能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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終章 変態アフタの第十層

201 私用で使用したのはしようがないことにしよう

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「我は知略をもってあのAIを操り、そして必勝の方法を計算させたのだ。全ては順調だったはず。ここに来て計算に狂いなどあえない!」

 ベルグレストは顔を真っ赤にしてそう主張した。残念ながら既に軌道修正不可能なほど計算は狂っているのだ。

「いや、あなたはAIリコリスの駒として、逆に操られていたんですよ。あれは自己の存続を最優先にするよう僕がプログラムしたんですから。」
「な・・・んだと?」
「AIリコリスはあなただけで無く、僕の夢にまで介入してきました。リコッテを守護者の使命へと向かわせるように。ソルトシールのユニークスキル無効化は、対プレイヤーに絶対必要な物だったわけです。そしてその力で、自分を停止させる可能性のあるプレイヤーを始末しようとしました。あなたはそのための駒です。」

 AIリコリスはリコッテを僕から引き離すよう画策し、そして守護者の力を継承させるために追い詰めていったのだ。その点で僕は、ベルグレストに物を言える立場では無いかも知れない。

「ふん、奴は我が命令をきくだけのただの装置だ。そんなものに操られていたなどと言うことは断じてない!」
「使うつもりが使われていた・・・僕の世界でもよくある話です。特に技術の進歩はそんな逆転を起こしうるんです。」
「下賎の者と問答しても時間の無駄だ。油断さえしなければ貴様のような者に二度と遅れはとらぬ!」

 ベルグレストはカンゾウが使っていた妖刀を手元に召喚した。そして僕の元へ飛翔してくる。

 カーン
 
 妖刀の刃は鍋のフタに阻まれる。そして隙の出来たベルグレストにラバーカップの一撃を加える。

 パフゥ

 僕の能力によって強化されたラバーカップは、ベルグレストの顔面にヒットした。最強と化したラバーカップ、もちろん吸引力も最強だ。

「フゴ、フゴ、フゴォォォ!!!!」

 ベルグレストの顔を完全にふさぐ形となったラバーカップ。呼吸が出来ずに苦しそうだ。これは何とかしなければ。僕はラバーカップを地上に向けて叩きつけるように振った。

 スパーン!!! ヒュゥゥゥ、ドゴーン!

 急速落下する形になったベルグレストは競技場の地面にめり込んだ。追いかけるように僕も中に戻る。

「ぐ、ぐぅぅぅ、くそぉぉぉ!!!」
 僕が地上に戻ると、土まみれになったベルグレストがなにやら憤っている。血圧大丈夫かな?

「あ、そうだ、『くそぉ』で思い出しました。」
「今度は何だというのだ?!」

 そう、僕はベルグレストに悲しい事実を伝えなければならない。

「このラバーカップなんですが・・・使いました。すみません、使用済みです。箱庭・・・ディメンジョンハウスのトイレが詰まったことがあって、その時ウンコを流すのに使いました。本当にすみません。エンガチョ。」

「ぐぁぁぁぁぁ!!!!!」
 ベルグレストは咆哮するかのように叫んだ。
「おいAI、このまま我が負けてしまう。何とかしろ!」

 ベルグレストはAIに助けを求めた。するとベルグレストの体に異変が起こる。彼の体にポリゴンを構成する面のような物が所々に浮かび上がった。

「な、なんだこれは? AIよ、いったい我に何をしている?!」

 ベルグレストだったものは、どんどんと何か違う物に変貌していく。そして周囲の物体を取り込み始めた。これはあからさまにマズイやつだ。

 ついにAIリコリスの直接干渉が始まった。
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