4 / 262
1章 幼き魂と賢者の杖
4 侵攻が進行していたらしい
しおりを挟む
僕がなぜ山暮らしをしているのか?
僕も聞きたい。
一応、倒されたとはいえ魔王の息子なのだから、もう少しマシな落ち延び先はないのだろうか?
爺に聞いたことがあるが、安全のためとしか答えてもらえない。
それどころか未だに母が殺されたであろう日に何があったのかも話してはくれない。
「オキス様が大きくなり、力をつけた時にすべてをお話ししますじゃ。」
爺はそうとしか言わない。
魔領には6つの魔族が治める地域がある。
あの日の出来事があった宮殿は魔王の直轄地ではなく、配下の魔族が治める避暑地的な場所だったらしい。
激しい戦いがあったのは確かなのだが、その後、いったいどういう状況なのかは教えてもらえない。
魔領全体が人間に敗北したわけではなさそうだ。
そしてこの暮らしは他の魔族から隠れているようにしか思えない。
いくつか可能性は想像できる。
真っ先に思いつくのは、後継者争いで命を狙われている可能性だ。
これが真相だとすると、僕に事情を話さないのは不可解だ。
爺の態度の見ると、なにか違うワケがありそうな気がしてならない。
そういえば記憶に残る母は頭に山羊のような角を生やしていた。
僕にはない。
予想その二で実は魔王の子供ではなく、ただの人間の子供でしたというのも考えた。
しかし、子供のうちから魔力が高く、精神系魔法が使える時点で可能性は低そうだ。
結局のところ爺に真相を話してもらわないかぎり、正解にたどり着く材料が無いままだ。
今日の日課の食料集めが終わったので爺の授業を受けに行く。
魔法だけでなく、言語と文字の勉強もしている。
魔族の公用語の他に、何故か人間の公用語も学んでいる。
魔族と人間は敵対しているらしいが、敵対するにしても敵の言葉を覚えて損は無いと言うことだろうか。
「歴史をもう少し詳しくやりたいんだけどな。」
僕がそういうと爺は、
「教えて差し上げたいのは山々ですじゃ。
されど優先順位というものがあります故、どうかお許しくだされ。」
優先事項は魔法と言語、魔族と人間の一般常識、それが終わったら歴史を少々。
精神が大人ということもあり、爺が驚くほどに勉強は進んでいった。
そもそも魔王種はもとから頭が良い種族だ。
僕が人間の頃よりも記憶力も思考力も性能が上だ。
教えてもらった歴史は、魔族同士の覇権争い、魔族と人間の戦いだった。
魔族は力を求め、人間は利を求めて争う。
遙か昔には神が実在していた時代があるらしい。
魔法や魔族がいるんだから、神の存在を不思議に思ってもしかたが無いだろう。
どうせなら転生時に一声かけてくれれば良かったのに。
そこでチートスキルの一つや二つもらいたかった。
ちなみにこの世界は、7割が人間の支配地域で魔族は2割。
残りは空白地帯だ。
魔族が生きていくためには多くの魔力を必要とし、魔素の薄い環境だと弱ってしまう。
人間の支配地域の多くが、魔族にとっては不適当な場所なのだ。
支配地域を広げるためには魔族流テラフォーミングしていかないといけないが、一筋縄にはいかないらしい。
人間の支配地域の中でも、魔素が多い山や森、ダンジョンなどには魔族が点在しているとのことだ。
母がやったような魔領からの大規模侵攻は希で、点在した場所に住んでいる魔族を援護して、少しずつ支配地域を増やしたりすることの方が多いらしい。
強い仲間を拠点に配置して、指示出しで無双できる日が来るといいな。
僕も聞きたい。
一応、倒されたとはいえ魔王の息子なのだから、もう少しマシな落ち延び先はないのだろうか?
爺に聞いたことがあるが、安全のためとしか答えてもらえない。
それどころか未だに母が殺されたであろう日に何があったのかも話してはくれない。
「オキス様が大きくなり、力をつけた時にすべてをお話ししますじゃ。」
爺はそうとしか言わない。
魔領には6つの魔族が治める地域がある。
あの日の出来事があった宮殿は魔王の直轄地ではなく、配下の魔族が治める避暑地的な場所だったらしい。
激しい戦いがあったのは確かなのだが、その後、いったいどういう状況なのかは教えてもらえない。
魔領全体が人間に敗北したわけではなさそうだ。
そしてこの暮らしは他の魔族から隠れているようにしか思えない。
いくつか可能性は想像できる。
真っ先に思いつくのは、後継者争いで命を狙われている可能性だ。
これが真相だとすると、僕に事情を話さないのは不可解だ。
爺の態度の見ると、なにか違うワケがありそうな気がしてならない。
そういえば記憶に残る母は頭に山羊のような角を生やしていた。
僕にはない。
予想その二で実は魔王の子供ではなく、ただの人間の子供でしたというのも考えた。
しかし、子供のうちから魔力が高く、精神系魔法が使える時点で可能性は低そうだ。
結局のところ爺に真相を話してもらわないかぎり、正解にたどり着く材料が無いままだ。
今日の日課の食料集めが終わったので爺の授業を受けに行く。
魔法だけでなく、言語と文字の勉強もしている。
魔族の公用語の他に、何故か人間の公用語も学んでいる。
魔族と人間は敵対しているらしいが、敵対するにしても敵の言葉を覚えて損は無いと言うことだろうか。
「歴史をもう少し詳しくやりたいんだけどな。」
僕がそういうと爺は、
「教えて差し上げたいのは山々ですじゃ。
されど優先順位というものがあります故、どうかお許しくだされ。」
優先事項は魔法と言語、魔族と人間の一般常識、それが終わったら歴史を少々。
精神が大人ということもあり、爺が驚くほどに勉強は進んでいった。
そもそも魔王種はもとから頭が良い種族だ。
僕が人間の頃よりも記憶力も思考力も性能が上だ。
教えてもらった歴史は、魔族同士の覇権争い、魔族と人間の戦いだった。
魔族は力を求め、人間は利を求めて争う。
遙か昔には神が実在していた時代があるらしい。
魔法や魔族がいるんだから、神の存在を不思議に思ってもしかたが無いだろう。
どうせなら転生時に一声かけてくれれば良かったのに。
そこでチートスキルの一つや二つもらいたかった。
ちなみにこの世界は、7割が人間の支配地域で魔族は2割。
残りは空白地帯だ。
魔族が生きていくためには多くの魔力を必要とし、魔素の薄い環境だと弱ってしまう。
人間の支配地域の多くが、魔族にとっては不適当な場所なのだ。
支配地域を広げるためには魔族流テラフォーミングしていかないといけないが、一筋縄にはいかないらしい。
人間の支配地域の中でも、魔素が多い山や森、ダンジョンなどには魔族が点在しているとのことだ。
母がやったような魔領からの大規模侵攻は希で、点在した場所に住んでいる魔族を援護して、少しずつ支配地域を増やしたりすることの方が多いらしい。
強い仲間を拠点に配置して、指示出しで無双できる日が来るといいな。
0
あなたにおすすめの小説
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる