能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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五章 寒々ホワイト、第五層

89 勇気を持って雪突入

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 この吹雪の中を今のままで進むのは自殺行為だ。しかしリコッテがいる以上、引き返して装備を調えるのも自殺行為だ。このまま何とかするしか無い。

 試しにウーナに乗って雪の中に突撃してみた。驚いたことにそれなりに進む・・・雪の中を。この雪の中を進むというのがミソなんだけど、雪の上じゃ無いんだ。雪の中なんだよ。

「ごふぉふぉふぉ、ふごっふぉ!!!!」

 僕は雪によって窒息寸前まで追い込まれる。ウーナはその秘めたるパワーによって僕の体重をものともせず、雪の中すら前進する力を持っている。しかしそれに僕が耐えられない。手綱を放してしまい、完全に雪の中に埋まった。雪の中も深くまで沈むと、目の前に広がる色は白では無く黒だ。そして黒い世界が白く広がっていく。ああ、僕は昇天するんだろうか?

 気がつくと雪の上に寝ていた。アイボウが僕をクンクンしている。さすがアイボウ、犬型だけあって遭難者の救助も出来るらしい。僕は鼻の穴に詰まっていた雪をフンと押し出す。地味な服のおかげで凍えこそしないけれど、鼻や耳が凍傷になってしまう。

 とりあえず箱庭転移だ。あって良かった移動式マイホーム。完全に別空間になっているおかげで、中は適温になっている。さて、お茶を飲みながら考えよう。僕はお湯を沸かして紅茶を入れる。さっきまで寒いところにいたせいで、紅茶の熱が身体に染み渡る。

 そういえばサドンは今どこにいるんだろう? もしかして始発の町かな? 色々と情報を聞き出しておきたい所なんだけど、リコッテの件がある限り出来れば第三層には戻りたくない。彼は第五層攻略中だからいずれは会うこともあるだろうけど、情報の中途半端感が否めない。

 第五層がこんな状況ではどんなに剣の腕が立とうとも、立ち往生するのは頷ける。自然の猛威はとんでもなく恐ろしい敵だ。僕がソルトシールへ来た段階で、第六層に到達していたのは剣聖パーティーだけだ。ここに来て、何故なのかという状況を思い知った。

 僕の手持ちのアイテムがあれば、移動と箱庭のコンボで少しずつなら進むことが出来る。ただしボス部屋発見までとんでもなく時間がかかるだろう。本来なら時間をかけても問題は無いはずなんだけど、僕にはリコッテという制約がある。ただでさえ他の冒険者よりも制約が多いのに、制約条件の追加とか本当に勘弁して欲しい。

 僕は聖樹の帽子をいじる。確か付加効果に閃きというのがあったはず。何か出してくれないかな。
『ピコーン』
 何か頭の中で音が鳴った気がした。

「ピコーン。」
 今度は自分で言ってみた。そして・・・対応策、それを思いついた。

 僕はノートPCを操作する。必要なデータを作成した後、ジャンク工場のロボット生産を一時停止し別のジョブを投入する。投入したのはスノーモービルだ。これさえあれば第五層を自由に移動できるはず。

 製作日数・・・12日。二週間弱、これは結構危険な数字だ。それだけあればリコッテは余裕でここまで到達するだろう。マズイ、マズイぞ。他に手は無いか? 来い、ピコーンよ来い。

「ピコーン」
 来ないので自分で言った。閃いた、追加素材だ。それで期間が短縮できる!
  今投入できるのは・・・マザコンの核、マザコンLED、マザコンフレーム、マザコンCPU。恐らく核以外はジャンク扱いで二束三文だ。よし、それらを投入だ。

  僕は追加素材として核以外のジャンクパーツをぶち込んだ。すると製作予定時間は・・・13時間。早ぇぇぇ。こうなったら今日やることは一つ!
 
  寝よう。
 
  明日に備えて英気を養うのだ。
 
  
【  42日目  】
単価     個数  金額     項目           
-------------------------------------------------------------
 -13万2500蝸  1個  -13万2500蝸 備蓄食料         
  4万5000蝸  1個   4万5000蝸 風呂燃料売り上げ50%    
  2万0000蝸  1個   2万0000蝸 鍛冶屋燃料売り上げ50%   
 -2万0000蝸  1個  -2万0000蝸 防具返済(2)        
[ 残金 17万0900蝸 ]
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