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四章 予想はよそう、第四層
58 金貨は可燃性では無いカネなのかね?
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第三層のボス、スカルドラゴンを倒した僕は、終着の村に戻ってきた。カッチェはあの後、「ご無事で何よりっす」という言葉を残して、早々に姿を消した。彼は前回、帰り道で瀕死の状態になった。今回は消耗していないはずだから大丈夫だと思うけど、今のところ村で姿を見ていない。
そして冒険者ギルドの出張所でスカルドラゴンのコアを換金した。出張所の女の子は面倒くさそうに、僕にお金を渡す。ドンっという大きな音をたてて積まれる。彼女の動きが荒いというのもあるけれど、ドンと音が響くのは、積み上がった金貨が半端量ではないからだ。
その額、350万シュネ。
うほ?
うほうほ?
うほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
「うほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
とうとう心に収めておけず、絶叫してしまった。ギルドの女の子の冷たい視線が僕の心臓に突き刺さる。ええっと、僕はそういうのに興奮したりしないよ?
相変わらずの塩対応だ。とにかく冷たい視線のおかげで頭が冷えた。僕は続けて、第三層クリアの特典を確認する。
今回の特典は、地上にある冒険者ギルドの書庫を閲覧する権利だった。しばらく地上に戻っていないので、そこまで行くのが面倒臭く感じる。いったいどんな情報が得られるのか興味はあるんだけどね。
次は鑑定依頼だ。用が無くて今まで行かなかったけれど、終着の村の魔法屋を訪ねる。中にいたのは小さいお婆さんだった。
「あのぉ、すみません。」
「・・・スゥースゥーZZZzzz」
小さいお婆さんは身体を丸くして寝ている。どうしよう? 起きるまで待つべきか?
「あのぉー、すみませんーーー。」
僕はもう一度言った。しかし反応しない。仕方が無いので僕は小さいお婆さんの肩を軽く叩こうと触れようとする。
スカ
僕の手が空を切った。小さいお婆さん・・・いない!僕がキョロキョロしていると、ヌッと何かが首に当たる。
「何者かねぇぇぇ?」
僕の首に当たっていたのは杖だった。そしてその杖は、僕でも分かるほどに強力な魔力を帯びている。
「あ、あ、あ、あのぉ、か、か、か、鑑定依頼です。」
僕はテンパりながら言った。
「お客さんかえぇぇぇ。んじゃ、出しなさいぃぃぃ。」
「は・・・はい。」
僕は水晶玉を出した。それを色々な角度から覗き込む小さなお婆さん。いや、覗き込むというか、近づけすぎて眼球と接触している。そして突然舌を出しベロンと舐めた。僕にはその動作一つ一つが恐怖だった。なんだろう、この逃げ出したい気分は?
「良いものを拾ったねぇぇぇ。これはディメンジョンハウスぅぅぅぅ。」
帰りたい気持ちを抑え、僕は内容を聞く。どうやら携帯式の家らしい。ディメンジョンハウスを発動すると、水晶の中の家への移動が出来るらしい。素晴らしいことに、家の中で安全に休息を取ることが可能なのだ。ただし戦闘中は使えないので、緊急避難の利用は不可のようだ。
僕は鑑定代金の1万シュネを支払い、逃げるようにその場を立ち去った。さすがは終着の村、鑑定料が10倍だ!
そういえば第一層のボスの宝箱から出たのは隠匿の指輪一つだった。第二層では伸びる剣と転送リングの二つ。この法則からすると、第三層は魔法の袋(大)とディメンジョンハウスと紙切れの三つということで正しいのだろうか? 気分的には魔法の袋と紙切れは二つと数えたくないなあ。
ふと、あの紙切れの鑑定をしてもらうのを忘れていたことに気づいた。まあ、魔力も感じないし、たぶん普通の上質紙なんだろう。その結果に1万シュネを支払うのはもったいない。
その他のドロップ品を売り払った僕は、宿爺の系列の酒場で、少々贅沢をしてこの日は終了した。
【 33日目 】
単価 個数 金額 項目
-------------------------------------------------------------
-2万6000蝸 1個 -2万6000蝸 食料
-6万7000蝸 1個 -6万7000蝸 車体部品
-5万2000蝸 1個 -5万2000蝸 塩
-6万8000蝸 1個 -6万8000蝸 霧噴射装置部品
9万0000蝸 1個 9万0000蝸 燃料売り上げ
-1万0000蝸 1個 -1万0000蝸 借金返済(7)
350万0000蝸 1個 350万0000蝸 スカルドラゴンの核
10万0000蝸 4個 40万0000蝸 スカルドラゴンの骨
-12万0000蝸 1個 -12万0000蝸 終着の晩餐
[ 残金 393万7800蝸 ]
今度こそ、今度こそ、金持ちの仲間入り!
そして冒険者ギルドの出張所でスカルドラゴンのコアを換金した。出張所の女の子は面倒くさそうに、僕にお金を渡す。ドンっという大きな音をたてて積まれる。彼女の動きが荒いというのもあるけれど、ドンと音が響くのは、積み上がった金貨が半端量ではないからだ。
その額、350万シュネ。
うほ?
うほうほ?
うほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
「うほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
とうとう心に収めておけず、絶叫してしまった。ギルドの女の子の冷たい視線が僕の心臓に突き刺さる。ええっと、僕はそういうのに興奮したりしないよ?
相変わらずの塩対応だ。とにかく冷たい視線のおかげで頭が冷えた。僕は続けて、第三層クリアの特典を確認する。
今回の特典は、地上にある冒険者ギルドの書庫を閲覧する権利だった。しばらく地上に戻っていないので、そこまで行くのが面倒臭く感じる。いったいどんな情報が得られるのか興味はあるんだけどね。
次は鑑定依頼だ。用が無くて今まで行かなかったけれど、終着の村の魔法屋を訪ねる。中にいたのは小さいお婆さんだった。
「あのぉ、すみません。」
「・・・スゥースゥーZZZzzz」
小さいお婆さんは身体を丸くして寝ている。どうしよう? 起きるまで待つべきか?
「あのぉー、すみませんーーー。」
僕はもう一度言った。しかし反応しない。仕方が無いので僕は小さいお婆さんの肩を軽く叩こうと触れようとする。
スカ
僕の手が空を切った。小さいお婆さん・・・いない!僕がキョロキョロしていると、ヌッと何かが首に当たる。
「何者かねぇぇぇ?」
僕の首に当たっていたのは杖だった。そしてその杖は、僕でも分かるほどに強力な魔力を帯びている。
「あ、あ、あ、あのぉ、か、か、か、鑑定依頼です。」
僕はテンパりながら言った。
「お客さんかえぇぇぇ。んじゃ、出しなさいぃぃぃ。」
「は・・・はい。」
僕は水晶玉を出した。それを色々な角度から覗き込む小さなお婆さん。いや、覗き込むというか、近づけすぎて眼球と接触している。そして突然舌を出しベロンと舐めた。僕にはその動作一つ一つが恐怖だった。なんだろう、この逃げ出したい気分は?
「良いものを拾ったねぇぇぇ。これはディメンジョンハウスぅぅぅぅ。」
帰りたい気持ちを抑え、僕は内容を聞く。どうやら携帯式の家らしい。ディメンジョンハウスを発動すると、水晶の中の家への移動が出来るらしい。素晴らしいことに、家の中で安全に休息を取ることが可能なのだ。ただし戦闘中は使えないので、緊急避難の利用は不可のようだ。
僕は鑑定代金の1万シュネを支払い、逃げるようにその場を立ち去った。さすがは終着の村、鑑定料が10倍だ!
そういえば第一層のボスの宝箱から出たのは隠匿の指輪一つだった。第二層では伸びる剣と転送リングの二つ。この法則からすると、第三層は魔法の袋(大)とディメンジョンハウスと紙切れの三つということで正しいのだろうか? 気分的には魔法の袋と紙切れは二つと数えたくないなあ。
ふと、あの紙切れの鑑定をしてもらうのを忘れていたことに気づいた。まあ、魔力も感じないし、たぶん普通の上質紙なんだろう。その結果に1万シュネを支払うのはもったいない。
その他のドロップ品を売り払った僕は、宿爺の系列の酒場で、少々贅沢をしてこの日は終了した。
【 33日目 】
単価 個数 金額 項目
-------------------------------------------------------------
-2万6000蝸 1個 -2万6000蝸 食料
-6万7000蝸 1個 -6万7000蝸 車体部品
-5万2000蝸 1個 -5万2000蝸 塩
-6万8000蝸 1個 -6万8000蝸 霧噴射装置部品
9万0000蝸 1個 9万0000蝸 燃料売り上げ
-1万0000蝸 1個 -1万0000蝸 借金返済(7)
350万0000蝸 1個 350万0000蝸 スカルドラゴンの核
10万0000蝸 4個 40万0000蝸 スカルドラゴンの骨
-12万0000蝸 1個 -12万0000蝸 終着の晩餐
[ 残金 393万7800蝸 ]
今度こそ、今度こそ、金持ちの仲間入り!
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