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終章 変態アフタの第十層
198 賤民の選民意識
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ここまでの道中で僕は気づいていた。これまで誰の手の平の上で踊っていたのかを。今のこの状況を作り出すため幾度と僕に介入し、夢を見せたこともあった。そう、それはAIリコリスだ。自己の存続を最優先にして成長する、僕が作った存在。
さあ、どっちがより裏をかいたのか、最後の勝負だ。
「何だ?」
ボロディアも異変に気づいた。ソルトシールの至宝から発生した黒いモヤは、他の至宝に感染していく。やはりカンゾウを経由して至宝に仕掛けを施していたようだ。
グォォォォン
七つの至宝が闇にとらわれ、そして黒い爆発が起こる。ボロディアは作業を中断してそこから退いた。
「どうなっている? なっお前は!」
ボロディアは、闇の中から現れた人物を見て驚いた。夢で見たから僕も知っている。あれはベルクレストというオッサンだ。
「いやいや、まったくご苦労。前座のお膳立てはなかなか見事なものだった。お涙ちょうだいの三文劇、おひねりの一つでも出しておくべきか。ハッハッハ。」
ベルグレストは愉快そうに笑う。けれど僕には笑うポイントがさっぱり分からない。さて、仕事だ。僕は観客席から再び競技場の方へ歩き出した。
「ベルグレスト、何故お前がここに? 至宝をどこにやった?」
「いきなりの再会で質問攻めかね? まったく・・・しかし賤民に優雅さを期待するのも無理というものか。」
ボロディアはいきなり現れたベルグレストを睨み付ける。
「カンゾウに渡した妖刀、あれに仕掛けがあったんですね。AIの入れ慈恵ですか?」
僕は最後の賭に勝つためにベルグレストに話しかけた。
「ほう、中々聡いな。使えるなら小間使いとして雇ってやってもかまわぬぞ。」
「遠慮しておきます。それよりもあなたの今の状態を解説してもらえますか? 守護者の力を吸収したんですよね。」
「それも分かっているのか? 面白い、面白いなお前は。それに引き替え、ボロディアがここまで物を考えられぬ間抜けだとは。」
ボロディアは険しい表情をしている。システムを取り返して終わりだと考えていたのに、完全に虚を突かれたという感じなのだろう。しかし僕の計画では、今ここにボロディアがいるというのは必須なのだ。彼はここにいるだけで役割を果たす。
「よしよし、その賢さに敬意を表して教えてやろう。七つの至宝を取り込んだ我が力は、全ての守護者の能力を取り込むに至った。究極物理攻守、究極魔法攻守、ユニークスキル無効、武器無効、防具無効。そして一日に一度、死が無効化される能力。」
笑ってしまうほど無茶苦茶な特性のオンパレードだ。七つのダンジョンの守護者がそれぞれ持っていた能力が一極集中したのだ。
「甘いぞベルグレスト。私のクラスタプライオリティは他人の活動能力を奪うだけでは無い。お前に対するスキルが無効でも、私自身のリソースを増やせば良いだけのことだ。」
ボロディアが頼もしい一言を発する。そう、その一言が必要なのだ。
「そうかそうか、それは恐ろしい。ならば一つ、言い忘れていた最後の能力を教えてやろう。貴様が戦っていない守護者の能力だから、知らないのは無理も無い。」
ベルグレストは余裕の笑みを浮かべ、何も知らないボロディアをあざ笑うかのような表情を見せた。ボロディアはここに来るまで、六つの至宝を集めてきた。しかし二つのダンジョンはすでに攻略済みだったため、ボロディアはアイテムだけを探し出してきた状態なのだ。
「最後の能力は特定の力を一種類選び、それを最高レベルまで強化するものだ。意味は分かるかな? そして強化するのはユニークスキル無効だ!」
ベルグレストがそう叫んだ瞬間、空間に波紋のような物が広がった。全てのユニークスキルを、あらゆる場所で完全に無効化する能力が発動したのだ。
「馬鹿な!」
ボロディアが青い顔で狼狽している。これでボロディアの振るサイコロに、彼の勝ちの目は一つも無くなった。
「ふふふふふ、はっはっはっは。」
一人笑い出す男。しかし笑っている男はベルグレストでは無い。狂ったように笑い出したのは他でもない、僕だ。
僕は賭に勝った!
さあ、どっちがより裏をかいたのか、最後の勝負だ。
「何だ?」
ボロディアも異変に気づいた。ソルトシールの至宝から発生した黒いモヤは、他の至宝に感染していく。やはりカンゾウを経由して至宝に仕掛けを施していたようだ。
グォォォォン
七つの至宝が闇にとらわれ、そして黒い爆発が起こる。ボロディアは作業を中断してそこから退いた。
「どうなっている? なっお前は!」
ボロディアは、闇の中から現れた人物を見て驚いた。夢で見たから僕も知っている。あれはベルクレストというオッサンだ。
「いやいや、まったくご苦労。前座のお膳立てはなかなか見事なものだった。お涙ちょうだいの三文劇、おひねりの一つでも出しておくべきか。ハッハッハ。」
ベルグレストは愉快そうに笑う。けれど僕には笑うポイントがさっぱり分からない。さて、仕事だ。僕は観客席から再び競技場の方へ歩き出した。
「ベルグレスト、何故お前がここに? 至宝をどこにやった?」
「いきなりの再会で質問攻めかね? まったく・・・しかし賤民に優雅さを期待するのも無理というものか。」
ボロディアはいきなり現れたベルグレストを睨み付ける。
「カンゾウに渡した妖刀、あれに仕掛けがあったんですね。AIの入れ慈恵ですか?」
僕は最後の賭に勝つためにベルグレストに話しかけた。
「ほう、中々聡いな。使えるなら小間使いとして雇ってやってもかまわぬぞ。」
「遠慮しておきます。それよりもあなたの今の状態を解説してもらえますか? 守護者の力を吸収したんですよね。」
「それも分かっているのか? 面白い、面白いなお前は。それに引き替え、ボロディアがここまで物を考えられぬ間抜けだとは。」
ボロディアは険しい表情をしている。システムを取り返して終わりだと考えていたのに、完全に虚を突かれたという感じなのだろう。しかし僕の計画では、今ここにボロディアがいるというのは必須なのだ。彼はここにいるだけで役割を果たす。
「よしよし、その賢さに敬意を表して教えてやろう。七つの至宝を取り込んだ我が力は、全ての守護者の能力を取り込むに至った。究極物理攻守、究極魔法攻守、ユニークスキル無効、武器無効、防具無効。そして一日に一度、死が無効化される能力。」
笑ってしまうほど無茶苦茶な特性のオンパレードだ。七つのダンジョンの守護者がそれぞれ持っていた能力が一極集中したのだ。
「甘いぞベルグレスト。私のクラスタプライオリティは他人の活動能力を奪うだけでは無い。お前に対するスキルが無効でも、私自身のリソースを増やせば良いだけのことだ。」
ボロディアが頼もしい一言を発する。そう、その一言が必要なのだ。
「そうかそうか、それは恐ろしい。ならば一つ、言い忘れていた最後の能力を教えてやろう。貴様が戦っていない守護者の能力だから、知らないのは無理も無い。」
ベルグレストは余裕の笑みを浮かべ、何も知らないボロディアをあざ笑うかのような表情を見せた。ボロディアはここに来るまで、六つの至宝を集めてきた。しかし二つのダンジョンはすでに攻略済みだったため、ボロディアはアイテムだけを探し出してきた状態なのだ。
「最後の能力は特定の力を一種類選び、それを最高レベルまで強化するものだ。意味は分かるかな? そして強化するのはユニークスキル無効だ!」
ベルグレストがそう叫んだ瞬間、空間に波紋のような物が広がった。全てのユニークスキルを、あらゆる場所で完全に無効化する能力が発動したのだ。
「馬鹿な!」
ボロディアが青い顔で狼狽している。これでボロディアの振るサイコロに、彼の勝ちの目は一つも無くなった。
「ふふふふふ、はっはっはっは。」
一人笑い出す男。しかし笑っている男はベルグレストでは無い。狂ったように笑い出したのは他でもない、僕だ。
僕は賭に勝った!
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