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三章 あん・あん、いやあん、第三層
53 くるまれない車
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僕はオープンカーで村を試運転する。サスペンションが無いので、地面の凹凸の影響で僕のお尻を刺激する。痔主だったら昇天ものだ。車体の耐久性を考えても改良の必要があるだろう。
「何をやっているブヒ?」
オーク擬きの人が後ろから話しかけてきた。
「開発した乗り物の試運転です。」
僕はアクセルを全力で踏み込みながら答える。
「そうかブヒ。畑に行くから先に行くブヒ。」
そう言って、スタスタとオープンカーの横を通り抜けて、先に行ってしまった。
もうお分かりだろうか? この車、無茶苦茶遅いのだ。ブヒブヒ言っている人にすら軽々抜かされてしまう速度なのだ。
マズイ、内燃機関の燃焼効率が悪すぎる。空気の吸気を改良しないと全然パワーが出ない。実際、不十分な燃焼により、プッスンプッスンという音が出て、進んで止まって進んで止まってを繰り返している。くそぉ、日本から自動車メーカーのエンジニアを呼んできたい。
そんな人がいない以上は自分で何とかするしか無い。僕は作業場に戻って専用の吸気ユニットを作る。そして再び試運転だ。今度こそはとアクセルを踏み込んだ。
そして・・・吹っ飛んだ。そして僕の視界はブラックアウトした。動けない状態で時が流れる。
ツンツンツンツン
何か突っつかれているような感覚がある。
ツンツンツンツン
しつこく突っつかれる。
ツンツンツンツンツンツンツンツン
速度が速くなってきた
ツーン、ズスン
凄まじい衝撃に変わった。
「ぐはぁ。」
僕は吹っ飛んだ。たぶんさっきの車でのクラッシュとは別件だ。
「よかった、生きていたですの。」
武王の声がする。
「何をしたんですか?!」
ようやく動けるようになった僕は、起き上がって叫んだ。
「動かないから、これで大丈夫か確認していたですの。」
手に持っていた棒を掲げるギデア。
「アダマンタイトの武器で突くのは危険極まりないからやめてください。僕の身体にクレーターを作るつもりですか?!」
武王ギデア、見た目とほど遠く危険な人物だ。
「ごめんなさいですの。」
前回もやらかして謝っていたけれど、反省がその後の行動に生かされてない。
僕は周囲を確認する。オープンカーは見事に裏返しになっていた。今回は出力が高すぎて、ハンドル操作を誤った結果こうなったのだ。僕の視線に気がついたギデアがオープンカーに近づく。
「これは裏返しにすれば良いんですの?」
そう言うと、材質が発泡スチロールだったのではと思えるほど軽々と持ち上げて、向きを直してくれた。いやまあ、そんなことぐらいじゃ驚かないよ。逆にもし、重そうにしていたら、それこそびっくりしちゃうよ。
「ありがとうございます。ええっと、ちょっと失礼なことを言いますが、もしかしてギデアさんは暇なんですか?」
「暇ですの。」
暇なのか・・・。第七層到達者は暇なのか? それでいいのか唯一の第七層パーティー!
「第七層攻略には行かないんですか?」
「全員の装備をアダマンタイト製に切り替えている最中ですの。今のままだと先に進むのが難しいですの。」
剣聖とか武王、そしてまだ見ぬ人外クラスのメンバーでさえ、装備を見直さないと進めない第七層。その話を聞いただけで気が遠くなってくる。どれだけ無茶苦茶な場所なんだよ?
全員アダマンタイト装備。ということは、魔法オヤジはあと三つ武器を作らなければならないということだ。頑張れ魔法オヤジ! 死ぬんじゃ無いぞ魔法オヤジ!
しかし他人の応援をしている場合では無い。僕はクラッシュしたオープンカーを確認する。若干車体が歪んでしまったけれど、エンジンに損傷は無さそうだ。残りは強力な車体を作だ。そして第三層のボス部屋を目指す。ボス自体はどうするかって? もちろん作戦は既にある。スカルドラゴン? 僕にかかれば雑魚同然だ。さあ、今回は日数がかかってしまったけれど、もはや第三層の攻略は完了したも同然だ。
日数 項目 金額 個数 合計 所持金
-----------------------------------------------------------------------------
32日目 食料 -1万4000蝸 1個 -1万4000蝸 41万2800蝸
32日目 エンジン部品 -8万2000蝸 1個 -8万2000蝸 33万0800蝸
32日目 車体部品 -12万0000蝸 1個 -12万0000蝸 21万0800蝸
32日目 燃料売り上げ 9万0000蝸 1個 9万0000蝸 30万0800蝸
32日目 借金返済(6) -1万0000蝸 1個 -1万0000蝸 29万0800蝸
「何をやっているブヒ?」
オーク擬きの人が後ろから話しかけてきた。
「開発した乗り物の試運転です。」
僕はアクセルを全力で踏み込みながら答える。
「そうかブヒ。畑に行くから先に行くブヒ。」
そう言って、スタスタとオープンカーの横を通り抜けて、先に行ってしまった。
もうお分かりだろうか? この車、無茶苦茶遅いのだ。ブヒブヒ言っている人にすら軽々抜かされてしまう速度なのだ。
マズイ、内燃機関の燃焼効率が悪すぎる。空気の吸気を改良しないと全然パワーが出ない。実際、不十分な燃焼により、プッスンプッスンという音が出て、進んで止まって進んで止まってを繰り返している。くそぉ、日本から自動車メーカーのエンジニアを呼んできたい。
そんな人がいない以上は自分で何とかするしか無い。僕は作業場に戻って専用の吸気ユニットを作る。そして再び試運転だ。今度こそはとアクセルを踏み込んだ。
そして・・・吹っ飛んだ。そして僕の視界はブラックアウトした。動けない状態で時が流れる。
ツンツンツンツン
何か突っつかれているような感覚がある。
ツンツンツンツン
しつこく突っつかれる。
ツンツンツンツンツンツンツンツン
速度が速くなってきた
ツーン、ズスン
凄まじい衝撃に変わった。
「ぐはぁ。」
僕は吹っ飛んだ。たぶんさっきの車でのクラッシュとは別件だ。
「よかった、生きていたですの。」
武王の声がする。
「何をしたんですか?!」
ようやく動けるようになった僕は、起き上がって叫んだ。
「動かないから、これで大丈夫か確認していたですの。」
手に持っていた棒を掲げるギデア。
「アダマンタイトの武器で突くのは危険極まりないからやめてください。僕の身体にクレーターを作るつもりですか?!」
武王ギデア、見た目とほど遠く危険な人物だ。
「ごめんなさいですの。」
前回もやらかして謝っていたけれど、反省がその後の行動に生かされてない。
僕は周囲を確認する。オープンカーは見事に裏返しになっていた。今回は出力が高すぎて、ハンドル操作を誤った結果こうなったのだ。僕の視線に気がついたギデアがオープンカーに近づく。
「これは裏返しにすれば良いんですの?」
そう言うと、材質が発泡スチロールだったのではと思えるほど軽々と持ち上げて、向きを直してくれた。いやまあ、そんなことぐらいじゃ驚かないよ。逆にもし、重そうにしていたら、それこそびっくりしちゃうよ。
「ありがとうございます。ええっと、ちょっと失礼なことを言いますが、もしかしてギデアさんは暇なんですか?」
「暇ですの。」
暇なのか・・・。第七層到達者は暇なのか? それでいいのか唯一の第七層パーティー!
「第七層攻略には行かないんですか?」
「全員の装備をアダマンタイト製に切り替えている最中ですの。今のままだと先に進むのが難しいですの。」
剣聖とか武王、そしてまだ見ぬ人外クラスのメンバーでさえ、装備を見直さないと進めない第七層。その話を聞いただけで気が遠くなってくる。どれだけ無茶苦茶な場所なんだよ?
全員アダマンタイト装備。ということは、魔法オヤジはあと三つ武器を作らなければならないということだ。頑張れ魔法オヤジ! 死ぬんじゃ無いぞ魔法オヤジ!
しかし他人の応援をしている場合では無い。僕はクラッシュしたオープンカーを確認する。若干車体が歪んでしまったけれど、エンジンに損傷は無さそうだ。残りは強力な車体を作だ。そして第三層のボス部屋を目指す。ボス自体はどうするかって? もちろん作戦は既にある。スカルドラゴン? 僕にかかれば雑魚同然だ。さあ、今回は日数がかかってしまったけれど、もはや第三層の攻略は完了したも同然だ。
日数 項目 金額 個数 合計 所持金
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32日目 食料 -1万4000蝸 1個 -1万4000蝸 41万2800蝸
32日目 エンジン部品 -8万2000蝸 1個 -8万2000蝸 33万0800蝸
32日目 車体部品 -12万0000蝸 1個 -12万0000蝸 21万0800蝸
32日目 燃料売り上げ 9万0000蝸 1個 9万0000蝸 30万0800蝸
32日目 借金返済(6) -1万0000蝸 1個 -1万0000蝸 29万0800蝸
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