魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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5章 希望の家と集う仲間

116 ドワーフが開いたドア

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 僕は魔術回路を編む。
 防御魔法では無いし、もちろん攻撃魔法でも無い。

「オブリエン帝国の古代遺跡に住んでいるオキスと言います。
 ギスケの紹介で皆さんと雇用の相談に参りました。」

 僕は風の魔法を使い音を増幅させた。
 僕の言葉を聞いたドワーフ達が動きを止める。
 武器は構えたままだけれど、周りと相談が始まったようだ。

 そして代表者らしきドワーフが警戒しながら近づいてくる。
 見た目は茶色い髭を生やした背の低いおじさんだ。
 イメージ通りのザ・ドワーフである。
 代表者は武器である戦斧の構えを解いている。
 僕はブリューデンから降りた。

「こんにちは。
 先ほどの言葉通り、仕事の依頼でお邪魔させていただきました。
 あの炎竜はすぐにどかします。」

 僕はサリアにブリューデンを人化させるように合図した。
 そして炎竜の姿は消える。
 それを見たドワーフの代表者は口を大きく開け、戦斧を取り落とした。

 僕は代表者の精神状態が回復するのを待つ。
 そんなにショックだったのか。
 まあ、普通は驚くんだろう。
 色々なことがありすぎて、僕の感覚は完全に狂っている。

 そしてついにドワーフが口を開く。

「お前さん、ギスケ様の知り合いか?
 だったら歓迎すっべ。
 さすがあの方の知り合いだべ、不思議な力を持ってるっぺ。」

 代表者が他のドワーフたちに合図を送る。
 アッサリ警戒を解いてくれた。 
 もう少し疑うべきだと思った僕の心は、既に真っ黒に汚れているのだろう。

「皆さんいったいここで何をしているんですか?」

 僕は聞いた。

「ここはオラ達の住処だっぺ。」

 岩だらけの山に暮らしているらしい。
 さすがドワーフ。
 てっきり街にいると思って首都ホノビルを目指していたのだが、結果オーライだろう。

「これから岩竜退治に行くところだっぺ。」

 そうドワーフは言った。

「岩竜?」

 僕はドワーフから話を聞いた。
 ドワーフはこの山に穴を掘り、鉱石を採掘しつつそれを加工して生活している。
 村はそこそこ繁栄し、人口も増えてきたので採掘場を拡大していった。
 情勢が不安定になっている昨今、作った加工品が飛ぶように売れているのだ。

 採掘場所の中でも良質の鉱石が埋まっている場所がある。
 その場所には一つの言い伝えがあった。
 掘り進めれば不幸が訪れるというものだ。
 若いドワーフ達はそれを迷信だと思い、気にせず掘り進めてしまったのだ。
 結果、岩竜と呼ばれる種族の巣と繋がってしまったという。

 岩竜は名前が竜となっているが、巨大な蜥蜴(とかげ)に属する。
 大型の物になると体長が二メートルを超えるらしい。
 そして岩竜という名前だけあって、かなり堅いらしい。
 穴が繋がってしまったことによって、ドワーフの生活圏内が危険に晒されることになった。
 岩竜はドワーフを見ると襲いかかってくるため、仕事どころでは無くなってしまったのだ。
 そして厄介なことに巣は奥深く、かなりの数がいるという。

 一見ドワーフは強そうに見えるのだけれど、それほど戦闘には向いていないらしい。
 今回の戦いで多くの犠牲者が出ることも覚悟していたようだ。
 チャンスとばかり僕は相談を持ちかける。
 岩竜の件を片付けたら人員を回してもらう相談だ。
 ドワーフ達は快諾し、交渉は問題なくまとまった。

 話を聞く限り、以前戦った巨大クルタトルほどの強さは無いだろう。
 問題は数の方だ。
 まあ、なんとかなるだろう。

 こうして僕の岩竜クエストが始まった。







 巨大蜥蜴が相手なら、普通に無双が出来そうだ。
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