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第7話ー8
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頭部へ振り下ろされる拳、眼底骨折、顎間接破損等の重大なダメージを負いかねない剛打だが若干の顔の変形と鼻に血止めのテッシュで済んでいる。俺大概丈夫だよな。
「ごめんなさい。」
腕組した月子が俺を見下げてオコである。
「オコじゃないよ激オコだからね!ごめんで済んだら鉄拳は要らないんだよ!女の子のお腹を何だと思ってるの!」
「ヤーイ、怒られてやんの!」
正座中の俺の頭を面白がって小突くている五六八が鬱陶しいが今はそれを甘んじて受け入れなければならない雰囲気である。
「そのデリカシーの無さは何時に成ったら学習するの?」
「善処します、善処しますが今のはあくまでお前の体が心配な余り突発的な事故の様なものなのではないか?それとあんまり筋肉付かないタイプなのかな?ちょっとプニプに過ぎないか?いだいだいだぃぃ!!」
「デリカシーの言葉の意味から教えないといけないのかな?この頭と口は!!」
月子の拳が俺の両こめかみを捻り締める、それも全力で!頭蓋骨が割れるんじゃないかと思われた折檻に完全に心を折られる俺。
「申し訳ありませんでした。以後気を付けます…」
「本当だよ!うちだからこの程度で済んだんだからね。他の女の子にこんな事したら…酷いからね。」
どういう意味だろう?他の女性にこのような事をしたらもっと酷い目に会うぞと言う事なのだろうか?何かでも聞き返そうと出来ない物凄い圧を月子らから放たれているので黙っていよう。
暫くの正座タイムが続く最中に医務室の扉を叩く音が聞こえてきた。ようやく正座から開放される。
「二人は座ってていいぞ俺がっ!」
「正座。」
「あ、はい。」
シンプルで重い有無を言わさない月子の言葉に身が縮む思いで続く正座タイム。ほのかに身体強化しているので足が痺れるとかは無いその気になればずっと出来ますよ。だけど、正座で月子にじっと見られ続けるのは精神的に削られる。
扉から入って来たのは車椅子に乗って押されて来た三光院だった。
「ああ、ゴメンゴメン。正座お説教に見せかけた羞恥プレイの最中だったようだね。僕も混ざりたい所だけど大事を取って今日は見守る事にするよ。マイフレンド!」
「お前元気になったら覚えてろよ!」
冗談を言う元気は有るようだが空元気なのは見て分かる歩く事もまま成らないほど弱っている。あのゴーレムに限界まで魔力を注ぎ込んだのだろう、魔力枯渇の一歩手前まで来てしまっている。こうなると点滴や治療符でも体調の回復は時間が掛かるだろう。だが俺達はそんな状態でも一発で回復できる素晴らしい霊薬を知っている。これは決して先程の意趣返しではなく純粋に三光院を心配しての事だ!
「月子、これはアレしかないんじゃないでしょうか?」
「アレってアレ?大丈夫かな?」
俺は正座したまま月子の耳打ちする。
「ぶっちゃけ、あの罰ゲームじゃないのに罰ゲームその物霊薬を俺達だけ飲んでるのってずるくないか?」
「またそんな事言って先生に失礼だよ。でも、そうだよね。うち達の味覚が正常だって事を証明したいよね。」
俺と月子の間で薄暗い協定が締結した。
月子は素早く師匠に電話すると数分後満面の笑みを見せる師匠が部屋に到着した。
「遅くなって済まない。先程の試合反省点は有るものの良い試合であった。聞けば我輩に霊薬が必要と聞いてな此度の試合の反省会も含めて馳せ参じたと言う訳だ。ふむ、この様子だと三光院と君は…妹の五六八だったな。」
師匠の登場に少々戸惑っている三光院兄妹弟、三光院は俺を通じて師匠の事は良く知っているけど後の2人は初めてかもしれないな。
「こんにちは!五六八です!」
「初めまして、三光院正兼です。」
「お久しぶりです。お師匠さん若干テンションが高いのが気になりますが…どうなされたのですか?」
「二人とも良い挨拶だ。三光院も久しくしているな、ふむ、やはり大分消耗しているな。」
師匠が袖口から霊薬の入った小瓶を取り出した。相変わらず毒々しい色をしている。本能的に身が竦んでしまう。
「三光院、師匠の作った霊薬の効き目はそれはそれは凄くてな、ここ最近の修行では大変重宝しているんだ。お前のその体も1分後には全快する事請け合いだ。」
「そうなの、それでうちが先生に来てもらったんだ。輝兼さんもこれで元気一杯だよ!」
俺も月子もちょっとわざとらしい位力説してしまっている。三光院が感ずく前に飲ませておきたい。そんな俺達を見て師匠が何を勘違いしたのか嬉しそうにしているのが若干心苦しい所だ。
「そうか、お前達。口ではああ言っているがこいつの良さが分かって来たのか、うむうむ。」
「お師匠さん、勇吾クンたちはああ言ってくれてますがその様な貴重な霊薬を僕が戴いていいのですか?」
「ああ構わんよ、まだ寸胴一杯あるからな。」
ひっ!まだそんなに残ってるのか!初め聞いた時に貴重な素材を使って出来上がった霊薬は味はともかく凄い物だと知ってはいたが寸胴一杯あると有難味が無くならないか?
「少し手を加えて少々マイルドになった気がするが効能は変わらないから期待したまえ。」
「そう言って頂けるならご好意に甘えさせて頂きます。」
なんだよ師匠改良したのを持ってきたのか、これでは面白さが半減じゃないか。俺と月子はあからさまにガッカリした顔で霊薬を飲む三光院を見ていると最初は顔をしかめる程度の反応だったが急に痙攣を起し始めた三光院。まさか、味が悪いほうに改良されてしまったのか!俺は急いで三光院に駆け寄り体を押さえつける。
「大丈夫だ!死なない!若干死ぬかな~って思うけど死にはしないから飲み込むんだ!」
「えっ!ちょっと、兵頭先輩!兄さん本当に大丈夫なんですか?!白目剥いてますよ!」
「正兼君、心が折れるくらいオニ不味いだけだ!さあ、頭を傾けて飲み込ませるんだ!これ以上苦しませてあげるな!」
「薬飲ませる人間の発言じゃないですよねそれ!」
切れのいいツッコミで返してくれる正兼君は兄の頭を傾けさせ霊薬を溜飲させる。三光院、お前も凄いよ。きっと吐き出したかった位なのに意地でもそれをしなかった。でも心が不味さで麻痺して飲み込む事が出来なかったんだな…くっ済まない面白がってる俺を許してくれ。あっ月子も同罪だから。
予想以上の大騒ぎに俺は内心大満足だったが復活した三光院に暫く恨めしそうな顔をされたのは言うまでも無い。
「ごめんなさい。」
腕組した月子が俺を見下げてオコである。
「オコじゃないよ激オコだからね!ごめんで済んだら鉄拳は要らないんだよ!女の子のお腹を何だと思ってるの!」
「ヤーイ、怒られてやんの!」
正座中の俺の頭を面白がって小突くている五六八が鬱陶しいが今はそれを甘んじて受け入れなければならない雰囲気である。
「そのデリカシーの無さは何時に成ったら学習するの?」
「善処します、善処しますが今のはあくまでお前の体が心配な余り突発的な事故の様なものなのではないか?それとあんまり筋肉付かないタイプなのかな?ちょっとプニプに過ぎないか?いだいだいだぃぃ!!」
「デリカシーの言葉の意味から教えないといけないのかな?この頭と口は!!」
月子の拳が俺の両こめかみを捻り締める、それも全力で!頭蓋骨が割れるんじゃないかと思われた折檻に完全に心を折られる俺。
「申し訳ありませんでした。以後気を付けます…」
「本当だよ!うちだからこの程度で済んだんだからね。他の女の子にこんな事したら…酷いからね。」
どういう意味だろう?他の女性にこのような事をしたらもっと酷い目に会うぞと言う事なのだろうか?何かでも聞き返そうと出来ない物凄い圧を月子らから放たれているので黙っていよう。
暫くの正座タイムが続く最中に医務室の扉を叩く音が聞こえてきた。ようやく正座から開放される。
「二人は座ってていいぞ俺がっ!」
「正座。」
「あ、はい。」
シンプルで重い有無を言わさない月子の言葉に身が縮む思いで続く正座タイム。ほのかに身体強化しているので足が痺れるとかは無いその気になればずっと出来ますよ。だけど、正座で月子にじっと見られ続けるのは精神的に削られる。
扉から入って来たのは車椅子に乗って押されて来た三光院だった。
「ああ、ゴメンゴメン。正座お説教に見せかけた羞恥プレイの最中だったようだね。僕も混ざりたい所だけど大事を取って今日は見守る事にするよ。マイフレンド!」
「お前元気になったら覚えてろよ!」
冗談を言う元気は有るようだが空元気なのは見て分かる歩く事もまま成らないほど弱っている。あのゴーレムに限界まで魔力を注ぎ込んだのだろう、魔力枯渇の一歩手前まで来てしまっている。こうなると点滴や治療符でも体調の回復は時間が掛かるだろう。だが俺達はそんな状態でも一発で回復できる素晴らしい霊薬を知っている。これは決して先程の意趣返しではなく純粋に三光院を心配しての事だ!
「月子、これはアレしかないんじゃないでしょうか?」
「アレってアレ?大丈夫かな?」
俺は正座したまま月子の耳打ちする。
「ぶっちゃけ、あの罰ゲームじゃないのに罰ゲームその物霊薬を俺達だけ飲んでるのってずるくないか?」
「またそんな事言って先生に失礼だよ。でも、そうだよね。うち達の味覚が正常だって事を証明したいよね。」
俺と月子の間で薄暗い協定が締結した。
月子は素早く師匠に電話すると数分後満面の笑みを見せる師匠が部屋に到着した。
「遅くなって済まない。先程の試合反省点は有るものの良い試合であった。聞けば我輩に霊薬が必要と聞いてな此度の試合の反省会も含めて馳せ参じたと言う訳だ。ふむ、この様子だと三光院と君は…妹の五六八だったな。」
師匠の登場に少々戸惑っている三光院兄妹弟、三光院は俺を通じて師匠の事は良く知っているけど後の2人は初めてかもしれないな。
「こんにちは!五六八です!」
「初めまして、三光院正兼です。」
「お久しぶりです。お師匠さん若干テンションが高いのが気になりますが…どうなされたのですか?」
「二人とも良い挨拶だ。三光院も久しくしているな、ふむ、やはり大分消耗しているな。」
師匠が袖口から霊薬の入った小瓶を取り出した。相変わらず毒々しい色をしている。本能的に身が竦んでしまう。
「三光院、師匠の作った霊薬の効き目はそれはそれは凄くてな、ここ最近の修行では大変重宝しているんだ。お前のその体も1分後には全快する事請け合いだ。」
「そうなの、それでうちが先生に来てもらったんだ。輝兼さんもこれで元気一杯だよ!」
俺も月子もちょっとわざとらしい位力説してしまっている。三光院が感ずく前に飲ませておきたい。そんな俺達を見て師匠が何を勘違いしたのか嬉しそうにしているのが若干心苦しい所だ。
「そうか、お前達。口ではああ言っているがこいつの良さが分かって来たのか、うむうむ。」
「お師匠さん、勇吾クンたちはああ言ってくれてますがその様な貴重な霊薬を僕が戴いていいのですか?」
「ああ構わんよ、まだ寸胴一杯あるからな。」
ひっ!まだそんなに残ってるのか!初め聞いた時に貴重な素材を使って出来上がった霊薬は味はともかく凄い物だと知ってはいたが寸胴一杯あると有難味が無くならないか?
「少し手を加えて少々マイルドになった気がするが効能は変わらないから期待したまえ。」
「そう言って頂けるならご好意に甘えさせて頂きます。」
なんだよ師匠改良したのを持ってきたのか、これでは面白さが半減じゃないか。俺と月子はあからさまにガッカリした顔で霊薬を飲む三光院を見ていると最初は顔をしかめる程度の反応だったが急に痙攣を起し始めた三光院。まさか、味が悪いほうに改良されてしまったのか!俺は急いで三光院に駆け寄り体を押さえつける。
「大丈夫だ!死なない!若干死ぬかな~って思うけど死にはしないから飲み込むんだ!」
「えっ!ちょっと、兵頭先輩!兄さん本当に大丈夫なんですか?!白目剥いてますよ!」
「正兼君、心が折れるくらいオニ不味いだけだ!さあ、頭を傾けて飲み込ませるんだ!これ以上苦しませてあげるな!」
「薬飲ませる人間の発言じゃないですよねそれ!」
切れのいいツッコミで返してくれる正兼君は兄の頭を傾けさせ霊薬を溜飲させる。三光院、お前も凄いよ。きっと吐き出したかった位なのに意地でもそれをしなかった。でも心が不味さで麻痺して飲み込む事が出来なかったんだな…くっ済まない面白がってる俺を許してくれ。あっ月子も同罪だから。
予想以上の大騒ぎに俺は内心大満足だったが復活した三光院に暫く恨めしそうな顔をされたのは言うまでも無い。
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