魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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1章 幼き魂と賢者の杖

19 ぐるっと回ってグルである

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 冒険者達がグルでは無いかという懸念は杞憂に終わり、ようやく町に戻って来ることが出来た。
 グラマンさんからは危険な目に遭わせたことを謝られた。
 別にグラマンさんが悪いわけでは無い・・・はず。

 希望の家に帰ると、パメラから「心配させるんじゃ無いわよ」とジキルが殴られていた。
 僕はうまく回避した。
 グラマンさんから事情を説明されたカティアさんは、僕達に特に何も言わず、具が増えた豆スープを出しただけだ。
 有名な冒険者エリザさんはどうしたのかというと、出かけてしまっているようだ。

 その後、グラマンさんが孤児院きぼうのいえから町に帰ろうとしたタイミングで、町の警備隊の人がグラマンさんに会いに来た。
 どうやらチンピラ二人を捕まえたらしい。
 カイデウスさん達が捕まえたんだろう。
 さすがだ。
 雑貨屋の商品を窃盗していた疑いもあるので、確認に来て欲しいとのことだ。
 僕達にも事情を聞きたいので、明日迎えに来るという話だ。

 次の日、警備隊の人が迎えにやってきた。
 向かうのは町の警備隊の詰め所だ。
 そこは拘置所を兼ねているので、チンピラ二人もそこに拘留されている。

 詰め所が見えたところで、町長と擦れ違った。
 警備隊の人が町長に挨拶をした。
 その時、町長は険しい目で僕達を一瞥するものの、今回は何も言わずに通り過ぎた。

 詰め所に到着すると、中が慌ただしい。

「どうしたんだろうね。」

 ジキルが疑問を声にする。
 ルディンは誘拐事件のこともあってか、過敏に怯えた表情をしている。
 警備隊の人達は奥にある拘置所の方へ集まっているようだ。
 僕達をここまで連れてきた警備隊の人も確認に向かう。
 しばらくすると警備隊の人が戻ってきた。

「すまないが事情を聞くのは後になりそうだ。
 犯人二人が死んでしまった・・・。
 先に状況を調査しなければならない。」

 警備隊の人は深刻な表情で言った。

「死んだ・・・。
 何があったんですか?」

 詳しいことはまだ分からないという。
 血を吐いて倒れていたので確認したところ、心臓が止まっていたそうだ。
 外傷は無いという。
 僕達が到着する直前までは生きていたらしい。

 治療院へ運び出されるチンピラ二人組。
 僕達は呆然と見送るしか無かった。

 二人が同じタイミングで血を吐いて死んだということは、魔法か毒によるものと考えるべきだろう。
 自殺か他殺か、毒殺にせよ魔法にせよ、調べれば痕跡が残る。
 なんにせよ調査待ちだ。
 そんなことを考えていると、ふとルディンが見当たらないことに気がつく。

「あれ、ルディンがいない。どこに行ったんだろう?」

 ジキルが辺りを見回す。
 詰め所の外に出て確認してみたが、見つからない。

「もしかしてグラマンさんの所へいったのかな。」

 そういえばさっきの騒ぎの中、ルディンが怯えていたのを思い出した。
 さすがに希望の家までは距離があるので、手近なところでグラマンさんの所へ避難した可能性がある。
 僕達は警備隊の人にルディンがいなくなったことを話し、グラマンさんの雑貨屋へ向かうことにした。
 警備隊の人も辺りを捜索しておいてくれるそうだ。

 雑貨屋に向かう途中、真面目で冷たそうな風貌の男に声をかけられた。

「もしかして君たちはオキス君とジキル君ですか?」

「はい、僕がオキスです。
 ええっと、あなたは?」

「申し遅れました。
 私は町長の秘書をしておりますエクバイヤと申します。
 町長から話を伺っておりまして。
 町長はあなた方のことを大変心配されていました。」

 僕はルディンを探しているので急いでいることを告げると、その場を後にした。
 エクバイヤさんは何か言おうとしていたようだが、それどころでは無かった。
 そして雑貨屋についた。

「グラマンさん、ルディンが来てませんか?
 詰め所で騒ぎがあって、いなくなってしまったんです。」

「ルディン君かい?
 ここには来ていないよ。」

 グラマンさんは、ルディンを見ていないようだ。

「一人で希望の家(うち)に帰ったのかな。
 いったん戻ってみない?」

 ジキルが提案する。

「誘拐犯は死んだんだよね。
 なら大丈夫だとは思うが、気をつけるんだよ。
 私はこれから配達があるから、回った先でルディン君のことを聞いておくよ。」

 僕達は希望の家へ戻ることにした。
 詰め所での事件、ルディンの失踪、残った違和感。
 そしてその日、ルディンは見つからなかった。





 ワールド検索機能で人捜し無双がしたいな。
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