それではまた、どこかでお会いしましょう。

スイ

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 初めまして。久しぶり。こんにちは。こんばんは。

 どうやってこの話を始めたら良いのか、あなたに敬語を使うべきか話し言葉で語りかけるべきかもよく分かりません。
 この文章は、あなたに私を伝えるために書いています。私のこれまでをあなたに知ってほしいのです。

 ただ、これまで人生でまとまった文章を書いた事が無いから、何をどう書けばいいのか、まるで見当がつきません。この数日、何冊か本を開いてみましたが、ニコ動や任天堂で育った私にたくさんの文字を読むのはとても辛くて、すぐに諦めてしまいました。ベッドをまたぐ細長いテーブルの上には、私の骨董品みたいなASUSのノートパソコンなんかよりずっと古い院内文庫が三つ積まれたままになっています。もしかしたら、あなたの前にもまだ同じ物が置きっぱなしかもしれません。

 本を見て思い出すのは父さんの事ばかりです。父さんは私と違って本を読むし、書く人でもありました。休みの日は居間のこたつテーブルに分厚いダイナブックを置いて、丸一日小説を書いていたのを思い出します。父さんがもっと長生きしてくれてたら、私も本を読むような子になったかもしれません。

 父さんはよく言っていました。誰かに自分が書いた文章を読んでもらうのは幸せなことなのだと。

 当時はよく分かりませんでしたが、今はその意味が痛いほどに分かります。私のこの拙い文章なんかより面白いものはネットにありふれています。それに、今はそれでなくても人の気持ちが伝わる世の中です。そんな中で、わざわざ自分が書いた文を読んでもらえるというのは、幸せなのかもしれません。

 けど父さんが生きていた頃は共鳴症なんて言葉すらありませんでしたから、父さんが言いたかったことはまた別のことなのかもしれません。

 話がそれてしまいました。
 伝えたい事を伝えるというのは本当に難しいです。

 とりあえず、今の状況については、多分佐久間さんに教わった方が早いと思います。今の私には、あなたがどんな状況になっているか分かりませんから。下手な事を書いて、混乱させるのはあまり良くないでしょう。

 それで、私の事をどう伝えたら良いのか、ずっと考えていて、ようやく今、一つ思いつきました。

 とにかく最初から書けばいいんじゃないかと思います。
 つまり私が生まれてから今まで生きてきたこれまでを。

 馬鹿みたいなやり方だと思いますが、とにかくそれ以外の事が思いつきませんでした。たったこれだけ書くのも丸一日も掛かったのに一体いつまで掛かることか、治験に間に合うのかも分かりません。

 それでも、書くしか無いと思います。

 だけどその前に一つだけ。これは伝えておかないといけないと思います。私はあなたです。だから、これから書くことは全て、他人の話じゃ無くてあなた自身の物語として読んで欲しいのです。
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