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第4章 中級冒険者編
06.敗走
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翌日。
また、カルディアに「おーい、朝だぞー」と起こされた。
あれ、なんで?
シパシパする目をこすりながら、カルディアをみると、風呂に行く準備をした天使がいた。あれ昨日は、確かちゃんとそれぞれの部屋に別れたはず。
こいつまた、鍵開けて入って来やがったか。
まぁ、いいか。起こされるのは悪くない。むしろ、毎朝頼みたいぐらいだ。
「お、おう。ありがとう、起こしてくれて。助かるよ」
「そうだろうそうだろう」
カルディアは嬉しそうに「じゃあ、風呂入ってくるからなー」って言って走っていった。廊下は走るなよ。忙しいやつだ。
それから、風呂上がりのカルディアとささっと朝食を食べて、ギルドに向かう。
みんな揃ってたが、一人明らかに昨日と違う奴がいた。
エリサだ。昨日までは、魔道士のローブの中は、可愛らしい感じの色合いの服だったのが、今日は真っ黒になっている。
ど、どしたの、と聞いたら、「妖精さんがね、この服をくれたの」と言い始めた。
やべーな。行くとこまで行ったかこれは。
カルディアが、服を見て何かに気がついたようだ。
「エリサ、それ精霊の服じゃないか、すごいな」
「そうなのね。あの子は、妖精さんじゃなくて精霊さんだったのね」
どこか遠くをみるエリサ。
マークにエリサ最近変わった感じしないって聞いてみたら「そうか?エリサ最近調子いいみたいでよかった」そ、そうか。
アディさんは「ずっと精霊の匂いがするとおもったら、それ精霊の服だったのね。ここまで闇の精霊に好かれる人間がいるのね」と、驚いている。
と、とりあえず、決して悪いことでは無いので、忘れることにした。
気を取り直して、まずはギルドの売店に行ってダンジョン内で数日過ごせるだけの携帯食料を買う。「いいか、ダンジョンをなめるなよ!軽装で行くと死ぬぞ。しっかり用意しろ!」とみんなに言っておいた。昨日初めて行ったばかりだが。
各自準備を終えたようなので、出発だ。
マークとエリサが手ぶらだったのでダンジョン舐めんなと詰めそうになったが、アディさんの指輪に収納しているらしい。なにその便利な指輪欲しい。
けど、俺にはカルディアにもらった大切なリュックあるし。しかも、カルディアとお揃いだ。
アディさんも、なにも荷物をもっていないが、アディさんだからな。
よし、じゃぁ出発だ。
ダンジョンに入ると、第6階層からスタートできた。
まだ草原だった。出てくるモンスターは、第5階層のボスオークが草原に普通にいた。
今日は、マークも活発に動いている。アディさんからもらった漆黒の剣で、オークたちを斬って行く。
こいつも、だいぶいい動きしてるな。なんか途中で影みたいになって、消えて敵の背後に回るとか、どんなチートだよ。
エリサは、いつものように魔術を打ちまくってる。うちの闇勢つぇー。
カルディアもショートソードでオークを両断していってる。
俺と、アディさんは3人を見守っていた。
うちのパーティ自由だな。
で、まぁ、こん感じで第10階層のボスまで来ちゃいました。
中に入ると、初めて見る魔物がいた。オーガらしい。あぁ、あれが有名なオーガかぁ。この世界のオーガも、筋肉すごくて、でかくて、ツノ生えた鬼みたいな見た目だった。でかい剣を持っていて、鎧も着ていた。
見た目がめちぇめちゃ強そう。
オーガは、ただこちらをじっと見ている。
エリサが「私が行く」というと、マークとカルディアが、俺も私もと立候補してきて揉めてたので、じゃんけんさせた。勝ったのはマークのようだ。
マークは、すごいスピードでオーガに走って行った。
あとちょっとで二人がぶつかりそうな距離になったところで、オーガが先に動いた。オーガの剣がマークを薙ぎ払う。もろに食らい真っ二つになるマーク。
え!?っと驚いたが、真っ二つになったのは影だった。
そして、マークはオーガの後ろに現れて、横一文字に漆黒の剣を滑らせてオーガを両断した。オーガが消え魔石が落ちる。
うわ、影になるのかっこよすぎ。
横を見ると、カルディアとエリサが、つまらなそうにしている。
え、なにこの武闘派達は。好戦的すぎるだろう。
さ、さて、次の階層に進もう。
第11階層は、海だった。
砂浜があって、そこに貝のでかい魔物が転々といる。
カルディアとエルサとマークが突っ込んで行って、あっという間に倒していく。
どれどれと、俺も近くにいた貝に切り掛かってみたが、全くダメージを与えられなかった。貝硬っ。あいつらまじか。
とりあえず、魔法で焼いて倒した。実に、香ばしく美味しそうな匂いがしてる。お腹が空いてきたなぁ。
しばらく探索して昼にすることにした。ひらけた場所にカルディアが結界を貼ってくれたので、そこで食べることに。
携帯食料を取り出して食べる。美味しく無いなこれ。みんな無表情で、もぐもぐしている。携帯食料が続くと、気力がごっそり持ってかれそうな気がする。
これは、食料を持ち込んで自分らで簡単なものを調理したほうがいいな。ここの魔物は倒すと消えてしまうし。
これからのご飯事情を考えていると、カルディアが「ちょっと出かけてくる」といってどっか行ってしまった。どこ行くってんだ、あ、トイレか?
しばらくすると、手にソース唐揚げを持って帰ってきた。ちょっとつまみ食いしたようだ。
え、なんで、ソース唐揚げもってんの?
聞いて見ると、携帯食料がまずかったので転移魔法で唐揚げを買いに行ったようだ。え?転移魔法使えるの?な、なんだと・・・。
え、じゃぁ、転移魔法使えば、別にどこからでも街に戻れんじゃん。
アディさんも、カルディアも、そして、この前のマークお持ち帰り事件の時に作ったので、たぶん俺もできる。
よし、次から休憩は一旦街に戻ることにした。
心の中で、一気にダンジョンの攻略難易度が崩れ落ちる音がした。
夜は帰ってお風呂入ってエール飲んでベッドで寝て、翌朝ダンジョンアタック再開とか・・・どんなだよ。最高じゃねーか!!!
気を取り直して、ダンジョン探索再開。
なんの苦労もなく第15階層のボスまで到着。ほぼ最短で次の階層の階段に向かっているのでめちゃめちゃ早いペースで進めていると思う。
出会う魔物も、エルサとマークとカルディアが速攻で倒しちゃうし。
さて、ボスはどんなかなっと。なんというか・・・でかいイカだった。
これは、流石に連携したほうがいんじゃ無いかと思ったんだが、武闘派の3人がボスに向かって走って行く。
好き勝手すぎるだろ流石に。あいつら、そろそろお説教が必要だな。とりあえず、見守る。
カルディアが雷の魔法をつかってイカをスタンさせたな。ふむふむ。マークが足をどんどん斬って胴体まで近づいたなぁ。マジかよ、マークの影からエリサが現れたぞ、そ、そんなのできるの?そしてエリサが至近距離で黒いファイヤーボールを打ち込んで、速攻で倒しやがった。
さ、3人で連携してるだと・・・。
お、俺もまぜてよ!!!!
次の層からは俺も戦闘に参加した。アディさんは、微笑ましそうに俺らを見守っている。
第20階層のボスも4人で連携して倒す。
そして、流石に疲れたので、一旦転移魔法で街に戻って、また翌日アタックを開始する。もちろん、朝カルディアが起こしてくれて、幸せだった。
第25階層、第30階層、第35階層のボスも問題なかった。
俺ら、Aランクじゃないか?実質。俺も調子に乗り始めていた。
さて、こんな感じで第40階層のボスまで、すんなり来れちゃいました。
ここは受付のお姉さんが言っていた急に敵が強くなる階層だ。
どうせ、すんなり倒せちゃうんでしょう?とか思いながら、ボス部屋に入る。
ボスは、赤黒いオーガだった。見た目は第10階層のオーガの色が違うだけで、何も持っていない。ただ、じっとこちらを見ている。またオーガか。
初めは色が違うだけだろうどうせと思っていたが、なんか雰囲気がピリピリするというか、今までのボスとは明らかに違う感じがして来た・・・。
カルディアが「こいつは、今までのと比べ物にならないようだ、慎重にいくぞ」と言い出した。
え、なに急に。ここからが本番?
試しにエリサが、離れた場所から黒ファイヤーボールを撃ったが、手で弾かれてしまった。
ならばと、エリサが特大の黒ファイヤーボールを撃ったが、また弾かれてしまった。その隙に、マークがオーガの後ろに回り込み、死角から斬りかかったが、それも防がれてしまった。マークが驚いていると、オーガが素早く回転してマークを蹴り飛ばして、またこちらをじっと見ている。
よし、明らかに、いままでと違う。俺達TUEEEタイム終了のお知らせだな。
すぐにマークの側に行き、腹を抑えて苦しそうにしているマークに回復魔法をかける。何本か骨が折れてるなこれは。とりあえず、骨を元に戻して、臓器を回復していく。
その間、エリサは、黒ファイヤーボールを撃ちまくっているが、全部弾かれて心が折れかけている。
「なんで、なんで、なんで当たらないのよー!当たれ、当たれ、当たれ」っと、発狂気味だ。
やべーな、こいつ、つっよ。勝てるイメージがわかない。
そ、そうだ、俺には隠し要素の加護があった。
今だ!内に秘めた眠れる加護さん!
今しかないぞ。チート加護で大逆転俺TUEEEEパターンは、今しかできないぞ!
「(そうゆうのじゃない!)」加護
「えっ」俺
「(えっ)」加護
まさかの回答きました。
さて、どうしたもんだ。加護もダメだった。詰んだな。
AランクとかSランクの人たちこれに勝てるのか?バケモンだな。
マークもエリサもダメだった。俺がいってもダメだ、勝てっこない。
どうする、どうする、どうする・・・。
どうしようか考えていると、カルディアが俺に聞いてきた。
「さて、タケシどうする?お前、行ってみるか?」
「む、無理だ。あいつには勝てない」
「じゃあ、私が行くぞ」
カルディアはオーガに向かって歩き始めた。カルディアの周りがちょっと光ってるので強めの身体強化をかけているのがわかる。徐々に加速しながら、オーガに向かい光の矢を五月雨に放った。
そして矢を弾いてるオーガに向けて飛び込み、横に一文字に斬りかかった。
この一撃は単純な動きにみえるが、カルディアの魔法でとんでもなく重い一撃に変わっている。まともに受けれるはずがない。
しかし、オーガはだいぶ後ろに下がったが、両手でガードしてカルディアの一撃を正面から抑えやがった。
カルディアはすごい嬉しそうに「タケシ、やっぱりこいつ強いぞ!」とかいってきた。
兄貴の時と同じデジャブ感。よ、余所見するなって、あ!!
カルディアがオーガに蹴り飛ばされる。
カルディアは体をひねって着地して、起き上がりながらすぐに光の矢を五月雨に放ち、先ほどよりも早い動きでオーガに飛び込んで行った。楽しそうに斬撃を繰り返すカルディアと、防戦一方のオーガ。一撃一撃が重いはずだが、オーガはそれを防いでいる。すげーなこいつ。
その後も、カルディアの動きはどんどん早くなり、ちょっと目で追うのが難しくなったぐらいで、オーガの防御をカルディアが破って、致命傷を入れた。そして、オーガは消え、大きな魔石が落ちた。
もちろん、次には進まずに、王都に帰還することにした。
マークが怪我をしてるし、エリサも心が折れかけているので、なんとかしないと。
カルディアは、いいスポーツをしたかのような顔をしながら「タケシ、また修行でもするか?」と急に言って来た。
修行か、そうだな。今のままは流石にまずいな。
付け焼き刃の力に頼りすぎた。むしろ、この階層まで順調すぎたのもいけなかったな。偉そうなこと言ってる俺は、何もできなかった。
今の俺達だと絶対に次の階層は戦えない。オーガのボスはアクティブに襲って来ないから良かった。次の層で、もしフィールド上にあのオーガがいたら、俺とマークとエリサは何もできない。
最悪殺されちまう。
そうだな。修行か。よし、しばらく休みを取ろう。
それとなく、アディさんに休みの件を相談すると、「じゃあ、私がマークとエリサを鍛えてくるわ」という。
「あなたも来る?」
「カルディアに鍛え直してもらおうと思います」
「そうね。それがいいわ。ここは、また来ましょう。あなた達であのオーガを倒せるようにならないと、この先は進めないわ」
「はい」
* * *
受付でオーガの魔石を換金した時に、第40階層のボスを突破したことがバレて、40階層突破Dランクパーティとして有名になったが、その話題は俺とマークとエリサのメンタルをゴリゴリ削っていった。
そして、純白のコップは逃げるように、しばらく活動を休止することになった。
また、カルディアに「おーい、朝だぞー」と起こされた。
あれ、なんで?
シパシパする目をこすりながら、カルディアをみると、風呂に行く準備をした天使がいた。あれ昨日は、確かちゃんとそれぞれの部屋に別れたはず。
こいつまた、鍵開けて入って来やがったか。
まぁ、いいか。起こされるのは悪くない。むしろ、毎朝頼みたいぐらいだ。
「お、おう。ありがとう、起こしてくれて。助かるよ」
「そうだろうそうだろう」
カルディアは嬉しそうに「じゃあ、風呂入ってくるからなー」って言って走っていった。廊下は走るなよ。忙しいやつだ。
それから、風呂上がりのカルディアとささっと朝食を食べて、ギルドに向かう。
みんな揃ってたが、一人明らかに昨日と違う奴がいた。
エリサだ。昨日までは、魔道士のローブの中は、可愛らしい感じの色合いの服だったのが、今日は真っ黒になっている。
ど、どしたの、と聞いたら、「妖精さんがね、この服をくれたの」と言い始めた。
やべーな。行くとこまで行ったかこれは。
カルディアが、服を見て何かに気がついたようだ。
「エリサ、それ精霊の服じゃないか、すごいな」
「そうなのね。あの子は、妖精さんじゃなくて精霊さんだったのね」
どこか遠くをみるエリサ。
マークにエリサ最近変わった感じしないって聞いてみたら「そうか?エリサ最近調子いいみたいでよかった」そ、そうか。
アディさんは「ずっと精霊の匂いがするとおもったら、それ精霊の服だったのね。ここまで闇の精霊に好かれる人間がいるのね」と、驚いている。
と、とりあえず、決して悪いことでは無いので、忘れることにした。
気を取り直して、まずはギルドの売店に行ってダンジョン内で数日過ごせるだけの携帯食料を買う。「いいか、ダンジョンをなめるなよ!軽装で行くと死ぬぞ。しっかり用意しろ!」とみんなに言っておいた。昨日初めて行ったばかりだが。
各自準備を終えたようなので、出発だ。
マークとエリサが手ぶらだったのでダンジョン舐めんなと詰めそうになったが、アディさんの指輪に収納しているらしい。なにその便利な指輪欲しい。
けど、俺にはカルディアにもらった大切なリュックあるし。しかも、カルディアとお揃いだ。
アディさんも、なにも荷物をもっていないが、アディさんだからな。
よし、じゃぁ出発だ。
ダンジョンに入ると、第6階層からスタートできた。
まだ草原だった。出てくるモンスターは、第5階層のボスオークが草原に普通にいた。
今日は、マークも活発に動いている。アディさんからもらった漆黒の剣で、オークたちを斬って行く。
こいつも、だいぶいい動きしてるな。なんか途中で影みたいになって、消えて敵の背後に回るとか、どんなチートだよ。
エリサは、いつものように魔術を打ちまくってる。うちの闇勢つぇー。
カルディアもショートソードでオークを両断していってる。
俺と、アディさんは3人を見守っていた。
うちのパーティ自由だな。
で、まぁ、こん感じで第10階層のボスまで来ちゃいました。
中に入ると、初めて見る魔物がいた。オーガらしい。あぁ、あれが有名なオーガかぁ。この世界のオーガも、筋肉すごくて、でかくて、ツノ生えた鬼みたいな見た目だった。でかい剣を持っていて、鎧も着ていた。
見た目がめちぇめちゃ強そう。
オーガは、ただこちらをじっと見ている。
エリサが「私が行く」というと、マークとカルディアが、俺も私もと立候補してきて揉めてたので、じゃんけんさせた。勝ったのはマークのようだ。
マークは、すごいスピードでオーガに走って行った。
あとちょっとで二人がぶつかりそうな距離になったところで、オーガが先に動いた。オーガの剣がマークを薙ぎ払う。もろに食らい真っ二つになるマーク。
え!?っと驚いたが、真っ二つになったのは影だった。
そして、マークはオーガの後ろに現れて、横一文字に漆黒の剣を滑らせてオーガを両断した。オーガが消え魔石が落ちる。
うわ、影になるのかっこよすぎ。
横を見ると、カルディアとエリサが、つまらなそうにしている。
え、なにこの武闘派達は。好戦的すぎるだろう。
さ、さて、次の階層に進もう。
第11階層は、海だった。
砂浜があって、そこに貝のでかい魔物が転々といる。
カルディアとエルサとマークが突っ込んで行って、あっという間に倒していく。
どれどれと、俺も近くにいた貝に切り掛かってみたが、全くダメージを与えられなかった。貝硬っ。あいつらまじか。
とりあえず、魔法で焼いて倒した。実に、香ばしく美味しそうな匂いがしてる。お腹が空いてきたなぁ。
しばらく探索して昼にすることにした。ひらけた場所にカルディアが結界を貼ってくれたので、そこで食べることに。
携帯食料を取り出して食べる。美味しく無いなこれ。みんな無表情で、もぐもぐしている。携帯食料が続くと、気力がごっそり持ってかれそうな気がする。
これは、食料を持ち込んで自分らで簡単なものを調理したほうがいいな。ここの魔物は倒すと消えてしまうし。
これからのご飯事情を考えていると、カルディアが「ちょっと出かけてくる」といってどっか行ってしまった。どこ行くってんだ、あ、トイレか?
しばらくすると、手にソース唐揚げを持って帰ってきた。ちょっとつまみ食いしたようだ。
え、なんで、ソース唐揚げもってんの?
聞いて見ると、携帯食料がまずかったので転移魔法で唐揚げを買いに行ったようだ。え?転移魔法使えるの?な、なんだと・・・。
え、じゃぁ、転移魔法使えば、別にどこからでも街に戻れんじゃん。
アディさんも、カルディアも、そして、この前のマークお持ち帰り事件の時に作ったので、たぶん俺もできる。
よし、次から休憩は一旦街に戻ることにした。
心の中で、一気にダンジョンの攻略難易度が崩れ落ちる音がした。
夜は帰ってお風呂入ってエール飲んでベッドで寝て、翌朝ダンジョンアタック再開とか・・・どんなだよ。最高じゃねーか!!!
気を取り直して、ダンジョン探索再開。
なんの苦労もなく第15階層のボスまで到着。ほぼ最短で次の階層の階段に向かっているのでめちゃめちゃ早いペースで進めていると思う。
出会う魔物も、エルサとマークとカルディアが速攻で倒しちゃうし。
さて、ボスはどんなかなっと。なんというか・・・でかいイカだった。
これは、流石に連携したほうがいんじゃ無いかと思ったんだが、武闘派の3人がボスに向かって走って行く。
好き勝手すぎるだろ流石に。あいつら、そろそろお説教が必要だな。とりあえず、見守る。
カルディアが雷の魔法をつかってイカをスタンさせたな。ふむふむ。マークが足をどんどん斬って胴体まで近づいたなぁ。マジかよ、マークの影からエリサが現れたぞ、そ、そんなのできるの?そしてエリサが至近距離で黒いファイヤーボールを打ち込んで、速攻で倒しやがった。
さ、3人で連携してるだと・・・。
お、俺もまぜてよ!!!!
次の層からは俺も戦闘に参加した。アディさんは、微笑ましそうに俺らを見守っている。
第20階層のボスも4人で連携して倒す。
そして、流石に疲れたので、一旦転移魔法で街に戻って、また翌日アタックを開始する。もちろん、朝カルディアが起こしてくれて、幸せだった。
第25階層、第30階層、第35階層のボスも問題なかった。
俺ら、Aランクじゃないか?実質。俺も調子に乗り始めていた。
さて、こんな感じで第40階層のボスまで、すんなり来れちゃいました。
ここは受付のお姉さんが言っていた急に敵が強くなる階層だ。
どうせ、すんなり倒せちゃうんでしょう?とか思いながら、ボス部屋に入る。
ボスは、赤黒いオーガだった。見た目は第10階層のオーガの色が違うだけで、何も持っていない。ただ、じっとこちらを見ている。またオーガか。
初めは色が違うだけだろうどうせと思っていたが、なんか雰囲気がピリピリするというか、今までのボスとは明らかに違う感じがして来た・・・。
カルディアが「こいつは、今までのと比べ物にならないようだ、慎重にいくぞ」と言い出した。
え、なに急に。ここからが本番?
試しにエリサが、離れた場所から黒ファイヤーボールを撃ったが、手で弾かれてしまった。
ならばと、エリサが特大の黒ファイヤーボールを撃ったが、また弾かれてしまった。その隙に、マークがオーガの後ろに回り込み、死角から斬りかかったが、それも防がれてしまった。マークが驚いていると、オーガが素早く回転してマークを蹴り飛ばして、またこちらをじっと見ている。
よし、明らかに、いままでと違う。俺達TUEEEタイム終了のお知らせだな。
すぐにマークの側に行き、腹を抑えて苦しそうにしているマークに回復魔法をかける。何本か骨が折れてるなこれは。とりあえず、骨を元に戻して、臓器を回復していく。
その間、エリサは、黒ファイヤーボールを撃ちまくっているが、全部弾かれて心が折れかけている。
「なんで、なんで、なんで当たらないのよー!当たれ、当たれ、当たれ」っと、発狂気味だ。
やべーな、こいつ、つっよ。勝てるイメージがわかない。
そ、そうだ、俺には隠し要素の加護があった。
今だ!内に秘めた眠れる加護さん!
今しかないぞ。チート加護で大逆転俺TUEEEEパターンは、今しかできないぞ!
「(そうゆうのじゃない!)」加護
「えっ」俺
「(えっ)」加護
まさかの回答きました。
さて、どうしたもんだ。加護もダメだった。詰んだな。
AランクとかSランクの人たちこれに勝てるのか?バケモンだな。
マークもエリサもダメだった。俺がいってもダメだ、勝てっこない。
どうする、どうする、どうする・・・。
どうしようか考えていると、カルディアが俺に聞いてきた。
「さて、タケシどうする?お前、行ってみるか?」
「む、無理だ。あいつには勝てない」
「じゃあ、私が行くぞ」
カルディアはオーガに向かって歩き始めた。カルディアの周りがちょっと光ってるので強めの身体強化をかけているのがわかる。徐々に加速しながら、オーガに向かい光の矢を五月雨に放った。
そして矢を弾いてるオーガに向けて飛び込み、横に一文字に斬りかかった。
この一撃は単純な動きにみえるが、カルディアの魔法でとんでもなく重い一撃に変わっている。まともに受けれるはずがない。
しかし、オーガはだいぶ後ろに下がったが、両手でガードしてカルディアの一撃を正面から抑えやがった。
カルディアはすごい嬉しそうに「タケシ、やっぱりこいつ強いぞ!」とかいってきた。
兄貴の時と同じデジャブ感。よ、余所見するなって、あ!!
カルディアがオーガに蹴り飛ばされる。
カルディアは体をひねって着地して、起き上がりながらすぐに光の矢を五月雨に放ち、先ほどよりも早い動きでオーガに飛び込んで行った。楽しそうに斬撃を繰り返すカルディアと、防戦一方のオーガ。一撃一撃が重いはずだが、オーガはそれを防いでいる。すげーなこいつ。
その後も、カルディアの動きはどんどん早くなり、ちょっと目で追うのが難しくなったぐらいで、オーガの防御をカルディアが破って、致命傷を入れた。そして、オーガは消え、大きな魔石が落ちた。
もちろん、次には進まずに、王都に帰還することにした。
マークが怪我をしてるし、エリサも心が折れかけているので、なんとかしないと。
カルディアは、いいスポーツをしたかのような顔をしながら「タケシ、また修行でもするか?」と急に言って来た。
修行か、そうだな。今のままは流石にまずいな。
付け焼き刃の力に頼りすぎた。むしろ、この階層まで順調すぎたのもいけなかったな。偉そうなこと言ってる俺は、何もできなかった。
今の俺達だと絶対に次の階層は戦えない。オーガのボスはアクティブに襲って来ないから良かった。次の層で、もしフィールド上にあのオーガがいたら、俺とマークとエリサは何もできない。
最悪殺されちまう。
そうだな。修行か。よし、しばらく休みを取ろう。
それとなく、アディさんに休みの件を相談すると、「じゃあ、私がマークとエリサを鍛えてくるわ」という。
「あなたも来る?」
「カルディアに鍛え直してもらおうと思います」
「そうね。それがいいわ。ここは、また来ましょう。あなた達であのオーガを倒せるようにならないと、この先は進めないわ」
「はい」
* * *
受付でオーガの魔石を換金した時に、第40階層のボスを突破したことがバレて、40階層突破Dランクパーティとして有名になったが、その話題は俺とマークとエリサのメンタルをゴリゴリ削っていった。
そして、純白のコップは逃げるように、しばらく活動を休止することになった。
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ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。
レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。
これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。
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