魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
257 / 262
終章 世界の終わりと創世の伝説

258 山荘は三層あっても酸素が薄そう

しおりを挟む
「リーフ、意識はあるかい?」

 僕はリーフに話しかける。

「誰?」

 リーフは小さな声で言った。
 僕の顔に焦点が合っていない。
 もしかしたら目が見えていないのかもしれない。

「見た目じゃ分からないだろうけど、オキスだよ。
 転生前の体に戻ったんだ。」

 見えているかどうかは分からないけれど、一応説明をしておく。

「そう・・・。
 ジブルトが言っていた通りに・・・なったのね。
 私の役目は・・・ここまでみたい。
 最後に・・・ジキル達に会いたかったな。」

 消えそうな細い声でリーフは言った。

「いったいどうしてここに?」

 僕はリーフに聞いた。

「神獣は・・・私のお願いしか聞かないの。
 だから・・・私は色んな所を回った・・・。」

 リーフが神獣を操っていたらしい。

「なんで神の使徒に味方したんだ?
 ずっとジキル達と一緒にいれば良かったのに。」

「本当は・・・私もずっと・・・一緒にいたかった。
 みんなと旅をしている時が・・・一番楽しかった。
 私は・・・神の血を引いているから・・・。
 だから・・・。」

 辛うじて絞り出すリーフの言葉。
 そして彼女から涙が頬を伝って落ちていく。

「ジブルトに何か吹き込まれたのか。
 クソ。」

 リーフはアリスの魔法で何とか意識を取り戻したものの、助からないのは見て取れた。
 魔法では力を失ったヘモグロビンを治すことは出来ないからだ。
 彼女をこの状態に追い込んだのは僕だ。
 僕はリーフをもうすぐ殺す。

「ジブルトじゃ・・・無いよ。
 私に色んな事を・・・教えてくれたのは。
 名前・・・分からないけど・・・神獣と話す方法も。」

 より一層弱くなっていくリーフの声。

「オキス・・・ありがとう。
 これで・・・役目を終えられる。
 ジブルトは・・・神の遺跡へ・・・向かったよ。」

 リーフは必死に笑顔を作った。
 そして自分の持っている情報を僕に教えてくれた。

「ああ・・・ありがとう。
 これからジブルトとちょっと話をしてくるよ。」

 リーフからの返事は無かった。
 呼吸がどんどん弱っていく。
 アリスが魔法をかけるものの、その後意識を取り戻すことは無かった。

 彼女の亡骸は地上部隊に引き渡した。
 リーフは最重要人物だ。
 これから帝国軍も検分することになるだろう。
 そこでジキルやパメラにも・・・会えるかな。

「行こう、神の遺跡へ。」

 僕は何かを振り切るように言った。

「よし、いつでもいいぞ。」

 ジェイエルが答える。

「ジブルトには私からも言いたいことがあるの。
 ちょうど良かった。」

 アリスが言った。

「アリス様の御身は、サブオーレンに代わり私が必ずお守りします。」

 と、ギルティーン。 

 僕達は飛行船に乗って神の遺跡へ向かった。

 




 化学兵器無双がやっぱり辛かった。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?

綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。 相手はとある貴族のご令嬢。 確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。 別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。 何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

処理中です...