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五章 寒々ホワイト、第五層
90 おお神よ、狼達からお救いください
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43日目。今日も良い吹雪だ。・・・駄目じゃん、まったく止む気配が無い。
PCでスノーモービルの作成状況を確認すると、特に問題は発生しておらずきちんと完成していた。ということで、転送装置を使い第五層へ呼び寄せる。
燃料にはガソリンを使う。きちんと工場で組み立てられただけあって、僕が作った装甲車よりも遙かに燃費が良さそうだ。いっそあれも素材として投入して作り直した方が良いのかも知れない。
出発する前に転移用水晶の位置設定の変更を行った。場所は第五層入り口をマークする。これで最悪でも遭難することは無くなるはずだ。さあ、とにかく準備は出来た。僕はスノーモービルに乗って周囲の探索を始めることにした。
スノーモービルのおかげで移動自体はスムーズに行くんだけど、吹雪で視界が悪いのはどうにもならない。第五層の地形は山間部が設定されているらしく、起伏がそれなりにある。さらに所々に木が生えているので、それにも気をつけなければいけない。調子に乗っているとクラッシュする。
スバードを上空からの偵察に使ってみたものの、やっぱり視界が悪いため周辺状況を確認が難しい。手持ちのジャンクとの有効通信距離はせいぜい300メートル程度なので、それ以上離れたところに偵察に出してしまうと回収すら難しくなってしまう。
そんな時、アイボウからのアラートが送られてくる。視界が悪くて状況が分からないけれど、どうやら戦闘に入ったようだ。イナゴンズを援軍に回す。ちなみに僕の護衛はウーナにさせている。僕の体重分が入らなければ、ウーナは雪の上を走行可能だ。身体全体をソリのようにしているらしい。
僕はノートPCを取り出して状況を確認する。アイボウは赤外線センサーが搭載されているらしく、この視界が悪い中でも敵の位置検出は行えるようだ。敵は狼のような魔物だった。通常画像だと色が白いため、送られてくる映像では視認が難しい。
敵の行動を見ていると、どうやら口から冷凍攻撃っぽいのを出している。その攻撃によりイナゴンズがまとめて数匹、雪の上に落とされていく。アイボウもまともに食らってしまったようで、行動速度の低下を起こしているようだ。しかし、しばらくするとイナゴンズは再び動き出し、アイボウも通常状態を取り戻す。ジャンクは機械系の魔物なので、冷気には耐性を持っているのだ。
現在確認できている白狼の数は2。アイボウが白狼を一匹牽制しつつ、イナゴンズが別の一匹に狙いを定め一斉に殺到していく。身体に張り付いたイナゴンズは酸攻撃を行う。雪の上に転がって、張り付いたイナゴンズを振り払おうとする白狼。
残った白狼はアイボウを狙う。地の利は敵側にあるらしく、アイボウの逃げ場を塞ぎ追い詰めていく。アイボウは冷凍攻撃には体勢があるっぽいんだけど、個体戦闘力では白狼の方が上だ。分はかなり悪い。
たぶんアイボウは僕の方へターゲットが向かないように、目立つように動いている。ぶっちゃけ僕が参加しても足手まといにしかならないだろう。上手く支援していくしか無い。スバードにアイボウへの支援を命令する。アイボウへ飛びかかろうとしていた白狼へ急降下、カッター攻撃だ。首筋に攻撃が入る。殺ったか?
しかし残念ながら状況は悪かった。攻撃を行ったスバードの方が雪の中へと吹き飛ばされていく。切断出来なかったようだ。白狼の白い毛が少しだけ赤く染まってはいるものの、ダメージはそれほど入っていない。けれど隙を作ることには成功した。
追い詰められている状況から一転、逃げ道が出来たアイボウ。さっと飛び出してイナゴンズに溶かされている白狼の方へ向かう。溶かされているといっても、毛が抜けて焼け爛れた皮膚が露出しているだけだ。こちらもまだ致命傷には至っていない。そしてアイボウはその一匹の首筋へかみつく。アイボウと白狼の二匹が雪の上を転がっていく。
しばらくするとアイボウだけが立ち上がる。白狼の首筋から大量の出血があり、白い雪のマットを赤く染めた。どうやら一匹は倒したようだ。気がつくと白狼の残り一匹の姿が確認できない。もしやと思って僕自身の周辺を確認したものの、気配は読み取れなかった。逃げたのか?
僕はアイボウとスバードに周辺を警戒させつつ、イナゴンズに白狼のドロップを運搬さる。そして僕は転移の水晶を取り出した。いったん第五層入り口まで撤退だ。この転移の水晶は発動にあの儀式が必要だ。吹雪の中で1分間動かない、結構キツかった。
入り口まで戻った僕は被害状況を確認する。イナゴンズがかなりやられている。元々は256匹いたのに、第四層のボスとさっきの白狼との戦闘で135匹にまで数を減らしていた。
数では圧倒的に優勢だったにも関わらず、一匹倒すのが限界だった。やはり第四層の魔物では第五層より劣る。一匹倒せただけでも行幸と言わざるを得ない。冷気系の攻撃が機械系に効きにくかったという属性的な優位性があったからこそだろう。イナゴンズの数が減った分だけ、次の戦闘は更にキツくなる。
参った。探索もろくに出来ていないのに、敵の心配までしなければいけない。前門の狼、後門のリコッテ。どうすりゃいいんだ?
PCでスノーモービルの作成状況を確認すると、特に問題は発生しておらずきちんと完成していた。ということで、転送装置を使い第五層へ呼び寄せる。
燃料にはガソリンを使う。きちんと工場で組み立てられただけあって、僕が作った装甲車よりも遙かに燃費が良さそうだ。いっそあれも素材として投入して作り直した方が良いのかも知れない。
出発する前に転移用水晶の位置設定の変更を行った。場所は第五層入り口をマークする。これで最悪でも遭難することは無くなるはずだ。さあ、とにかく準備は出来た。僕はスノーモービルに乗って周囲の探索を始めることにした。
スノーモービルのおかげで移動自体はスムーズに行くんだけど、吹雪で視界が悪いのはどうにもならない。第五層の地形は山間部が設定されているらしく、起伏がそれなりにある。さらに所々に木が生えているので、それにも気をつけなければいけない。調子に乗っているとクラッシュする。
スバードを上空からの偵察に使ってみたものの、やっぱり視界が悪いため周辺状況を確認が難しい。手持ちのジャンクとの有効通信距離はせいぜい300メートル程度なので、それ以上離れたところに偵察に出してしまうと回収すら難しくなってしまう。
そんな時、アイボウからのアラートが送られてくる。視界が悪くて状況が分からないけれど、どうやら戦闘に入ったようだ。イナゴンズを援軍に回す。ちなみに僕の護衛はウーナにさせている。僕の体重分が入らなければ、ウーナは雪の上を走行可能だ。身体全体をソリのようにしているらしい。
僕はノートPCを取り出して状況を確認する。アイボウは赤外線センサーが搭載されているらしく、この視界が悪い中でも敵の位置検出は行えるようだ。敵は狼のような魔物だった。通常画像だと色が白いため、送られてくる映像では視認が難しい。
敵の行動を見ていると、どうやら口から冷凍攻撃っぽいのを出している。その攻撃によりイナゴンズがまとめて数匹、雪の上に落とされていく。アイボウもまともに食らってしまったようで、行動速度の低下を起こしているようだ。しかし、しばらくするとイナゴンズは再び動き出し、アイボウも通常状態を取り戻す。ジャンクは機械系の魔物なので、冷気には耐性を持っているのだ。
現在確認できている白狼の数は2。アイボウが白狼を一匹牽制しつつ、イナゴンズが別の一匹に狙いを定め一斉に殺到していく。身体に張り付いたイナゴンズは酸攻撃を行う。雪の上に転がって、張り付いたイナゴンズを振り払おうとする白狼。
残った白狼はアイボウを狙う。地の利は敵側にあるらしく、アイボウの逃げ場を塞ぎ追い詰めていく。アイボウは冷凍攻撃には体勢があるっぽいんだけど、個体戦闘力では白狼の方が上だ。分はかなり悪い。
たぶんアイボウは僕の方へターゲットが向かないように、目立つように動いている。ぶっちゃけ僕が参加しても足手まといにしかならないだろう。上手く支援していくしか無い。スバードにアイボウへの支援を命令する。アイボウへ飛びかかろうとしていた白狼へ急降下、カッター攻撃だ。首筋に攻撃が入る。殺ったか?
しかし残念ながら状況は悪かった。攻撃を行ったスバードの方が雪の中へと吹き飛ばされていく。切断出来なかったようだ。白狼の白い毛が少しだけ赤く染まってはいるものの、ダメージはそれほど入っていない。けれど隙を作ることには成功した。
追い詰められている状況から一転、逃げ道が出来たアイボウ。さっと飛び出してイナゴンズに溶かされている白狼の方へ向かう。溶かされているといっても、毛が抜けて焼け爛れた皮膚が露出しているだけだ。こちらもまだ致命傷には至っていない。そしてアイボウはその一匹の首筋へかみつく。アイボウと白狼の二匹が雪の上を転がっていく。
しばらくするとアイボウだけが立ち上がる。白狼の首筋から大量の出血があり、白い雪のマットを赤く染めた。どうやら一匹は倒したようだ。気がつくと白狼の残り一匹の姿が確認できない。もしやと思って僕自身の周辺を確認したものの、気配は読み取れなかった。逃げたのか?
僕はアイボウとスバードに周辺を警戒させつつ、イナゴンズに白狼のドロップを運搬さる。そして僕は転移の水晶を取り出した。いったん第五層入り口まで撤退だ。この転移の水晶は発動にあの儀式が必要だ。吹雪の中で1分間動かない、結構キツかった。
入り口まで戻った僕は被害状況を確認する。イナゴンズがかなりやられている。元々は256匹いたのに、第四層のボスとさっきの白狼との戦闘で135匹にまで数を減らしていた。
数では圧倒的に優勢だったにも関わらず、一匹倒すのが限界だった。やはり第四層の魔物では第五層より劣る。一匹倒せただけでも行幸と言わざるを得ない。冷気系の攻撃が機械系に効きにくかったという属性的な優位性があったからこそだろう。イナゴンズの数が減った分だけ、次の戦闘は更にキツくなる。
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