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第6章 色恋沙汰編

02.カルディアとのデート 後編

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 頑張れ俺。
 勇気を振り絞って、言うんだ!俺。



「手繋がな「魔法でなんとかするか」いか」

「えっ」俺

 カルディアと発言が被ってしまった。


 え?魔法?何するの?あれ、なんか周りの人が急にこっちを見なくなったぞ。
 俺らの気配を消したのか?なんか結界のような魔法使ったようだ。

「私たちを認識しづらくする結界を張ったから、もう大丈夫だ」

「えっ」

 こやつ魔法でなんとかしおった。
 あれ、この魔法使い方間違ったらヤベー魔法なんじゃ。
 ま、まぁ、これでカルディアが嫌な思いしないならいいや。

 悲報、デート系鉄板ネタ終了のお知らせ。裾から手が離されたようです。
 いい思い出になりました。本当にありがとうございました。
 あの裾が引っ張られる感触を俺は一生忘れないだろう。

 そのあと、カルディアは元気よく横を歩き始めた。

 そして、俺の手を握ってきた。

「えっ」

「これでいいか?さぁ、早く唐揚げ買いに行くぞ」

 だ、大胆。

「お、おふ」

 手汗が、手汗が、大丈夫か手汗。心臓どっきどき。
 こ、こんなことされたら、お、おじさん勘違いしちゃう。していいんか、勘違いしていいか!


 その後、俺はずっと緊張しっぱなしで、カルディアに引っ張られながら市場を歩き、チロさんの唐揚げ専門店についた。
 プレオープンは、広告もうたず呼び込みもせず、ただ知り合いたちにのみ伝えて迎えたそうだが店の前には、すごい列ができていた。列に並んで、自分たちの番を待つ。

 店には、アガリさんのポスターも貼ってある。この店を絶賛する内容が書いてある。
 そういえば、最近アガリさんは、時の人になっているんだよな。
 本もめっちゃ売れてるし、魔石ラジオのレギュラー番組もいっぱいある。
 味噌ラーメンを普及させる熱意や方針は全く変わらない。ほんとすごい人だ。

 そして、俺たちの番になって、チロさん達に挨拶したがどこかよそよそしい。
 あ、カルディアが結界張ってたんだった。

 結界を一時的にきってもらって、ちゃんと挨拶した。
 チロさんがすごい驚いて、カウンター奥から飛び出て来てくれて

 「すみません、気がつきませんでした。いつも、ありがとうございます。このお店を出せたのもタケシさんと、アガリさんのおかげです。本当にありがとうございました」

 と、すごい感謝された。涙目になってる。

「いえいえ、チロさんが頑張ったから、ここまで来れたんですよ。応援してます。これからも頑張ってください」

「チロ、頑張れよ!私もいっぱい食べにくるから」


「ありがとうございます。そういえば、カルディアさんいつも綺麗ですが、今日はすごく綺麗です!」

 カルディアがまた照れ始めた。
 忙しそうなので、この辺で切り上げ店をでることにする。

 とりあえず、いろんな味が入った唐揚げミックスセットを買った。
 すごくいい匂いだ。カルディアはすぐにでも食べたそうだった。
 ま、まて、公園行こう。

 市場を抜けたところにある公園に向かう。
 公園のベンチに座って、一緒に唐揚げを食べることにした。

 喉が渇くだろうから、露店で飲み物を買って戻る。


 ベンチに座るカルディアは、とても綺麗だった。


 唐揚げを待ちきれずにちょっと食べたのもわかった。本当に好きだな唐揚げ。
 ソース味以外にも、辛いのや、甘いの、味噌味っぽい唐揚げもあった。
 全部美味しかった。これは、絶対流行るよチロさん。

 その後は、公園を歩いたり、カフェに入って甘いもの食べたり、可愛い服のお店に入ったりもした。恥かしがっていたが。
 試着して、見せてくれたがどれも神々しいぐらいに美しかった。
 そして、おじさんはお財布の紐が緩み、何着か買ってあげた。「いいよ私のだし、自分で払うよ」とか言ってきたが、「ここは俺に払わせてくれ」と強引に決済した。

 こうして、デートは終わった。自分なりに最大限頑張りました。




 宿への帰り道

「タケシ、今日は楽しかったな。のんびりするのもいいな」

「俺も、すげー楽しかった」

「エリサが言ってたけどデートっていうんだろ?こういうの」

 めっちゃドキッとした。

「またデートしような」

「え、お、おう」

 え、いいの?

 あれ、この子は俺のことをどう思ってるの!?
 ついに本格的な恋愛要素きたんじゃないか!?

 今なんじゃね?告白的なことするなら、今なんじゃね!?

 え、でも俺らってそんな感じだっけ。
 俺はカルディアのこと好きだけど、カルディアは俺のことどう思ってるんだ?
 ただのおっさんとか思ってるんじゃないか?
 いや、でもあいつエルフだから俺よりも完全に年上だし、年齢的にはノットギルティだけど。

 もし、断られたら・・・俺は、大丈夫なのか・・・。
 ど、どうしたら・・・。


 モヤモヤしているうちの、宿に着いてしまった。

「じゃぁ、また夕飯で。みんなでどっか食べ行こう」

「お、おう。じゃ、また」

「あ、そうだ。服ありがとう」

「お、おう」
 
 そして、確信的なことを聞く前に別れてしまう。

 しばらくその場で立っていた。
 ふわぁ緊張したぁ。考えて見たらまともにデートしたことなんて、初めてなんじゃないか?俺。
 とりあえず、食堂のカウンターに座ってコーヒーを飲んで落ち着くことに。

 



 今日のデートの余韻に浸りながら、コーヒーを飲んでいると

「で、どうだったデート。タケシ」

 いきなり声をかけられて、めっちゃビクンってなった。

 振り返ると、エリサがいた。
 カウンターの隣の席に座って、コーヒーを注文してる。

「ねぇ、聞いてた?デートどうだったの?カルディア可愛かったでしょ」

「はい、エリサさんのおかげで、大変いい思い出ができました。ありがとうございます。これお土産の黒い石です。公園に落ちてました」

「バカじゃないの要らないわよ石なんて。で、どうだったの?キスぐらいしたの?」

「そ、そんな、ぼ、僕たちは、まだお互いを知るところから・・・」

「はぁ、あんたバカ? 数年ずっと一緒にいたんでしょ?知りすぎてるでしょうが」

「て、手を繋ぎました」

「誇らしげに言わないで、手を繋いだぐらいで。まぁあんたにしては頑張ったじゃない」

「は、はい。頑張りました」

「カルディアはね、たぶん恋愛とかしてこなかったんだと思うわ。話ししててわかるでしょ?あんたがはっきり言わないと、あの子は気が付かないわよ」

「は、はい」

「じれったいのよ。あんた達みてると。まぁ、頑張ってね。応援してあげるから」

「あ、ありがとうございます!」

「あと、その石ちゃんと返してきなさいよ」

 そういって、エリサ先輩は帰って行った。



 さすが、恋愛玄人のエリサ先輩だ。頼りになるぜ。

 って、あれ・・・エリサ先輩って恋愛玄人なんだっけ?
 マークに対して熱を上げていた頃を思い出したが、俺とどっこいどっこいだったような。むしろ病んで・・・いや、考えるのはやめよう。
 エリサ先輩のおかげで、カルディアとデートできたし。感謝しかない。そう感謝しかないんだ。



 おっし。もう40近いけど、おじさん頑張る時がきたようだ。
 とりあえず、近いうちにまたデートに誘う!これだ!

 あと、石返して来ないとな。
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