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三角形
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◆◆◆
地域の寄り合いも終わりそろそろ皆を送らねば。
そう思って立ち上がってすぐにめまいがした。
目の前が暗くなった。
なんだこれは、あぁこのまま逝くのかな。走馬灯のようにって良く言ったもんだ。
昔のことが目の前に浮かぶ。
僕は先輩と弥生にいっぱい助けられた。
幸せな一生だった。
弥生姉ちゃん、先に行くから二人の時間を楽しんで。
でも、あの夜のことと末っ子のことは二人の秘密だよ。
墓の中まで持って行っておくれ。
あぁ、もう何も考えられない。
がっしりした腕に抱きかかえられている気がする。あぁ、間に合ったのか。
先輩、弥生と仲良くね。
弥生、二人の生活を楽しんでおくれ。
◆◆◆
夫が目を開ける。
私の顔を見て、三月と間違えたのだろう、微笑んだ顔が少し残念そうな顔になる。
「弥生、いてくれたのか」
相変わらず嘘が下手な人。
三月が逝ってしまって元気がなくなった夫を無理矢理連れ出して二人きりで温泉に行った。
三月を連れて行けないなら、三月は反対したけど新婚旅行には行かなかった。
だから、最初で最後の二人きりの旅行だった。
でも、うれしいと思うより物足りないと思った。やはり三角形の角が一つ欠けたからだね。
それから間もなく夫は体の不調を訴えそのまま入院してしまった
お医者様は気力が戻れば回復すると言われた。
でも、最愛の妻を失った夫にはそれは無理だろう。
悲しいけど私では無理だった。
それでも、ずっと私はそばにいた。ありがとうを伝えたいから。
あの世で待ってる三月と仲良くね。
三月、私の大切な弟で私が結婚して唯一浮気をした相手。
あの夜の事と末っ子のことはあの世に行っても秘密だよ。
貴方たちのところにはゆっくり行くから仲良くしててね。
せっかくだから恋でもしてみようかな。
嫉妬して二人が化けて出てくれるかな。
嘘、こんなおばあちゃんにそんな相手いない。
ひ孫たちの成長を見て二人に報告するから。
もう少し待っててね。
◆◆◆
目を開けると目の前にしわだらけの顔がのぞき込んでいた。
三月、いやあいつは先に逝ってしまった。目の前にいるのは弥生。
俺は三月に出会って幸せだった。
世間では陰口たたかれる関係だったけれど何度となく彼に助けられた。
そして弥生、君にも苦労掛けた。
「弥生、いてくれたのか」
彼女の目に涙が浮かぶ
「ありがとう、君といて幸せだった」
これだけは伝えないと
三月と弥生、二人と暮らした年月は大切な思い出。
悪いけど先に三月のところに行っている。
急がなくてもいいから、でも、寂しいからあまり待たせないでくれ。
あと、末っ子の事、なんで隠しているのかわからないけど。
それは二人の秘密なのかな。
俺が居なかったあの夜なにがあったかは聞かない。
俺が愛した二人なんだから、二人が肌をあわせても怒らないよ。
俺が最初の彼女に裏切られたこと、気にしてるならそれは逆だよ。
あぁ、もう何も考えられない。
待ってるから。
地域の寄り合いも終わりそろそろ皆を送らねば。
そう思って立ち上がってすぐにめまいがした。
目の前が暗くなった。
なんだこれは、あぁこのまま逝くのかな。走馬灯のようにって良く言ったもんだ。
昔のことが目の前に浮かぶ。
僕は先輩と弥生にいっぱい助けられた。
幸せな一生だった。
弥生姉ちゃん、先に行くから二人の時間を楽しんで。
でも、あの夜のことと末っ子のことは二人の秘密だよ。
墓の中まで持って行っておくれ。
あぁ、もう何も考えられない。
がっしりした腕に抱きかかえられている気がする。あぁ、間に合ったのか。
先輩、弥生と仲良くね。
弥生、二人の生活を楽しんでおくれ。
◆◆◆
夫が目を開ける。
私の顔を見て、三月と間違えたのだろう、微笑んだ顔が少し残念そうな顔になる。
「弥生、いてくれたのか」
相変わらず嘘が下手な人。
三月が逝ってしまって元気がなくなった夫を無理矢理連れ出して二人きりで温泉に行った。
三月を連れて行けないなら、三月は反対したけど新婚旅行には行かなかった。
だから、最初で最後の二人きりの旅行だった。
でも、うれしいと思うより物足りないと思った。やはり三角形の角が一つ欠けたからだね。
それから間もなく夫は体の不調を訴えそのまま入院してしまった
お医者様は気力が戻れば回復すると言われた。
でも、最愛の妻を失った夫にはそれは無理だろう。
悲しいけど私では無理だった。
それでも、ずっと私はそばにいた。ありがとうを伝えたいから。
あの世で待ってる三月と仲良くね。
三月、私の大切な弟で私が結婚して唯一浮気をした相手。
あの夜の事と末っ子のことはあの世に行っても秘密だよ。
貴方たちのところにはゆっくり行くから仲良くしててね。
せっかくだから恋でもしてみようかな。
嫉妬して二人が化けて出てくれるかな。
嘘、こんなおばあちゃんにそんな相手いない。
ひ孫たちの成長を見て二人に報告するから。
もう少し待っててね。
◆◆◆
目を開けると目の前にしわだらけの顔がのぞき込んでいた。
三月、いやあいつは先に逝ってしまった。目の前にいるのは弥生。
俺は三月に出会って幸せだった。
世間では陰口たたかれる関係だったけれど何度となく彼に助けられた。
そして弥生、君にも苦労掛けた。
「弥生、いてくれたのか」
彼女の目に涙が浮かぶ
「ありがとう、君といて幸せだった」
これだけは伝えないと
三月と弥生、二人と暮らした年月は大切な思い出。
悪いけど先に三月のところに行っている。
急がなくてもいいから、でも、寂しいからあまり待たせないでくれ。
あと、末っ子の事、なんで隠しているのかわからないけど。
それは二人の秘密なのかな。
俺が居なかったあの夜なにがあったかは聞かない。
俺が愛した二人なんだから、二人が肌をあわせても怒らないよ。
俺が最初の彼女に裏切られたこと、気にしてるならそれは逆だよ。
あぁ、もう何も考えられない。
待ってるから。
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