能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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七章 遺跡と迷宮、第七層

157 ボスの色は白にしろ

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 私はアフタの方を向いた。彼は私を悲しそうな目で見ている。

「今回は逃げないのね。」
「そうだね、前回は逃げて悪かった。話をしよう。」
「もう手遅れよ。それとも、もうこの先に進むのはやめてくれるの?」

 私がアフタと話している間、聖女マリエルがギデアの治療に当たっている。剣聖ブレアは隙を見せないようにカンゾウを牽制しつつ、カッチェの奇襲にも警戒している。天魔ギルダインは黙って事の成り行きを観察しているようだ。サドンとスコヴィルも黙って立っている。
 
「僕は先に進まなければならない。」
「なら話すことは無いわ。プレイヤーは全て殺す。そうなることが分かっていてアレを私に届けたんでしょ?」
「違う! 僕は全てを知ってもらった上で・・・。」
「この世界を壊して、私には死んでくれと頼むつもりだったの?」
「そうならない方法を探すつもりだ。」
「探す? 今から? 見つかるわけ無い。」

 そんな都合のいい方法があるのなら、遙か昔にリコリースが解決していただろう。私がこんなことをする必要も無かったのだ。

「根拠が無いわけじゃないんだ。必ず全てを救ってみせる。」
「そう、なら先に第十層で待っているわ。そこまで来て、もし解決方法が無いというのなら戦うしか無いわね。それと・・・プレイヤーは全て殺すつもりだったけど、やっぱりやめるわ。」
「リコッテ・・・。」
 私のこの言葉にアフタが少しだけ表情を変えた。

「アフタ、あなただけは手足をもいで生かしておくわ。一生そばに置いてあげる。楽しみにしていなさい。さあ、行くわよ。」

 ボス部屋の扉の前に仲間が全員が集まる。カンゾウが警戒する中、サルミアキが扉を開ける。私達はボス部屋の控え室に入った。そして扉を閉める。この時点でアフタも剣聖ブレアも私達に手出し出来ない。

「リコっち、良かったっすか? アフタのアニキ、悲しそうな顔をしてたっすよ。」
「これでいいの。たぶん・・・私はアフタに殺される。そういう終わり方なのよ。みんな無理して私に付き合わなくていいわ。」

「何をおっしゃいます、何があろうと最後までお付き合いします。」
 カンゾウが言った。

「わたくしもお供します。」」
 サルミアキ。

「一人は寂しいから嫌っす。一緒に行くっす。」
 カッチェ。

「そう、ならさっさと第七層のボスを攻略しましょう。」
 私達は奥の扉を開けた。

 目の前にいた第七層のボスは老人の姿をしていた。私はその姿に足が止まる。お爺ちゃんを思い出したのだ。しかし目の前にいる老人は、私のお爺ちゃんとは似ても似つかない。髪も髭も着ている物も、全て真っ白い姿をしていた。

 白い老人は私達に問いを投げかけてくる。そしてその答えを私は知っていた。どうしてその答えになるのか、そんなことは知らない。しかし正解を答えれば先に進めるのだ。

 私は全ての問いに答えを示した。すると白い老人はさらに白く光り、その残滓を残して消えていった。

「凄いっす。答えを聞いてもさっぱり分からないっす。」
「私も理解して答えているわけじゃ無いわ。合い言葉みたいなものだと考えればいいのよ。」
「なるほど、合い言葉っすね。」
「しばらくしたら、アフタが追ってくるわ。先を急ぎましょう。」

 こうして私達は第七層の攻略を完了した。全ての決着は第十層、そこで私の役目も終えることが出来る。それまでに悪役らしい決めゼリフでも考えておこう。最後の言葉は、せめてアフタの記憶に残るようなものを選びたい。
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