魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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5章 希望の家と集う仲間

106 聖女がいるのは正常なのか

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 先の戦闘で敗北を期したブリデイン王国は、自国の神の遺跡に神魔砲の建設を始めた。
 それで帝国の要塞を消滅させるつもりだろう。
 今まで自国に作らなかった理由は、教会との力関係にあった。
 ブリデイン王国の教会は大きな力を持っている。
 そして神の力を兵器に転用するなど大反対なのだ。

 どうやら師匠は教会を武力で排除してしまったようだ。
 さらに教会とのパイプを持つ一部の王国重臣達を更迭してしまった。
 当然、ブリデイン王国と教会は最悪の関係に陥る。

 王国の動きはブリゲアンが作った諜報網で収集できる。
 僕はリプリアに、ブリデイン王国が教会の弾圧を行っていることを国内で喧伝(けんでん)させた。
 リプリアは王国内に潜伏している魔族サイドの人材を活用して、上手く立ち回っている。

 ちなみにリプリアは人間離れした強さを持ってはいるが、魔族では無く人間だ。
 瘴気の無い人間の街でも平気で行動できるのはそのせいだ。
 魔族サイドで活動しているのは、育ての親が魔族だからだ。 
 本当はもっと詳しい話を聞いているのだけれど、またいずれ語る機会が来るかも知れない。

 僕はさらにその状況に付け込むため、ジキル達にも指示を出した。
 勇者として国々を巡ってもらい人助けをしつつ、こう説いてもらうのだ。
 ブリデイン王国と帝国の戦いは、魔族を利することになる。
 今は人々が団結し、この状況を乗り切るべきだと。

 勇者ジキルのその行動に、各国の教会が積極的に乗ってきた。
 これによってブリデイン王国を筆頭とした反帝国派の国々が動きづらくなった。
 十分ギスケに対する支援になっているはず。 
 僕の家賃と食事代ぐらいにはなっているだろう。
 タダ飯ぐらいと心を痛めずに済むというものだ。

 さらにリーフの大抜擢を行った。
 ジキルを介し、教会に聖女指定させることに成功した。
 元々何の力だかさっぱり分からない回復能力を持っていたのだけれど、それを神の奇跡としたのだ。
 彼女には人間同士で戦う愚かさを説いてもらっている。
 本人は天然ボケなので、一緒に付いているパメラがきちんと原稿を読ませるのに苦労しているようだ。
 この件は思いつきで適当に役割を振ってみただけなんだ。
 しかし謎の力が、本当に神の血脈とかいうオチだったらどうしよう。

 魔族がらみの件に関しては、まずブリゲアンに前魔王の息子が生きている事実を魔族の中に広めさせた。
 古代遺跡にやってくる前のことになるけれど、人間の国に潜伏していた魔族達と顔合わせを行い僕の存在を確認させた。
 そこで役に立ったのが、魔族の気配を消すなんとかの鎖の効果を解除されていたことだ。
 師匠が僕の正体を確認するためにやったことではあるのだけれど、ちょうど良かったのかもしれない。

 おかげで僕を見た魔族達はあっさりと僕を前魔王の息子であることを認めた。
 鼻水を垂らして喜んでいる奴がいたのはちょっと引いた。
 何だかんだで色々と戦ってきたおかげで、僕の魔力は魔族の中でもかなりの上位クラスになっているようだ。

 僕と顔合わせした魔族達は帝国方面に向かい、他の魔族とコンタクトをとることになった。
 魔族の中で魔王派と前魔王の息子派という状態を作り出さなければならない。
 その為の下準備が始まった。

 そして僕は古代遺跡で研究を始めた。
 神の残したテクノロジーの一部がここにはある。
 オルドウルが残したパスコードのおかげで、僕はこの遺跡を自由に使うことが出来た。
 基本的には魔法に関わる高度な技術なのだが、僕はこれを科学に転用している。
 というか遺跡の魔法技術は高レベルすぎて僕には理解できない。
 違う土俵で戦うしか無いのだ。

 ありがたい事に、この世界の設備では製造不可能だったものがここでは作り出すことが可能なのだ。
 製造プラントの仕組みは全くよく分からないのだけれど、使うことは出来るのだ。
 エリッタには必要資材を集めるために奔走してもらっている。
 当然ギスケ経由で帝国の力を借りているのだけれど。
 こうして準備は着々と進んでいく。








 僕の引きこもり無双が始まった。
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