能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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四章 予想はよそう、第四層

71 病んでいる闇の力が止みません

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「あのぉ、大丈夫ですか?」
 僕は怖ず怖ずと冒険者達に声をかけた。さすがに素通りするわけにもいかないからね。僕は体中が痛むのでウーナにまたがったままだ。三輪車に乗っているみたいでちょっと恥ずかしい。

「もしかして、そのジャンクはお前のか?」
 ジャンク? もしかしてアイボウのことか。ジャンクと言うほど見た目は悪くないんだけどなあ。終着の村で手に入る素材のイメージから来ているんだろうか? もしかしたら第四層の魔物全般のことをジャンクと呼んでいるのかもしれない。

「はい、第四層の魔物です。」
「四層到達者・・・魔物使いか? 礼を言う、おかげで助かった。俺はジョイドン、この借りはいずれ返す。」
「僕はアフタです。借りとかは気にしないでください。通りがかりのついでなので。」
 そもそも僕は何にもしていない。ウーナにまたがって見ていただけだ。

「満月の夜に出没するレアのバンパイアを狩りに来たのだが、見込みが甘かった。スカルドラゴンとの対決の前哨戦のつもりだったんだがな。見た通り死にかけた。」
「バンパイアですか? それならさっき倒しましたよ。魔眼を受けたり腕力で締め付けられたりで、酷い目に遭いました。体中ボロボロです。」
 スバードが首チョンパして、ウーナが燃やしたんだけどね。 

「締め付けられた? まさかバンパイア相手に接近戦か。とんでもないヤツだな。」
 いや、油断していたらそうなっただけです。

「見たところ、お前一人のようだが?」
「え? ああ、ずっとソロでやってます。第四層でようやく『ジャンク?』の仲間が出来た感じですけど。」
「ソロ? 第四層に行くまで一人でだと? いやまてよ、もしかして終着の村の浴場を作ったのは?」
「はい、僕ですが・・・。」
「そうか・・・。お前も剣聖達と同類か。やはり先に進むのは化け物じみた能力を持っている者だけなんだな。」

 なんだか仲間達と目を見合わせて意気消沈している。剣聖や武王は間違いなく化け物だけど、一緒にしないで欲しい。浴場と強さは関係ないし、結論がおかしい。

「これ以上長話をしているとアンデッド達がまた湧いてくるな。俺たちはしばらく終着の村にいるから、機会があったら声をかけてくれ。もう先の階層に進むことは無いと思う。じゃあな。」

 そう言うとジョイドンは魔法の袋から何かを取り出して天に翳す。1分ぐらいその姿勢をとり続けていた。沈黙が続く。気まずい。すると一瞬?にして姿を消した。転移アイテムだったらしい。終着の村って言っていたから、さっきの転移は箱庭系じゃないよね。作動条件は身動きせずに1分間なのだろう。

 去って行った冒険者には、なんだか悪いことをしたなあ。最後の言葉、あれはダンジョン踏破を諦めたって事だよね。あの冒険者達はもっと強くなりそうだったのに、変な勘違いをさせてしまった。でもその方が良かったのかもしれない。下の階層に降りても、絶望しか待っていないんだから。

 ふと身体の痛みで思考が中断される。人のことを気にしている余裕が僕にはあるのだろうか? 僕も早く墓場ゾーンから出なければ。この3匹がいればアンアンに負けたりすることは無いだろうけど、僕の身体が限界だ。

 そして痛みを堪えつつ墓場ゾーンを脱出する。僕も欲しいな転移アイテム。どこかの宝箱に入ってたのか、それとも闇市で買えるのか。買えるとしても高そうだよね。

 墓場ゾーンを抜けても夜は続いていた。そうか、いつもよりも敵が多かったのは夜だからか。以前は時間帯を気にして行動していたのに、すっかり気が緩んでいた。たぶん満月だとさらに敵がヤバくなるのだろう。それがレアパンパイアの出現条件だと思うんだけど、ジェイドン達はちょっと無謀が過ぎないか? 腕前を見ると相当な使い手だったから、上手くいったときの僕みたいに調子に乗ってしまったのだろう。でもそこを攻めてはいけない。だって人間だもの。

 終着の村までの道。夜なだけあってアンデッドがそこら中に湧いている。通常フィールドの道は開けているので、ウーナのスピードがあれば戦闘を回避できる。その度に方向を変えたりが小刻みに入るんだけど、僕は痛みで涙目だ。いや、下手をすると意識を持って行かれる。ちょっと熱も出てきているかもしれない。実は結構ヤバい?

 とうとう意識が途切れ始める。そして意識を戻すとウーナの上だと再認識、それを繰り返す。意識が途切れた瞬間でも、手拭いを掴む握力だけは維持されている。帰ったら馬装具的なものを作ろうかな。この場合は猫装具か。

 そして村の入り口を発見する。何とか生きて戻ってこられたようだ。
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