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5章 希望の家と集う仲間
105 女性が多い情勢だ
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神魔砲を潰した件から四ヶ月が経過した。
僕は現在オブリエン帝国に亡命中だ。
そして本拠地を帝国の古代遺跡に定めた。
直接会ったわけでは無いけれど、この国の最高権力者である皇帝エスフェリアの許可は出ている。
その辺りはギスケがやってくれたんだけどね。
神魔砲が破壊された後、フェイベル王国は帝国との関係を中立に戻した。
研究所の爆発も事故で処理され、うやむやになっている。
今回の一件で反帝国派だった王族が責任をとらされ、中立派が基盤を固めることになった。
兄だか弟だかの喧嘩が発端だったらしいのだけれど、ハッキリ言ってどうでもいい。
こうして帝国から見て北東の国境の危険性は下がったことになる。
しかし東側の国境、帝国とブリデイン王国は見事に戦場になった。
ブリデイン王国はオブリエン帝国に宣戦布告を行い、同盟している二カ国を引き連れて東の国境付近にある帝国の要塞へと侵攻した。
今回、神魔砲は無くなったので戦略級の兵器は導入されていない。
そこに導入されたのは魔大砲だった。
魔力を使って大型の球を打ち出す仕組みだ。
アホらしいほど火薬を使うという発想が無い世界だなあ。
魔銃を研究していたときに、大砲の話を出した記憶があるんだけど、本当に作るとは思わなかった。
コストがかかりすぎる上、一発撃ったらチャージに時間がかかるので実用的では無い。
しかし長期戦を前提にジワジワ砲撃していくのなら使えなくも無いということか。
ブリデイン王国は魔大砲を十門投入し、護衛に魔銃部隊を付けた。
両翼には臨機に対応できるように騎兵が配置されている。
後続に歩兵がいるのは、万が一の時に魔大砲を撤収させるためだろう。
この状態でもし帝国が魔大砲を破壊するために部隊を投入すれば、魔銃部隊の攻撃を食らった後、騎兵に潰される。
ちなみに僕はその時、古代遺跡で通信を聞いていた。
ギスケが通信機を量産して、各拠点に配備している。
その通信が暗号化もされず、こっちにも流れてきている。
通信機の技術はブリデイン王国には流していない。
しかしギスケはもう少しセキュリティ意識を持った方が良いのでは無いだろうか?
ギスケは現在、魔領方面にいるため、今回の戦闘に参加していない。
そもそも長期間そちらを留守にすると、魔族の侵攻に耐えられなくなるので、結局は人間との戦いはギスケ無しでやらないといけないようだ。
ギスケは通信機を使い、指示だけ出している。
その指示の先の名前が女性名ばかりなんだけど、ギスケはチートハーレムでもやっているのだろうか?
ちなみに戦闘の結果は、帝国の勝利に終わった。
魔大砲によって要塞の一部が損傷したものの、飛龍による空爆で魔大砲を破壊。
その後、要塞から兵を出して王国軍を誘い出し、古典的な落とし穴などの罠で手痛いダメージを与えたようだ。
王国軍は二重に想定外の状況になっている。
まず魔大砲がアッサリと破られたこと。
そして魔神ギスケを誘い出すのに失敗したこと。
王国の思惑としては帝国を潰すため、魔領側の魔族に帝国の力をそぎ取って欲しいのだ。
そしてギスケを王国方面に釘付けにすれば、戦いに勝たなくともいずれ帝国が疲弊する。
そんなプランが全くの絵空事に終わった。
ここ最近で分かったことだけれど、あれだけ長いこと魔族と戦っていた帝国の国力はそれほど落ちていない。
比較的安全な中心地では農業改革が行われ、効率的な作物の生産を行っている。
僕がいる古代遺跡にも食料を届けてくれる。
そんな僕の気分は自宅警備員だ。
さらに各地に工業施設を建設し、軍の装備もかなり拡充されている。
僕のような異世界の技術では無く、この世界の技術を発展させた物のようだ。
この世界の人材を上手く投入した結果なのだろう。
たぶん師匠は魔神ギスケの能力を見誤った。
ギスケは数学の天才であり、同時に直感が鋭い。
今までギスケを師匠が色々とちょっかいをかけて虐めまくっていた。
そのおかげでギスケは恐ろしいほどに有能な人材に成長したようだ。
ギスケが魔法陣無しで無双だった。
僕は現在オブリエン帝国に亡命中だ。
そして本拠地を帝国の古代遺跡に定めた。
直接会ったわけでは無いけれど、この国の最高権力者である皇帝エスフェリアの許可は出ている。
その辺りはギスケがやってくれたんだけどね。
神魔砲が破壊された後、フェイベル王国は帝国との関係を中立に戻した。
研究所の爆発も事故で処理され、うやむやになっている。
今回の一件で反帝国派だった王族が責任をとらされ、中立派が基盤を固めることになった。
兄だか弟だかの喧嘩が発端だったらしいのだけれど、ハッキリ言ってどうでもいい。
こうして帝国から見て北東の国境の危険性は下がったことになる。
しかし東側の国境、帝国とブリデイン王国は見事に戦場になった。
ブリデイン王国はオブリエン帝国に宣戦布告を行い、同盟している二カ国を引き連れて東の国境付近にある帝国の要塞へと侵攻した。
今回、神魔砲は無くなったので戦略級の兵器は導入されていない。
そこに導入されたのは魔大砲だった。
魔力を使って大型の球を打ち出す仕組みだ。
アホらしいほど火薬を使うという発想が無い世界だなあ。
魔銃を研究していたときに、大砲の話を出した記憶があるんだけど、本当に作るとは思わなかった。
コストがかかりすぎる上、一発撃ったらチャージに時間がかかるので実用的では無い。
しかし長期戦を前提にジワジワ砲撃していくのなら使えなくも無いということか。
ブリデイン王国は魔大砲を十門投入し、護衛に魔銃部隊を付けた。
両翼には臨機に対応できるように騎兵が配置されている。
後続に歩兵がいるのは、万が一の時に魔大砲を撤収させるためだろう。
この状態でもし帝国が魔大砲を破壊するために部隊を投入すれば、魔銃部隊の攻撃を食らった後、騎兵に潰される。
ちなみに僕はその時、古代遺跡で通信を聞いていた。
ギスケが通信機を量産して、各拠点に配備している。
その通信が暗号化もされず、こっちにも流れてきている。
通信機の技術はブリデイン王国には流していない。
しかしギスケはもう少しセキュリティ意識を持った方が良いのでは無いだろうか?
ギスケは現在、魔領方面にいるため、今回の戦闘に参加していない。
そもそも長期間そちらを留守にすると、魔族の侵攻に耐えられなくなるので、結局は人間との戦いはギスケ無しでやらないといけないようだ。
ギスケは通信機を使い、指示だけ出している。
その指示の先の名前が女性名ばかりなんだけど、ギスケはチートハーレムでもやっているのだろうか?
ちなみに戦闘の結果は、帝国の勝利に終わった。
魔大砲によって要塞の一部が損傷したものの、飛龍による空爆で魔大砲を破壊。
その後、要塞から兵を出して王国軍を誘い出し、古典的な落とし穴などの罠で手痛いダメージを与えたようだ。
王国軍は二重に想定外の状況になっている。
まず魔大砲がアッサリと破られたこと。
そして魔神ギスケを誘い出すのに失敗したこと。
王国の思惑としては帝国を潰すため、魔領側の魔族に帝国の力をそぎ取って欲しいのだ。
そしてギスケを王国方面に釘付けにすれば、戦いに勝たなくともいずれ帝国が疲弊する。
そんなプランが全くの絵空事に終わった。
ここ最近で分かったことだけれど、あれだけ長いこと魔族と戦っていた帝国の国力はそれほど落ちていない。
比較的安全な中心地では農業改革が行われ、効率的な作物の生産を行っている。
僕がいる古代遺跡にも食料を届けてくれる。
そんな僕の気分は自宅警備員だ。
さらに各地に工業施設を建設し、軍の装備もかなり拡充されている。
僕のような異世界の技術では無く、この世界の技術を発展させた物のようだ。
この世界の人材を上手く投入した結果なのだろう。
たぶん師匠は魔神ギスケの能力を見誤った。
ギスケは数学の天才であり、同時に直感が鋭い。
今までギスケを師匠が色々とちょっかいをかけて虐めまくっていた。
そのおかげでギスケは恐ろしいほどに有能な人材に成長したようだ。
ギスケが魔法陣無しで無双だった。
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