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第2章
羞恥の夜⚠️
しおりを挟む日が暮れる頃、ようやく猛烈なヒートの波が一度治まった。
エリアスは今度は気絶こそしていなかったが、精液や愛液、汗といった様々な液体に塗れ、シーツの上でうつ伏せになったまま、ぐったりと肩で息をしていた。
「……よく頑張ったな、エリアス」
ヴォルフはサイドテーブルから水差しを持ってくると、エリアスを優しく抱き起こした。
そして自らの口に水を含み、口移しでゆっくりと、何回かに分けてエリアスに飲ませてくれた。
(……本当に、全部ヴォルフがやってくれている)
喉を潤す冷たい水の感触に、エリアスはぼんやりと思った。
飲み終わると、ヴォルフはエリアスを支えたまま、背中をさすってくれた。
「辛いところはないか?どこか痛む場所は?」
「……だいじょうぶ、です……」
エリアスは力の入らない身体で答えた。
イキすぎ、感じすぎ、そして喘ぎすぎた影響で全身が重く、喉も枯れているが、体の痛みはない。
あれほど激しく求め合ったのに、ヴォルフが理性を保ち、エリアスの身体を気遣いながら抱いてくれたおかげだ。
「ヴォルフ……」
エリアスは甘えるようにヴォルフの首に腕を回し、抱きついた。
ヴォルフは愛おしそうに背中を撫で、尋ねた。
「少し、食べられるか?」
「……はい……」
エリアスが小さく頷くと、ヴォルフはアンナが用意してくれていた高カロリーのゼリー飲料と、温かいスープを少しずつ食べさせてくれた。
エリアスが落ち着き、再びベッドに横になって休んでいる間に、ヴォルフも自身の食事を摂り始めた。
しかし、エリアスはヴォルフから離れるのが寂しくてたまらず、ふらふらな身体を起こして、食事中のヴォルフの元へ這い寄っていった。
「どうした?寂しいのか?」
「……くっついて、いたくて」
食事の邪魔をするなんて行儀が悪い。こんな風に我儘になったのは、全部ヴォルフが甘やかすせいだ。
そう思いながらもやめられず、擦り寄っていくと、ヴォルフは困るどころか嬉しそうに目を細め、エリアスをひょいと持ち上げて自身の膝に乗せてくれた。
「いいよ。ここにおいで」
全裸のエリアスを抱っこしたまま、優雅にカトラリーを使って食事をするヴォルフの姿は、客観的に見ればシュール極まりない。
けれど、彼はその状況を心底楽しんでいるようで、凄く幸せそうだ。
エリアスもまた、彼の体温と鼓動を背中に感じながら、ぼんやりと幸せを噛み締めていた。
ヴォルフが食事を終え、夜の就寝に向けて湯浴みの支度を始めた時だった。
ヴォルフはエリアスを抱き上げると、当然のようにまた浴場の奥にあるトイレへと向かった。
「湯浴みの前に、出し切っておこうか」
「えっ……い、いえ、大丈夫です!」
確かに今、尿意はある。
だが、今はヒートの熱が一時的に去っていて、昼間よりも理性が戻っている状態だ。
さすがにシラフに近い状態で、あんな恥ずかしい真似はできない。
エリアスは必死に抵抗してみせたが、ヴォルフの腕から逃れられるはずもなく、全く勝てずにそのまま昼間と同じように便器に向き合わされた。
「だめだ。我慢は身体によくない」
ヴォルフの手がエリアスの下腹部を押し、ものを掴む。
背後から完全に身体を預ける形になり、逃げ場はない。
「ほら……出してごらん」
耳元で甘く囁かれ、的確に促される。
抗えない生理現象と、ヴォルフへの服従心。
「うぅ……っ、ひぐっ……」
ジョロ、ジョロジョロ……と、静かな空間に排泄の音が響く。
エリアスは羞恥に耐えきれず、ぼろぼろと涙を流しながら排泄した。
なんて恥ずかしい。
けれど、そんな泣き顔を見下ろすヴォルフは、どこか満足そうで、愉悦に浸っているようにさえ見えた。
(……ヴォルフは、本当に変態だ)
愛しいけれど、この人の性癖は底知れない。
出し切って力が抜けたエリアスを、ヴォルフは綺麗に拭いてやり、そのまま軽々と抱き上げて湯船へと運んだ。
「いい子だ。さあ、汗を流してゆっくり眠ろう」
温かいお湯に包まれながら、エリアスはヴォルフに身を委ねた。
こうして、長く濃厚なヒートの二日目も終わろうとしていた。
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