魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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終章 世界の終わりと創世の伝説

248 次の作戦は奪還だかんな

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 もうすぐ帝国軍と魔領軍がエンプティモ奪還作戦を行う。
 レイネス部隊は、状況を見ながら援護を行うと帝国軍に通知する。
 出来るだけアリスとの合流を優先したい。

 この戦いの勝利条件は、クルセイダーズを壊滅させることでも、エンプティモを奪還することでも無い。
 僕とアリスの合流、これが勝利条件なのだ。

 レイネス部隊の火力と、アリスの永劫の回帰が揃えばそれで終わりだ。
 もう誰が何をやっても状況を覆すことは出来ない状態となる。
 笑っちゃう話だけど、それが全てだ。

 敵もアリスの能力の危険性は理解しているはず。
 もし僕が神側の人間だったら、アリスがどの程度の範囲まで時間を戻せるのかを調べるだろう。
 その為の捨て駒戦力がクルセイダーズにはある。
 そして永劫の回帰の限界範囲を超えるところまでおびき出し、能力の発動を行っても覆らない状況を作る。
 あらかじめ戦力を伏せておき、アリスが出てきてしばらく戦った後、隠していた圧倒的な戦力で殲滅するのだ。

 この決戦で、敵は間違いなくアリスに罠を仕掛けるはずだ。
 もちろん僕はそれを見過ごすつもりは無い。
 アリスが罠にかかる前に、早々に合流して共闘すればいいだけの話なのだ。
 相変わらず、アリスに会うというのを考えると動悸が収まらない。
 何故かふらつく。

 ちょっと具合が悪くなっているところへエリッタが飛び込んでくる。

「アグレト、街が大変なことに!
 そこら中で爆発が起こって、火の手が上がってる。
 アタイは対処に回るから、身辺は気をつけて。
 ここから出たりするなよ。」

 そう言うと、僕が詳細を確認する前にエリッタは急いで走り去ってしまった。
 レイネスで爆発・・・火災?
 なるほど、そう来たか神の使徒!

「リプリア。」

 僕はリプリアを呼んだ。

「はい、こちらに。」

 いつの間にか、僕の後ろに跪いている。
 もはや忍者だ。

「街の対処はエリッタに任せて、リプリアはすぐに飛行船の出発準備を。
 というか、もしかしたら既に狙われているかもしれない。
 とにかく飛行船の確保を最優先で。
 それから地上部隊を帝国の援軍に出発させて。
 敵の狙いは足止めだ、だけどその通りしてやる理由は無い。」

「アグレト様を安全な場所へお連れしたらすぐに。」

 過保護なリプリアは、当然のごとく僕の安全を優先しようとする。

「いや、飛行船確保を最優先で。」

 僕の意思が堅いと見るやリプリアは頷くと、すぐに行動に移った。
 
 さあ、マズいことになってきた。
 神の使徒はどこまで考えて仕掛けてきたのだろう?
 僕がアリスと合流するのを読んでいたのか、それとも単純にレイネスの介入を邪魔するのが目的なのか。

 現在レイネスに駐留させている飛行船は二機だ。
 もう一機はすでに帝国軍の援護に向かわせている。
 そしてレイネスの飛行船にはもちろん警護が付いている。
 しかし僕が敵なら、まずは飛行船を飛べなくするだろう。

 もちろん飛行船を失った場合の戦闘プランはある。
 しかし上空からの適切な指示出しが出来ないと、兵器の力が強力なぶんリスクが増すことになる。
 一歩間違えればアリスを吹き飛ばしてしまうことになるのだ。

 今回のレイネスへの奇襲は疑問点がある。
 レイネスの人や物の動きは、リプリアの諜報部隊の警戒していたはずだ。
 だからそんな簡単に、多数の敵が入り込めたりはしないはず。
 一段落したら、どうやって街に入り込んできたのか調査の必要があるだろう。

 僕は生きてアリスと合流できるかな?





 奇襲無双だった。

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