【R18】会社追い出されたから趣味みたいな仕事始めて住込みメイド雇ってみた

スイ

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13-1.これからの二人について(Hパート)

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 ホテルマンが台車に載せた荷物を部屋の中に運び入れる。円筒形の帽子に襟や裾がピンと折り返されたジャケット。柔らかな笑みを浮かべた彼が「他にご用件はございますか?」と訊ねると、ホテルマンに負けず劣らず背筋をピンと伸ばした如月さんが、



「いえ、大丈夫です」



 と答えた。そしてホテルマンの一礼に対して如月さんも小さく頭を下げる。彼が部屋から出ていった直後、如月さんは力を抜くように長い息を吐いて、



「本当に、今日はここに泊まるんですか?」

「もちろん」



 不安そうな如月さんを見ていると少しだけ得意気になる。如月さんはケージに入れられた野生動物みたいに、恐恐と部屋を見渡す。扉こそ無いが部屋は三室に分かれていて、ベッドのある寝室とソファやテレビが置かれたリビング、それにテーブルと椅子が置かれたダイニング。僕たちが今いるリビングの一面は上から下まで窓になっていて、カーテンが開け放たれたそこからは都会の夜景が眼下にある。



「絶対、高いですよね」

「スイートだから、それなりに」



 高い、という部分に関しては半分本当で半分が嘘だった。このホテルには何度かうちの家具を入れたことがあって、客室の責任者とだいぶ仲良くなっていた。会場で如月さんが着替えている時に連絡を取って、事情を少し脚色して……つまり、意中の相手を落とせるか落とせないかの瀬戸際であると伝えると、空いている部屋の中で一番高いところを割引して取ってくれた。尤も格安と言える料金ではなく、普通の客室の数倍は払っている。ホテルからしたら埋まることのない予約のなしのスイートに人が入る事になるし、僕よりホテルに利益がある話だと思っている。



「もっと安いところで十分だったのですが……」

「でもほら、いきなり言われるとなかなか予約がね」

「それは、その」



 口籠る如月さんは珍しく、その姿が見れただけでもこの部屋を取った価値があると思う。僕は「じゃ」と自分らしくもない明るい口調で、



「撮影会の準備、お願いしてもいい?」

「あ。はい、そうですね」



 如月さんはホテルマンが置いたバッグを取り上げて、



「着替えてきますので、社長はカメラの準備をお願いします」

「スマホになるけどね」

「十分です」



 バスルームへと向かう後ろ姿を見送って、僕はソファに座り込む。革張りの高級感あふれるソファはどこまでも体が沈み込み、今日一日分の疲れが流れ出ていく。如月さんに言われたとおりカメラの準備を……と思ってスマホをいじるけど、全部AIで判断してくれるこの万能カメラにやることもなくて、結局閉じてしまう。商品の写真を取るためにかなり良いカメラを搭載したスマホを買ったけど、まさかこういう形で役に立つなんて。

 恋人同士、だよな。

 記憶は鮮明なのに、何度思い出してもコンビニ前のやり取りに現実味は無かった。こういう人が恋人だったら、と思ったことは正直何回もあったし、いやらしい妄想だって何度も。アダルトビデオを見ていても、喘ぐAV女優の影には常に如月さんの姿はあった。妄想するのは性交というよりむしろ犯すといった方が近いことばかりで、事が終わった後はいつも罪悪感がかすめ、だけどちょっと時間が空いたらまたその罪悪感も性欲に押しつぶされる、その繰り返しだった。

 理性を保てるだろうか。

 そう思って苦笑する。自信はないけど、嫌われることだけは避けないと。あくまで紳士的に、優しく、丁寧に。自分のことよりもまず如月さんの事を。

 疲れからの眠気が自問自答と性欲に遮られる。天井を見ながら過ごした時間がどれくらいのものだったかはわからない。街の喧騒も聞こえず、あるのはただ都会の空に横たわる静けさのみ。



「あの」



 ドアから合間から如月さんが顔を出す。頭にはすでに青のウィッグをかぶっており、顔の半分だけ出してこちらを見つめる姿はこの世で一番愛らしい生き物に思えた。思わず立ち上がる僕に、如月さんはおずおずと近づいて来る。会場で見たときと同じメイド服姿だというのに、体の内側から湧き上がる興奮は会場の比ではなかった。あの時は仕事として着ていたけど、今は僕だけのために着ている。必死に理性と罪悪感で押さえつけていた欲望が、ゆっくり顔を上げるのを感じた。



「準備が、出来ました」

「あ、あぁ。ーーそういえば、その服、持ってかえって良かったんだね」

「伊崎さんの会社の所有物みたいなので、その、特別に」



 如月さんは一瞬口を噤み、



「伊崎さんから、ちゃんと洗って返すように、と言われています」



 思わず飲み込んだ大粒の唾を、如月さんに悟られていないかが少し心配だった。

 如月さんは僕の目を見て、



「それでは、そろそろ、始めましょうか」



 :::



 着替えている時も、メイクを直している時も、体中の血液はいつもの倍近い速さで駆け回り続けていた。伊崎さんにやってもらったように、背中からお肉を集めて前に寄せ、いつもよりも深い谷間を作る。鏡の中の私に向かって、前かがみになり、その胸元を見せつける。洗面台を出る前に、スマホでカレンダーを見て、先月いつ生理がきたかを思い出す。

 今日は、大丈夫な日のはず。



 私は今日一日ですっかり慣れてしまったけれど、彼の方はそういうことには不慣れなようだった。スマホのカメラを構えたままで固まってしまう彼に向かって、今日なんどもリクエストされたポーズをしてみる。ほっぺに指を押し当てたり、片手をカメラに向かって差し出したり。

 仕事のときは隣に伊崎さんがいたし、何より仕事と割り切っていた分それほどの恥ずかしさはなかった。だけど彼を前にして、自分からポーズを取るというのは、知らない人を前にしているときより何倍も何十倍も恥ずかしく、それを「いいね」とか「ありがとう」「いいと思う」と語彙も少なめに、それでもしっかり褒めてくれながら写真に収める彼もまた、表情も動きもどこかこわばったものに思えた。



 彼がシャッターを切るたびに、私の頭の中には、これまで何度も自分を慰めた時の妄想がフラッシュバックしていた。妄想の中の彼はいつも力強く、強引に、時に意地悪く、私に対して腰を振っていた。優しい彼ももちろん好きだけど、もしできるなら、いつもとは違う、妄想の中で私をただひたすら性欲の対象とみなす荒くれた彼も見てみたかった。だけどそれをそのまま口にするのは、流石に憚られた。



「ちょっと場所を変えてみようか」

「どちらへ?」

「寝室の、窓の前で。夜景をバックに」

「わかりました」



 寝室にはダブルベッドが二つ並んでいて、ここにもリビングと同じ大きさのテレビが置かれていた。私が窓際に近づき夜景を見下ろすと、急に部屋の灯りが落ちる。窓からの光でぼんやり浮き上がった彼は、近づきながら、



「外から見えたらいけないから」



 どこか言い訳じみたような言葉に、私は「はい」と呟く。そして窓ガラスに背中を預けながら、



「今度は、どんなポーズをとりましょう」

「リラックスしている姿を撮りたいから、ベッドの上で座って?」



 私は「はい」と頷き、ベッドの上でしゃがみ込む。正座を崩して足をハの字に開き、お尻をぺたんとつける女の子座り。そしてふと思いつき、両手を突いて前かがみになる。彼はベッドの片膝をかけてスマホを向ける。当たりが暗くなったおかげが羞恥心は少しだけ遠ざかっていた。部屋に満ちる夜の静けさの中に私と彼の息遣い、それに一瞬を切り取るシャッター音だけが響いている。この心臓の鼓動が、彼に聞こえていないか私はふと不安になる。



「脚、立ててみようか」



 彼が言う通り、私は脚を立てる。体育座りのように膝を当て、脚は三角形を描くように開く。彼のスマホにはちゃんと写っているだろうか? 私の秘部を隠す青色のショーツが。彼は遠ざかったり近寄ったりしながら写真を撮り続ける。私は膝の上に置いていた手を後ろについたり、太ももに当ててぎゅっと掴む。その仕草のどれかが、彼の嗜虐心に引っかかる事を祈って。



「次は、膝立ちに」



 私はベッドの上で膝をつく。彼はベッドのから降りて立ち上がり、「もっと近くに」と言った。私は言われるがまま、赤ん坊のような拙い足取りでベッドの縁まで歩いていく。彼はだらりと垂らした左手に、薄暗闇の私を収めたスマホを握ったまま、



「あと、」



 一瞬だけ言い淀んで、



「スカート、たくし上げてくれる?」



 口の中に溜まった唾を飲み込む。私は「はい……」と言い、スカートの裾を握り、ゆっくりと胸元の少し下まで持ち上げる。もともと長くなかったスカートの下に、彼の視線が釘付けになる。私の中の熱が全て、彼が見つめる先に集まっていく。膣の中がじわりと湿っていくのが手に取るようにわかった。



「社長……」



 私は小さく首を振って「いえ」と小さくつぶやき、



「ご主人様」



 彼は視線を私に向ける。夜景の白く薄い光に照らされた彼の目から、いつもの優しさが消えているのに気づいた。そこに読み取れるのは吠えかかる直前の犬のような、野生的で攻撃的な色だ。その視線に当てられただけで私は泣き出しそうになる。喜びと呼ぶには粘ついた、とてつもない感情の高ぶりを感じる。



「写真は、撮らないんでしょうか?」



 答えは言葉では返ってこなかった。彼は私の後頭部を掴むと、乱暴に唇を押し付け、間髪入れずに舌を差し込んできた。私の口の中で彼の舌が暴れまわる。頬も歯も私の舌も、デタラメに触れては離れ、時に執拗に舐めつづける。顎先に唾が垂れ少しくすぐったい。

 ほんの数ミリだけ唇を離した彼は、



「もっとしてほしいことがあるだろ?」



 ベッドの上にスマホが投げ出される。

 左手が私の体を引き寄せ、右手が私の股に触れる。ショーツに押し付けられた指先はあっという間に私の割れ目を探り当ててその溝を撫でる。お尻に指が届くほど回り込んだ手の平がゆっくりゆっくり、前後に私の秘部を撫でる間、私の体は私の意志とはまるで関係のないところで跳ね回っていた。彼の肩に当てた手に力がこもる。喉元を上る嬌声を必死に抑えこみ、漏れ出た吐息が熱となって彼の耳にかかる。



「もっと……」



 思わず溢れ出た声を彼は聞き逃さなかった。彼は手の動きを更に緩やかに、触れたショーツに私から溢れ出た愛液を染み込ませるように指を押し付けながら動かして、



「なに?」

「もっと、して、下さい……」



 彼がクリトリスに触れ、体がびくんと跳ねる。



「ちゃんと言ってごらん? 誰に、どこを、どうしてほしいの?」



 唾液を飲み込む。彼の指が割れ目を往復するたびに腰が震え、ずっとお腹の底で眠っていた欲望の溜りがうごめく。顔をあげ、薄闇の中の彼を見つめる。私の言葉を促す彼の視線のままに、



「ご主人様に、私のおまんこを、たくさんいじめていただきたいです」



 言った直後、体中にこれまでとは違う熱が駆け回る。今まで妄想の中にしかなかった言葉を口にした恥ずかしさ、だけどそれよりはるかに大きな、彼の支配下に置かれることの快感だった。メイドに憧れている、という願望の影に隠れていた、誰かに隷属したいというマゾヒストの片鱗を、こんなにありありと感じることは初めてだった。うすうす勘付いていたけれどその度に否定していた自分の精神的な恥部を、彼の前にさらけ出せる事が心地良い。もっといじめて欲しい、もっと言いつけて欲しい、もっと満たして欲しい。視線で、言葉で、行動で、私を躾けて。



 彼はベッドに上がり体全体を使って私を押し倒す。ショーツを乱暴に引張り、足首までずり落とすと指先を割れ目に沈み込ませた。



「あぁぁぁあぁあ……!」



 悲鳴に近い声を上げてもなお、彼の指は止まることなく入ってくる。初めて受け入れる男性の指先に痛みはなく、むしろ愛液と混ざりあいながら暴れるそれに途方もない快感を感じる。私の頭の横に突きつけられた彼の腕から薄っすらと汗の匂いを感じた。シャツをまくりあげた彼の細身の腕に、レストランで見た時以上の血管が浮き上がっているのを見てなぜだか嬉しくなる。



 彼の指は私の中でばた足をするみたいに上下左右の膣壁を同時にこする。溢れた愛液が私のお尻にまで滴っているのがわかった。夜景を飲み込んだ部屋の中に、私の喘ぎ声と、愛液と指が混ざり合う水音、それに彼の荒い吐息が響き渡る。永遠に続くように思われた指の動きがゆっくりと静まり、今度は二本の指を揃え、入り口から奥まで往復し始める。先程までの荒々しさが消え、少しもどかしく、私の腰は本能のまま小刻みに動き始める。

 もっと、もっと、と願いながら「あ、ん、……んーー」と湧き上がる声をそのまま口にしていると、不意に彼の指先がどこか一点を触れた途端「あん……!」と一際大きな声が飛び出た。思わず口を塞いだ手を彼が乱暴に取り払う。彼は私の両手の手首を掴んで頭の上にクロスさせ、一緒くたに押さえつける。私の足首にはショーツが絡まったまま、彼の体が脚にのしかかってろくに身動きが出来ない。上も下も固定されたまま、彼は私が大きく震えた部分を集中的に責め立てる。



「あ……いや、だめ、あっ、あっ……んぅ……! そこ、あ、だめ……」



 一瞬、私の手首を押さえつける腕が離れ、メイド服の上をずり下げる。もともと半分露わになっていた胸がむき出しになり、ツンと張った乳首が飛び出る。「あ」と恥ずかしさに苛まれる暇もなく、彼の唇がそれに吸い付いた。



「あぁ、ご主人様、そんな……」



 彼は跡が残るほど強く吸い上げる。体の芯が彼に吸い込まれそうな錯覚。吸っては一瞬唇を離し、垂れた唾液ごとまた吸い上げる。右を吸ったら左、左をすったら右、出もしない母乳を求める赤ん坊のようで、気持ちよさとは違うところで彼の愛おしさも一層ましていく。膣をいじめる彼の指も激しくなり、私の快楽は違う次元に近づいていると本能で悟る。



「だめ、いく、いく、いっちゃいます」



 彼は乳首から口を離し、



「いって」



 たった一言なのに、まるでその命令を心待ちにしていたかのように体がうずき始める。背筋が反り、両手がシーツを掴み、目も開けていられず瞼と眉間に力がこもって視界が狭くなる。



「いっちゃう、いっちゃいます、ご主人様、だめ、だめ、う、あ、……や、あ……!」



 口から漏れる声は言葉というより動物の唸り声に近くなっていく。閉じた瞼の裏にあるのは形のない、だけど今の体を支配している乳首と膣の燃え上がるような快感。暴れだしそうな脚が彼の体重で押さえつけられ、身動きの取れない体がそれでもなお快楽の逃げ道を探そうと無駄に足掻き続ける。



「だめだめだめだめ、あ、あ、あ、ああぁぁぁあ」



 やがて逃げ道をなくした気持ちよさはそれが生まれた所、膣へと集まり、積み重なり、遥か彼方にあったはずの一点に向かって急速に枝葉を伸ばし始める。体中を駆け回る痺れもまた一箇所にあつまり、快楽のさらに上で雷のように一際大きいきらめきになる。



「いくいくいく、だめだめ」

「いいんだよ、いって」

「だめ、あ、んぅぅ……あ、あ、あ、だめだめだめ」



 彼が唇が私の耳元へ。耳朶に吐息がかかるほど近いところで、彼がささやく。



「大好きだよ」



 頭が真っ白になる。

 体が引きつって腰が浮き上がる。自分の耳に届く自分の声が遠い。長い長い絶頂が去っても尚、過ぎた快楽の跡が轍のように体に残っていた。何度も何度も荒い呼吸を繰り返し、体中の強張りを解きほぐしていく。ようやく視界が広がり、元の薄暗闇の中で彼の顔を見て、思わず微笑んでしまう。



「大丈夫?」



 先程の乱暴さが嘘みたいに彼が語りかける。その優しさが嬉しく、だけど少しだけ寂しい。



「大丈夫、じゃなかったです。こんなに気持ちいいなんて、知りませんでした」

「すごい声あげてたから、心配になった」

「もう」



 そう言うと二人して思わず笑った。



「少し休む?」



 と彼が訊ねる。私はそれに答えず代わりに彼の股間に手を触れる。ズボン越しに固く、そして熱く張った彼のペニスをなでた。



「私は、すぐにでもお返ししたいです」



 彼の目がまた変わる。私のあそこがきゅっと絞まる。今なら少しだけ、その目の尖らせ方が分かる気がする。顎を引いて上目遣いに、胸元に手を置いて少し寄せる。いつもより甘い声で、そう、恋人同士でだけ出せる女としての声で、



「良ければこのままご奉仕させてください、ご主人様」
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