異世界転生したら悪役令嬢じゃなくイケメン達に囲まれちゃいましたっ！！

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行き成り現れた彼女は私の事を見下した表情で話を続けた。

「よくもまぁ……こんなにたくさんの殿方に囲まれて……さぞ心地よいでしょうね、エリーヌさん」

嫌味を言いながらもう一人彼女の隣にいる……アーリン…、そうアーリン＝ゴードン。
ゴードン伯爵家ご令嬢だ。
私は二人を見つめながら此処は引いちゃダメ、と心で叫びながら余裕な表情を彼女たちに振り撒いた。


「偶々こうなっただけです。何でしたら其方も此処にお座りになりましたら？」


リッチモンド伯爵家と私のアリフレッド公爵とは敵対する相手。
父とも確執がある貴族のお嬢様だった。
私は此処で引くわけにはいかない。
皆が私たちを見ているのだから。
私が席を勧めるとアリシアの口が開いた。


「結構ですわ。わたくしたちはあちらで貴方達の事を見物させて貰います。ではごきげんよう」


そう言って踵を返すと隣にいたアーリンもアリシアについて行ってしまった。


「いったい何がしたいのかしら…あの二人」
「エリーヌ様の事が気に入らないのですわ。特にアリシア様はこの国の貴族の中でも地位の高いご身分の方です。エリーヌ様がここに居る殿方に可愛がられているのが気に入らないと思っていらっしゃると思います」


イリエットはそう私の耳に囁いた。
確かに周りの女性たちもそんな顔をしながら此方を見ている。
ふん、そんなこと私が知ったことではないわ。
偶々こうなっただけなんだから。
私のハーレム計画を邪魔する奴はどんな奴でも敵対するのみっ。


「エリーヌ、大丈夫かい？　何だか凄い顔をしているよ」


ミカエルが私にそう話しかけた。
確かに眉を顰めて彼女たちを凝視していたのをすっかり忘れていた。
私は笑顔を作って「大丈夫よ」と答えた。
アレックスとニコルにも笑顔を振り撒いた。


「しかし、アリシアも人が悪いわね。あんな風に言わなくても」
「仕方ないわ。これも私のモテモテに対する副作用なものだから」
「え……何をいっているの？　エリーヌ」
「あ……ち、違うの。何でもないわ」


クレアとの会話の中で私の本心が現れてしまった。
私は慌てて手を前に出して左右に振った。
するとタイミングよく鐘の鳴る音が。
講堂に集まっていた生徒たちが一斉に前を向いた。
扉を開ける音がすると講堂にエリット先生が現れた。
今日も最初は魔法の基礎授業。次の時間は確か…。


「この次の授業って…社交の授業だったかしら？」
「そうですわ。今日は実技訓練とか……踊りは苦手なのに」


クレアはそう言ってため息をついた。
そっか、やっぱり社交界のデビューするには踊りが必須。
やるんだ……ダンス。
私は苦手なんだよなぁ……。
現世の時も体育のダンス授業だけはマジで苦手だった。
転生してもそれが付き纏うなんて……なんて不幸な私っ！　
そして今日も魔法学から授業が始まったのだった。