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六章 熱血沸騰、第六層
127 映像が無くてもええぞう
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50日目。
スバードの合成合体が完了した。見た目は・・・フェニックスだ。とんでもなく格好良くなって帰ってきた。スバードの能力を確認してみた。炎属性の攻撃に加えて、やはり不死属性が加わっていた。必殺技は自爆覚悟のカミカゼアタックだ。
「アフタ、君だけなんだか違うゲームをプレイしているように見えるよ。」
サドンが降参のポーズを取りながら言った。そうは言われてもサドンやスコヴィルと同じ戦い方をしたら、黄泉の国への片道旅行だ。そうならないように苦肉で編み出した回避策だ。自分自身が強ければ、合成合体など必要ないのだ。
とりあえずフェニックスと化したスバードの試運転のため、周辺の偵察を命令した。すると空には赤い光の帯が出来た。とんでもない速度だ。ただし一つ欠点が出来た。映像を送る機能が使えなくなっていたのだ。その代わり敵の位置情報などのデータはきちんと取得することが出来る。まあ、映像が無くてもそれほど困らないだろう。
そして僕達は順調に第六層を進む。
「そういえば第六層にはアダマンタイトが見つかることがあるらしいですよ。」
スコヴィルが雑談をしているときにそんなことを言った。思い返せば剣聖パーティーは全員アダマンタイト装備を作ったんだよなあ。リコッテの杖もアダマンタイト製だ。もしかしてこれから先の必須アイテムなのかなぁ。
「残念ながら見つけるのは難しいね。聖女マリエルの聞いた話だと、武王ギデアが戦闘中に大穴を開けて、たまたま大量に見つかったものらしいからね。その後、色々なところを同じように開けてみても、二度と見つかることは無かったそうだ。」
聖女マリエルというのは剣聖パーティーの一人か。ここに来てようやく全員の名前が判明した。いや、たぶん情報を集めようと思えば名前ぐらいすぐに分かったんだろうけど。
アダマンタイトの武器か。ぶっちゃけ僕は必要ない。あっても役に立たないし、他の二人もレイアに鑑定してもらった新武器で十分なようだ。実際、フィールドの魔物と何度もエンカウントしているけれど、二人だけで難なく片付けている。
最初の戦闘以外m僕はほぼ何もしていない。何だか申し訳ない気持ちでいっぱいだ。サドンは「君が出るまでも無い」と言う。「君が出ても役に立たない」の間違いじゃ無いかなぁ。
第六層は順調すぎて怖いぐらいにあっさりと進み、気がつけばボス部屋まで到着してしまった。いつもはボス部屋まで来るのにえらく色々なことがあるんだけど、今回のイベントはレイアと会ったぐらいか。たぶんこの二人がいれば第六層のボスも楽勝だ。
「今更だけど、ボスの情報って聞いてたりするの?」
僕はサドンに聞いた。
「もちろんだよ。第六層のボスはシゥゾゥ。精神攻撃を得意とする。勝つために必要なのは精神力だ。単純な戦闘力では勝てない。」
「え?」
ちょっと待って。ここに来て精神攻撃? 僕はもちろん戦闘能力に自信は無い。だからといって精神力に自信があるかというと、そんなものは微塵も無いのだ。
「パーティーメンバーの内、誰か一人でも精神攻撃をはね除ければ勝利です。こちらは・・・アフタさんがいるので安心ですね。」
「え?」
スコヴィルが期待の目を僕に向けてくる。意味が分からない。もしその言葉が冗談の類いで無いとしたら、彼女のイメージする僕はいったいどんな人間なんだ? 目が曇りまくっているにもほどがある。
「アフタ、期待しているよ。僕も負けるつもりは無いけれどね。まあ、一つ安心なのは失敗しても死にはしないことだよ。剣聖達は何度も挑戦したらしいからね。」
ちょっと待て、全然安心できない情報だ。つまりあの最強パーティでさえ何度も失敗しているということだ。僕が勝てる見込みは万に一つも無いだろう。
「さあ、第六層のボス戦だ。気合いを入れていこうか。」
「力の限り頑張ります。」
二人はやる気満々だ。ヤバイ、今回はもしやアイボウ達に戦わせて、僕は後ろから応援するという図式が成り立たないのでは?
僕だけ心の準備が出来ていない状態でボス部屋控え室に入った。ええっと、思いつく対策は・・・無い。頑張るしか無いのか? サドンが奥の扉に手をかけた。ちょっと待って、少し落ち着こうよ。ギギギっという音と共に扉は開く。
ああああ。
中にいたのは体育会系の熱そうな男だった。僕達はシゥゾゥに近づいていく。すると突然、赤い光が僕を貫いた。コレが精神攻撃? 別に痛くも痒くも無い。頭が痛いわけでも無い。今のはいったい何だったんだろう?
そして僕はPCのキーボードに手をかける。
「あれ?」
キーボード? 目の前には4K対応の27インチディスプレイ。そしてここは部屋だ。部屋は部屋でもボス部屋では無い。八畳間の洋室だ。何がどうなったのか、僕は理解することが出来なかった。
スバードの合成合体が完了した。見た目は・・・フェニックスだ。とんでもなく格好良くなって帰ってきた。スバードの能力を確認してみた。炎属性の攻撃に加えて、やはり不死属性が加わっていた。必殺技は自爆覚悟のカミカゼアタックだ。
「アフタ、君だけなんだか違うゲームをプレイしているように見えるよ。」
サドンが降参のポーズを取りながら言った。そうは言われてもサドンやスコヴィルと同じ戦い方をしたら、黄泉の国への片道旅行だ。そうならないように苦肉で編み出した回避策だ。自分自身が強ければ、合成合体など必要ないのだ。
とりあえずフェニックスと化したスバードの試運転のため、周辺の偵察を命令した。すると空には赤い光の帯が出来た。とんでもない速度だ。ただし一つ欠点が出来た。映像を送る機能が使えなくなっていたのだ。その代わり敵の位置情報などのデータはきちんと取得することが出来る。まあ、映像が無くてもそれほど困らないだろう。
そして僕達は順調に第六層を進む。
「そういえば第六層にはアダマンタイトが見つかることがあるらしいですよ。」
スコヴィルが雑談をしているときにそんなことを言った。思い返せば剣聖パーティーは全員アダマンタイト装備を作ったんだよなあ。リコッテの杖もアダマンタイト製だ。もしかしてこれから先の必須アイテムなのかなぁ。
「残念ながら見つけるのは難しいね。聖女マリエルの聞いた話だと、武王ギデアが戦闘中に大穴を開けて、たまたま大量に見つかったものらしいからね。その後、色々なところを同じように開けてみても、二度と見つかることは無かったそうだ。」
聖女マリエルというのは剣聖パーティーの一人か。ここに来てようやく全員の名前が判明した。いや、たぶん情報を集めようと思えば名前ぐらいすぐに分かったんだろうけど。
アダマンタイトの武器か。ぶっちゃけ僕は必要ない。あっても役に立たないし、他の二人もレイアに鑑定してもらった新武器で十分なようだ。実際、フィールドの魔物と何度もエンカウントしているけれど、二人だけで難なく片付けている。
最初の戦闘以外m僕はほぼ何もしていない。何だか申し訳ない気持ちでいっぱいだ。サドンは「君が出るまでも無い」と言う。「君が出ても役に立たない」の間違いじゃ無いかなぁ。
第六層は順調すぎて怖いぐらいにあっさりと進み、気がつけばボス部屋まで到着してしまった。いつもはボス部屋まで来るのにえらく色々なことがあるんだけど、今回のイベントはレイアと会ったぐらいか。たぶんこの二人がいれば第六層のボスも楽勝だ。
「今更だけど、ボスの情報って聞いてたりするの?」
僕はサドンに聞いた。
「もちろんだよ。第六層のボスはシゥゾゥ。精神攻撃を得意とする。勝つために必要なのは精神力だ。単純な戦闘力では勝てない。」
「え?」
ちょっと待って。ここに来て精神攻撃? 僕はもちろん戦闘能力に自信は無い。だからといって精神力に自信があるかというと、そんなものは微塵も無いのだ。
「パーティーメンバーの内、誰か一人でも精神攻撃をはね除ければ勝利です。こちらは・・・アフタさんがいるので安心ですね。」
「え?」
スコヴィルが期待の目を僕に向けてくる。意味が分からない。もしその言葉が冗談の類いで無いとしたら、彼女のイメージする僕はいったいどんな人間なんだ? 目が曇りまくっているにもほどがある。
「アフタ、期待しているよ。僕も負けるつもりは無いけれどね。まあ、一つ安心なのは失敗しても死にはしないことだよ。剣聖達は何度も挑戦したらしいからね。」
ちょっと待て、全然安心できない情報だ。つまりあの最強パーティでさえ何度も失敗しているということだ。僕が勝てる見込みは万に一つも無いだろう。
「さあ、第六層のボス戦だ。気合いを入れていこうか。」
「力の限り頑張ります。」
二人はやる気満々だ。ヤバイ、今回はもしやアイボウ達に戦わせて、僕は後ろから応援するという図式が成り立たないのでは?
僕だけ心の準備が出来ていない状態でボス部屋控え室に入った。ええっと、思いつく対策は・・・無い。頑張るしか無いのか? サドンが奥の扉に手をかけた。ちょっと待って、少し落ち着こうよ。ギギギっという音と共に扉は開く。
ああああ。
中にいたのは体育会系の熱そうな男だった。僕達はシゥゾゥに近づいていく。すると突然、赤い光が僕を貫いた。コレが精神攻撃? 別に痛くも痒くも無い。頭が痛いわけでも無い。今のはいったい何だったんだろう?
そして僕はPCのキーボードに手をかける。
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