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一章 チュートリアルな第一層
10 ハラハラしても腹は減る
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二日目午後の部の開始。若干黒字が出て、心に余裕が出来たところで、第一層の露店を見て回ることにした。売られているのは魔法効果の付いた武器や防具、アクセサリーが多い。しかし安い物でも10万シュネを超え、僕の財政状況ではとても手が出ない。その他、ポーションなんかも売っている。街の薬屋よりも一割ぐらい安く売っている。
これはお得だと思って見ていると、横を通りかかった立派な鎧を着た男が小声で耳打ちしてきた。
「お前さん、目利きは出来るのか?」
「目利き?」
僕が聞き返すと、フーというため息のような物を吐き出しつつ教えてくれた。
「ここにはいろんな商品が売られている。粗悪品もな。もちろん掘り出し物もある。その善し悪しが判断できるようになるまでは、ここでの買い物はお勧めしないぜ。」
そう言うと、そのままどこかに行ってしまった。なるほど、言われてみれば確かにそうだ。街の店なら信用が大事だから粗悪品なんて売らないだろうけど、無許可営業のここは違う。教えてくれた人に感謝して、僕は露店を後にした。
今回も人のいなさそうな道を進む。すると魔物が一匹突っ立っていた。未だに正式名称は不明だけどコボルトみたいな奴だ。まだこちらには気がついていない。僕は槍を構え、一気に突撃した。コボルトはそれに気がつき、回避しようと慌てて横に避けようとする。僕は槍の軌道を修正し一気に刺した。スライムほどでは無いにしろ、手応えは少ない。槍は側面から腹部を斜めに貫通している。僕はコボルトに足を据えると、槍を一気に引き抜いた。飛び散る赤い血。コボルトの血は人間と同じ赤だった。
腹を押さえて倒れるコボルト。僕は何度も槍を刺し、確実に息の根を止める。グチャグチャになった肉片が辺りに飛び散った。しかし僕はこの程度ではひるまない。豚や鳥の解体なんて何度もやっている。タヌキやキツネ、鹿なんかも経験している。それらと大した違いは無い。
倒れたコボルトの心臓部に、見覚えのある者を発見する。核(コア)だ。スライム同様、体の中から出てきたのだ。僕が核を取り出してしばらくすると、コボルトはうっすら蒸気のようなものを出し、そして姿を消す。それを見てふと気づく。ダンジョン内で魔物の死体を見たことが無かったことに。そういう仕組みなのか。僕は納得した。しかし残念なことが一つある。蒸発して消えるとなると、肉として食べられないではないか。洞窟内での食料の現地調達は難しいかもしれない。
蒸発した場所をもう一度確認する。爪のような物が落ちていた。もしかしてこれも売れるのだろうか?とりあえず回収しておく。さて、石とかキノコとかを探さないと。そして僕は再び同じミスをした。
「うわぁぁ、コボルト3匹!」
僕はすぐに槍を構える。コボルトAが僕に向けて棒を振り下ろす、なんとか右に避けた。コボルトBが右に回り込む。僕はそのままコボルトBに向けて突撃する。コボルトBは棒で槍の軌道を反らしたものの、その反動で転がることになった。背中に感じる衝撃、コボルトCが僕に一撃入れたのだ。電気が走ったような痺れを感じる。僕は振る返りざまにコボルトCを薙ぎ払う。吹っ飛ぶコボルトC。
そして今度は脇腹に衝撃が走る。コボルトAの攻撃だ。「ぐっ」僕は呼吸不能となる。しかしここで動きを止めたら死ぬ。必死にバックステップしコボルトAから距離を取る。そしてコボルトAに槍を突き立てる。槍は腹部を貫いた。今度はコボルトBが僕に向かってきているのが目に入った。コボルトAが刺さっている槍を、その体ごとコボルトBに叩き付ける。コボルトBが転倒し、槍がコボルトAから抜ける。僕は起き上がろうとしていたコボルトCに槍を突き立てた。槍は首に刺さる。そのままブンと振って遠心力でコボルトCを吹き飛ばし槍を引き抜く。
最後に残ったコボルトBとは距離があった。僕は槍を投擲する。コボルトBの肩に当たったが致命傷では無い。僕は急いで近づき、槍を手に取り捻り取る。「ぐひゃぁ」と叫ぶコボルトB。僕は心臓めがけて槍を突き立て命中する。
3匹全員にそれなりのダメージを負わせた。動けなくなって転がっているコボルトそれぞれに数回槍を突き立て止めを刺す。
その時僕は自分が呼吸をしていないことに気がついた。息を吸って吐く。息を吸って吐く。意識的にそれを繰り返す。「ふーふーっぐ、ゴホォゴホ」呼吸をしつつ咳き込む。ここで自分がとんでもなく追い込まれていたことを悟る。立っていられなくなり地面に手をついた。余りの苦しさにそのまま動けなかった。さっきのは火事場の馬鹿力という奴だ。
僕は残り一つのスタミナポーションを飲む。血の味がした。顔に攻撃を受けたわけでは無いのに、何故か口の中が切れている。歯を食いしばったときに切れたのだろうか?ポーションのおかげで体の重さや怠さが改善する。とにかくここにいたら危険だ。コボルトのコアを素早く回収すると、ダンジョンの出口へ向かって駆け抜けた。
自分の希望で冒険者になったのだ。しかし第一層でここまで命の危険にさらされるとは。ある程度理解したつもりにはなっていたけれど、やっぱり考えが甘かったのかもしれない。ポーションのおかげで体力は回復したものの、心の疲れが重くのしかかる。そして出口にたどり着いた。腹の虫がなる。こんな時でも腹が減る。命がある限り食べなければならないのだ。
これはお得だと思って見ていると、横を通りかかった立派な鎧を着た男が小声で耳打ちしてきた。
「お前さん、目利きは出来るのか?」
「目利き?」
僕が聞き返すと、フーというため息のような物を吐き出しつつ教えてくれた。
「ここにはいろんな商品が売られている。粗悪品もな。もちろん掘り出し物もある。その善し悪しが判断できるようになるまでは、ここでの買い物はお勧めしないぜ。」
そう言うと、そのままどこかに行ってしまった。なるほど、言われてみれば確かにそうだ。街の店なら信用が大事だから粗悪品なんて売らないだろうけど、無許可営業のここは違う。教えてくれた人に感謝して、僕は露店を後にした。
今回も人のいなさそうな道を進む。すると魔物が一匹突っ立っていた。未だに正式名称は不明だけどコボルトみたいな奴だ。まだこちらには気がついていない。僕は槍を構え、一気に突撃した。コボルトはそれに気がつき、回避しようと慌てて横に避けようとする。僕は槍の軌道を修正し一気に刺した。スライムほどでは無いにしろ、手応えは少ない。槍は側面から腹部を斜めに貫通している。僕はコボルトに足を据えると、槍を一気に引き抜いた。飛び散る赤い血。コボルトの血は人間と同じ赤だった。
腹を押さえて倒れるコボルト。僕は何度も槍を刺し、確実に息の根を止める。グチャグチャになった肉片が辺りに飛び散った。しかし僕はこの程度ではひるまない。豚や鳥の解体なんて何度もやっている。タヌキやキツネ、鹿なんかも経験している。それらと大した違いは無い。
倒れたコボルトの心臓部に、見覚えのある者を発見する。核(コア)だ。スライム同様、体の中から出てきたのだ。僕が核を取り出してしばらくすると、コボルトはうっすら蒸気のようなものを出し、そして姿を消す。それを見てふと気づく。ダンジョン内で魔物の死体を見たことが無かったことに。そういう仕組みなのか。僕は納得した。しかし残念なことが一つある。蒸発して消えるとなると、肉として食べられないではないか。洞窟内での食料の現地調達は難しいかもしれない。
蒸発した場所をもう一度確認する。爪のような物が落ちていた。もしかしてこれも売れるのだろうか?とりあえず回収しておく。さて、石とかキノコとかを探さないと。そして僕は再び同じミスをした。
「うわぁぁ、コボルト3匹!」
僕はすぐに槍を構える。コボルトAが僕に向けて棒を振り下ろす、なんとか右に避けた。コボルトBが右に回り込む。僕はそのままコボルトBに向けて突撃する。コボルトBは棒で槍の軌道を反らしたものの、その反動で転がることになった。背中に感じる衝撃、コボルトCが僕に一撃入れたのだ。電気が走ったような痺れを感じる。僕は振る返りざまにコボルトCを薙ぎ払う。吹っ飛ぶコボルトC。
そして今度は脇腹に衝撃が走る。コボルトAの攻撃だ。「ぐっ」僕は呼吸不能となる。しかしここで動きを止めたら死ぬ。必死にバックステップしコボルトAから距離を取る。そしてコボルトAに槍を突き立てる。槍は腹部を貫いた。今度はコボルトBが僕に向かってきているのが目に入った。コボルトAが刺さっている槍を、その体ごとコボルトBに叩き付ける。コボルトBが転倒し、槍がコボルトAから抜ける。僕は起き上がろうとしていたコボルトCに槍を突き立てた。槍は首に刺さる。そのままブンと振って遠心力でコボルトCを吹き飛ばし槍を引き抜く。
最後に残ったコボルトBとは距離があった。僕は槍を投擲する。コボルトBの肩に当たったが致命傷では無い。僕は急いで近づき、槍を手に取り捻り取る。「ぐひゃぁ」と叫ぶコボルトB。僕は心臓めがけて槍を突き立て命中する。
3匹全員にそれなりのダメージを負わせた。動けなくなって転がっているコボルトそれぞれに数回槍を突き立て止めを刺す。
その時僕は自分が呼吸をしていないことに気がついた。息を吸って吐く。息を吸って吐く。意識的にそれを繰り返す。「ふーふーっぐ、ゴホォゴホ」呼吸をしつつ咳き込む。ここで自分がとんでもなく追い込まれていたことを悟る。立っていられなくなり地面に手をついた。余りの苦しさにそのまま動けなかった。さっきのは火事場の馬鹿力という奴だ。
僕は残り一つのスタミナポーションを飲む。血の味がした。顔に攻撃を受けたわけでは無いのに、何故か口の中が切れている。歯を食いしばったときに切れたのだろうか?ポーションのおかげで体の重さや怠さが改善する。とにかくここにいたら危険だ。コボルトのコアを素早く回収すると、ダンジョンの出口へ向かって駆け抜けた。
自分の希望で冒険者になったのだ。しかし第一層でここまで命の危険にさらされるとは。ある程度理解したつもりにはなっていたけれど、やっぱり考えが甘かったのかもしれない。ポーションのおかげで体力は回復したものの、心の疲れが重くのしかかる。そして出口にたどり着いた。腹の虫がなる。こんな時でも腹が減る。命がある限り食べなければならないのだ。
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