彼と彼女と俺の話

山田ジギタリス

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彼?彼女?どっち?

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 高校に入ってすぐに仲良くなった奴がいる。

武田薫。

 細身だが意外と力が強い。女子にも優しく、彼女たちは熱い目で見る。彼は確かにカッコいい。
隣の席になった俺とは好きなゲームの話で盛り上がり友達になった。

そのときは俺は大きな勘違いをしていた。
それがわかったのは入学後三日目の放課後だった。

部活動のお試し期間なのでクラスメイト達はみんな希望の部活に行っている。俺と武田は希望している部活の顧問が用事があるとかで部活は中止。もう一人仲良くなった上杉が帰ってくるのを待っていた。

「おぉ、来た来た来た、SSR+だよ、これで次のレイドは勝てる」
 武田がガチャ画面を見せてきた。
「おお、本当だ。俺は…………これって……」
 俺のスマホが虹色に光る。もしかして……。
「Lだぁ、しかもこいつ今回だけの特別なやつ」
「ええぇ、嘘だる、ちょっと見せろ、見せろってば」

 俺がスペックをみようとしているのに無理やりスマホを奪ってみようとする武田。

「待てよ、待てってば……」

 俺は武田の胸を押し離そうとする。

「きゃぁ~」 

 あれ、今、むにってならなかったか、武田の胸、柔らかい……。

「なっ、何するのよ……するんだよ」

 顔を真っ赤にする武田。呆然とする俺。武田は胸を抑えて教室を出ようとする。そこに上杉がはいってきた。

「薫ちゃん、どうしたの? 顔真っ赤だけど。あー、織田、お前薫ちゃんに何をした」

 スカートを気にせず椅子に足を乗せて俺にすごむ上杉。

「あ、あの、た、武田が女の子?」
「初日に言って……なかったね、薫ちゃん」
「そういえば……そうだった……かも」

 この学校、男女関係なしの出席番号だし、制服も男女どちらもOKとなっている。だから女子でもスラックスの子がちらほらいて。
でも、武田はどうみてもイケメンで男子だと思い込んでいた。話し方もそうだし。持ち物もそうだし。

「あんたねぇ、そんなの一言聞けばいいだけじゃない」
「もういいから、伊織ちゃん」

 確かに上杉の言うように一言聞けばよかったのだけど、すっかり男だと思い込んでいた。あれ? 上杉の話かたって。

「すみません、今更ですが、上杉さんは男の子でしょうか?」
「あーもう、こんなにかわいい女の子はいないでしょ、私は男。もちろん好きなのは女の子だからあんたは対象外よ。残念でした」
「伊織ちゃん、それはきついよ」

 結局、武田と上杉にジュースを一本ずつ奢ることで許してもらえた。武田と上杉は小学校からの友達でその頃からこんな感じだったそうだ。
体格が似ている二人は中学生のころは互いに制服を交換していたそうだ。よく許したなその中学校。

ただ、それからは、女の子だとわかった武田もだけど男とわかっているのに上杉も気になるようになってしまった。
俺は高校生活を平穏に過ごせるのだろうか。
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