40 / 46
第6章 色恋沙汰編
03.マークのお見合い
しおりを挟む
それから、あっという間に休みの最終日。
カルディアとの進捗は特にない。
こ、この前、デートしたばかりだし。次の休みにまた誘う予定だ。
明日からは、元気よくBランク目指して頑張ることになるわけだが、ここで問題が発生している。
マークがずっと宿に戻っていない。
まだ、休みだからいいが、明日は活動再開となる。
何かあったかもしれないし、様子を見てきた方がいいかもしれない。
どこにいるか分からないが、探知魔法か最悪どこでも○ア転移で突撃することもできる。
どうしようかと宿のテーブル席で俺は悩む。
隣を見ると、カルディアがいて何か作ってる。ここで作らないでよ、怒られるから。
エリサもいる。黒い人形と遊んでる。たしかルーさんだっけか。明らかにそいつ動いてるな。
しかし、自由過ぎるだろ。お前ら。
「えーと、みなさん、ちょっとお話を聞いていただけますか?」
皆ちらっとこっち向くが、そのまま自分たちがしたいことを続行する。
とりあえず、聞いているみたいだから話を進める。
「マークがまだ帰って来てません。ちょっと心配になので様子を見に行ったほうがいいか、明日まで待つべきかのご相談をしたいのですが、どうでしょうか」
「明日になれば、帰って来るんじゃないか?マークものんびりしてるんだろ」
カルディアの言う通り、その可能性もある。
「ただ、2日ぐらいっていってたのが、この休み中丸々いないから心配なんだよ」
「そこまで気になるならタケシが見に行ってくればいいじゃない?マークも子供じゃないんだから、いろいろ事情があるのよ」
エリサ。お前変わったなぁ。
前のお前なら発狂してるぞ。何があったんだ、まじでお前に。俺はそこも心配だわ。
「わかったよ。じゃあ、ちょっと俺マークの様子見てくる」
「タケシ、帰りにミックスの唐揚げ買って来てくれ」
「あ、私の分も」
「お、おう」
お使い行くわけじゃ無いからな?
と言うわけで、一人で王都中層への門を目指す。
確か、カルディアとのデート時に、この門の方にマークが向かったのを見たな。
身分証を提示でして、門を潜り中層に入った。
この辺りは、富裕層が多いためか、街ゆく人もなんというか洗練されている感じだ。
さて、とりあえず、マークの魔力を探して探知魔法を使う。
この近くにはいないようだ。
街中は魔素がないため、無尽蔵には使えないが、何回か使いながら街中を歩く。
そして、見つけた。
中層の一等地っぽい大きなお屋敷が多いエリアでだ。
あいつ、なんでこんなところに。
そして、今、マークがいるであろう大きなお屋敷の前まで来た。
門番?みたいな人もいる。2人も。
どうしよう。聞いてみようかな。
「あのう、俺は冒険者のタケシと申します。このお屋敷の中に、私のパーティメンバーのマークがいるようなのですが、話をすることはできないでしょうか」
「ん?なんだお前は。マークという人物はしらんな」
「マークウェル様のことだろうきっと。タケシだな、ちょっと待っててくれ。今確認してくる」
マークウェル?ってだれ?マークの本名?
そういって、若い門番の人が屋敷の中に入って行った。
もう一人の門番の人と一緒に無言で数分待つ。いづらい。
しばらくして、マークと若い門番の人が来た。
「タケシ、どうした。よくここがわかったな」
「おお、マーク、元気そうだな。全く宿に帰ってこなかったから、様子を見に来たんだ」
「そうか、立ち話もなんだ、上がってくれ」
こうしてマークの家?に上がった。
アディさんのお家のよりもでかいお屋敷だった。
執事っぽい人もいる。リ、リアルメイドさんもいる!!
あれ、マークって貴族様?
客間っぽいきらびやかな部屋に案内された。
「すごい部屋だな。家もでかいし、マークは貴族なのか?」
「いや、うちは貴族じゃないよ。ずっと商人の一族さ」
「そうなのか、お前も商人やらないのか?」
「俺には商才が全く無くてな。体を動かす方が好きなんだ。それに冒険者は俺の憧れだったんだ。昔ーー」
マークは昔話を俺に話してくれた。
マークが子供の頃の話だ。家族で商会の馬車に乗って移動していた時に、魔物の群れに襲われたことがあったそうだ。
護衛も当然雇ってはいたが、けっこうな群れだったために全体を守ることができなかった。
その結果、マークと母親の乗った馬車にも魔物が飛び込んで来て、マークを守ろうと盾になった母親が噛み付かれ殺されそうになった。
当時からなぜか筋力だけはあったため母親と魔物をなんとか引き離がし、飛び込んできた魔物を殴り飛ばすことができた。
しかし、その先は続かなかった。
血の匂いで魔物がどんどん集まって来て、何匹もの魔物の鋭い牙がマークと母親に襲いかかろうとした。
マークも子供ながらにもうダメだと思ったそうだ。
その時、奇跡が起きた。
「坊主、よくがんばったじゃねーか。俺が来たからにはもう大丈夫だ」
たまたま通りかかった冒険者が、マーク達に気が付き助けにきてくれたのだった。
あんなに強かった魔物達を、冒険者はあっという間に斬り伏せてしまった。
母親も後から来た冒険者の仲間に治療術を使える者がいたため、一命をとりとめたそうだ。
それが豪炎のコップのアイジーさん達だったそうだ。
その時、マークは自分の将来が決まったのを確信したそうだ。
将来自分は、豪炎のコップのような冒険者になるんだって強く思ったそうだ。
それで、兄貴達の話となるとすげー食いついてくるんだな、こいつ。
マークの昔話が終わったタイミングで、ノックの音がする。
「マークウェル様、コーヒーをお持ちしました」
メイドさんがコーヒーを持って来てくれた。
「タケシは、コーヒーでよかったよな」
「お、おう。あ、ありがとうございます」
コーヒーを運んで来てくれたメイドさんにお礼を言うと、ニコッと笑ってくれた。
「なぁ、マークウェル」
「言うと思ったやめろ。その名前は家を出た時に捨てた」
「そうだったのか。お前、家出してたのか。ご両親心配してるだろう」
「俺はもう子供じゃないんだ。冒険者になるには、家を出るしか無くてな。母は応援してくれているが、父と兄は反対していてな」
「なんで戻ったんだ?」
「母が倒れたと親父から連絡がきてな」
「え、お母さん大丈夫なの?俺、治療できるぞ」
「あぁ、大丈夫だ。倒れたのは嘘だった。俺に見合いさせようとして親父が話を作ったんだ」
「え、お前見合いするの?」
「最初は断ったんだけど、相手の写し絵みたら断れなくてな」
写し絵とは、写し絵師と呼ばれる職人が、スキルを使って相手の顔を正確に模写したものだ。ほぼ写真だ。
「そ、そうか。どんな人だったんだ?」
静かになるマーク。
「タケシ。お前も見てくれ」
といって、メイドさんが写し絵をマークに渡す。
すごい最初は持ってなかったのに、話を聞いて用意していたようだ。このメイドさんできるな。
「いいのか俺見ちゃっても?こういうの」
「あぁ大丈夫だ」
マークが写し絵と思われるものを俺に渡す。
「そ、そうか。じゃ、遠慮なく」
そして開く。すぐに驚愕して、閉じる。
もう一度開く。間違いない。
「え、なんで」
「簡単には断れないだろう」
「なんで、アディさんが・・・」
それはそれは綺麗なアディさんの写し絵がありました。
「わからない、すぐにアディに聞いたんだけど、あら、似てる人もいるのね、とか言って誤魔化すんだ。流石の俺でもわかる」
「流石にこれは誤魔化せないだろ。完全にアディさんじゃん。ちょっと、今連絡してみようぜ」
「そうだな」
マークの指輪を借りて、アディさんに連絡を取る。
「アディさーん。聞こえますか?」
「この声は、タケシくんかしら。どうしたの?」
「いま、マークの家に」ブツン
「もしもーし・・・あれ、これ切られたんじゃね?」
「切られたな」
怪しい。あと、これ切れるんだな。
「行くか」
「そうだな」
そして、俺はマークを連れて、どこでも○ア転移の魔法でアディさんの魔力がある場所に突撃した。
ごっそり魔素もってかれて、フラフラする。
「あら。二人とも大胆ね。叫んだ方がいいかしら?」
ちょうどアディさんは、お風呂に入ってた。
「失礼しましたー」
すぐに、出てリビングで待つ。
魔界は、魔素がすごい濃い。濃すぎて、鼻血出そうだ。
決してさっきのアディさんを見てじゃないぞ。
そもそも、泡でまったく見えなかったし。
カルディアとの進捗は特にない。
こ、この前、デートしたばかりだし。次の休みにまた誘う予定だ。
明日からは、元気よくBランク目指して頑張ることになるわけだが、ここで問題が発生している。
マークがずっと宿に戻っていない。
まだ、休みだからいいが、明日は活動再開となる。
何かあったかもしれないし、様子を見てきた方がいいかもしれない。
どこにいるか分からないが、探知魔法か最悪どこでも○ア転移で突撃することもできる。
どうしようかと宿のテーブル席で俺は悩む。
隣を見ると、カルディアがいて何か作ってる。ここで作らないでよ、怒られるから。
エリサもいる。黒い人形と遊んでる。たしかルーさんだっけか。明らかにそいつ動いてるな。
しかし、自由過ぎるだろ。お前ら。
「えーと、みなさん、ちょっとお話を聞いていただけますか?」
皆ちらっとこっち向くが、そのまま自分たちがしたいことを続行する。
とりあえず、聞いているみたいだから話を進める。
「マークがまだ帰って来てません。ちょっと心配になので様子を見に行ったほうがいいか、明日まで待つべきかのご相談をしたいのですが、どうでしょうか」
「明日になれば、帰って来るんじゃないか?マークものんびりしてるんだろ」
カルディアの言う通り、その可能性もある。
「ただ、2日ぐらいっていってたのが、この休み中丸々いないから心配なんだよ」
「そこまで気になるならタケシが見に行ってくればいいじゃない?マークも子供じゃないんだから、いろいろ事情があるのよ」
エリサ。お前変わったなぁ。
前のお前なら発狂してるぞ。何があったんだ、まじでお前に。俺はそこも心配だわ。
「わかったよ。じゃあ、ちょっと俺マークの様子見てくる」
「タケシ、帰りにミックスの唐揚げ買って来てくれ」
「あ、私の分も」
「お、おう」
お使い行くわけじゃ無いからな?
と言うわけで、一人で王都中層への門を目指す。
確か、カルディアとのデート時に、この門の方にマークが向かったのを見たな。
身分証を提示でして、門を潜り中層に入った。
この辺りは、富裕層が多いためか、街ゆく人もなんというか洗練されている感じだ。
さて、とりあえず、マークの魔力を探して探知魔法を使う。
この近くにはいないようだ。
街中は魔素がないため、無尽蔵には使えないが、何回か使いながら街中を歩く。
そして、見つけた。
中層の一等地っぽい大きなお屋敷が多いエリアでだ。
あいつ、なんでこんなところに。
そして、今、マークがいるであろう大きなお屋敷の前まで来た。
門番?みたいな人もいる。2人も。
どうしよう。聞いてみようかな。
「あのう、俺は冒険者のタケシと申します。このお屋敷の中に、私のパーティメンバーのマークがいるようなのですが、話をすることはできないでしょうか」
「ん?なんだお前は。マークという人物はしらんな」
「マークウェル様のことだろうきっと。タケシだな、ちょっと待っててくれ。今確認してくる」
マークウェル?ってだれ?マークの本名?
そういって、若い門番の人が屋敷の中に入って行った。
もう一人の門番の人と一緒に無言で数分待つ。いづらい。
しばらくして、マークと若い門番の人が来た。
「タケシ、どうした。よくここがわかったな」
「おお、マーク、元気そうだな。全く宿に帰ってこなかったから、様子を見に来たんだ」
「そうか、立ち話もなんだ、上がってくれ」
こうしてマークの家?に上がった。
アディさんのお家のよりもでかいお屋敷だった。
執事っぽい人もいる。リ、リアルメイドさんもいる!!
あれ、マークって貴族様?
客間っぽいきらびやかな部屋に案内された。
「すごい部屋だな。家もでかいし、マークは貴族なのか?」
「いや、うちは貴族じゃないよ。ずっと商人の一族さ」
「そうなのか、お前も商人やらないのか?」
「俺には商才が全く無くてな。体を動かす方が好きなんだ。それに冒険者は俺の憧れだったんだ。昔ーー」
マークは昔話を俺に話してくれた。
マークが子供の頃の話だ。家族で商会の馬車に乗って移動していた時に、魔物の群れに襲われたことがあったそうだ。
護衛も当然雇ってはいたが、けっこうな群れだったために全体を守ることができなかった。
その結果、マークと母親の乗った馬車にも魔物が飛び込んで来て、マークを守ろうと盾になった母親が噛み付かれ殺されそうになった。
当時からなぜか筋力だけはあったため母親と魔物をなんとか引き離がし、飛び込んできた魔物を殴り飛ばすことができた。
しかし、その先は続かなかった。
血の匂いで魔物がどんどん集まって来て、何匹もの魔物の鋭い牙がマークと母親に襲いかかろうとした。
マークも子供ながらにもうダメだと思ったそうだ。
その時、奇跡が起きた。
「坊主、よくがんばったじゃねーか。俺が来たからにはもう大丈夫だ」
たまたま通りかかった冒険者が、マーク達に気が付き助けにきてくれたのだった。
あんなに強かった魔物達を、冒険者はあっという間に斬り伏せてしまった。
母親も後から来た冒険者の仲間に治療術を使える者がいたため、一命をとりとめたそうだ。
それが豪炎のコップのアイジーさん達だったそうだ。
その時、マークは自分の将来が決まったのを確信したそうだ。
将来自分は、豪炎のコップのような冒険者になるんだって強く思ったそうだ。
それで、兄貴達の話となるとすげー食いついてくるんだな、こいつ。
マークの昔話が終わったタイミングで、ノックの音がする。
「マークウェル様、コーヒーをお持ちしました」
メイドさんがコーヒーを持って来てくれた。
「タケシは、コーヒーでよかったよな」
「お、おう。あ、ありがとうございます」
コーヒーを運んで来てくれたメイドさんにお礼を言うと、ニコッと笑ってくれた。
「なぁ、マークウェル」
「言うと思ったやめろ。その名前は家を出た時に捨てた」
「そうだったのか。お前、家出してたのか。ご両親心配してるだろう」
「俺はもう子供じゃないんだ。冒険者になるには、家を出るしか無くてな。母は応援してくれているが、父と兄は反対していてな」
「なんで戻ったんだ?」
「母が倒れたと親父から連絡がきてな」
「え、お母さん大丈夫なの?俺、治療できるぞ」
「あぁ、大丈夫だ。倒れたのは嘘だった。俺に見合いさせようとして親父が話を作ったんだ」
「え、お前見合いするの?」
「最初は断ったんだけど、相手の写し絵みたら断れなくてな」
写し絵とは、写し絵師と呼ばれる職人が、スキルを使って相手の顔を正確に模写したものだ。ほぼ写真だ。
「そ、そうか。どんな人だったんだ?」
静かになるマーク。
「タケシ。お前も見てくれ」
といって、メイドさんが写し絵をマークに渡す。
すごい最初は持ってなかったのに、話を聞いて用意していたようだ。このメイドさんできるな。
「いいのか俺見ちゃっても?こういうの」
「あぁ大丈夫だ」
マークが写し絵と思われるものを俺に渡す。
「そ、そうか。じゃ、遠慮なく」
そして開く。すぐに驚愕して、閉じる。
もう一度開く。間違いない。
「え、なんで」
「簡単には断れないだろう」
「なんで、アディさんが・・・」
それはそれは綺麗なアディさんの写し絵がありました。
「わからない、すぐにアディに聞いたんだけど、あら、似てる人もいるのね、とか言って誤魔化すんだ。流石の俺でもわかる」
「流石にこれは誤魔化せないだろ。完全にアディさんじゃん。ちょっと、今連絡してみようぜ」
「そうだな」
マークの指輪を借りて、アディさんに連絡を取る。
「アディさーん。聞こえますか?」
「この声は、タケシくんかしら。どうしたの?」
「いま、マークの家に」ブツン
「もしもーし・・・あれ、これ切られたんじゃね?」
「切られたな」
怪しい。あと、これ切れるんだな。
「行くか」
「そうだな」
そして、俺はマークを連れて、どこでも○ア転移の魔法でアディさんの魔力がある場所に突撃した。
ごっそり魔素もってかれて、フラフラする。
「あら。二人とも大胆ね。叫んだ方がいいかしら?」
ちょうどアディさんは、お風呂に入ってた。
「失礼しましたー」
すぐに、出てリビングで待つ。
魔界は、魔素がすごい濃い。濃すぎて、鼻血出そうだ。
決してさっきのアディさんを見てじゃないぞ。
そもそも、泡でまったく見えなかったし。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる