魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
104 / 262
5章 希望の家と集う仲間

105 女性が多い情勢だ

しおりを挟む
 神魔砲を潰した件から四ヶ月が経過した。
 僕は現在オブリエン帝国に亡命中だ。
 そして本拠地を帝国の古代遺跡に定めた。
 直接会ったわけでは無いけれど、この国の最高権力者である皇帝エスフェリアの許可は出ている。
 その辺りはギスケがやってくれたんだけどね。

 神魔砲が破壊された後、フェイベル王国は帝国との関係を中立に戻した。
 研究所の爆発も事故で処理され、うやむやになっている。
 今回の一件で反帝国派だった王族が責任をとらされ、中立派が基盤を固めることになった。
 兄だか弟だかの喧嘩が発端だったらしいのだけれど、ハッキリ言ってどうでもいい。
 こうして帝国から見て北東の国境の危険性は下がったことになる。

 しかし東側の国境、帝国とブリデイン王国は見事に戦場になった。
 ブリデイン王国はオブリエン帝国に宣戦布告を行い、同盟している二カ国を引き連れて東の国境付近にある帝国の要塞へと侵攻した。

 今回、神魔砲は無くなったので戦略級の兵器は導入されていない。
 そこに導入されたのは魔大砲だった。
 魔力を使って大型の球を打ち出す仕組みだ。
 アホらしいほど火薬を使うという発想が無い世界だなあ。

 魔銃を研究していたときに、大砲の話を出した記憶があるんだけど、本当に作るとは思わなかった。
 コストがかかりすぎる上、一発撃ったらチャージに時間がかかるので実用的では無い。
 しかし長期戦を前提にジワジワ砲撃していくのなら使えなくも無いということか。

 ブリデイン王国は魔大砲を十門投入し、護衛に魔銃部隊を付けた。
 両翼には臨機に対応できるように騎兵が配置されている。
 後続に歩兵がいるのは、万が一の時に魔大砲を撤収させるためだろう。
 この状態でもし帝国が魔大砲を破壊するために部隊を投入すれば、魔銃部隊の攻撃を食らった後、騎兵に潰される。

 ちなみに僕はその時、古代遺跡で通信を聞いていた。
 ギスケが通信機を量産して、各拠点に配備している。
 その通信が暗号化もされず、こっちにも流れてきている。
 通信機の技術はブリデイン王国には流していない。
 しかしギスケはもう少しセキュリティ意識を持った方が良いのでは無いだろうか?

 ギスケは現在、魔領方面にいるため、今回の戦闘に参加していない。
 そもそも長期間そちらを留守にすると、魔族の侵攻に耐えられなくなるので、結局は人間との戦いはギスケ無しでやらないといけないようだ。
 ギスケは通信機を使い、指示だけ出している。
 その指示の先の名前が女性名ばかりなんだけど、ギスケはチートハーレムでもやっているのだろうか?

 ちなみに戦闘の結果は、帝国の勝利に終わった。
 魔大砲によって要塞の一部が損傷したものの、飛龍による空爆で魔大砲を破壊。
 その後、要塞から兵を出して王国軍を誘い出し、古典的な落とし穴などの罠で手痛いダメージを与えたようだ。

 王国軍は二重に想定外の状況になっている。
 まず魔大砲がアッサリと破られたこと。
 そして魔神ギスケを誘い出すのに失敗したこと。

 王国の思惑としては帝国を潰すため、魔領側の魔族に帝国の力をそぎ取って欲しいのだ。
 そしてギスケを王国方面に釘付けにすれば、戦いに勝たなくともいずれ帝国が疲弊する。
 そんなプランが全くの絵空事に終わった。

 ここ最近で分かったことだけれど、あれだけ長いこと魔族と戦っていた帝国の国力はそれほど落ちていない。
 比較的安全な中心地では農業改革が行われ、効率的な作物の生産を行っている。
 僕がいる古代遺跡にも食料を届けてくれる。
 そんな僕の気分は自宅警備員だ。

 さらに各地に工業施設を建設し、軍の装備もかなり拡充されている。
 僕のような異世界の技術では無く、この世界の技術を発展させた物のようだ。
 この世界の人材を上手く投入した結果なのだろう。

 たぶん師匠は魔神ギスケの能力を見誤った。
 ギスケは数学の天才であり、同時に直感が鋭い。
 今までギスケを師匠が色々とちょっかいをかけて虐めまくっていた。
 そのおかげでギスケは恐ろしいほどに有能な人材に成長したようだ。






 ギスケが魔法陣無しで無双だった。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました

丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、 隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。 だが私は知っている。 原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、 私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。 優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。 私は転生者としての知識を武器に、 聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、 王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。 「婚約は……こちらから願い下げです」 土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。 私は新しい未来を選ぶ。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

処理中です...