能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

文字の大きさ
126 / 208
六章 熱血沸騰、第六層

126 ブラブラさせてはいけないブラ

しおりを挟む
「私がここで何をしているのかも知りたそうね。」
 レイアはサドンに小悪魔っぽい笑顔を向ける。

「ぜひ教えてもらいたいな。」
 サドンは髪をかき上げながら応じた。ハゲるぞ。

「地熱エネルギーを使ったセキュリティーシステムの構築よ。ボロティアに頼まれているの。これは一時凌ぎにしかならないから、あなた達には早々に十層へ到達してもらいたいわね。」
「ほう、ボロディアの関係者なのか。ということは僕のことは聞いてるのかい?」
「そうね。頭が回って腕が立つと高評価だったわよ。私から言わせてもらうと、慢心と脇の甘さが気になるところね。」
「それについては重々学習したばかりさ。」

 サドンは痛いところを突かれたようだ。しかしここに来てボロディアの関係者が動いているとは。いったいどういう事態になっているんだろう? レイアとは出来れば関わり合いになりたくないんだけど、興味の方が上回った。

「セキュリティシステムって、いったい何のためのものなんですか?」
「それを説明する前に前置きをするわね。この世界のシステムを使って、外の二つの世界を壊そうとしている悪戯おじさんがいるのよ。ボロティアはそれを止めようとしている最中。そして私にもちょっとだけ責任があるから協力しているの。」

 サドンに対するものとは違い、何故か僕には母親が子供に向けるような表情を向けるレイア。この違いは何によって生じているんだろう?

「悪戯おじさんはこの世界のシステムに色々と干渉しているわ。そして逃げ足だけは早いのよね。正面からやり合えれば、大した相手じゃ無いんだけど。そのために私は、この階層以降へのシステム干渉を防ぐ結界を構築しているの。とにかく貴方達は、一刻も早くこのダンジョンの至宝を回収するのよ。他に渡しては駄目。悪戯おじさんの方は私とボロディアで対処するから。」

 悪戯おじさんって、性犯罪者臭がする名前だ。

「なるほど、それがボロディアの指示という訳か。レイアはこの世界の事をどこまで知っているのかな?」
「レイアちゃんよ。」
「それは失敬。レイアちゃん、この世界についてどこまで知っているのか教えて欲しい。」
「ほとんど全て。とにかく至宝を回収したら、貴方たちが元の世界に戻ることは保証するわ。」

 それを聞いてスコヴィルが嬉しそうな顔をする。

「他のダンジョンも回る予定だからあまり時間は無いけれど、私に出来ることなら協力するわ。例えば・・・鑑定したいアイテムなんて無い?」

 そう言われた二人は、第五層のボス部屋で手に入れた剣と杖を取り出した。すぐさまレイアが効力を確認する。剣はスタミナの消費をゼロにする効果が付いていた。杖の方は魔力の消費量が半減する効果だ。かなり使える装備品だ。

 そして僕はアレを差し出した。たぶんリコリースの遺品であろうラバーカップだ。いったいどんな効果があるんだろう?

「掃除用具ね。配管の詰まりをとるのに使うアイテムよ。特徴的なのは吸着効果かしら。」
「レイア・・・ちゃん、あの、その他に何か役に立ったりしないんですか? 実は戦闘で強力な武器になるとか?」
「無いわね。見たままのアイテムよ。」

 普通のラバーカップがボロディア対抗アイテムだとは思えない。リコリースの形見という説は却下なのか? 他に僕が持っているものでそれっぽいものって何かあったかな? アレは違うよなあ。でも念のため鑑定してもらおうかな?

「あの、もう一つ見てもらいたいものがあるんですが・・・。サドンとスコヴィルさんはちょっと向こうを見ていてもらえますか?」
「もしかして秘密のアイテムなのかい? 気になるな。」
「いいから向こうへ行って!」
 僕はサドンを追っ払った。スコヴィルもそれについていく。

 そして僕はアレを出した。パンティーとブラだ。
「あらら、セクハラかしら?」
「そういうのはいいですから、鑑定をお願いします!」

 レイアは僕が出した下着を、見た瞬間に既に鑑定したのだろう。僕に小声で結果を伝える。パンティーの方がリコリースの知識、ブラがリコリースの魔法能力が詰め込まれた物だった。ビンゴだ。もちろん僕は最初からそうだと思ってたよ。ラバーカップが形見の訳が無いじゃないか。ワハハハハ。

 さて、どっちがよりヤバイかだ。もしリコッテがリコリースの魔法技術の全てを継承したら・・・恐ろしくマズイことになるだろう。それこそボロディアを超える能力を身につけかねない。ブラだけは渡してはならない。それに・・・いらないでしょ、あの胸では。

「・・・あなた少し私の息子に似てるわ。」
 レイアは僕を見てそんなことを言った。彼女は子供がいる年齢に見えないんだけど、元の世界での話だろうか?

「ええっと、鑑定ありがとうございました。」
 息子発言はどう反応して良いのか分からなかったので、とりあえずお礼を言った。

「そうだわ。これを渡しておくわね。」
 レイアが差し出したのは水晶だった。説明によると転移用水晶の一つで、各フロアの入り口で使用可能。そして転移可能な場所は、到達したことのある階層の入り口。つまりフロア間移動が可能になる。入り口限定なのでフィールド移動中には使えない。この世界の転移アイテムは、必ず何かしらの制約が付いているようだ。

「ボロディアは既に半分賭けに勝った状態ね。アフタ、最後の詰めはあなたがやることになるわ。この世界がどういう結末を向かえるかは、あなたの選択次第よ。それじゃ、私はそろそろ行かないと。」

 レイアはそれだけ言い残すと、光の残滓(ざんし)だけを残し消え去った。選択っていったい何の話なんだろう? それと転移の制約・・・実は無いの?
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

【完結】まもの牧場へようこそ!~転移先は魔物牧場でした ~-ドラゴンの子育てから始める異世界田舎暮らし-

いっぺいちゃん
ファンタジー
平凡なサラリーマン、相原正人が目を覚ましたのは、 見知らぬ草原に佇むひとつの牧場だった。 そこは、人に捨てられ、行き場を失った魔物の孤児たちが集う場所。 泣き虫の赤子ドラゴン「リュー」。 やんちゃなフェンリルの仔「ギン」。 臆病なユニコーンの仔「フィーネ」。 ぷるぷる働き者のスライム「モチョ」。 彼らを「処分すべき危険種」と呼ぶ声が、王都や冒険者から届く。 けれど正人は誓う。 ――この子たちは、ただの“危険”なんかじゃない。 ――ここは、家族の居場所だ。 癒やしのスキル【癒やしの手】を頼りに、 命を守り、日々を紡ぎ、 “人と魔物が共に生きる未来”を探していく。 ◇ 🐉 癒やしと涙と、もふもふと。 ――これは、小さな牧場から始まる大きな物語。 ――世界に抗いながら、共に暮らすことを選んだ者たちの、優しい日常譚。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます! ※AI学習禁止・無断転載禁止・無断翻訳禁止・無断朗読禁止

「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。

秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。 「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」 第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。 着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。 「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。 行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。 「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」 「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」 氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。 一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。 慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。 しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。 「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」 これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
 ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。  それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。 「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」 『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。  しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。  家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。  メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。  努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。 『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』 ※別サイトにも掲載しています。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

婚約破棄された元OL悪役令嬢、コンサル知識で潰れかけのギルドを王国一に再建します

黒崎隼人
ファンタジー
エルムガンド王国の第一王子から、卒業パーティーの最中に婚約破棄を宣告された公爵令嬢イザベラ。 断罪のショックで、彼女は自分が現代日本で経営コンサルタントとして働いていた前世の記憶を取り戻す。 ここは乙女ゲームの世界。このままでは爵位剥奪、領地没収の破滅ルートが待っている! 「冗談じゃない。そんな未来、絶対に受け入れてなるものか」 イザベラは破滅フラグを回避するため、父の道楽である赤字続きの冒険者ギルド「白銀の獅子」の運営を引き継ぐことを宣言。 前世で培った現状分析、プロジェクト管理、成果報酬制度などのビジネススキルを駆使し、潰れかけのギルドの改革に乗り出す。 クエストの可視化、新人教育、そしてエルフの賢者や獣人ギルドのマスターとの異種族間連携。 最初は彼女を馬鹿にしていた荒くれ者の冒険者たちも、その圧倒的な手腕とカリスマ性に惹かれ、いつしか彼女の頼もしい仲間となっていく。 やがて彼女のギルドは王都最大の組織へと成長し、彼女を陥れた敵の陰謀すらも打ち砕く! 恋愛よりも仕事! 最高の仲間たちと共に、すべての種族が笑って暮らせる未来を創り上げる、元悪役令嬢の痛快お仕事ファンタジー、開幕!

無能と追放された結界師、三十路のおっさんですが17歳の辺境伯令嬢と婚約して人生逆転します

みかん畑
ファンタジー
無能と蔑まれ、Aランクパーティを追放された結界師フィン。 行き場を失った彼を拾ったのは、辺境伯の娘リリカだった。 国土結界の恩恵が届かない辺境で、フィンの結界は本当の価値を発揮していく。 領地再建、政治の駆け引き、そして少女のまっすぐな想い。 これは無能と呼ばれた男が、辺境で居場所を見つけ、やがて年の差婚へと至る物語。

処理中です...