普通の会社員の異世界冒険物語〜程々に強いがちやほやされる訳でもなく、悪い奴もそんないない異世界で必死に生きる〜

ときすでにおすし(サビ抜き)

文字の大きさ
18 / 46
第3章 王都ラーメン編

04.王都到着

しおりを挟む
 さて、アガリさんと王都を目指して移動中。
 
 山道を歩いていると、どうやら、この道の一番高い所まできたようだ。
 そこを登り切ると、奥の方に王都が見えた。大きいな。

 なかなか見晴らしがいいので、ここで昼食を取ることに。
 アガリさんが昼食を作ってくれている。かまどなどの準備は、もちろん手伝った。

 作っているところをみて衝撃をうけた。
 大量の白いつぶつぶを茶筒(のようなもの)に入れ水で何度かすすぎ、蓋を閉めて火の中に置いた。
 まさか、それは・・・何も言わずに、ゴクリと唾をのむ。
 しばらくして、茶筒の蓋が吹きこぼれで外れそうになったところに、石をのっけていた。吹きこぼれが落ち着くと、火が弱いところに茶筒を移動させていた。
 さらにちょっとして、鍋つかみのようなグローブをはめて、茶筒を火から取り出し蓋を開けた。

 こ、この、ちょっと黄色が混じってるけども白いこいつは・・・あれだろ、あれしかないだろ。

 そして、アガリさんは昨日の戦闘でも活躍していた中華鍋に、野菜と肉を細かく切って入れてシャカシャカ炒めている。
 ある程度炒め終わったようで、卵を入れて、先ほどの茶筒の中身を入れ、またシャカシャカ炒め始めた。
 瓶を開けて、何か液体をふりかける。仕上げのようだ。

 こ、これは・・・チャ・・・いやまて。まだだ、まだわからんぞ。似てるけど全然、違うっていうパターンもある。
 落ち着け、おれ。
 俺は、半端じゃないぐらい動揺していた。


「できましたよ!さぁ、どうぞ。この料理も私のラーメン店で出す予定です」
 
 金属製の食器に大盛りの食べ物。スプーンが添えられてる。
 食べる前から、よだれが口の中に広がる。

 見ただけでわかる。これは絶対アレだ。
 もうかれこれ4年以上も口にしてなかったアレだ。


 一口食べる。
 ポロリと涙。


「チャーハンうめぇーーーーーーーーーーー」

 絶叫に近い声が出ていた。
 その後はよく覚えてないが、泣きながら食べていたそうだ。
 おかわりもしたのを覚えてる。


「そ、そんなに喜んでもらえるとは思いませんでした。この料理ご存知だったのですね。もしや、この辺では有名な食べ物なのですか?」

「い、いえ、昔旅の途中で、食べたことがありまして・・・それで知っていただけです」

 さらっと嘘をつく。

「そうだったのですね。今食べていただいたチャーハンは大昔の勇者様が残したという勇者料理の原書『きょうの晩ご飯』の第3章2節に出てくる食べ物で、そこに記された材料の特徴を持った食材を私の一族代々が探して歩き、記された古の調理方法を復元し、数代をへて私の代でやっと再現したものです。まさか、私の一族以外にも第3章の料理を研究している人がいたとは・・・どうでしたか、私のチャーハンと、タケシさんが食べたというチャーハンどちらが美味しかったですか!?どっちですか!」

 すげぇー饒舌に喋って、すげー聞いてくる・・・

「あ、アガリさんのチャーハンのが美味しかったです。」

「すみません、取り乱しました。第3章に置いては、どうしても一族で取り組んでいたものなので、譲れないものがありまして・・・」


 しかし、きょうの晩ご飯か・・・ネーミングセンスが・・・
 だが、ないすー勇者ないすー。お前のおかげで、今チャーハン食えたよ。本当にありがとう。

「素晴らしい料理です。お店できたら食べに行きますね!」

「ありがとうございます!ぜひ、お願いします!」

「そういえば、この白いつぶつぶは(コメだろうなぁ)なんていう食材ですか?」

「あぁ、これは勇者米です。この辺ではあまり食べられていませんが、隣の国ではポピュラーな食べ物です」

 コメきたー。ネーミングセンスが・・・

「これは、王都でも買うことができますか?」

「そうですね、市場とかに行けば、取り扱ってる商人がいると思いますよ。私もそこから仕入れる予定です」

「あ、あと、最後の方にかけた瓶の調味料はなんですか?」

「よく見てますね。あれは、ソーイソースというものです。醤油ラーメンというラーメンの味の決め手となるものです」

 ソ、ソーイソース・・・醤油でいいじゃん・・・


「ソーイソースも、市場で買えますか?」

「ソーイソースは、調味料をあつかっている店であれば、どこでも買えると思います」

「ありがとうございます!王都にいったら、市場を回って見たいと思います」

 そうか・・・
 冒険者御用達の道具屋で、調味料セットを買っていたのが失敗だった。
 市場を見て回ればよかった・・・ルルドさんの露店、そういや行かずじまいだったな。
 流石にもう別の街に移動している頃だろう。

 いやぁ、しかしうまかった。

 その後、特に問題も起きずに、夕食になった。
 辛めのチャーハンで、絶品だった。



 しばらく、チャーハンを食べ続ける旅が続き、そしてようやく王都についた。
 正直チャーハンは、もういいやってなりました。最初の感動は、ちゃんと覚えてます。

 そういえば、今更だけど、ここって王国なんですって。あと、ここに王様いるんですって。そして、さらに今更続きだが、イズミール王国というそうだ。
 そういえば、カルディアが言ってたような・・・いや、あいつ言ってなかったな。

 ここの王族は、代々火属性の魔術に長けた一族だそうだ。なんでも、杖も魔石もなく、火属性の魔術を使うことができるそうだ。
 たぶん、それ魔法なんじゃねーか?

 とりあえず、王都に入ろう。入場門は、長蛇の列。
 そうですよね。王都ですもんね。

 2時間ぐらいまって、ようやく俺らの番がきた。
 水晶を触って、俺は冒険者と、アガリさんは料理人かつ、ここで開業予定ですと伝えるとすんなり入れた。いいのか、そんなんで。水晶がなんだかわからないが、王都なのに。セキュリティあまくないかい?

 門を潜り、門前の広場にすすむ。

 あぁ、すごい。めちゃめちゃ広い。
 そして、建物がいっぱいある。冒険者ギルドは、門の側が定位置らしくすぐ見つかった。アガリさんは、商業ギルドにいって転籍と開業登録、そして店舗候補をさがすという。
 
 ここで、お別れとなった。

 また近いうちに会いましょうと約束して別れた。なにせ味噌ラーメンをまだ食べてないからな。開業準備手伝わせてくださいと懇願しておいたので、動きがあれば連絡がくるだろう。
 お互いのギルドに言伝で対応することにしておいた。


 さて、まずは宿を探そう。どこがいいかな。
 そして、宿を見つけたら、激戦区へ直行だ!
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる

ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。 レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。 これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。

処理中です...