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7章 次への引き継ぎと暗躍の者達
189 無双の無能魔王
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あれから三ヶ月、日程の調整がようやく終わり、私は少数の部下を連れて帝国へ向かった。
出来ればサブオーレンを連れて行きたかったのだけど、魔領を長期に留守にしようものなら内政が回らなくなる。
今だ魔領は慌ただしい状況が続いているのだ。
そして私はいなくなっても大して問題が無いらしい。
いっそ無双ならぬ無能魔王を名乗るべきなのだろうか。
四天王ももちろん領内の仕事があるので連れて行けない。
結局、私の直属の部下であるヴェネスと、そして少し前まで帝国にいたタレンティを伴っている。
タレンティは私を無限の悪夢とも言えるあの状況から救うため、彼を連れてくるあの時まで奔走してくれていた。
結果として敵対する帝国で働くことになっていた。
そしてずっと私の側にいたヴェネス。
ヴェネスとタレンティは血は繋がっていないが、昔は姉妹のように仲が良かった。
しかしある時タレンティがギスケに敗れ、ギスケの元に降ってからは、ヴェネスは彼女を裏切り者だと軽蔑するようになったのだ。
今は昔の通りと行かないまでも、ぎごちなく話をする程度にはなっている。
二人は私が生まれたときから私を守るため、ずっと側にいたのだ。
その他、魔族のトップレベルの護衛が付いている。
サブオーレンが戦闘能力については自分を遙かに超えると言っていた人物も含まれている。
見た目がナンパ師のような男で、名前をギルティーンを言う。
実力を測るため試しに魔法を撃ち込んでみたら、その魔法を薔薇に変えて差し出してきた。
なんだかよく分からないけれど、たぶん強いのだろう。
私達は飛龍で帝国首都トレンテに到着した。
途中の砦ででも良かったのだけれど、皇帝エスフェリアが魔王陛下と会談するのには整った場所にするべきだという指示を出したようだ。
ルディンの話によると、砦だと私に対する警備が滞る可能性を考慮したのだろうということらしい。
帝国には魔王に恨みを持つ人間に事欠かないからだ。
そして私達を出迎えるために、国務大臣が足を運んできていた。
帝国ではナンバースリーの人物だ。
一番は当然皇帝エスフェリア、二番は摂政的な立場にある魔神ギスケだ。
周囲を帝国の将軍達と精鋭部隊が固めている。
さらにそれを挟むように町民が群がっている。
困ったことに誰も笑っていない。
私も笑えないから人のことは言えないけれど、歓迎ムートとは言えない状況のようだ。
石を手に持った町民が取り押さえられている姿すらあった。
想像以上に恨まれている。
私が石を持っていたその町民に目を向けると突然泡を吹いて気絶した。
周りで悲鳴が上がる。
黄色い悲鳴では無い、本気の悲鳴だ。
精神魔法もなにもかけてないんだけど。
どうすればいいのよ。
『なるほど、これはギスケの指示かな。』
ルディンがそう言った。
「どういう意味?」
何のことだか分からず、私はルディンに聞いた。
『警備のことを考えるなら、町の人には戒厳令を敷いて、外に出るのを禁止すれば良いはずなんだ。
それをしなかったと言うことは、君にこの状況を見せたかったからなんだろう。』
「直接言えばいいのに、回りくどいことをするのね。」
『言うよりも、この方が実感できるはずだよ。』
私はこれからの交渉に前途多難さを感じつつも、エスフェリアとの対面を果たしたのだった。
本気の悲鳴無双だった。
出来ればサブオーレンを連れて行きたかったのだけど、魔領を長期に留守にしようものなら内政が回らなくなる。
今だ魔領は慌ただしい状況が続いているのだ。
そして私はいなくなっても大して問題が無いらしい。
いっそ無双ならぬ無能魔王を名乗るべきなのだろうか。
四天王ももちろん領内の仕事があるので連れて行けない。
結局、私の直属の部下であるヴェネスと、そして少し前まで帝国にいたタレンティを伴っている。
タレンティは私を無限の悪夢とも言えるあの状況から救うため、彼を連れてくるあの時まで奔走してくれていた。
結果として敵対する帝国で働くことになっていた。
そしてずっと私の側にいたヴェネス。
ヴェネスとタレンティは血は繋がっていないが、昔は姉妹のように仲が良かった。
しかしある時タレンティがギスケに敗れ、ギスケの元に降ってからは、ヴェネスは彼女を裏切り者だと軽蔑するようになったのだ。
今は昔の通りと行かないまでも、ぎごちなく話をする程度にはなっている。
二人は私が生まれたときから私を守るため、ずっと側にいたのだ。
その他、魔族のトップレベルの護衛が付いている。
サブオーレンが戦闘能力については自分を遙かに超えると言っていた人物も含まれている。
見た目がナンパ師のような男で、名前をギルティーンを言う。
実力を測るため試しに魔法を撃ち込んでみたら、その魔法を薔薇に変えて差し出してきた。
なんだかよく分からないけれど、たぶん強いのだろう。
私達は飛龍で帝国首都トレンテに到着した。
途中の砦ででも良かったのだけれど、皇帝エスフェリアが魔王陛下と会談するのには整った場所にするべきだという指示を出したようだ。
ルディンの話によると、砦だと私に対する警備が滞る可能性を考慮したのだろうということらしい。
帝国には魔王に恨みを持つ人間に事欠かないからだ。
そして私達を出迎えるために、国務大臣が足を運んできていた。
帝国ではナンバースリーの人物だ。
一番は当然皇帝エスフェリア、二番は摂政的な立場にある魔神ギスケだ。
周囲を帝国の将軍達と精鋭部隊が固めている。
さらにそれを挟むように町民が群がっている。
困ったことに誰も笑っていない。
私も笑えないから人のことは言えないけれど、歓迎ムートとは言えない状況のようだ。
石を手に持った町民が取り押さえられている姿すらあった。
想像以上に恨まれている。
私が石を持っていたその町民に目を向けると突然泡を吹いて気絶した。
周りで悲鳴が上がる。
黄色い悲鳴では無い、本気の悲鳴だ。
精神魔法もなにもかけてないんだけど。
どうすればいいのよ。
『なるほど、これはギスケの指示かな。』
ルディンがそう言った。
「どういう意味?」
何のことだか分からず、私はルディンに聞いた。
『警備のことを考えるなら、町の人には戒厳令を敷いて、外に出るのを禁止すれば良いはずなんだ。
それをしなかったと言うことは、君にこの状況を見せたかったからなんだろう。』
「直接言えばいいのに、回りくどいことをするのね。」
『言うよりも、この方が実感できるはずだよ。』
私はこれからの交渉に前途多難さを感じつつも、エスフェリアとの対面を果たしたのだった。
本気の悲鳴無双だった。
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