1 / 208
序章 転生したらド田舎だった
1 田舎ではいい仲にはなりません
しおりを挟む
僕は金貨の入った袋を握りしめ、冒険者ギルドの前に立っている。
金貨は合計100万シュネ。
転生前の世界での金銭的価値は、厳密では無いにしろ、おおよそ100万円という感覚だ。
この大金を稼ぐためにどれだけ苦労したことか。
そもそも僕が生まれたのはとんでもないド田舎の村だった。
物心がつき始めたときに、ふと僕は前世の記憶があることに気がついた。
僕の心は躍った。
これは転生だと。そして小説にあるような俺TUEEE展開を期待した。
自由に行動できるようになってからは、何でもいいから強くなろうと、木の棒を拾い上げひたすら素振りした。
両親は変な遊びをする子だと笑っていた。
さらに魔法の一つでも覚えようと思ったものの、村のどこにも魔法が使える人間などいなかった。
せめて学問でも修めておこうと思ったものの、この村には学校すら存在しない。
それどころか両親は文字が読めなかった。
なにこの村?
村の名前はボリハ。完璧なる第一次産業の村、つまり農村だ。
農業と畜産業が中心のこの村で文字が読めるのは村長一家ぐらいだった。
僕は4歳の時に村長の家で文字を習った。
村長は白ひげを蓄えたお爺さんで、見事な村長面(そんちょうづら)だった。
そして僕は、村長の孫娘リコッテと一緒に勉強した。
村長は僕のおかげで孫が勉強するようになったと喜んだ。
前世の記憶を持つ僕は精神年齢の高さから、
瞬く間に文字の読み書きが出来るようになり、リコッテに教えることが多くなった。
ただ、前世からコミュ障というをバッドステータスを引き継いでしまっている僕は、彼女と勉強以外の話をほとんどしていない。
そんな日々を送りつつも、何かイベントが起こらないか待ち続けた。
しかし村は平和だった。
僕は家の手伝いをするようになり、畑の雑草を毟ったり、豚や鶏に餌をやったりと仕事をした。
僕が六歳になったときに、ついに最初のイベントが起こる。
冒険者が村にやってきたのだ。
冒険者達は4人。その中になんと魔法使いが混じっている。やっぱりこの世界には魔法があったのだ。
冒険者達は目的地への近道をするため街道を無視し、途中の山を突っ切ってこの村に立ち寄ったらしい。
なかなか無茶な人達だ。
村長の家で一泊する冒険者達から、僕は色々な話を聞いた。
冒険者達はソルトシールという街からやってきたらしい。
神が作ったという伝承が残る七大ダンジョンの一つがある街だ。
伝承については村長の家にあった本で読んだ。
貧困に喘ぐ人間を救うため、神が七つの至宝を世界にばらまいたという。
そしてその至宝がある場所が魔力を発し、いつしかダンジョンに変わり、周辺に影響を及ぼし繁栄をもたらしたという。
魔力を多く含むそのダンジョンには、魔物が大量に発生するらしい。
冒険者達が適度に駆除することによって、バランスが保たれるという。
しかもダンジョンの中には魔物だけでなく、人間にとって価値の高い素材などが発生するらしい。
ダンジョンに入るためには、冒険者ギルドに加入するのが必須要件となっている。
加入には100万シュネという大金が必要だ。
ダンジョンにはそれだけの価値があるという。
そして僕は冒険者達に、自分も冒険者になってダンジョンを探索してみたいと言った。
冒険者達は、それには命の危険が伴い、毎日沢山の冒険者が死んでいることを告げた。
それを知った上で本当に行きたいのなら、止めはしないと。
そしてもしソルトシールに向かうなら、最も大切な気構えがあると言った。
いったい何を教えてくれるのかと、僕は前のめりで聞いた。
「人間を信用するな。」
僕はダンジョンよりも、人が恐ろしくなった。
金貨は合計100万シュネ。
転生前の世界での金銭的価値は、厳密では無いにしろ、おおよそ100万円という感覚だ。
この大金を稼ぐためにどれだけ苦労したことか。
そもそも僕が生まれたのはとんでもないド田舎の村だった。
物心がつき始めたときに、ふと僕は前世の記憶があることに気がついた。
僕の心は躍った。
これは転生だと。そして小説にあるような俺TUEEE展開を期待した。
自由に行動できるようになってからは、何でもいいから強くなろうと、木の棒を拾い上げひたすら素振りした。
両親は変な遊びをする子だと笑っていた。
さらに魔法の一つでも覚えようと思ったものの、村のどこにも魔法が使える人間などいなかった。
せめて学問でも修めておこうと思ったものの、この村には学校すら存在しない。
それどころか両親は文字が読めなかった。
なにこの村?
村の名前はボリハ。完璧なる第一次産業の村、つまり農村だ。
農業と畜産業が中心のこの村で文字が読めるのは村長一家ぐらいだった。
僕は4歳の時に村長の家で文字を習った。
村長は白ひげを蓄えたお爺さんで、見事な村長面(そんちょうづら)だった。
そして僕は、村長の孫娘リコッテと一緒に勉強した。
村長は僕のおかげで孫が勉強するようになったと喜んだ。
前世の記憶を持つ僕は精神年齢の高さから、
瞬く間に文字の読み書きが出来るようになり、リコッテに教えることが多くなった。
ただ、前世からコミュ障というをバッドステータスを引き継いでしまっている僕は、彼女と勉強以外の話をほとんどしていない。
そんな日々を送りつつも、何かイベントが起こらないか待ち続けた。
しかし村は平和だった。
僕は家の手伝いをするようになり、畑の雑草を毟ったり、豚や鶏に餌をやったりと仕事をした。
僕が六歳になったときに、ついに最初のイベントが起こる。
冒険者が村にやってきたのだ。
冒険者達は4人。その中になんと魔法使いが混じっている。やっぱりこの世界には魔法があったのだ。
冒険者達は目的地への近道をするため街道を無視し、途中の山を突っ切ってこの村に立ち寄ったらしい。
なかなか無茶な人達だ。
村長の家で一泊する冒険者達から、僕は色々な話を聞いた。
冒険者達はソルトシールという街からやってきたらしい。
神が作ったという伝承が残る七大ダンジョンの一つがある街だ。
伝承については村長の家にあった本で読んだ。
貧困に喘ぐ人間を救うため、神が七つの至宝を世界にばらまいたという。
そしてその至宝がある場所が魔力を発し、いつしかダンジョンに変わり、周辺に影響を及ぼし繁栄をもたらしたという。
魔力を多く含むそのダンジョンには、魔物が大量に発生するらしい。
冒険者達が適度に駆除することによって、バランスが保たれるという。
しかもダンジョンの中には魔物だけでなく、人間にとって価値の高い素材などが発生するらしい。
ダンジョンに入るためには、冒険者ギルドに加入するのが必須要件となっている。
加入には100万シュネという大金が必要だ。
ダンジョンにはそれだけの価値があるという。
そして僕は冒険者達に、自分も冒険者になってダンジョンを探索してみたいと言った。
冒険者達は、それには命の危険が伴い、毎日沢山の冒険者が死んでいることを告げた。
それを知った上で本当に行きたいのなら、止めはしないと。
そしてもしソルトシールに向かうなら、最も大切な気構えがあると言った。
いったい何を教えてくれるのかと、僕は前のめりで聞いた。
「人間を信用するな。」
僕はダンジョンよりも、人が恐ろしくなった。
0
あなたにおすすめの小説
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
※AI学習禁止・無断転載禁止・無断翻訳禁止・無断朗読禁止
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
無能と追放された結界師、三十路のおっさんですが17歳の辺境伯令嬢と婚約して人生逆転します
みかん畑
ファンタジー
無能と蔑まれ、Aランクパーティを追放された結界師フィン。
行き場を失った彼を拾ったのは、辺境伯の娘リリカだった。
国土結界の恩恵が届かない辺境で、フィンの結界は本当の価値を発揮していく。
領地再建、政治の駆け引き、そして少女のまっすぐな想い。
これは無能と呼ばれた男が、辺境で居場所を見つけ、やがて年の差婚へと至る物語。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
婚約破棄された元OL悪役令嬢、コンサル知識で潰れかけのギルドを王国一に再建します
黒崎隼人
ファンタジー
エルムガンド王国の第一王子から、卒業パーティーの最中に婚約破棄を宣告された公爵令嬢イザベラ。
断罪のショックで、彼女は自分が現代日本で経営コンサルタントとして働いていた前世の記憶を取り戻す。
ここは乙女ゲームの世界。このままでは爵位剥奪、領地没収の破滅ルートが待っている!
「冗談じゃない。そんな未来、絶対に受け入れてなるものか」
イザベラは破滅フラグを回避するため、父の道楽である赤字続きの冒険者ギルド「白銀の獅子」の運営を引き継ぐことを宣言。
前世で培った現状分析、プロジェクト管理、成果報酬制度などのビジネススキルを駆使し、潰れかけのギルドの改革に乗り出す。
クエストの可視化、新人教育、そしてエルフの賢者や獣人ギルドのマスターとの異種族間連携。
最初は彼女を馬鹿にしていた荒くれ者の冒険者たちも、その圧倒的な手腕とカリスマ性に惹かれ、いつしか彼女の頼もしい仲間となっていく。
やがて彼女のギルドは王都最大の組織へと成長し、彼女を陥れた敵の陰謀すらも打ち砕く!
恋愛よりも仕事! 最高の仲間たちと共に、すべての種族が笑って暮らせる未来を創り上げる、元悪役令嬢の痛快お仕事ファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる