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終章 変態アフタの第十層
199 勘定できない感情コントロール
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「あまりの状況に気が触れてしまったか。」
ベルグレストが哀れみの表情で僕を見る。
「あっはっはっは、いや、笑いが止まらない。上手くいった安心感で、ちょっと感情のコントロールが・・・ふふふふ。」
僕は笑いをこらえることが出来ない。この世界へ来ると決断した時に立てた計画、それが完璧に上手くいったのだ。
「絶望的な状況だぞ。何を笑っていられる?」
ボロディアが困惑の表情をしている。そう、ベルグレストが最後の罠にかかったのは、ボロディアがいてくれたからこそだ。
「ボロディアありがとう。おかげさまでAIを出し抜けました。僕達の勝利です。」
「何を言っているんだ? もはやベルグレストに対して、打つ手は何も無いんだぞ!」
「大丈夫です。とりあえずこれを使います。えっと、武器防具無効化でしたよね。これ、武器でも防具でも無いんで。」
僕は魔法の袋(大)からラバーカップと鍋のフタを取り出した。
「「「「ハ?」」」」
その場にいた人達全員がハモった。
「お、おい! 究極物理攻守はどうするんだ?」
ボロディアの困惑の表情がますます濃くなってくる。
「大丈夫ですよ、あらよっと。」
取り出した装備品をポカン見ていた間抜けなオジさんに僕は一瞬で近づき、ラバーカップの一撃を叩きつける。
ドコーン
一撃は空間を波打たせ、ベルグレストを巻き込んみつつ競技場に大きな穴を開けた。
「えええええ、はぁぁぁ?」
ボロディアが理解できない光景を見ているかのようだった。
「あれ? もしかしてワンキル完了?」
ベルグレストは木っ端みじんに吹き飛んだ。どんなときでも油断大敵だよね。
「いったいどうなってるんだ? 何なんだ、その力は?」
「僕のユニークスキルです。この世界に来る時に自分で選んだ能力です。」
僕はこの世界のアバターを決定する時に、わざわざ最弱のキャラを選んだのだ。そこに付随する最弱のスキルを獲得するために。
「そんな馬鹿な! ユニークスキルは無効化されたはず。それにそんな強力なスキルは私は設定していない。」
「無効化されたからですよ。制約(ギアス)のスキル、そう言えば分かりますよね?」
「え? あ・・・あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ようやく気づいたようだ。そう、僕のユニークスキル制約。能力向上を封じられる代わりに、大量の経験値を得られる能力だ。僕はその状態で、強力な魔物やフロアボスを倒し第十層までやってきた。もはやレベルはカンスト状態だ。ぶっちゃけ、守護者の特殊能力がいかに強力であろうと、一つ一つはプレイヤーに倒されることが前提で作られている能力なのだ。そんな有象無象の能力を寄せ集めたところで、ステータスがカンスト状態の僕に勝てるはずが無い。
「鍵だったのは、ベルグレストが能力強化をユニークスキル無効に使ってくれるかどうかだったんです。」
「・・・そうか。それを思いつくことが・・・いやいや、そもそも最初の段階でそれを実行しようとしたことが、言っちゃ悪いが狂人の発想だ。」
ボロディアは感心しつつも、半ば呆れたような複雑な表情で僕を見た。
「馬鹿な・・・馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿なぁぁぁぁぁ!!!!!」
おや、ベルグレストが復活したようだ。一日に一回、復活できるんだもんね。
「くそぉぉぉ。だがぁぁぁぁ、油断しただけだぁぁぁぁ。お前のような下賤の者に土を付けられたのは、それはそれで一つ勉強したということだ。もはや次は無い!」
ベルグレストは強力なオーラを身に纏い、そして上空へと飛び上がった。そこでエネルギーの塊のようなものを生み出している。さて困ったな、僕は飛べない。能力が強化されたおかげで、この世界を救えるレベルの魔力残量があるんだけど、残念ながら魔法を一つも覚えてないんだよね。
「私はもう役に立たなそうだ。そうだこれを渡しておこう。これが終わったら、後で必要になるはずだ。」
ボロディアが僕に渡したのは見覚えのあるリングだった。
さて、じゃあ最後のアレを出しますか。使わずに終われば良かったんだけど、そうも言ってられない状況のようだし。
僕の変態が始まる時間だ!
ベルグレストが哀れみの表情で僕を見る。
「あっはっはっは、いや、笑いが止まらない。上手くいった安心感で、ちょっと感情のコントロールが・・・ふふふふ。」
僕は笑いをこらえることが出来ない。この世界へ来ると決断した時に立てた計画、それが完璧に上手くいったのだ。
「絶望的な状況だぞ。何を笑っていられる?」
ボロディアが困惑の表情をしている。そう、ベルグレストが最後の罠にかかったのは、ボロディアがいてくれたからこそだ。
「ボロディアありがとう。おかげさまでAIを出し抜けました。僕達の勝利です。」
「何を言っているんだ? もはやベルグレストに対して、打つ手は何も無いんだぞ!」
「大丈夫です。とりあえずこれを使います。えっと、武器防具無効化でしたよね。これ、武器でも防具でも無いんで。」
僕は魔法の袋(大)からラバーカップと鍋のフタを取り出した。
「「「「ハ?」」」」
その場にいた人達全員がハモった。
「お、おい! 究極物理攻守はどうするんだ?」
ボロディアの困惑の表情がますます濃くなってくる。
「大丈夫ですよ、あらよっと。」
取り出した装備品をポカン見ていた間抜けなオジさんに僕は一瞬で近づき、ラバーカップの一撃を叩きつける。
ドコーン
一撃は空間を波打たせ、ベルグレストを巻き込んみつつ競技場に大きな穴を開けた。
「えええええ、はぁぁぁ?」
ボロディアが理解できない光景を見ているかのようだった。
「あれ? もしかしてワンキル完了?」
ベルグレストは木っ端みじんに吹き飛んだ。どんなときでも油断大敵だよね。
「いったいどうなってるんだ? 何なんだ、その力は?」
「僕のユニークスキルです。この世界に来る時に自分で選んだ能力です。」
僕はこの世界のアバターを決定する時に、わざわざ最弱のキャラを選んだのだ。そこに付随する最弱のスキルを獲得するために。
「そんな馬鹿な! ユニークスキルは無効化されたはず。それにそんな強力なスキルは私は設定していない。」
「無効化されたからですよ。制約(ギアス)のスキル、そう言えば分かりますよね?」
「え? あ・・・あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ようやく気づいたようだ。そう、僕のユニークスキル制約。能力向上を封じられる代わりに、大量の経験値を得られる能力だ。僕はその状態で、強力な魔物やフロアボスを倒し第十層までやってきた。もはやレベルはカンスト状態だ。ぶっちゃけ、守護者の特殊能力がいかに強力であろうと、一つ一つはプレイヤーに倒されることが前提で作られている能力なのだ。そんな有象無象の能力を寄せ集めたところで、ステータスがカンスト状態の僕に勝てるはずが無い。
「鍵だったのは、ベルグレストが能力強化をユニークスキル無効に使ってくれるかどうかだったんです。」
「・・・そうか。それを思いつくことが・・・いやいや、そもそも最初の段階でそれを実行しようとしたことが、言っちゃ悪いが狂人の発想だ。」
ボロディアは感心しつつも、半ば呆れたような複雑な表情で僕を見た。
「馬鹿な・・・馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な、馬鹿なぁぁぁぁぁ!!!!!」
おや、ベルグレストが復活したようだ。一日に一回、復活できるんだもんね。
「くそぉぉぉ。だがぁぁぁぁ、油断しただけだぁぁぁぁ。お前のような下賤の者に土を付けられたのは、それはそれで一つ勉強したということだ。もはや次は無い!」
ベルグレストは強力なオーラを身に纏い、そして上空へと飛び上がった。そこでエネルギーの塊のようなものを生み出している。さて困ったな、僕は飛べない。能力が強化されたおかげで、この世界を救えるレベルの魔力残量があるんだけど、残念ながら魔法を一つも覚えてないんだよね。
「私はもう役に立たなそうだ。そうだこれを渡しておこう。これが終わったら、後で必要になるはずだ。」
ボロディアが僕に渡したのは見覚えのあるリングだった。
さて、じゃあ最後のアレを出しますか。使わずに終われば良かったんだけど、そうも言ってられない状況のようだし。
僕の変態が始まる時間だ!
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