19 / 52
本編 魔神の誕生と滅びの帝都
19 清らかな清流のように整流しよう
しおりを挟む
俺が提案したのは、魔力吸収以外の魔術回路についての実験だ。
過去の実験レポートやイリンが図書館から借りてきた書籍の情報から、俺は疑似魔術回路の規則性についてある程度掴んでいた。
疑似魔術回路は、魔術師が精神に魔術回路を編むのとは違った技術だと認識されているようだ。
それについて魔術師で無い俺が確認する術は無い。
そしてその違いから、卓越した魔術師でも疑似魔術回路の構築は、かなりの困難さがあるらしい。
今回俺は、電撃系の魔法をチョイスした。
問題はその発動だ。
魔力を持たない俺は、電撃の魔術回路を構築しても、そこに力を流し込むことが出来ない。
その部分をエルシアに手伝ってもらうのだ。
「いいわよ。
ここじゃ危険だから、実験室に行くわよ。」
あっさりと了承するエルシア。
俺は離れにある実験室へ招かれた。
何故かイリンも付いてきている。
まあいいか。
「さて、何をすればいいのかしら?」
「俺が疑似魔術回路を作るから、そこに魔力を流し込んでくれ。」
「いいけど、たぶん無理よ。
魔力を魔術回路に流し込むには変換装置が必要なの。
魔力の流れ方を整える必要があるのよ。」
電気で言うところの交流と直流の変換か。
なるほど、じゃあ魔術回路に整流機能を足しておこう。
「とりあえずやってみよう。
駄目なら対策を考える。」
俺は実験室にあった魔晶石の粉を握る。
そして床の上に蒔いた。
同時に力を発動する。
「わあ。」
イリンが幾何学模様を描いた疑似魔術回路に感嘆の声をあげる。
彼女はこの系統の模様がお気に入りらしい。
エルシアが魔法陣のようになった疑似魔術回路に魔力を吹き込んでいく。
すると即座に反応があった。
「きゃっ。」
エルシアが悲鳴を上げる。
そして後ろに飛び退く。
強烈な光がその場で弾けたのだ。
エルシアが飛び退いた先、実はそこには俺がいた。
抱き留めるとかいう状況では無い。
半歩ずらしの状況で、エルシアのエルボーを食らう俺。
見事に俺の脇腹を肘鉄が貫く。
そういえば、半歩ずらしでダメージを受けずに攻撃できるゲームがあったな。
そんなことをふと考えた。
「ぐふぅ。」
俺は腹の激痛によって、現実に引き戻されつつ悶絶する。
「凄い、凄いわ。
魔法が発動した。
こんな簡単に!
ははははは。」
エルシアが突然笑い出した。
怖いよこの人。
俺は腹の痛みから、まだ復帰できない。
突然エルシアが俺の両手を取り振り回す。
「凄い、本当に凄い」と言いながら、俺ごと振り回す。
俺は絶賛悶絶中でそれどころでは無かった。
エルシア、空気読め。
助けてくれたのはイリンだった。
彼女がエルシアを止めてくれたのだ。
「あははは。
これは本当に大発見。
ゴルディン・・・見てなさいよ。
あはははは。」
俺は腹の痛みからようやく抜け出したところだ。
手を離した後も、エルシアは笑い続けていた。
俺とイリンはその姿を呆然と見つめるしかなかった。
過去の実験レポートやイリンが図書館から借りてきた書籍の情報から、俺は疑似魔術回路の規則性についてある程度掴んでいた。
疑似魔術回路は、魔術師が精神に魔術回路を編むのとは違った技術だと認識されているようだ。
それについて魔術師で無い俺が確認する術は無い。
そしてその違いから、卓越した魔術師でも疑似魔術回路の構築は、かなりの困難さがあるらしい。
今回俺は、電撃系の魔法をチョイスした。
問題はその発動だ。
魔力を持たない俺は、電撃の魔術回路を構築しても、そこに力を流し込むことが出来ない。
その部分をエルシアに手伝ってもらうのだ。
「いいわよ。
ここじゃ危険だから、実験室に行くわよ。」
あっさりと了承するエルシア。
俺は離れにある実験室へ招かれた。
何故かイリンも付いてきている。
まあいいか。
「さて、何をすればいいのかしら?」
「俺が疑似魔術回路を作るから、そこに魔力を流し込んでくれ。」
「いいけど、たぶん無理よ。
魔力を魔術回路に流し込むには変換装置が必要なの。
魔力の流れ方を整える必要があるのよ。」
電気で言うところの交流と直流の変換か。
なるほど、じゃあ魔術回路に整流機能を足しておこう。
「とりあえずやってみよう。
駄目なら対策を考える。」
俺は実験室にあった魔晶石の粉を握る。
そして床の上に蒔いた。
同時に力を発動する。
「わあ。」
イリンが幾何学模様を描いた疑似魔術回路に感嘆の声をあげる。
彼女はこの系統の模様がお気に入りらしい。
エルシアが魔法陣のようになった疑似魔術回路に魔力を吹き込んでいく。
すると即座に反応があった。
「きゃっ。」
エルシアが悲鳴を上げる。
そして後ろに飛び退く。
強烈な光がその場で弾けたのだ。
エルシアが飛び退いた先、実はそこには俺がいた。
抱き留めるとかいう状況では無い。
半歩ずらしの状況で、エルシアのエルボーを食らう俺。
見事に俺の脇腹を肘鉄が貫く。
そういえば、半歩ずらしでダメージを受けずに攻撃できるゲームがあったな。
そんなことをふと考えた。
「ぐふぅ。」
俺は腹の激痛によって、現実に引き戻されつつ悶絶する。
「凄い、凄いわ。
魔法が発動した。
こんな簡単に!
ははははは。」
エルシアが突然笑い出した。
怖いよこの人。
俺は腹の痛みから、まだ復帰できない。
突然エルシアが俺の両手を取り振り回す。
「凄い、本当に凄い」と言いながら、俺ごと振り回す。
俺は絶賛悶絶中でそれどころでは無かった。
エルシア、空気読め。
助けてくれたのはイリンだった。
彼女がエルシアを止めてくれたのだ。
「あははは。
これは本当に大発見。
ゴルディン・・・見てなさいよ。
あはははは。」
俺は腹の痛みからようやく抜け出したところだ。
手を離した後も、エルシアは笑い続けていた。
俺とイリンはその姿を呆然と見つめるしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる