魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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終章 世界の終わりと創世の伝説

259 移籍に失敗した遺跡

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 飛行船は帝国の神の遺跡に到着した。
 そこは散々たる有様だった。
 数千はいたであろう帝国の守備部隊が壊滅していた。
 帝国兵は体を引き裂かれたり、焼け焦げたり、体に穴を作っていたり、とんでもない猛攻を受けたようだ。
 しかしこれはクルセイダーズの技では無い。
 
 僕達は生き残りを探した。
 いた、遠くで帝国兵が一人よろよろと歩いている。 
 僕が兵士に声をかけようとした瞬間、兵士から何かが飛んだ。
 ・・・頭だ。
 何らかの力の作用で、首がちぎれ飛んだのだ。

「デーモン・・・アークデーモンクラスか。
 うじゃうじゃいるな。
 これだけの数をどうやって召喚したんだか。」

 ジェイエルが辺りの気配を探って、状況を分析する。
 よく見れば、異様な気配を放つ影がそこら中にいた。

「勝てる?」

 僕はジェイエルに確認する。

「少し時間をもらえればな。
 ギルティーン、お前は何匹いける?」

 ジェイエルはアリスの横に付いていたギルティーンに声をかける。

「あんな連中に時間をかける必要などない。」

 ギルティーンがそう言うと、どこから取り出したのか分からない薔薇を空へ放った。
 直後、空が赤く染まる。

「送還魔法か。」

 ジェイエルが感心したように呟く。
 気が付くと異様な影が消えていた。

「え、終わり?」

 他に敵兵の姿は見えない。
 うわ、強いよこの薔薇の人。
 でもたぶん、今の魔法に薔薇はいらなかったでしょ?

 僕たちは気を取り直して慎重に神の遺跡へ近づく。
 アリスがいる限り、僕達に負けは無い。
 レイネス部隊30名が5人ごとのグループを作り、神の遺跡へ突入する。
 ジェイエルは周辺に敵の気配が無いと言っている。

 レイネス部隊が神の遺跡を進み、フロアのクリアを確認する。
 特に罠も無い。

 そして部隊が最深部に至る。
 一名、女性らしき人物を確認。
 包囲したとのことだ。

 それを聞いた僕達は最深部へ向かう。
 そこにいたのはセフリだった。

「あの時は失礼いたしました、アグレト様。」

 セフリが僕に挨拶してきた。

「ところでセフリ、一つ確認しておきたい。
 魔領の山で狼の姿をしていたのは君なのかい?」

 僕は一応聞いてみた。

「・・・はい。
 オキス様、お久しぶりです。」

 セフリが言う。
 さっきの言葉で、僕が誰なのか理解したようだ。

「爺(じい)・・・ジブルトは?」

 セフリにジブルトの所在を聞いた。

「お久しゅうございますな。
 姿は変わられても、気質はあの頃と代わらずお優しいまま。」

 ひょっこりとセフリの肩の上に現れるジブルト。

「あの頃と全く変わってないね、爺(じい)。
 卒業試験を受けに来たよ。」

 僕はジブルトに言う。

「そのことですが、残念ながら試験は終了ですじゃ。
 神の遺跡の封印は既に解除が終わっておるのですじゃ。」

 申し訳なさそうに答えるジブルト。

「間に合わなかったか。
 まあ、想定内だよ。
 それならそれで構わない。
 封印解除から通路完成まで一ヶ月ぐらいだよね。」

 既に古代遺跡で計算済みだ。

「分かっておいででしたか。
 この老いぼれは目的を果たしましたですじゃ。
 それでオキス様はどうなさる?」

「その前に、爺にお土産だよ。
 イチゴのドライフルーツ。
 もちろん毒は入ってないよ。」

 僕は袋をセフリに投げた。
 ジブルトはセフリからイチゴを一つ受け取ると、躊躇なくモグモグ食べる。
 幸せそうだ。

「試験は終わってないよ。
 とりあえず答え合わせしたいんだ。
 ここにもう一人、誰かいるでしょ。」

 僕がそう言うと、さっきまでいなかった人がいるのに気が付く。
 いたはずなのに認識できなかったのだ。

 ・・・いてくれて良かった。
 本当に誰もいなかったら、その後の空気が大変なことになっていたところだ。

「ほう、どうして気が付いた?」

 そう言ったのは、僕が槍の人と呼んでいた冒険者だ。






 空気無双の槍の人。
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