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Echo29:壊されなかったもの
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窓からやってくる小鳥は、いつのまにかルネにすっかり懐いていた。
時間になると決まって現れ、彼の肩へと軽やかに舞い降りる。ルネが掌に赤穂を乗せると、小鳥は警戒も見せず、ひとつずつ丁寧に啄んでいった。
「この子、最近よく来てくれるようになったんだ……」
ルネは嬉しそうに微笑みながら、小鳥の背をそっと指先で撫でた。
小鳥は逃げもせずに受け入れている。その様子に、アリセルの頬がふんわりと緩んだ。
今朝は不思議な夢で目覚め、デイジーが自分の教育係になると告げられ、さらにはユーグとデイジーとの食事会まで開かれると言われた。
慌ただしく、落ち着かないことばかりだった。
だが目の前に広がる光景は穏やかで、一片のざわめきもない。
胸の奥で固くなっていたものが、静かにほどけていくのを感じた。
ぱたぱたと羽音をたてて、窓から飛んでいく小鳥を見送り、アリセルは微笑んだ。
「ルネ様、お外に出ましょう」
「……うん」
ルネがゆっくりと立ち上がろうとすると、アリセルはそっと手を差し出した。
それは、彼女なりの小さなエスコートだった。ルネは微笑みながら、その手を素直に取った。
☆
螺旋階段を下りた二人は、そのまま塔の裏手へと歩いていく。
ルネとアリセルは、木陰を落とすクルミの木の下に敷物を広げ、並んで腰を下ろした。
クルミの木の葉が、さらさらと音を立てて揺れていた。鳥のさえずりが遠くに混じる。
「今日も、いいお天気ですね」
アリセルが空を見上げながら言うと、隣にいたルネも同じように顔を上げた。
「うん。風も気持ちいいし、陽の光もやわらかいね」
「でも……もう少ししたら、冬が来るんですよね」
アリセルがぽつりとつぶやくと、ルネは小さく頷いた。
「そうだね。冬は、いつもとても寒かった」
その言葉に、アリセルの眼差しがふと曇った。
あの塔で、暖もろくにないまま、過ごしていた冬の日々。石の壁と床に囲まれた空間は、きっと骨の芯まで冷えたに違いない。
彼がそれを寒かったとだけ語ったことが、かえって切なかった。
「……今年の冬は、厚手の敷物やあたたかい毛布をお持ちしますね。火鉢も塔に運んで、お部屋の窓には厚い布を掛けましょう。冷たい風が入らないように」
アリセルの言葉に、ルネはしばらく黙ったまま視線を落としていた。
膝に置かれた自分の手を、じっと見つめるようにしていたが、やがて、ぽつりと口を開いた。
「……アリセルもジョゼフさんも、僕の看守なんだよね?」
彼の声はどこか迷いを含んでいた。
「看守なのに、どうして……君らは僕にそんなに優しくしてくれるの?」
アリセルは、問いかけの意図がつかめず、口をつぐんだ。
その静けさに背中を押されたかのように、ルネは言葉を続ける。
「……前の看守は、いつも叩いてきたし、笑いながら切ったり裂いたり、首を絞めたりもしたんだ。あとは……身体の奥を勝手に使われるのが……一番こわかった。だけど、それは全部僕のせいだって。僕は存在する事自体が間違っていて、みんな僕のことを憎んでいるのだから……。だから、そうされても当然だと言っていた」
そっと囁かれた言葉の重みが、時間差で落ちてくる。
アリセルは膝の上で強く拳を握り、まっすぐにルネを見た。
「それは違います。ルネ様のせいなどではありません。それにもう、絶対にそんな目にはあわせません。私が、ルネ様を守ります」
言葉を選ぶより先に、気持ちが溢れ出していた。
過去の傷を癒すことはできなくても、これから先は、自分が盾になると願わずにはいられなかったのだ。ルネはゆっくりと瞬きをし、それから、ふっと微笑んだ。
「……もう、アリセルには、守ってもらってるよ。初めて会った時から、ずっと、そうだった」
ルネは手のひらをそっと伸ばして、彼女の指先に触れる。
怯えていた過去ではなく、今この場所にあるぬくもりを確かめるような仕草だった。
「デイジーさんって、僕の教育係なんだよね。所作やマナー、それから他にもたくさん覚えなきゃいけないことがあるって聞いた。正直、難しそうだし、ちゃんとできるかどうか不安だけど……それでも頑張るよ。君と並んで歩けるように。同じ場所に立てるようになりたいんだ」
ルネの眼差しには、静かな決意が宿っていた。
言葉をゆっくりと選びながらも、その思いは揺らぎなく伝わってきて、アリセルの胸には温かなものが広がっていく。
かつての彼を思い返しながら、今の姿を見つめると、その歩みが確かに先へと進んでいることを実感させられた。
「応援しますね、ルネ様。私も、ご協力します。きっと一緒にやっていけますから」
アリセルがそう告げると、ルネは嬉しそうに頷いた。
「うん、ありがとう。……それに僕はユーグみたいになりたいんだ」
意外な名前が出て、アリセルは一瞬、まばたきをした。
思いがけない方向から投げかけられた言葉に、少しだけ思考がずれる。
けれど、ルネはまっすぐな目でこちらを見ていた。どうやら本気らしい。
「それはちょっと困ります。ユーグってば、すぐ人をからかうし、女の人には節操がないし、都合が悪くなるとすぐ誤魔化すんですから。……そりゃ、なんでもできて、頭もよくて、見映えがするとは思いますけど……」
言葉の終わりにかけて、アリセルの声はわずかに曖昧になった。
非難のつもりだったのに、思わず柔らかさが滲んでしまったことに、自分でも気づいていた。伝えきれない感情が胸に残っていて、それを口にするのが少しだけ恥ずかしい。
ルネは何も言わなかった。
ただ静かに、優しい目でアリセルを見つめている。その眼差しに気づき、彼女は目を逸らすように、わざと明るい調子で話を変えた。
「ユーグと言えば、約束したスミレの砂糖漬けを買ってきてくれたんです!」
籠を手元に寄せ、小箱を取り出す。
手のひらほどの可愛らしい小箱には淡い紫のリボンが結ばれ、ほんのりと甘い香りが漂っていた。
留め具を外し蓋を開けると、砂糖をまとった小さなスミレの花が、宝石のようにきらりと並んでいた。
「ねっ、可愛いでしょう?」
口元を綻ばせながら、アリセルはひとつ摘み、そっとルネの方へ差し出す。
受け取ったルネが戸惑いがちに花を口に運ぶのを見て、彼女もまた、ひとつ自分の分を口にした。
しゃり、と淡く響く小さな音。
舌の上でふわりとほどけた花弁は、思っていたよりも仄かな甘さだった。
香りが静かに広がり、どこか懐かしい気持ちになる。
「……ふふ、ちょっと不思議ですよね。甘いけど、お花の味もして」
自分の感想を言いながら、そっとルネの横顔を盗み見る。
彼がどんなふうに感じているのか、少しだけ気になっていた。
ルネは少しだけ笑って、ゆっくりと頷いた。
「おいしいね。なんだか……優しい味がする」
その一言に、アリセルは笑顔を見せた。
風が葉を揺らし、木漏れ日が足もとに淡く落ちていた。
何気ない時間なのに、ふと心に残っていきそうな、そんなひとときだった。
時間になると決まって現れ、彼の肩へと軽やかに舞い降りる。ルネが掌に赤穂を乗せると、小鳥は警戒も見せず、ひとつずつ丁寧に啄んでいった。
「この子、最近よく来てくれるようになったんだ……」
ルネは嬉しそうに微笑みながら、小鳥の背をそっと指先で撫でた。
小鳥は逃げもせずに受け入れている。その様子に、アリセルの頬がふんわりと緩んだ。
今朝は不思議な夢で目覚め、デイジーが自分の教育係になると告げられ、さらにはユーグとデイジーとの食事会まで開かれると言われた。
慌ただしく、落ち着かないことばかりだった。
だが目の前に広がる光景は穏やかで、一片のざわめきもない。
胸の奥で固くなっていたものが、静かにほどけていくのを感じた。
ぱたぱたと羽音をたてて、窓から飛んでいく小鳥を見送り、アリセルは微笑んだ。
「ルネ様、お外に出ましょう」
「……うん」
ルネがゆっくりと立ち上がろうとすると、アリセルはそっと手を差し出した。
それは、彼女なりの小さなエスコートだった。ルネは微笑みながら、その手を素直に取った。
☆
螺旋階段を下りた二人は、そのまま塔の裏手へと歩いていく。
ルネとアリセルは、木陰を落とすクルミの木の下に敷物を広げ、並んで腰を下ろした。
クルミの木の葉が、さらさらと音を立てて揺れていた。鳥のさえずりが遠くに混じる。
「今日も、いいお天気ですね」
アリセルが空を見上げながら言うと、隣にいたルネも同じように顔を上げた。
「うん。風も気持ちいいし、陽の光もやわらかいね」
「でも……もう少ししたら、冬が来るんですよね」
アリセルがぽつりとつぶやくと、ルネは小さく頷いた。
「そうだね。冬は、いつもとても寒かった」
その言葉に、アリセルの眼差しがふと曇った。
あの塔で、暖もろくにないまま、過ごしていた冬の日々。石の壁と床に囲まれた空間は、きっと骨の芯まで冷えたに違いない。
彼がそれを寒かったとだけ語ったことが、かえって切なかった。
「……今年の冬は、厚手の敷物やあたたかい毛布をお持ちしますね。火鉢も塔に運んで、お部屋の窓には厚い布を掛けましょう。冷たい風が入らないように」
アリセルの言葉に、ルネはしばらく黙ったまま視線を落としていた。
膝に置かれた自分の手を、じっと見つめるようにしていたが、やがて、ぽつりと口を開いた。
「……アリセルもジョゼフさんも、僕の看守なんだよね?」
彼の声はどこか迷いを含んでいた。
「看守なのに、どうして……君らは僕にそんなに優しくしてくれるの?」
アリセルは、問いかけの意図がつかめず、口をつぐんだ。
その静けさに背中を押されたかのように、ルネは言葉を続ける。
「……前の看守は、いつも叩いてきたし、笑いながら切ったり裂いたり、首を絞めたりもしたんだ。あとは……身体の奥を勝手に使われるのが……一番こわかった。だけど、それは全部僕のせいだって。僕は存在する事自体が間違っていて、みんな僕のことを憎んでいるのだから……。だから、そうされても当然だと言っていた」
そっと囁かれた言葉の重みが、時間差で落ちてくる。
アリセルは膝の上で強く拳を握り、まっすぐにルネを見た。
「それは違います。ルネ様のせいなどではありません。それにもう、絶対にそんな目にはあわせません。私が、ルネ様を守ります」
言葉を選ぶより先に、気持ちが溢れ出していた。
過去の傷を癒すことはできなくても、これから先は、自分が盾になると願わずにはいられなかったのだ。ルネはゆっくりと瞬きをし、それから、ふっと微笑んだ。
「……もう、アリセルには、守ってもらってるよ。初めて会った時から、ずっと、そうだった」
ルネは手のひらをそっと伸ばして、彼女の指先に触れる。
怯えていた過去ではなく、今この場所にあるぬくもりを確かめるような仕草だった。
「デイジーさんって、僕の教育係なんだよね。所作やマナー、それから他にもたくさん覚えなきゃいけないことがあるって聞いた。正直、難しそうだし、ちゃんとできるかどうか不安だけど……それでも頑張るよ。君と並んで歩けるように。同じ場所に立てるようになりたいんだ」
ルネの眼差しには、静かな決意が宿っていた。
言葉をゆっくりと選びながらも、その思いは揺らぎなく伝わってきて、アリセルの胸には温かなものが広がっていく。
かつての彼を思い返しながら、今の姿を見つめると、その歩みが確かに先へと進んでいることを実感させられた。
「応援しますね、ルネ様。私も、ご協力します。きっと一緒にやっていけますから」
アリセルがそう告げると、ルネは嬉しそうに頷いた。
「うん、ありがとう。……それに僕はユーグみたいになりたいんだ」
意外な名前が出て、アリセルは一瞬、まばたきをした。
思いがけない方向から投げかけられた言葉に、少しだけ思考がずれる。
けれど、ルネはまっすぐな目でこちらを見ていた。どうやら本気らしい。
「それはちょっと困ります。ユーグってば、すぐ人をからかうし、女の人には節操がないし、都合が悪くなるとすぐ誤魔化すんですから。……そりゃ、なんでもできて、頭もよくて、見映えがするとは思いますけど……」
言葉の終わりにかけて、アリセルの声はわずかに曖昧になった。
非難のつもりだったのに、思わず柔らかさが滲んでしまったことに、自分でも気づいていた。伝えきれない感情が胸に残っていて、それを口にするのが少しだけ恥ずかしい。
ルネは何も言わなかった。
ただ静かに、優しい目でアリセルを見つめている。その眼差しに気づき、彼女は目を逸らすように、わざと明るい調子で話を変えた。
「ユーグと言えば、約束したスミレの砂糖漬けを買ってきてくれたんです!」
籠を手元に寄せ、小箱を取り出す。
手のひらほどの可愛らしい小箱には淡い紫のリボンが結ばれ、ほんのりと甘い香りが漂っていた。
留め具を外し蓋を開けると、砂糖をまとった小さなスミレの花が、宝石のようにきらりと並んでいた。
「ねっ、可愛いでしょう?」
口元を綻ばせながら、アリセルはひとつ摘み、そっとルネの方へ差し出す。
受け取ったルネが戸惑いがちに花を口に運ぶのを見て、彼女もまた、ひとつ自分の分を口にした。
しゃり、と淡く響く小さな音。
舌の上でふわりとほどけた花弁は、思っていたよりも仄かな甘さだった。
香りが静かに広がり、どこか懐かしい気持ちになる。
「……ふふ、ちょっと不思議ですよね。甘いけど、お花の味もして」
自分の感想を言いながら、そっとルネの横顔を盗み見る。
彼がどんなふうに感じているのか、少しだけ気になっていた。
ルネは少しだけ笑って、ゆっくりと頷いた。
「おいしいね。なんだか……優しい味がする」
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