魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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6章 魔王の息子と最後の無双

162 今日する虚数演算の話

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 どうやら闇魔法を発動させてから三日ほど経っていたようだ。
 僕の目が覚めたのを知ると、全員が集合した。
 ジキル、パメラ、カシム、サリア、ブリューデン。
 闇魔法に力を注ぎ込んだ僕と三人は、まだ本調子では無い。
 魔力の量は5%というところだろうか。
 三人は僕のように深い眠りに入ることは無かったようだ。
 
 みんなからの情報をまとめてみる。
 闇魔法によって敵を壊滅させたのはエルシアの言った通りだった。
 さらに着弾地点と思われる周囲は、地面ごと消失。
 地形を削り取った状態だ。
 さらに余波と思われる空間のゆがみが発生しているらしい。
 試しにモノを投げてみると、突然方向が曲がったり形状がおかしな事になったりするという。

 それを聞いて「酷い状況だね」と言ったら、お前が言うかという顔をされた。
 いや、少なくとも闇魔法に力を注いだ三人は共犯だよ。

 さらにギスケから通信が入り、状況を確認した。
 ギスケはクルセイダーズに強力な魔法で威嚇を行い、戦闘にならずに敵が撤退して終わったそうだ。
 人殺しは極力避けるという方針は僕も同意するところだ。

 既に敵が消滅してしまった話はギスケに届いていた。
 そして闇魔法の話になった。

「いったいどういう魔術回路を編んだんだ?
 全く想像も付かないぜ。」

「以前戦った魔術師に闇魔法を使った人がいて、それを真似してみたんだ。
 イマイチ再現できなかったから、精神魔法に使う虚数演算を組み込んでみた。
 それを有りっ丈の魔力で大量生成した感じだよ。」

「虚数演算・・・?
 回路構成は?」

 僕は回路の内容を説明した。
 ギスケはしばらく黙っていた。
 検算しているようだ。

「馬鹿か・・・。」

 いきなり酷い言われようだ。

「アンタ、世界を滅ぼすつもりか?」

 ジェイエルにも似たようなことを言われたような。
 てっきり異界の辞典の力のことだと思っていたんだけど。

「そんなにマズかった?」

 たしかに破壊力は凄まじいものだけど、あれで世界が滅ぶとは思えない。

「あれは正確には闇魔法じゃ無い。
 闇に見えるのは、世界の規則がぶっ壊れているからだ。
 光が反射するという規則が書き換えられているから闇に見える。
 しかし実際は法則や因果をぶっ壊す無茶苦茶な魔法だ。
 量子が偏った変動を起こして飛び散るのをイメージしてくれ。
 確率が意味をなさなくなる。」

 ギスケが魔法の説明をしてくれた。
 うん、意味が分からないな。

「ハッキリ言っておく。
 その魔法は二度と使うな。
 すでに使った一発でさえ、未だに安全とは言えない。
 何が起こるか全く分からない。」

 ギスケがそこまで言うとは、僕が思っている以上にヤバいのだろう。

「分かった。
 あんなことになるなら、もう使わないことにするよ。」

 もう怖くて使えないよ。

「そうしてくれ。
 虚数演算は俺の魔法陣じゃ再現できない。
 もし暴走でもしたら止めようが無いのは肝に銘じてくれ。」

「ギスケでも無理なの?」

「ああ、俺にも無理なものがあるのを始めて知ったよ。
 今までは、やろうとしたものは全て再現できたからな。
 それとお前の闇魔法は、絶対誰にも教えるな。
 教えて使えるような奴は・・・魔王種ぐらいか。
 敵があれを使ってきたらどうなるか、考えれば分かるだろ?」

 考えたくも無かった。








 無双魔法は禁呪となった。
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