くアリセルに、「私もそう思う」とジョゼフは頷いた。
「だからこそ、お前に彼を任せる。牢獄の中の彼が、せめて快適に過ごせるように尽力をつくして欲しい」
そう言った事ならばと快諾したアリセルだが、「罪人の子」がどのような扱いを受けているのか、その時は想像だにしていなかった。
☆
「ルネ・サントレール」
前国王の嫡子。時代が時代ならば今は国王となる人物の名を、アリセルは反芻する。
ジョゼフがルネを吊し上げていた鎖を解く。鎖はジャラジャラと重たい音をたてて床に落ちた。
「ルネ様、私はジョゼフ・エルヴァンと申します。こちらは私の娘、アリセル・エルヴァン。以後、お見知り置きを」
汚物や吐瀉物にまみれた石畳みにジョゼフは跪く。一瞬、躊躇したアリセルだが、すぐに父に倣って片膝をついた。
「初めまして、ルネ様。アリセルです、よろしくお願いいたします」
スカートから膝に伝わる湿り気に身震いしそうになる所を、ぐっと堪えてアリセルは目の前の青年に声をかける。しかしルネは、両腕をだらりと下げて、深く項垂れたまま反応しない。
困惑したままジョゼフを横目で見ると、彼は頷いた。
「今日から私の娘が貴方の世話をいたします」
聞こえているのか、いないのかすら分からない。
ただ呼吸にあわせて微かに揺れる肩だけが、命ある事を物語っていた。
そして目に映るのは、父親、ジョゼフ・エルヴァンの背中と、彼が手にしたロウソクの炎の揺らめきだった。
仄暗い螺旋階段を、もう何段上がっただろうか。
荒くなった自分の呼吸が、やけに耳につく。
単純に勾配がキツいという訳ではない。恐らく自分は緊張をしているのだ。
アリセルは、きゅっと唇を噛みしめる。
「大丈夫か?」
肩越しに振り返ったジョゼフの顔に頷いてみせる。
それから暫く階段を上ると、扉に行き当たった。ジョゼフは腰紐に下げた鍵をまさぐり、扉を開ける。
軋む音と共に流れ込んできたのは強烈な臭気だった。反射的に涙が溢れ出し、胃液が喉元にこみ上げる。
アリセルは口元を抑えながら思わずジョゼフの袖を握り締めた。
ジョゼフはアリセルの頭を撫でてから、部屋の中へと足を踏み入れた。
カサカサと音をたてながら、得体の知れない虫が四方八方に散らばっていくのが視界の隅に映る。
置いていかれまいと、父の後を追うアリセルだが、ロウソクの光が照らし出した「ソレ」を見て、思わず息を呑んだ。
「ソレ」は両腕を鎖で縛り上げられ、頭を深く垂れた人間だった。
辛うじて纏った布は汚れきっており、そこから覗く肌には生々しい傷が見てとれる。
死んでいるのでは、とアリセルの疑念を見透かしたかのように、ジョゼフは告げる。
「アリセル、紹介しよう。彼こそが前国王の嫡子。ルネ・サントレール様だ」
すぐ隣にいる筈の父の声が、どこかとても遠い所で聞こえたような気がした。
☆
17歳の誕生日にアリセルが両親から贈られたものは、小花と葉の刺繍が施された繻子のリボンと「役割」であった。
「お誕生日おめでとう」
アリセルの髪をリボンで結いながら、母、ミーシャは柔らかく微笑む。
17歳にもなって幼子のように髪を結われるのは少し気恥ずかしいが、甘やかされているようで嬉しくもある。
アリセルは鏡越しに笑い返した。
「ありがとう、お母様。とても綺麗なリボンね」
「よく似合っているわ。この空色の生地が、あなたに映えると思ったの」
「はい、出来上がり」と告げられてアリセルは鏡の自分をまじまじと見詰める。
リボンを編み込ませながら結われた髪のせいか、もしくは誕生日という特別な日のせいだろうか。
鏡の中の自分はいつもより少しだけ大人びて見える。
「アリセル、私にもよく見せてくれ」
ソファに座ったジョゼフに言われてアリセルは相好を崩した。
こちらに向かって広げられた父の両腕に飛び込む。ジョゼフは楽しそうな笑い声をあげて娘を受け止める。
「すっかり大きくなって。お前ももう17歳か、月日が経つのは早いものだ」
「私は遅く感じたわ。やっと17になれたって感じ」
「そうか。だがな、年をとるにつれて時は加速する。特に前国王の政権が崩壊してから、月日が経つのが早く感じられて仕方がない」
語尾は独りごとのようだった。
ふぅん、と呟くと大きな手が優しく頭を包み込む。
例え何歳になったとしても、両親にこうやって愛され、甘やかされるのは嬉しい。そう思う自分は、まだまだ子供という事なのだろう。
「あの日から、この国は激動の変化を迎えているものね。今だって決して良いものとは言えない。私たちだっていつどうなる事やら」
母が頬に手をあてがい溜息をつく。
憂いを秘める両親に、しかしアリセルには今一つ「激動」の実感が沸かない。
確かに父の出張が多くなり、母はひっきりなしにやって来る客人のもてなしで忙しい。
外は飢えや病、貧困が蔓延していると耳にする事はあるものの、特別に不自由は感じてはいない。
つまり自分は恵まれているのだと思う。
愛情深い両親に温かい家、十分な食事に清潔な寝床、季節ごとに揃えられた衣服。
大きな館を構える貴族のように召使いこそいないが、家は欠けるものなく満たされていた。
「そう、いつどうなるか分からない。だからこそ今を大事に生きなければならない。……そこで、だ。アリセル」
母の言葉に繋げてジョゼフは言う。
父の双眸に、ふと悪戯っぽい煌めきが宿ったのをアリセルは見逃さない。
何を言われるのだろうと身構えると、思いがけない言葉が耳を打つ。
「お前にはこれから私の仕事を手伝って貰いたい」
「お父様の仕事を?」
ジョゼフの仕事とは罪人の看守だった。
法を犯した者の監督や警備を担っている。と、話では聞いているものの、実際に父の仕事場に行った事もなければ、そもそも罪人と接したこともない。
具体的な所は何も分からないが、尊敬する父の言葉はアリセルにとって絶対に等しい。
「勿論、私で良ければ手伝うけど……」
「ありがとう。実はお前に看守をして貰いたい人がいるんだ」
「その人は、どんな罪を犯した人なの?」
「何もしていない」
「何も?」
「親が罪人だったというだけで、幽閉された可哀想な子どもだよ」
「親の罪を子が背負うなんて変よ」
どうして出してあげないの? とアリセルは唇を尖らせる。
率直な感想に、ジョゼフは痛ましげな笑みを向けた。
「皆がお前のような考えならば、あの御方も救われるだろう。だが世間はそれを許さない。罪人の子もまた罪人。罰を与えて当然だと思っているんだ」
「……そんなの間違っている」
呟くアリセルに、「私もそう思う」とジョゼフは頷いた。
「だからこそ、お前に彼を任せる。牢獄の中の彼が、せめて快適に過ごせるように尽力をつくして欲しい」
そう言った事ならばと快諾したアリセルだが、「罪人の子」がどのような扱いを受けているのか、その時は想像だにしていなかった。
☆
「ルネ・サントレール」
前国王の嫡子。時代が時代ならば今は国王となる人物の名を、アリセルは反芻する。
ジョゼフがルネを吊し上げていた鎖を解く。鎖はジャラジャラと重たい音をたてて床に落ちた。
「ルネ様、私はジョゼフ・エルヴァンと申します。こちらは私の娘、アリセル・エルヴァン。以後、お見知り置きを」
汚物や吐瀉物にまみれた石畳みにジョゼフは跪く。一瞬、躊躇したアリセルだが、すぐに父に倣って片膝をついた。
「初めまして、ルネ様。アリセルです、よろしくお願いいたします」
スカートから膝に伝わる湿り気に身震いしそうになる所を、ぐっと堪えてアリセルは目の前の青年に声をかける。しかしルネは、両腕をだらりと下げて、深く項垂れたまま反応しない。
困惑したままジョゼフを横目で見ると、彼は頷いた。
「今日から私の娘が貴方の世話をいたします」
聞こえているのか、いないのかすら分からない。
ただ呼吸にあわせて微かに揺れる肩だけが、命ある事を物語っていた。
1
あなたにおすすめの小説
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる