43 / 61
第8話ー1
しおりを挟む
実戦演習本戦の1日目が終わり観客席の生徒達や来賓も席を立ちスッカリ疎らになった観客席に一人劉鴻釣だけが残って試合場を見つめている。試合場を凝視する目の奥には確固たる強い意思、握り拳を震えさせながら一人呟く。
「御頭、もう直ぐです。俺が御頭を開放して見せます。」
夕飯を終えて寮の自室に戻って来た俺達は少し気が抜けたのか何もする気が起きなくてダラダラとTVのモニターを見ていた。月子もよほど疲れたのかシャワーを浴びた後に少し眠たそうにしながらも俺の部屋で自分の部屋から持って来たクッションを抱きながらゴロゴロしている。眠いなら部屋に戻ればいいだろ?と言うと口を尖らせて「まだ平気。」と言うのでそれ以上は言わないでおいた。今日は月子もがんばったから俺もとやかく言わないようにして居ると丁度今日の試合の編集された番組が始まり綴谷の喧しい声で俺達の試合の映像が流れ始めた。
『学園の皆さんこんばんは!本日の実戦演習本戦如何だったでしょうか?初日から実に熱い試合が繰り広げられました。第一試合は皆さん期待の好カード!兵頭、白金ペア対三光院兄妹弟チーム!!実に見応えのある試合になりました!そこで今日は昼真っから缶ビー、おほん!炭酸入り麦茶を飲みながらブラブラしていた神代教官を解説に試合を振り返りつつ解説して貰いたいと思います。よろしくお願いします。』
『本当に炭酸入りの麦茶です!ですのでやましい事などこれっぽっちもないから善意で解説なんぞ面倒な事に付き合うだけの神代だ!まあ適当に聞き流せ。』
悪い事は出来ないなーと思いつつも十子姉さんには既にチクリメールを送った後なので礼司兄が後でどういう目に会うか楽しみで仕方が無い。
第2試合は伽島先輩とちー姉ちゃんチームと里見先輩のチームだったらしい。結果は二人の圧勝で実力の差を見せ付けた結果になった。俺達が医務室で師匠の駄目出しを受けている間に試合は終わっていた。
試合の結果は知っているけど如何いう内容だったかまでは見逃してしまったので礼司兄の解説付きで試合映像を見れるなら良く見て置かないといけない。明後日の試合に向けて少しでも二人の情報が欲しい。
『何度見ても熱い試合ですね。白金姫と五六八嬢の手に汗握る格闘戦!三光院家長兄輝兼氏によるゴーレムと兵頭勇吾氏のギリギリの攻防!神代教官はどう見ましたか?』
俺達の対戦映像が流れた後綴谷が興奮覚めやらぬ様子で鼻息荒く礼司兄に話を振る。しかし当の礼司兄は少し冷めた目でコメントを返す。
『駄目駄目だ、チーム戦だってのに結局の所タイマンになったから成立した勝負だ。勇吾も白金も運良く勝っただけだ。どうせこの番組見てるだろ?羌先生にも言われただろうがもう一度耳の穴カッポじってよく聞け!及第点だ!馬鹿弟!!』
「ぐぁ!よりにもよってTVで言わなくてもいいだろ。」
「改めて言われると悔しいよね。本当の事だけに…」
TVモニターを見ながら俺と月子は二人して落ち込んでしまう。試合は確かに俺達の勝ちだったが内容と条件の事を言われれば反論できない。
『何処が駄目だったんですか?綴谷的には良い試合だったと思うのですが?』
『さっきも言ったがチーム戦だ。本来なら2対3の戦いなのに結局タイマンになってるところで勝ちを拾っただけの試合だって言ってるんだ。三光院家の末っ子が試合開始直後から静観しているだろ?このガキがいつもの様に兄姉のサポートに回っていたらこんな結果になったか解らないって話しだ。まあ、なるべくしてこういう試合内容に成っただけで格段説明する事もねぇよ。』
ふんぞり返って解説する気ゼロの礼司兄の様子に困り果てている綴谷が食い下がる。
『そう言わないで下さい。映像だけでは解らない細かな点とか解説してくれませんか?じゃないとお互い色々困るでしょ?』
『くっ、仕方ねえ。』
なんだろう?なぜか礼司兄が折れて解説するようだ。なんか弱みでも握られているんだろうか?まあ、十中八九アレの事だろうけど…
『ではまず白金姫VS五六八嬢の解説をお願いします。』
『正直な所内容に関しちゃ文句無しだがお互い詰めの甘さと対人戦闘の経験の乏しさが露呈したって所だな。攻撃に振り切った五六八のスタイルは悪くないが白金の勘の良さが致命打を尽くいなした形になった。本人は自覚があったかはわからねぇが五六八のあの必殺の一撃を体を浮かしてダメージを軽減してる。それに白金の礼装がガチガチの防御術式で固められている。アレで決められなかったのが痛い所だな。』
『なるほど。それでは最後に白金姫が見せたあの一撃についてどう思われますか?五六八嬢は微動だに出来ずに貰ってしまったあの一撃は?』
『憶測の域を出ないで良いなら多分こういう仕掛けだろうな。俺達術者は五感での感覚よりどうしても魔力や霊力を知覚する事を重きを置いてしまう。集中すればするほどその傾向が強くなる。そこで一瞬でもそれが消えたらどうなる?消えるんだよ、見えなくなるんだ。相対していれば尚更だ。だがこの技の本質の凄い所はその後だ、霊力をゼロまで下げたから一瞬でトップギアまで引き上げる。車で例えるならエンジンを切った後いきなり時速100キロで走り出せるみたいなもんだ。普通じゃ出来ない、白金が修めた武術の奥義の様な物だろうな。』
おお、月子ベタ褒めじゃないか。当の月子は褒められては要るがその表情は驚いている。
「礼司兄が珍しく褒めてるけど実際の所どうなんだ?」
「うん、神代先生が怖いよ。初めて見せたうちの技を完全に理解している。」
術者もそうだけど武術家が奥義を見破られるほど怖いものはない。実際礼司兄の洞察力とか観察眼は飛びぬけて異常らしい。俺や師匠の六甲兵装も初見で理解していた。
『お次は兵頭勇吾選手と三光院輝兼選手の試合をお願いします。弟分の兵頭選手に対しては大分言いたい事が有りそうですが?』
『勇吾もそうだが輝兼もだ。まずは勇吾からだ、あいつの悪いところは直ぐ熱くなる所だ。普段偉そうに冷静ぶってる癖にこと試合になると視野が狭くなる。最近下手に火力上げたもんだから図に乗ってるからああいう目にあうんだ
よ。距離の取り方もトラップも抜けてるんだよ。俺を見ればやれ仕事してるか?授業内容テキトウ過ぎるとか文句ばっか言いやがって兄を少し敬え!』
…試合内容に関してはぐうの音も出ないがそれ以外は心外過ぎる。早く罰が当たらねぇかなマジで。
『ははっ、途中からかなり私情が混じってませんか?』
『まだ言い足りねぇんだけど…ん?ちょっと待ってくれメールだ。?…!!!オウ…くっ!やってくれたな…勇吾お前…』
どうやら罰が当たったらしい。いい気味だ。ついでに生放送なのである内容のメールを礼司兄に送る。
(ちゃんと仕事している旨のフォローのメールをして欲しくば仕事しろ。追伸、証拠写真も入手済みだ!)
送信と、証拠写真の件はブラフなんだけどあの様子から見て十子姉さんはかなり怒っているんじゃないかな?ではモニターを見てみよう。
「月子、礼司兄の顔かなり面白いから見てみろよ。」
「何?また何かしてるの?…うわ、神代先生の顔、怒ってるの?困ってるの?」
「神代礼司への抑止力を発動しました。」
あの兄の困窮している顔を見るのは不謹慎ながらにやけてしまう。俺は悪い弟だな。
『覚えてろよ勇吾。…それじゃ、次は輝兼の解説だ。ゴーレムに関しては文句の着けようが無い出来だな。だがスペックが術者の実力を遥かに超えていた。普通なら術者の能力以上のゴーレムは創り出せないもんだが輝兼の特異なところは自身の理想のゴーレムを創り出せてしまう所が仇になった。自身の能力に見合ったゴーレムを操作していれば魔力切れでぶっ倒れるなんて事は無かっただろうが自分の魔力度外視にしてゴーレムを操作するなんて自殺行為だもう遣るんじゃねぇぞ!』
「御頭、もう直ぐです。俺が御頭を開放して見せます。」
夕飯を終えて寮の自室に戻って来た俺達は少し気が抜けたのか何もする気が起きなくてダラダラとTVのモニターを見ていた。月子もよほど疲れたのかシャワーを浴びた後に少し眠たそうにしながらも俺の部屋で自分の部屋から持って来たクッションを抱きながらゴロゴロしている。眠いなら部屋に戻ればいいだろ?と言うと口を尖らせて「まだ平気。」と言うのでそれ以上は言わないでおいた。今日は月子もがんばったから俺もとやかく言わないようにして居ると丁度今日の試合の編集された番組が始まり綴谷の喧しい声で俺達の試合の映像が流れ始めた。
『学園の皆さんこんばんは!本日の実戦演習本戦如何だったでしょうか?初日から実に熱い試合が繰り広げられました。第一試合は皆さん期待の好カード!兵頭、白金ペア対三光院兄妹弟チーム!!実に見応えのある試合になりました!そこで今日は昼真っから缶ビー、おほん!炭酸入り麦茶を飲みながらブラブラしていた神代教官を解説に試合を振り返りつつ解説して貰いたいと思います。よろしくお願いします。』
『本当に炭酸入りの麦茶です!ですのでやましい事などこれっぽっちもないから善意で解説なんぞ面倒な事に付き合うだけの神代だ!まあ適当に聞き流せ。』
悪い事は出来ないなーと思いつつも十子姉さんには既にチクリメールを送った後なので礼司兄が後でどういう目に会うか楽しみで仕方が無い。
第2試合は伽島先輩とちー姉ちゃんチームと里見先輩のチームだったらしい。結果は二人の圧勝で実力の差を見せ付けた結果になった。俺達が医務室で師匠の駄目出しを受けている間に試合は終わっていた。
試合の結果は知っているけど如何いう内容だったかまでは見逃してしまったので礼司兄の解説付きで試合映像を見れるなら良く見て置かないといけない。明後日の試合に向けて少しでも二人の情報が欲しい。
『何度見ても熱い試合ですね。白金姫と五六八嬢の手に汗握る格闘戦!三光院家長兄輝兼氏によるゴーレムと兵頭勇吾氏のギリギリの攻防!神代教官はどう見ましたか?』
俺達の対戦映像が流れた後綴谷が興奮覚めやらぬ様子で鼻息荒く礼司兄に話を振る。しかし当の礼司兄は少し冷めた目でコメントを返す。
『駄目駄目だ、チーム戦だってのに結局の所タイマンになったから成立した勝負だ。勇吾も白金も運良く勝っただけだ。どうせこの番組見てるだろ?羌先生にも言われただろうがもう一度耳の穴カッポじってよく聞け!及第点だ!馬鹿弟!!』
「ぐぁ!よりにもよってTVで言わなくてもいいだろ。」
「改めて言われると悔しいよね。本当の事だけに…」
TVモニターを見ながら俺と月子は二人して落ち込んでしまう。試合は確かに俺達の勝ちだったが内容と条件の事を言われれば反論できない。
『何処が駄目だったんですか?綴谷的には良い試合だったと思うのですが?』
『さっきも言ったがチーム戦だ。本来なら2対3の戦いなのに結局タイマンになってるところで勝ちを拾っただけの試合だって言ってるんだ。三光院家の末っ子が試合開始直後から静観しているだろ?このガキがいつもの様に兄姉のサポートに回っていたらこんな結果になったか解らないって話しだ。まあ、なるべくしてこういう試合内容に成っただけで格段説明する事もねぇよ。』
ふんぞり返って解説する気ゼロの礼司兄の様子に困り果てている綴谷が食い下がる。
『そう言わないで下さい。映像だけでは解らない細かな点とか解説してくれませんか?じゃないとお互い色々困るでしょ?』
『くっ、仕方ねえ。』
なんだろう?なぜか礼司兄が折れて解説するようだ。なんか弱みでも握られているんだろうか?まあ、十中八九アレの事だろうけど…
『ではまず白金姫VS五六八嬢の解説をお願いします。』
『正直な所内容に関しちゃ文句無しだがお互い詰めの甘さと対人戦闘の経験の乏しさが露呈したって所だな。攻撃に振り切った五六八のスタイルは悪くないが白金の勘の良さが致命打を尽くいなした形になった。本人は自覚があったかはわからねぇが五六八のあの必殺の一撃を体を浮かしてダメージを軽減してる。それに白金の礼装がガチガチの防御術式で固められている。アレで決められなかったのが痛い所だな。』
『なるほど。それでは最後に白金姫が見せたあの一撃についてどう思われますか?五六八嬢は微動だに出来ずに貰ってしまったあの一撃は?』
『憶測の域を出ないで良いなら多分こういう仕掛けだろうな。俺達術者は五感での感覚よりどうしても魔力や霊力を知覚する事を重きを置いてしまう。集中すればするほどその傾向が強くなる。そこで一瞬でもそれが消えたらどうなる?消えるんだよ、見えなくなるんだ。相対していれば尚更だ。だがこの技の本質の凄い所はその後だ、霊力をゼロまで下げたから一瞬でトップギアまで引き上げる。車で例えるならエンジンを切った後いきなり時速100キロで走り出せるみたいなもんだ。普通じゃ出来ない、白金が修めた武術の奥義の様な物だろうな。』
おお、月子ベタ褒めじゃないか。当の月子は褒められては要るがその表情は驚いている。
「礼司兄が珍しく褒めてるけど実際の所どうなんだ?」
「うん、神代先生が怖いよ。初めて見せたうちの技を完全に理解している。」
術者もそうだけど武術家が奥義を見破られるほど怖いものはない。実際礼司兄の洞察力とか観察眼は飛びぬけて異常らしい。俺や師匠の六甲兵装も初見で理解していた。
『お次は兵頭勇吾選手と三光院輝兼選手の試合をお願いします。弟分の兵頭選手に対しては大分言いたい事が有りそうですが?』
『勇吾もそうだが輝兼もだ。まずは勇吾からだ、あいつの悪いところは直ぐ熱くなる所だ。普段偉そうに冷静ぶってる癖にこと試合になると視野が狭くなる。最近下手に火力上げたもんだから図に乗ってるからああいう目にあうんだ
よ。距離の取り方もトラップも抜けてるんだよ。俺を見ればやれ仕事してるか?授業内容テキトウ過ぎるとか文句ばっか言いやがって兄を少し敬え!』
…試合内容に関してはぐうの音も出ないがそれ以外は心外過ぎる。早く罰が当たらねぇかなマジで。
『ははっ、途中からかなり私情が混じってませんか?』
『まだ言い足りねぇんだけど…ん?ちょっと待ってくれメールだ。?…!!!オウ…くっ!やってくれたな…勇吾お前…』
どうやら罰が当たったらしい。いい気味だ。ついでに生放送なのである内容のメールを礼司兄に送る。
(ちゃんと仕事している旨のフォローのメールをして欲しくば仕事しろ。追伸、証拠写真も入手済みだ!)
送信と、証拠写真の件はブラフなんだけどあの様子から見て十子姉さんはかなり怒っているんじゃないかな?ではモニターを見てみよう。
「月子、礼司兄の顔かなり面白いから見てみろよ。」
「何?また何かしてるの?…うわ、神代先生の顔、怒ってるの?困ってるの?」
「神代礼司への抑止力を発動しました。」
あの兄の困窮している顔を見るのは不謹慎ながらにやけてしまう。俺は悪い弟だな。
『覚えてろよ勇吾。…それじゃ、次は輝兼の解説だ。ゴーレムに関しては文句の着けようが無い出来だな。だがスペックが術者の実力を遥かに超えていた。普通なら術者の能力以上のゴーレムは創り出せないもんだが輝兼の特異なところは自身の理想のゴーレムを創り出せてしまう所が仇になった。自身の能力に見合ったゴーレムを操作していれば魔力切れでぶっ倒れるなんて事は無かっただろうが自分の魔力度外視にしてゴーレムを操作するなんて自殺行為だもう遣るんじゃねぇぞ!』
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる