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第6章 色恋沙汰編
04.エリサ
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しばらくして、アディさんがお風呂から出てくる。
まずは、マークと一緒にジャンピング土下座をした。
マークは分かってなかったが、とりあえず俺の真似をさせた。
アディさんもわかってないようだったので「俺の元いた世界の謝罪の形です」とだけ伝えた。
「別に気にしてないわ」と、さらっと許してくれるアディさんの寛容さに惚れそう。
「さて、マークとのお見合いの件ですが」
「あぁ、その件ね。ちゃんとエリサも誘ったのよ」
え、あいつ知ってたの?誘った?どうゆこと?
「やっぱりアディだったじゃないか。どうして誤魔化すんだ」
「ごめんなさいね。ちょっと説明するのが、その面倒で・・・」
珍しくアディさんの歯切れが悪いな。
「また、お家がらみですか?」
アディさんは、ちょっと黙って。観念したような顔で
「そうよ。また家がらみよ。でも勘違いしないでね、私はマークのことは好きよ。マークとなら結婚したいと思ってるわ」
え、急に逆告白きたーーーー。何この展開。
「まってくれアディ、いきなり結婚なんて、そんな簡単に決めていいものではないだろう」
すごくまともな意見。その通りだマーク。
「そ、そうですよ。ちなみにですが、なぜマーク何ですか。タケシという選択肢もありますよ!」
「タケシくん、あなた本気でそれ言ってるの?カルディアに言っちゃうわよ?」
「ごめんなさい。僕は静かにしてますね」
その後、アディさんは紅茶を出してくれた。
「どこから話せばいいかしら。私の家が没落した貴族だって話、前したでしょ。簡単には返せないぐらいの借金が結構あるのよ。それで、アディオの元許嫁の家がその借金を肩代わりするという条件で、またアディオと許嫁になろうとしてたのよ。断ったけどね。私たちが事業を起こそうとしているのが漏洩してたみたい。もうあの家と関わりを持ちたくないの。だから復興計画の内、アディオがこっちに戻ってくる前に出来ることを、前倒して始めることにしたの」
「そ、そうなんですね。でも、なんでマークと見合いなんですか?」
「始めはその話はなかったんだけど・・・。復興計画は、簡単に言えばアディオの店を魔界でヒットさせることよ。でも店で使う材料を仕入れるには、どうしたって人間界からになるのよ。その時に、どこかの人間界の商会と繋がりが必要だったの。その繋がりは、マークがうちで修行してる時に、ご実家の商会を紹介してくれたからクリアしたわ。実際、マークのお父様とお会いして、いろいろ話を進めさせて貰ったわ契約もしたし。そのうちお父様にすごく気に入られちゃって・・・いつの間にか縁談の話になってたの・・・」
え、辛味噌ラーメンに一族復興をまじでかけるんですか!?ば、博打すぎません!?
「あぁ、確か前アディに実家を紹介したな。まさか、親父が一枚噛んでるとは・・・」
「私もまさかこんな形になるとは思わなかったわ。で、でも、さっきも言ったけど、私はマークのことは本気で好きよ。マークとなら結婚したいと思ってるわ」
マークは、黙ってる。
「正直、俺はよくわからない。アディのことは好きだが、それは結婚するとかいう好きなのかわからない。そういう感覚がわからないんだ」
贅沢という言葉が、俺の頭を過ぎる。
「アディ、ごめん、すこし時間をくれないか」
「そうよね。急にごめんなさい・・・」
沈黙が、重い。俺、完全に部外者だしな。
あ、そうだエリサの話忘れてたな。
「あのう、ちなみになんですが、エリサも誘ったって最初の方に言ってましたが、それはどういう?」
「あぁ、一緒にマークと結婚しないって誘ったの。そしたら、断られちゃったの。結婚はパスって。まだ自由でいたいって。私は、エリサのことも好きだから一緒になりたかったんだけど、振られちゃったわ」
「そ、そうだったんですね・・・」
その後、また重苦しい沈黙。
そして、耐えきれず、用事があることにしてマークの実家に戻った。
「思ってた通り、複雑だったな」
「タケシは、好きな人っているか?」
き、急に恋バナですか。
お前は知らないだろうけどな、男同士でしても気持ち悪いだけだぞ。
「いるな。たぶん知ってるだろうけど、俺はカルディアが好きだ」
「結婚したいと思える好きか?」
「そうだな、ずっと一緒にいたいって思ってる。したことないからわからないが、結婚したいと思う」
「そうか。俺はそういった女性にあったことがなかった」
「そ、そうか」
「ただ、アディを初めて見た時に、ドキドキしたのを覚えてる。目が離せなくなった。初めての感覚だった」
おや?
「あれか、アディさんがキレながら王都に来た時か?」
「そうだ。慣れた今でもアディを見ると、どこか心がざわつくんだ」
あれ?それって・・・。
その当時のエリサ先輩が聞いたら、発狂してたでしょうね。
「それ、一目惚れだったんじゃねーか?」
「一目惚れ・・・」
「あぁ、たぶん、お前それ、アディさんのこと好きなんだと思うぞ」
「そうなのか?これが異性として好きって感覚なのか?」
まじか、お前どんなだよ・・・。
「例えばさ、カルディア見てどう思うよ?ドキドキとかするか?」
「いや、カルディアを見てもドキドキはしないな。だが、彼女を尊敬はしている」
「じゃあ、ちなみにだが、エリサはどうだ」
「そうだな。エリサを見てもドキドキしないな。妹みたいだな」
さらっと、言いやがった。妹いないだろう。
「お前それエリサに絶対言うなよ」
「そうか、こういうのが傷つけてるんだな」
「まぁ、そうだな。ただ、なぜか知らないがエリサはお前への興味が無くなったみたいなんだ」
「それは俺が、またエリサを傷つけてしまったのか?」
「いや、たぶん、お前関係ないと思う。なんて言うか、性格がガラッと変わったんだよあいつ」
「大丈夫なのかそれは?」
だから、前から言ってたんじゃん・・・。
「結構すごい力をエリサは、手に入れたじゃん。闇の精霊魔法とか、魔族化もそうだし。あの辺から、なんか結構自分を前に出せてきたというか、流されない感じになってきたんだよ」
「それは、いいことなんじゃないか」
「俺も少なくとも自分の意志で物事を決めたり、言いたいことを言えるようになるのは、いいことだと思うんだ。ただ、急に変わったから心配になってな」
「そうだな」
「まぁ、エリサの話はもういいや。今回の件には関わろうとしてないようだし。とりあれず、お前はアディさんのことをちゃんと考えてみろよ。好きなのは間違いない。あとは、結婚したい好きかどうかだな」
「そうだな」
「明日どうするか?」
「大丈夫だ。明日の朝には、宿に行くよ」
「分かった。じゃぁ、また明日だな」
「タケシ、ありがとうな。いつも俺らのことを考えてくれてるよな。本当にありがとう」
「やめろ。煽ててでもなにもねーぞ。じゃあ、明日な」
そして、俺は宿に戻った。
カルディアは、まだ何か作ってる。
エリサも、何か作ってる。黒い人形の服か・・・。しかも黒い布で・・・。
とりあえず、席に座る。
「お、タケシ、戻ったか。おかえり、マーク大丈夫だったか?」
「おかえりタケシ」
「ただいま。あぁ、大丈夫だった」
「見合いの件でしょ?」
「なに?マーク見合いするのか?」
「エリサ、知ってたんだな。そうだよ、見合いの件で、家族と揉めてた」
「私は聞いてないぞ!どんな人と見合いするんだ!?」
「それがな、アディさんとなんだ」
「なんだ、アディとか。マークはアディのこと好きそうだったし、ちょうどいいな」
おま、さらっと言うなって・・・。
「そうね。アディのこと、一目惚れしてたと思うし」
あれ・・・。
「え?お前ら、知ってたの?」
あれ?そうなの?なんで知ってるの?
「まぁ。女の勘ってやつかしら」
「私も女の勘ってやつだな」
なんだ、そうだったのか。
だが、それだと尚更・・・
「こんなこと聞きたくないんだが、その・・・エリサは大丈夫なのか?」
「やっぱり心配してくれてたのね。ありがとうタケシ。あんた優しいわよね。大丈夫よ」
まぁ、そりゃな。病みきってるお前を知ってるしな。
人形の服を作る手を止めて、エリサは話始めた。
「アディが来た時は確かにすごい嫉妬したわ。すぐに打ち解けたけどね。アディに力をもらってすぐ、精霊さんと話できるようになったのよ。その時ぐらいからかな、どんどん自分が強くなっていって魔法とか戦闘に関してのことだけじゃなくてよ。言葉では言い表せないんだけど、本当の自分になったっていうのかしら、今までのことは昔の思い出のように感じるようになったのよ」
すごいエリサ先輩喋ってる・・・ちょっとスピリチュアルな内容も入ってる・・・。
「考え方が変わったり、好きなものが変わった感じ?」
「そうね。簡単にいうとそんな感じ。変わったというか、ちゃんと自分がやりたいことをやろうと思うようになったの。髪型とか服とか化粧とかも流行りに合わせてたんだけど、そういうのもやめたわ。私は、私が好きな自分でいることにしたの」
「それは素晴らしい考えだと思うよ」
「マークのことも好きだったけど。なんて言うか、それも見た目がイケメンだからってだけだったのよね。そう気付いたとたんにマークに対して好きって感情が薄れていったのよ」
「な、なるほど」
「ミーハーだったのよね、私。ということで大丈夫よ」
「そ、そうか。その話してくれてありがとう、エリサ」
「タケシ。ありがとういつも心配してくれて」
「エリサも大変だな」
カルディアなりに気を使って慎重に言葉を選んでるのが分かる。
「ところでタケシ、唐揚げは?」
エリサの鋭い、ツッコミ。
「あれ、そうだ、私のミックスの唐揚げは?」
あれ、どこだ?どこいった?
まぁ、どこ探しても無い。最初から買って来てないし・・・。
「やっべ忘れた。ごめん買ってくるわ」
「なんだ忘れたのか。今から買いに行くか」
「そうね、みんなで行きましょうか」
「お、おう」
そして、市場にあるチロさんの唐揚げ専門店にみんなで向かった。
今日は、俺の中でずっとつかえてたものが取れた気がした。
まずは、マークと一緒にジャンピング土下座をした。
マークは分かってなかったが、とりあえず俺の真似をさせた。
アディさんもわかってないようだったので「俺の元いた世界の謝罪の形です」とだけ伝えた。
「別に気にしてないわ」と、さらっと許してくれるアディさんの寛容さに惚れそう。
「さて、マークとのお見合いの件ですが」
「あぁ、その件ね。ちゃんとエリサも誘ったのよ」
え、あいつ知ってたの?誘った?どうゆこと?
「やっぱりアディだったじゃないか。どうして誤魔化すんだ」
「ごめんなさいね。ちょっと説明するのが、その面倒で・・・」
珍しくアディさんの歯切れが悪いな。
「また、お家がらみですか?」
アディさんは、ちょっと黙って。観念したような顔で
「そうよ。また家がらみよ。でも勘違いしないでね、私はマークのことは好きよ。マークとなら結婚したいと思ってるわ」
え、急に逆告白きたーーーー。何この展開。
「まってくれアディ、いきなり結婚なんて、そんな簡単に決めていいものではないだろう」
すごくまともな意見。その通りだマーク。
「そ、そうですよ。ちなみにですが、なぜマーク何ですか。タケシという選択肢もありますよ!」
「タケシくん、あなた本気でそれ言ってるの?カルディアに言っちゃうわよ?」
「ごめんなさい。僕は静かにしてますね」
その後、アディさんは紅茶を出してくれた。
「どこから話せばいいかしら。私の家が没落した貴族だって話、前したでしょ。簡単には返せないぐらいの借金が結構あるのよ。それで、アディオの元許嫁の家がその借金を肩代わりするという条件で、またアディオと許嫁になろうとしてたのよ。断ったけどね。私たちが事業を起こそうとしているのが漏洩してたみたい。もうあの家と関わりを持ちたくないの。だから復興計画の内、アディオがこっちに戻ってくる前に出来ることを、前倒して始めることにしたの」
「そ、そうなんですね。でも、なんでマークと見合いなんですか?」
「始めはその話はなかったんだけど・・・。復興計画は、簡単に言えばアディオの店を魔界でヒットさせることよ。でも店で使う材料を仕入れるには、どうしたって人間界からになるのよ。その時に、どこかの人間界の商会と繋がりが必要だったの。その繋がりは、マークがうちで修行してる時に、ご実家の商会を紹介してくれたからクリアしたわ。実際、マークのお父様とお会いして、いろいろ話を進めさせて貰ったわ契約もしたし。そのうちお父様にすごく気に入られちゃって・・・いつの間にか縁談の話になってたの・・・」
え、辛味噌ラーメンに一族復興をまじでかけるんですか!?ば、博打すぎません!?
「あぁ、確か前アディに実家を紹介したな。まさか、親父が一枚噛んでるとは・・・」
「私もまさかこんな形になるとは思わなかったわ。で、でも、さっきも言ったけど、私はマークのことは本気で好きよ。マークとなら結婚したいと思ってるわ」
マークは、黙ってる。
「正直、俺はよくわからない。アディのことは好きだが、それは結婚するとかいう好きなのかわからない。そういう感覚がわからないんだ」
贅沢という言葉が、俺の頭を過ぎる。
「アディ、ごめん、すこし時間をくれないか」
「そうよね。急にごめんなさい・・・」
沈黙が、重い。俺、完全に部外者だしな。
あ、そうだエリサの話忘れてたな。
「あのう、ちなみになんですが、エリサも誘ったって最初の方に言ってましたが、それはどういう?」
「あぁ、一緒にマークと結婚しないって誘ったの。そしたら、断られちゃったの。結婚はパスって。まだ自由でいたいって。私は、エリサのことも好きだから一緒になりたかったんだけど、振られちゃったわ」
「そ、そうだったんですね・・・」
その後、また重苦しい沈黙。
そして、耐えきれず、用事があることにしてマークの実家に戻った。
「思ってた通り、複雑だったな」
「タケシは、好きな人っているか?」
き、急に恋バナですか。
お前は知らないだろうけどな、男同士でしても気持ち悪いだけだぞ。
「いるな。たぶん知ってるだろうけど、俺はカルディアが好きだ」
「結婚したいと思える好きか?」
「そうだな、ずっと一緒にいたいって思ってる。したことないからわからないが、結婚したいと思う」
「そうか。俺はそういった女性にあったことがなかった」
「そ、そうか」
「ただ、アディを初めて見た時に、ドキドキしたのを覚えてる。目が離せなくなった。初めての感覚だった」
おや?
「あれか、アディさんがキレながら王都に来た時か?」
「そうだ。慣れた今でもアディを見ると、どこか心がざわつくんだ」
あれ?それって・・・。
その当時のエリサ先輩が聞いたら、発狂してたでしょうね。
「それ、一目惚れだったんじゃねーか?」
「一目惚れ・・・」
「あぁ、たぶん、お前それ、アディさんのこと好きなんだと思うぞ」
「そうなのか?これが異性として好きって感覚なのか?」
まじか、お前どんなだよ・・・。
「例えばさ、カルディア見てどう思うよ?ドキドキとかするか?」
「いや、カルディアを見てもドキドキはしないな。だが、彼女を尊敬はしている」
「じゃあ、ちなみにだが、エリサはどうだ」
「そうだな。エリサを見てもドキドキしないな。妹みたいだな」
さらっと、言いやがった。妹いないだろう。
「お前それエリサに絶対言うなよ」
「そうか、こういうのが傷つけてるんだな」
「まぁ、そうだな。ただ、なぜか知らないがエリサはお前への興味が無くなったみたいなんだ」
「それは俺が、またエリサを傷つけてしまったのか?」
「いや、たぶん、お前関係ないと思う。なんて言うか、性格がガラッと変わったんだよあいつ」
「大丈夫なのかそれは?」
だから、前から言ってたんじゃん・・・。
「結構すごい力をエリサは、手に入れたじゃん。闇の精霊魔法とか、魔族化もそうだし。あの辺から、なんか結構自分を前に出せてきたというか、流されない感じになってきたんだよ」
「それは、いいことなんじゃないか」
「俺も少なくとも自分の意志で物事を決めたり、言いたいことを言えるようになるのは、いいことだと思うんだ。ただ、急に変わったから心配になってな」
「そうだな」
「まぁ、エリサの話はもういいや。今回の件には関わろうとしてないようだし。とりあれず、お前はアディさんのことをちゃんと考えてみろよ。好きなのは間違いない。あとは、結婚したい好きかどうかだな」
「そうだな」
「明日どうするか?」
「大丈夫だ。明日の朝には、宿に行くよ」
「分かった。じゃぁ、また明日だな」
「タケシ、ありがとうな。いつも俺らのことを考えてくれてるよな。本当にありがとう」
「やめろ。煽ててでもなにもねーぞ。じゃあ、明日な」
そして、俺は宿に戻った。
カルディアは、まだ何か作ってる。
エリサも、何か作ってる。黒い人形の服か・・・。しかも黒い布で・・・。
とりあえず、席に座る。
「お、タケシ、戻ったか。おかえり、マーク大丈夫だったか?」
「おかえりタケシ」
「ただいま。あぁ、大丈夫だった」
「見合いの件でしょ?」
「なに?マーク見合いするのか?」
「エリサ、知ってたんだな。そうだよ、見合いの件で、家族と揉めてた」
「私は聞いてないぞ!どんな人と見合いするんだ!?」
「それがな、アディさんとなんだ」
「なんだ、アディとか。マークはアディのこと好きそうだったし、ちょうどいいな」
おま、さらっと言うなって・・・。
「そうね。アディのこと、一目惚れしてたと思うし」
あれ・・・。
「え?お前ら、知ってたの?」
あれ?そうなの?なんで知ってるの?
「まぁ。女の勘ってやつかしら」
「私も女の勘ってやつだな」
なんだ、そうだったのか。
だが、それだと尚更・・・
「こんなこと聞きたくないんだが、その・・・エリサは大丈夫なのか?」
「やっぱり心配してくれてたのね。ありがとうタケシ。あんた優しいわよね。大丈夫よ」
まぁ、そりゃな。病みきってるお前を知ってるしな。
人形の服を作る手を止めて、エリサは話始めた。
「アディが来た時は確かにすごい嫉妬したわ。すぐに打ち解けたけどね。アディに力をもらってすぐ、精霊さんと話できるようになったのよ。その時ぐらいからかな、どんどん自分が強くなっていって魔法とか戦闘に関してのことだけじゃなくてよ。言葉では言い表せないんだけど、本当の自分になったっていうのかしら、今までのことは昔の思い出のように感じるようになったのよ」
すごいエリサ先輩喋ってる・・・ちょっとスピリチュアルな内容も入ってる・・・。
「考え方が変わったり、好きなものが変わった感じ?」
「そうね。簡単にいうとそんな感じ。変わったというか、ちゃんと自分がやりたいことをやろうと思うようになったの。髪型とか服とか化粧とかも流行りに合わせてたんだけど、そういうのもやめたわ。私は、私が好きな自分でいることにしたの」
「それは素晴らしい考えだと思うよ」
「マークのことも好きだったけど。なんて言うか、それも見た目がイケメンだからってだけだったのよね。そう気付いたとたんにマークに対して好きって感情が薄れていったのよ」
「な、なるほど」
「ミーハーだったのよね、私。ということで大丈夫よ」
「そ、そうか。その話してくれてありがとう、エリサ」
「タケシ。ありがとういつも心配してくれて」
「エリサも大変だな」
カルディアなりに気を使って慎重に言葉を選んでるのが分かる。
「ところでタケシ、唐揚げは?」
エリサの鋭い、ツッコミ。
「あれ、そうだ、私のミックスの唐揚げは?」
あれ、どこだ?どこいった?
まぁ、どこ探しても無い。最初から買って来てないし・・・。
「やっべ忘れた。ごめん買ってくるわ」
「なんだ忘れたのか。今から買いに行くか」
「そうね、みんなで行きましょうか」
「お、おう」
そして、市場にあるチロさんの唐揚げ専門店にみんなで向かった。
今日は、俺の中でずっとつかえてたものが取れた気がした。
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