『モンスターカード!』で、ゲットしてみたらエロいお姉さんになりました。

ぬこぬっくぬこ

文字の大きさ
178 / 279
第十一章

レベル178

しおりを挟む
「イダダダ……なんでお前平気だったの? 回復魔法併用しても超痛てぇよ……」
「そりゃボクは防御力も突出して高いからね!」

 あれから、なんとか呪われたアイツラの解呪に成功した。
 ペンテグラムと剣聖との戦いは、そりゃもう見事な戦闘だったらしいが、体中の激痛に悶えて居たオレには見てる余裕など存在しない。

「いやあ、あんたすげ~な! うちのお師匠様とタメ張れるんじゃないか!」

 痛い痛い、止めてください、叩かないで下さい!
 ちょっと触られただけでも激痛が。
 剣聖の弟子達には、なにやらすっかり気に入られているようだ。

「しかし、あんな少し戦っただけで動けなくなるのでしたら、まだまだかも知れませんわ」
「いやいや十分だろ、戦闘に勝つのに時間は関係ねえ、一秒でも一時間でも勝ちゃあいいんだよ」
「ううむ、ワシはそんな博打みたいな戦い方は好かんが、人それぞれちゅうことじゃな」

 ちょっと! 話すたんびに背中を叩いていくのはやめて下さいよ。
 なんの儀式ッスか?
 オイ止めろロリドラゴン! お前まで調子に乗るんじゃない!

 それにしても……

「応と言われるまで、ここで頭を下げ続ける所存!」

 なにやらペンテグラムに向かって、土下座を続けているお人が一人。
 どうやら剣聖さん、ペンテグラムに弟子入りを要望しているご様子。
 いいじゃないか! なんか結構なおもてなししてくれるとか!

 このままここで、その剣聖さんを鍛えなおしてあげてください。

「その場合、お前はこの男と俺と両方の訓練を受ける事に成る」
「ウェッ!?」

 えっ、なんで?
 いやいやそんな当たり前だろって顔をされても。
 オレ、剣聖なんて目指すつもりはないですから!

 えっ、先ほど弟子達10人をやっつけたので、剣聖に挑む権利がある?

 いらねえよ! そんな権利!

「そもそも、アレは純粋な剣の腕ではない、装備の力ならば無効であろう」
「装備についてはこちらも文句は言えん、なにせ伝説級の武器を持たせてもらっていたのだからな」
「ええ……あの剣を持ってして負けたというのなら、それは私達の力不足であったということでしょう」

 そんな事ないよ? そんな事ないからね!
 実際同等装備なら、あっと言う間に負ける気がする。
 だからこそリミットブレイクを使ったわけだ。

「まあまあ皆さん、その話はとりあえず横に置いといて、今は竜王退治のお話をしましょう」

 突然会話をぶった切ってくるラピス。

「それと、あなたはこの国に仕える騎士のようなものなのでしょう? ペンテグラムは今後ともお坊ちゃまの指南をしてもらわなければなりません」

 この国に居続ける事は出来ないので諦めてください。と伝える。

「む、むう……なっ、ならば! 我が子、我が子を弟子にとってはくださらんか!」

 自分の子は今だ君主を持たぬ身。
 それならば、国外に出ても問題は無い。と言う。
 ラピスが勝手にそれならいいでしょう。と回答している。

 勝手に決めていいのか?

 目でそう聞くと、肩をすくめるペンテグラム。
 お前まさか、ラピスに弱みでも握られているのか?
 えっ、アレには逆らう気はない? 賢明だなおめえ。

「うむ、そうじゃ! 良いかお主等、この伝説の名剣シリーズはドラゴンが出てから渡す!」

 じゃないとさっきの二の舞だからなあ。
 つ~か、呪い解けないのソレ。
 千年以上も呪われているからちょっとやそっとじゃ無理?

「カシュアでも無理か?」
「ボクは呪いの解き方なんて知らないよ?」
「教えて貰えよ」

 えっ、なんか怖そうだからヤダ?
 そう言わずに頼むよ。
 えっ、逃げたりしないからパワードスーツの黒い奴で操るのは止めて欲しい?

 おっと何時の間に。

「そんな事ばっかりしてるとまた天罰がくだるんだよ?」
「今度やったら許さねえぞ!」
「フフン、だったらもっとボクを労うことだね!」

 とりあえず、一晩掛けてローゼマリーに解呪の仕方を教わったようだが……
 まあ、たった一晩でどうにか成る訳も無く。
 というより、その竜王ホウオウだっけか? このまま放置していったら不味いのか?

「放置などありえん! あ奴はわらわをコケにしおったのだぞ!」
「ガウガウッ!」
「討伐できると言うのなら、我々も尽力を惜しまない」

 剣聖さん達も随分乗り気なご様子。
 その竜王ホウオウ、縄張りにさえ入らなければ向こうから襲ってくることはあまりない。
 だが、その縄張りが良く変動する。

 一箇所に留まらず、気まぐれであちこちに移動する。
 そして移動した先で、ここは自分の縄張りだ、直ちに出て行け。と恫喝される。
 まごまごしていると、村にやってきて、村人を食っていくという。

 事実、数十年前も一つの町が竜王ホウオウによって滅ぼされたと。

 村のように小さい集落ならば、まだ移動も容易だ。
 しかし、町のような大きな規模に成るとそう簡単に移動は出来ない。
 そして竜王は、決してソレを待ってくれない。

「なるほどなぁ……ちなみにコレまで竜王に戦闘をしかけた事は?」
「町を守る為に防衛部隊を投入したが、一日として持たなかった」
「しかしソレも過去の事! これらの名剣があれば、決して引けは取らぬ!」

 ううむ……
 ラピス、勝算はあるのか?

「ニース呼びますか? ハイフレムよりは弱いですよ」
「それは最終手段だな。現状戦力ではどうだ?」
「竜王ホウオウは全身に炎を纏っています。少々やっかいですよ」

 ううむ……仕方ない、竜王ニースを呼んでおくか。
 ん、ちょっと待って欲しい?
 ニースから、なにやらホウオウだけは駄目なんじゃ。みたいな信号が送られてきた?

「なんだそりゃ?」
「その昔、随分付き纏われて困っていたそうですよ。出来れば会いたくないと」

 なんだ、おやっさんといい、ニースといい、みんな隅に置けないな。いだだだ、なんでお前、オレのホッペを抓るのよ?
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

処理中です...