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3章 冒険の始まりと動き出す王国
55 泥船に乗る前にきっと転ぶね
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パーティーを組んでもらえそうな人がいないか辺りを見渡す。
すると一人の優男(やさおとこ)が話しかけてきた。
「僕はドルクだ、よろしくな。
その風体だと、まさかその年で魔術師なのか?」
「オキスです、よろしくお願いします。
魔法は一通り覚えています。」
僕は雷系の魔術回路を編み、ピンボール大の光を五つ手の平の上で回転させた。
光の間に放電現象が起こる。
技術を見せるには効果的な魔法だ。
それを見た他の冒険者達がざわつく。
「どこかのボンボンなのかと思ったら、やるじゃないか。
その年でこんな器用な魔法を使う奴は初めて見た。
そうそう、受けた依頼はフェイステラ渓谷の魔晶石採取だよな。
あそこは最近魔物の動きが鈍くなっているから仕事はしやすいと思うぜ。」
何か有力な情報ゲットの予感。
「鈍くなっているというのは?」
「普通なら人間を襲うような魔物が、ほとんど出てこなくなっているんだ。
隠れているだけで、数が減ったわけではなさそうだし、原因はよく分かっていないんだけどな。」
魔物が隠れているって、何か嫌な予感がするんだけど。
「なるほど、親切にありがとうございます。
それと一緒に行ってもらえる仲間を探しているんですが。」
「残念だけど、俺は別の仕事があるからな。」
断られてしまった。
と、突然後ろから肩を掴まれた。
「オキス、依頼を受けたのか!」
後ろを振り返るとそこにいたのはエリッタだった。
いつの間に後ろにいたんだろう?
僕は依頼の内容を話した。
「アタイが一緒に行ってやるよ。
協力してやるって言ったしね。
なんと言っても試しの剣を抜いた勇者と一緒なんて楽しそうだし。」
そこでまた冒険者達がざわつく。
仮勇者、ゴロ的には仮免勇者だろうか、それがバレた。
「おい、試しの剣を抜いたって言うのは本当か?」
体格の良い、明らかに肉弾戦を得意としそうな人物が声をかけてきた。
「一応抜きましたけど、あくまでも勇者の可能性があると言うだけですよ。」
「面白い、俺も付き合ってやるよ。
未来の勇者様と一緒に仕事をしたとなれば自慢できそうだ。」
「勇者と確定したわけでは無いんですが。」
「構わねえよ。
俺が冒険者をやっているのは面白いことに首が突っ込みたいからだ。
そうそう、俺の名前はエランだ。
お前はオキスでいいんだな。」
既に名前を覚えられていた。
「はい、よろしくお願いします。」
僕がそう応じると、さっきの優男のドルクが話に割って入ってきた。
「おい、そっちの勇者は良いとして、あの女は死神エリッタだぞ。」
ドルクがエランに話しかける。
「分かっている。
だが、俺はいちいちそんなことは気にしないさ。」
エランは平然と答えた。
「ええと、死神というのは?」
僕がそう言うとエリッタの表情が曇る。
「気にするなオキス。
単にジンクスの話だ。
冒険者は縁起を担ぎたがるが、勇者様がいるんだ問題ない。」
そうエランが言うと、ドルクが今度は僕に忠告してきた。
「エリッタと仕事をすると、毎回死人や怪我人が出る。
だから死神なんだ。
悪いことは言わない、やめておけよ。」
ドルクという人はさっきも情報を教えてくれたし、きっと悪気は無いのだろう。
僕のことを心配してくれているだけのようだ。
「僕はあまりそういうのは信じない方なので。
気にしませんよ。」
僕が気にしないという態度をとると、エリッタの表情が明るくなった。
「たまたま運が悪かっただけだよ。
こう見えてもアタイはそこの優男よりよっぽど強いんだから、泥船に乗ったつもりでいてくれよ。」
いや、泥船には乗りたくないです。
こうして三人のパーティーが組まれた。
ようやく冒険の幕開けだ。
やってくるのか死神無双。
すると一人の優男(やさおとこ)が話しかけてきた。
「僕はドルクだ、よろしくな。
その風体だと、まさかその年で魔術師なのか?」
「オキスです、よろしくお願いします。
魔法は一通り覚えています。」
僕は雷系の魔術回路を編み、ピンボール大の光を五つ手の平の上で回転させた。
光の間に放電現象が起こる。
技術を見せるには効果的な魔法だ。
それを見た他の冒険者達がざわつく。
「どこかのボンボンなのかと思ったら、やるじゃないか。
その年でこんな器用な魔法を使う奴は初めて見た。
そうそう、受けた依頼はフェイステラ渓谷の魔晶石採取だよな。
あそこは最近魔物の動きが鈍くなっているから仕事はしやすいと思うぜ。」
何か有力な情報ゲットの予感。
「鈍くなっているというのは?」
「普通なら人間を襲うような魔物が、ほとんど出てこなくなっているんだ。
隠れているだけで、数が減ったわけではなさそうだし、原因はよく分かっていないんだけどな。」
魔物が隠れているって、何か嫌な予感がするんだけど。
「なるほど、親切にありがとうございます。
それと一緒に行ってもらえる仲間を探しているんですが。」
「残念だけど、俺は別の仕事があるからな。」
断られてしまった。
と、突然後ろから肩を掴まれた。
「オキス、依頼を受けたのか!」
後ろを振り返るとそこにいたのはエリッタだった。
いつの間に後ろにいたんだろう?
僕は依頼の内容を話した。
「アタイが一緒に行ってやるよ。
協力してやるって言ったしね。
なんと言っても試しの剣を抜いた勇者と一緒なんて楽しそうだし。」
そこでまた冒険者達がざわつく。
仮勇者、ゴロ的には仮免勇者だろうか、それがバレた。
「おい、試しの剣を抜いたって言うのは本当か?」
体格の良い、明らかに肉弾戦を得意としそうな人物が声をかけてきた。
「一応抜きましたけど、あくまでも勇者の可能性があると言うだけですよ。」
「面白い、俺も付き合ってやるよ。
未来の勇者様と一緒に仕事をしたとなれば自慢できそうだ。」
「勇者と確定したわけでは無いんですが。」
「構わねえよ。
俺が冒険者をやっているのは面白いことに首が突っ込みたいからだ。
そうそう、俺の名前はエランだ。
お前はオキスでいいんだな。」
既に名前を覚えられていた。
「はい、よろしくお願いします。」
僕がそう応じると、さっきの優男のドルクが話に割って入ってきた。
「おい、そっちの勇者は良いとして、あの女は死神エリッタだぞ。」
ドルクがエランに話しかける。
「分かっている。
だが、俺はいちいちそんなことは気にしないさ。」
エランは平然と答えた。
「ええと、死神というのは?」
僕がそう言うとエリッタの表情が曇る。
「気にするなオキス。
単にジンクスの話だ。
冒険者は縁起を担ぎたがるが、勇者様がいるんだ問題ない。」
そうエランが言うと、ドルクが今度は僕に忠告してきた。
「エリッタと仕事をすると、毎回死人や怪我人が出る。
だから死神なんだ。
悪いことは言わない、やめておけよ。」
ドルクという人はさっきも情報を教えてくれたし、きっと悪気は無いのだろう。
僕のことを心配してくれているだけのようだ。
「僕はあまりそういうのは信じない方なので。
気にしませんよ。」
僕が気にしないという態度をとると、エリッタの表情が明るくなった。
「たまたま運が悪かっただけだよ。
こう見えてもアタイはそこの優男よりよっぽど強いんだから、泥船に乗ったつもりでいてくれよ。」
いや、泥船には乗りたくないです。
こうして三人のパーティーが組まれた。
ようやく冒険の幕開けだ。
やってくるのか死神無双。
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